公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

プリオン

2011-01-18 21:02:29 | 健康など
やっぱりな。嗅覚神経からのルートがあったか 牧草が疑われた事があった。

プリオン:空気感染は「非常な少量でも致死」
2011年1月18日
Dave Mosher

空気中に噴霧された『プリオン』にほんの短時間さらされただけで、マウスが100%の確率で
死亡する可能性のあることが、最新の研究によって明らかになった。

「これまでは、プリオンは空気感染しないと考えられて来たので、われわれは非常に驚いた」と、
研究チームの一員でチューリッヒ大学病院の神経病理学者であるAdriano Aguzzi氏は述べている。
研究は1月13日付けの『PLoS Pathogens』に発表された。

ほとんどの感染症は、遺伝子を用いて自らをコピーする細菌またはウイルスによって伝播する。
これに対してプリオンは、1982年に発見された第3の種類の感染症で、誤って折りたたまれた
タンパク質のみでできている。

プリオンの分子は、脳細胞やその他の神経組織にみられる正常なタンパク質と似ているが、
その異常な形状は正常なタンパク質を長い線維に変え、それが最終的には細胞を殺してしまう。

線維は連鎖反応のようにさらなるプリオンを作り続け、やがて宿主は脳や神経組織を破壊
されて死亡する。すべてのプリオン感染症は致死率100%であり、病気の症状は感染から
何カ月も何年も経ってから突然に現われる。

ヒトに発生するプリオン病は、クロイツフェルト=ヤコブ病を含めてこれまでに5種類が
知られている。ヒト以外の動物に生じるものでは、スクレイピー、慢性消耗病、牛海綿状脳症
(BSE、いわゆる狂牛病)など、6種類が知られている。

ヒトのプリオン感染者は米国で100万人当たり年間1~2人にすぎないが、コロラド州のシカの
一部個体群では、慢性消耗病の感染率が全体の15%にものぼるという。これらの感染症は、
感染した体液や組織を介して伝播するが、空気感染の可能性については、これまでは決定的
でない証拠が存在するのみだった。

プリオンが哺乳類に空気感染する可能性を確かめるべく、研究チームは、複数の小さな
グループに分けたマウスに対して、スクレイピーを引き起こす種類のプリオンを含む
エアロゾルを、それぞれ濃度と曝露時間を変えて噴霧した。

その結果、ごく低濃度のプリオンにさらされた1グループを除いて、すべてのマウスが
プリオンに感染し、曝露から約150~200日後に死亡した。また致死量に関しては、
プリオンの濃度よりも曝露時間のほうが影響が大きいことが明らかになった。

例えば、マウス4匹のグループを、プリオンに感染した少量の体液[脳をすりつぶした組織を
噴霧したもの]に1分間曝露させたところ、マウスは約200日後にスクレイピーにより死亡した。

他の方法で曝露させる場合、通常は高濃度のプリオンでないと影響は生じないため、これほどの
致死率は予想外だったとAguzzi氏は述べている。例えば経口で感染を引き起こすには、脳から
脳への汚染に比べて約10万倍の量のプリオンが必要になるという。[今回の実験では、プリオンは
気道から直接脳に入り込んだとされている]
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2 コメント

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こういうベンチャーが必要 (Okayama)
2011-01-31 12:16:03
英国のGlasgowにある University of Strathclydeは、2011年1月21日、同大学の研究者が開発したメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)といった薬剤が効かない超強力な細菌(superbugs)による感染や微生物汚染に対処する技術を商用化する目的でFixed Phage 社が設立されたと発表した。
返信する
ルート (Okayama)
2011-01-19 14:25:05
他の投与経路で感染しなかったのだから、気道から脳神経まで分布するのは無理じゃろ。
返信する

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