公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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今読ん 「自民党が消滅する日」 岩田温.

2025-03-08 19:57:56 | 日本人
今更だけど、岩田温は親しみやすい気取らない評論家である。自民党応援遺伝子を持った人と言ったほうがいいかもしれない。その岩田氏がこれまでに断片的に危機感を吐露してきた発言をまとめたのが「自民党が消滅する日」である。その岩田氏が絶望する自民党はもう55年体制の反共保守の原型をとどめていないだけでなく、日本主義さえも偶有しない、公約破りを恥としない、我私の猛犬ならぬ猛人の集団である。



Kindleの許される範囲で引用
「あれから25年、自民党も消滅しなかったし、日本も滅亡しなかった。民主党政権の誕生という驚くべき事件があったが、自民党は生き残り続けた。私は自民党が消滅する日など来ないと信じていた。

だが、あの日から全てが急変した。

2022年7月8日、安倍晋三元総理がテロリストの凶弾に斃れた。この日から、日本の歯車が狂いはじめた。集団的自衛権の限定的な行使容認という戦後日本の課題を解決した安倍元総理は間違いなく保守主義の精神に基づいた政治家だった。保守主義の精神とは、我が国に生まれたという宿命を受け入れ、歴史を愛し、将来世代に繁栄した祖国を遺すところにその要諦がある。こうした精神を堅持することが保守政党である自民党の基幹でなくてはならない。

派閥は悪なのか…自民党内の活力源を否定するなかれ
だが、現在、戦後保守政治を牽引してきた自由民主党がガラガラと音を立てて崩れ去ろうとしている。岸田内閣が成立させたLGBT理解増進法から始まり、自民党の総裁選ではその多くの候補者が選択的夫婦別姓制度に前向きだという倒錯した状況に陥った。派閥パーティーにおける政治資金の不記載の問題は、決して看過できないことだが、この問題を解消するためとして岸田総理は「派閥」解消を打ち出した。「派閥」は自民党の弱点であるかのように語られているが、これは端的に言って誤りだ。

派閥の存在があってこそ、党内における活力が生じてくる。派閥を解消すれば執行部の権力が肥大化し、誰も執行部の判断に抗えなくなる。自由民主党から、自由と民主主義がなくなる愚かな決定に他ならなかった。
「自民党の消滅」よりも「日本が消滅しないこと」こそが肝要
既に自民党は消滅しているのかもしれないとの想いも一方でよぎる。要するに、自分たちでは生きているつもりでいながら、「お前はもう死んでいる」と指摘するのが本書の役割になるのかもしれない。保守主義の精神を閑却し、リベラル、左翼に迎合する自民党は既に自民党とは呼べないのは明らかだ。

仮に自民党が命脈を保っていたと仮定してみよう。しかし、その余命は非常に短いものになるはずだ。自民党が消滅するのは極めて容易である。現在の路線を歩み続ければよいのだ。日本の歴史を軽んじ、国益を無視し、国民の生命、財産すら守ろうともしない路線を粛々と歩み、自らの利権にしがみつき続けるだけでよい。日米同盟を軽んじ、中国との友好関係の構築に勤しめばよい。

自民党の議員諸兄には申し訳ないが、問題なのは自民党が消滅すること自体ではない。日本が消滅しないことこそが肝要なのだ。日本が消滅しない選択肢を提示できる政治家こそが求められている。
岩田 温


 2022年7月8日、安倍晋三元総理がテロリストの凶弾に斃れた。この日から、日本の歯車が狂いはじめた。集団的自衛権の限定的な行使容認という戦後日本の課題を解決した安倍元総理は間違いなく保守主義の精神に基づいた政治家だった。保守主義の精神とは、我が国に生まれたという宿命を受け入れ、歴史を愛し、将来世代に繁栄した祖国を遺すところにその要諦がある。

ケネディ大統領が尊敬していた上杉鷹山は、君主たるものの心得を「伝国の辞」として遺したが、その冒頭には次のように記されている。
  「国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれなく候」  国家は先祖から伝えられたものであり、子孫に伝えるべき国家に他ならない。決して、自身の私有物のように扱ってはならぬという保守主義の精神が端的に記された言葉だ。

こうした精神を堅持することが保守政党である自民党の基幹でなくてはならない。 

瓦解する自民党  だが、現在、戦後保守政治を牽引してきた自由民主党がガラガラと音を立てて崩れ去ろうとしている。当時のエマニュエル駐日大使に強要されるかのように、岸田文雄内閣が成立させたLGBT理解増進法から始まり、自民党の総裁選ではその多くの候補者が選択的夫婦別姓制度に前向きだという倒錯した状況に陥った。派閥パーティーにおける政治資金の不記載の問題は、決して看過できないことだが、この問題を解消するためとして岸田総理は「派閥」解消を打ち出した。派閥は自民党の弱点であるかのように語られているが、これは端的に言って誤りだ。派閥の存在があってこそ、党内における活力が生じてくる。派閥を解消すれば執行部の権力が肥大化し、誰も執行部の判断に抗えなくなる。自由民主党から、自由と民主主義がなくなる愚かな決定に他ならなかった。

 左傾化と迎合の病理 (pp. 4-5). (Function). Kindle Edition. 

お前はもう死んでいる」と指摘するのが本書の役割になるのかもしれない。保守主義の精神を閑却し、リベラル、左翼に迎合する自民党は既に自民党とは呼べないのは明らかだ。

岩田温. 自民党が消滅する日 左傾化と迎合の病理 (p. 8). (Function). Kindle Edition. 

一体、我々は何を為すべきなのか。  導きの糸となる言葉をスペインの哲学者オルテガが遺している。  「唯一の希望は絶望する者の数が増えることである」

岩田温. 自民党が消滅する日 左傾化と迎合の病理 (p. 216). (Function). Kindle Edition. 

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