公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

SINEUPの医薬品開発

2024-02-23 10:20:00 | 意見スクラップ集
夢夢技術でしょう。


2024年2月21日

理化学研究所
ヒューマン・テクノポール

アンチセンスRNA構造がタンパク質合成を向上する鍵

-SINEUPの医薬品開発にさらなる期待-

理化学研究所(理研)生命医科学研究センター トランスクリプトーム研究チームの髙橋 葉月 研究員、ハルシタ・シャルマ 研究員(研究当時、現 客員研究員)、ピエロ・カルニンチ チームリーダー(ヒューマン・テクノポール ゲノミクス研究センター センター長)らの国際共同研究グループは、機能性アンチセンスロングノンコーディング(lnc)RNA[1]SINEUP(サインアップ)[2]」の機能ドメイン(領域)として働くレトロトランスポゾンSINE[3]の特徴的なRNAの配列と構造が、マウスとヒトに共通して存在し、タンパク質合成を促進する重要な役割を担っていることを発見しました。

今回、国際共同研究グループは、アンチセンスlncRNAに埋め込まれているレトロトランスポゾンSINEをマウス、ヒトから18種類抽出し、細胞内で形成されるRNAの構造とその構造がもたらすSINEUP機能の役割を調査しました。その結果、ほとんどのSINEが共通の機能構造を細胞内で保持しており、標的のmRNAから合成されるタンパク質の量に重要な影響を与えていることが分かりました。

さらに、機能構造を持たないRNAに人工的に機能構造を付加することで、標的とするタンパク質の合成が向上できることを示しました。

本研究成果は、アンチセンスlncRNAの未知の機能を解明する研究の礎となることが期待され、さらにタンパク質の機能を一部失うことにより発症するハプロ不全[4]を伴う希少遺伝性疾患の治療に向けた医薬品開発に貢献することが期待されます。

本研究は、科学雑誌『Nature Communications』オンライン版(2月21日付:日本時間2月21日)に掲載されました。

原論文情報

  • Harshita Sharma, Matthew N Z Valentine, Naoko Toki, Hiromi Sueki Nishiyori, Stefano Gustincich, Hazuki Takahashi* and Piero Carninci*, "Decryption of sequence, structure, and functional features of SINE repeat elements in SINEUP non-coding RNA-mediated post-transcriptional gene regulation", Nature Communications10.1038/s41467-024-45517-3新規タブで開きます

発表者

理化学研究所
生命医科学研究センター トランスクリプトーム研究チーム
チームリーダー ピエロ・カルニンチ(Piero Carninci)
(ヒューマン・テクノポール ゲノミクス研究センター センター長)
研究員 髙橋 葉月(タカハシ・ハヅキ)
研究員(研究当時)ハルシタ・シャルマ(Harshita Sharma)
(現 客員研究員)


2012年の原論文情報

  • Claudia Carrieri, Marta Biagioli, Laura Cimatti, Anne Beugnet, Isidre Ferrer, Silvia Zucchelli, Stefano Biffo, Allistar Forrest, Piero Carninci, Elia Stupka, and Stefano Gustincich.
    "Long non-coding antisense RNA controls Uchl1 translation through an embedded SINEB2 repeat". Nature,2012,doi: 10.1038/nature11508

発表者

理化学研究所
オミックス基盤研究領域 LSA要素技術開発グループ ゲノム機能研究チーム
チームリーダー ピエロ カルニンチ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 令和の御代に良いことが全く... | トップ | 雪止まず »
最新の画像もっと見る