基本は乱読。テーマがありそうでない読書方法。原則は新作は読まない。
今年は読書ペースが落ちて、発見というほどの出会いはなかったが、黒川博行のミステリーにはまり、だいぶ無駄遣いをした。手元に残す読書ではないので資産価値はない。『神よアフリカに祝福を』は縁があったので、感傷的になってしまった。「安部公房とわたし」山口果林が愛人だったことを知らなかったのでファンとして衝撃だった。
『半径5メートルの野望』は只今炎上中のはあちゅう 伊藤 春香までよんでいたことさえ忘れていた。
最も重いのは『告白』三島由紀夫
芋づる的発見読書のヒットは『ザ・一九六八 』府川 充男かな、これに続く読書シリーズが「吉本隆明と共同幻想」高橋順一、高校紛争 1969-1970 - 「闘争」の歴史と証言 小林 哲夫、『愛と憎しみの新宿』半径一キロの日本近代史 平井玄著
おかげで『共同幻想論』他界 巫女 など吉本隆明ももう一度読み返してみた。
角川文庫昭和56
『原節子の真実』も久しぶりの石井妙子らしさがでていた良作品。
『第二次世界大戦の起源』A.J.P. テイラー 吉田輝夫訳なども昭和を掘る上で参考図書にした。
今年は読書ペースが落ちて、発見というほどの出会いはなかったが、黒川博行のミステリーにはまり、だいぶ無駄遣いをした。手元に残す読書ではないので資産価値はない。『神よアフリカに祝福を』は縁があったので、感傷的になってしまった。「安部公房とわたし」山口果林が愛人だったことを知らなかったのでファンとして衝撃だった。
『半径5メートルの野望』は只今炎上中のはあちゅう 伊藤 春香までよんでいたことさえ忘れていた。
最も重いのは『告白』三島由紀夫
芋づる的発見読書のヒットは『ザ・一九六八 』府川 充男かな、これに続く読書シリーズが「吉本隆明と共同幻想」高橋順一、高校紛争 1969-1970 - 「闘争」の歴史と証言 小林 哲夫、『愛と憎しみの新宿』半径一キロの日本近代史 平井玄著
おかげで『共同幻想論』他界 巫女 など吉本隆明ももう一度読み返してみた。
角川文庫昭和56
の序は以下のように子供の頃の恐怖によって締められている。阿部謹也の世間ではなく薄暗いところに蠢く幻想のゲシュタルト
『この本の主題は国家が成立する以前のことをとり扱っているから、もともとは民俗学とか文化人類学とかが対象にする領域になっている。だが民俗学とか人類学とかが普通扱っているような主題の扱い方をとろうとはおもわなかった。また別の視方からは国家以前の国家のことを対象にしているから、国家学説の問題なのだが、そういうとり扱い方もとらなかった。また編成された宗教や道徳以前の土俗的な宗教や倫理のことを扱っていても、宗教学や倫理学のように主題をとり扱おうともかんがえなかった。ただ個人の幻想とは異った次元に想定される共同の幻想のさまざまな形態としてだけ、対象をとりあげようとおもったのである。人間のさまざまな考えや、考えにもとづく振舞いや、その成果のうちで、どうしても個人に宿る心の動かし方からは理解できないことが、たくさん存在している。あるばあいには奇怪きわまりない行動や思考になってあらわれ、またあるときはとても正常な考えや心の動きからは理解を絶するようなことが起っている。しかもそれは、わたしたちを渦中に巻き込んでゆくものの大きな部分を占めている。それはただ人間の共同の幻想が生みだしたものと解するよりほか術がないようにおもわれる。わたしはそのことに固執した。
この本のなかに、わたし個人のひそかな嗜好が含まれてないことはないだろう。子供のころ深夜にたまたまひとりだけ眼がさめたおり、冬の木枯の音にききいった恐怖。遠くの街へ遊びに出かけ、迷い込んで帰れなかったときの心細さ。手の平をながめながら感じた運命の予感の暗さといったものが、対象を扱う手さばきのなかに潜んでいるかもしれない。その意味ではこの本は子供たちが感受する異空間の世界についての大人の論理の書であるかもしれない。』
『原節子の真実』も久しぶりの石井妙子らしさがでていた良作品。
『第二次世界大戦の起源』A.J.P. テイラー 吉田輝夫訳なども昭和を掘る上で参考図書にした。