公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

またもや経済危機のイタリア

2018-05-23 12:07:11 | 捨て置けないニュース
追補2018.5.29
『【ジュネーブ=細川倫太郎】イタリアで再選挙を視野にした駆け引きが早くも始まっている。ポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」と極右「同盟」は大統領主導の実務者内閣を拒否し、早期の再選挙を要求。3月4日の総選挙で票が伸び悩んだ政治勢力も復活へ声を上げ始めた。伊政局の焦点は既に次の選挙へ移りつつある。』日経一部


『イタリアでポピュリズム(大衆迎合主義)色の濃い新連立政権が発足する見通しとなり、金融市場では同国の財政拡張に警戒感が広がっている。21日には10年物国債の利回りが一時2.42%と、2017年7月以来ほぼ10カ月ぶりの水準に上昇(債券価格は下落)した。欧州連合(EU)との対立を強めるとの懸念もくすぶり、投資マネーが流出している。』

民主主義は基本的に小刻みなポピュリズムなので、大衆に迎合しない政治家は全体主義体制でもない限り淘汰される。稼げるドイツと稼げる見込みの薄いイタリアとでは、資金調達の信用度が違う。大衆に負担を強いる緊縮財政ができる国は稼げているから許容しているだけ。

問題は事実上の政府紙幣をイタリアが発行する事でユーロシステムが崩壊する事だ。計画段階まで来ている。今年の2月にイタリアにつける薬でも書いておいたが、事実上の通貨(政府紙幣)である短期無利子ミニBOT国債はイタリアユーロの発行と同じ効果がある。『「mini-BOT」と呼ばれるこの短期政府債は、1ユーロから500ユーロまでの小額の額面となり、国債と言いながらも利息は支払われず、償還期限もない。また額面を政府が保証するという、どう見ても政府紙幣となる。ただし、ユーロ圏の法定通貨を発行できるのは欧州中央銀行(ECB)だけであることから、これは法定通貨ではないと主張している。』

ユーロが協調できなくなれば、ただの通貨バスケットになる。シニョリッジ益が蚕食される。それではユーロを造った意味がない。新しい信用度の高い通貨を創造しない限り競争力も蘇らない。故に考えることは、例えばロシアの資源 軍事 ドイツの経済競争力と持続性 といった総合的稼ぐ力とその持続性が保証される戦略を取らざるえない。ユーロが単なるバスケット(通貨交換の計算手段)となる前にメルケルが手を打つだろうと私が予想するのが、マルクとルーブルの統合に向けた経済協力機構から出資を受けるCIS中央銀行の設立ビジョンだろう。問題点は二国の財政をどうするかだが、財政はユーロとルーブルのままで良い。国際決済と投資だけは新通貨で共通基金化する。まずはエネルギー決済から始める。欧州石炭鉄鋼共同体の設立と同じ。やれるところと政府投資勘定科目から始める。これがイタリアの副作用に対する処方箋。
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