《金融庁が地方銀行の経営改革に大きく踏み込む背景には、小規模行を中心に業績悪化に歯止めがかからないという危機感がある。このまま放置して事業継続に黄信号がともれば、金融システムを揺るがす問題にも発展しかねない。
金融行政方針では地銀の業績不振が一段と深刻になっている現状も浮き彫りになった。金融庁の集計によると、2018年度に地銀が貸し出しと手数料収入で得た本業の利益は105行の約4割で赤字だった。このうち5期以上連続で赤字の銀行は前年度より4行多い27行で、全体の約3割に上った。本業で稼ぐ力が回復せず黒字転換できない状況が続いている。
超低金利で貸し出しから得る利ざやが縮小しているのに加え、融資先の貸し倒れに備えて引き当てる信用コストの負担が重くのしかかる。融資残高に占める信用コスト額を示す「信用コスト率」は17年度以降は上昇が続いている。
バブル崩壊後の金融危機で不良債権が膨らんだ時期に比べれば低いが、金融庁は経営のリスク要因と分析。投資信託など有価証券の売却で利益を補う余力も限界があるとして「益出しで将来にわたり継続的かつ安定的に収益をあげることは困難だ」と警鐘を鳴らした。》
低金利の原因は借り手がいないことにある。企業は資金が足りないくらいがちょうどいい。しかし日本の大企業はバブルの後始末以降、経営に投資を控えさせ、バランスシートの改善が30年間に渡り自己目的化されてしまった。
日本の大企業の集まりである経団連は、資金需要創出の流れを止めて、本来なら率先して行うべき前向き投資をやめてしまったために資金過剰となっている。内部留保は必要だが過剰では企業の役割を果たしているとは言いがたい。売上げ原価率8.8%のNTTドコモは純資産7.8兆円のうち投資に回しているのはたったの1.152兆円7.85%にすぎない。売上げは4.8兆円あるのだから、原価4220億円の3倍にも行かない。メーカーでない特殊性を考慮しても、売上げ原価の10倍4兆2000億円は累計投資すべきだろう平均7年で投資を回収するとしても、利益率は81.2%なんだから、どう少なく見積もっても3兆4290億円は7年目に回収できるビジネスをやるべき。
NTTドコモだけではない。大企業のマインドが既存ビジネスに乗っているだけで、何も開拓してこなかった。iモードを作った時点で止まっている上に、海外の開発品のいいところが取れると疑っていない。5Gも様子を見ている。
このような大企業の団体が政府に対して投資促進政策や財政支出との連動によるダイナミックな提案ができるはずもない。新経団連を創設するときが来ている。
具体的には株主として物言う新経団連の創設である。つまり団体が共同してファンドを組成して 各企業内に放置されているビジネスの種に対して相補的に投資するのだ。当然各事業はカーブアウトさせる。まずはその手始めの旗印として全ての既存事業のサービス化にASS投資する。モノを売る前にサービスを提供する。モノの値段はあげられないから当然手出しが先で赤字になるが、必要なモノの供給や設計、仕様決定の煩雑さが自動化されれば、人員を増やさずに売上げをあげることができる。もっとも消費者に遠く見える土木産業なども、既存工事の図面共用化や繁忙の情報、隘路と予想されるリソースのネットワークによって工期と完成時期を自動で最適化できるならば、各役場の土木部は削減できる。そうやって7年で回収する。こういう事例は無限にある。政府がこういう動きを制限する場合は安全保障上の理由または環境破壊が深刻な場合に限る。
こういう動きがあるのか!考えることは同じ。
2019/8/30 21:40
コマツが金融サービス事業に乗り出す。30日、官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)や三井住友銀行など5社で新会社を発足したと発表した。スマートフォンで建設資材などを購入できるサービスのほか、保険やリースの提供を予定する。中小の建設事業者の資金繰りなどの支援を通じて業界のデジタル化を進めると同時に、自社の収益拡大につなげる。
このほど新会社ランドデータバンク(東京・千代田)を設立した。第1弾として建設会社など向けに専用アプリを提供。主に国内の中小の建設事業者について、工事の進捗などのデータと連携させつつ資材費を立て替え、資金繰りを支える。コマツの大橋徹二会長は「(建設事業者は)支払いが先行する中で運転資金を確保したいというニーズが強い」と説明する。受発注作業をデジタル化することで、間接業務の負担も軽くする。
資本金4億円のうちINCJが70%、コマツが15%、残りの15%を三井住友銀行、三井住友ファイナンス&リースと三井住友カードの計3社が出資した。増資も検討する。25年に業務を終了するINCJの持ち分は他の建機メーカーや地銀に振り向け、建設現場で共通に使われる基盤に育てたい考えだ。
コマツは17年にNTTドコモなどと組み、建設現場のデータを集めるデータ基盤会社「ランドログ」を設立。新たに始める金融サービスと連携させれば、建設現場の進捗や工事の受発注のデータを基に与信算出でき、建設会社は適切なタイミングで資材を調達しやすくなる。建設会社が資金繰りや資本力の問題で工事を断念していた案件なども、実績に応じて受注できるようになるとみる。
《経団連ルールでは、3年生の3月に説明会を、4年生の6月に選考を、解禁するとされてきた。経団連はルールを廃止し、21年卒からは政府に委ねられることになった。いわば、経団連ルールが「政府ルール」に変わったとも言える。これを受けて政府は、21年卒の就活では現行スケジュールを踏襲することが望ましいとした。》
金融行政方針では地銀の業績不振が一段と深刻になっている現状も浮き彫りになった。金融庁の集計によると、2018年度に地銀が貸し出しと手数料収入で得た本業の利益は105行の約4割で赤字だった。このうち5期以上連続で赤字の銀行は前年度より4行多い27行で、全体の約3割に上った。本業で稼ぐ力が回復せず黒字転換できない状況が続いている。
超低金利で貸し出しから得る利ざやが縮小しているのに加え、融資先の貸し倒れに備えて引き当てる信用コストの負担が重くのしかかる。融資残高に占める信用コスト額を示す「信用コスト率」は17年度以降は上昇が続いている。
バブル崩壊後の金融危機で不良債権が膨らんだ時期に比べれば低いが、金融庁は経営のリスク要因と分析。投資信託など有価証券の売却で利益を補う余力も限界があるとして「益出しで将来にわたり継続的かつ安定的に収益をあげることは困難だ」と警鐘を鳴らした。》
低金利の原因は借り手がいないことにある。企業は資金が足りないくらいがちょうどいい。しかし日本の大企業はバブルの後始末以降、経営に投資を控えさせ、バランスシートの改善が30年間に渡り自己目的化されてしまった。
日本の大企業の集まりである経団連は、資金需要創出の流れを止めて、本来なら率先して行うべき前向き投資をやめてしまったために資金過剰となっている。内部留保は必要だが過剰では企業の役割を果たしているとは言いがたい。売上げ原価率8.8%のNTTドコモは純資産7.8兆円のうち投資に回しているのはたったの1.152兆円7.85%にすぎない。売上げは4.8兆円あるのだから、原価4220億円の3倍にも行かない。メーカーでない特殊性を考慮しても、売上げ原価の10倍4兆2000億円は累計投資すべきだろう平均7年で投資を回収するとしても、利益率は81.2%なんだから、どう少なく見積もっても3兆4290億円は7年目に回収できるビジネスをやるべき。
NTTドコモだけではない。大企業のマインドが既存ビジネスに乗っているだけで、何も開拓してこなかった。iモードを作った時点で止まっている上に、海外の開発品のいいところが取れると疑っていない。5Gも様子を見ている。
このような大企業の団体が政府に対して投資促進政策や財政支出との連動によるダイナミックな提案ができるはずもない。新経団連を創設するときが来ている。
具体的には株主として物言う新経団連の創設である。つまり団体が共同してファンドを組成して 各企業内に放置されているビジネスの種に対して相補的に投資するのだ。当然各事業はカーブアウトさせる。まずはその手始めの旗印として全ての既存事業のサービス化にASS投資する。モノを売る前にサービスを提供する。モノの値段はあげられないから当然手出しが先で赤字になるが、必要なモノの供給や設計、仕様決定の煩雑さが自動化されれば、人員を増やさずに売上げをあげることができる。もっとも消費者に遠く見える土木産業なども、既存工事の図面共用化や繁忙の情報、隘路と予想されるリソースのネットワークによって工期と完成時期を自動で最適化できるならば、各役場の土木部は削減できる。そうやって7年で回収する。こういう事例は無限にある。政府がこういう動きを制限する場合は安全保障上の理由または環境破壊が深刻な場合に限る。
こういう動きがあるのか!考えることは同じ。
2019/8/30 21:40
コマツが金融サービス事業に乗り出す。30日、官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)や三井住友銀行など5社で新会社を発足したと発表した。スマートフォンで建設資材などを購入できるサービスのほか、保険やリースの提供を予定する。中小の建設事業者の資金繰りなどの支援を通じて業界のデジタル化を進めると同時に、自社の収益拡大につなげる。
このほど新会社ランドデータバンク(東京・千代田)を設立した。第1弾として建設会社など向けに専用アプリを提供。主に国内の中小の建設事業者について、工事の進捗などのデータと連携させつつ資材費を立て替え、資金繰りを支える。コマツの大橋徹二会長は「(建設事業者は)支払いが先行する中で運転資金を確保したいというニーズが強い」と説明する。受発注作業をデジタル化することで、間接業務の負担も軽くする。
資本金4億円のうちINCJが70%、コマツが15%、残りの15%を三井住友銀行、三井住友ファイナンス&リースと三井住友カードの計3社が出資した。増資も検討する。25年に業務を終了するINCJの持ち分は他の建機メーカーや地銀に振り向け、建設現場で共通に使われる基盤に育てたい考えだ。
コマツは17年にNTTドコモなどと組み、建設現場のデータを集めるデータ基盤会社「ランドログ」を設立。新たに始める金融サービスと連携させれば、建設現場の進捗や工事の受発注のデータを基に与信算出でき、建設会社は適切なタイミングで資材を調達しやすくなる。建設会社が資金繰りや資本力の問題で工事を断念していた案件なども、実績に応じて受注できるようになるとみる。
《経団連ルールでは、3年生の3月に説明会を、4年生の6月に選考を、解禁するとされてきた。経団連はルールを廃止し、21年卒からは政府に委ねられることになった。いわば、経団連ルールが「政府ルール」に変わったとも言える。これを受けて政府は、21年卒の就活では現行スケジュールを踏襲することが望ましいとした。》