今どき大和魂などというと時代錯誤と思われるが、ごく自然に日本人になった無教養というよりは、世間が伝承する教養だけで純粋に大人になりかけている若者つまりヤンキーを見ていると、彼らこそ歴史的大和魂の脈流を受け継いでいると感じることがある。
自分達が本能的に納得できる対立問題の解決策はタイマンであり、事件の経緯やその事実や正義より相互復讐の均衡維持がヤンキーの所属する集団により大切である。
法の支配が信用できない時、自力救済は本当の加害者による謝罪より殴られ役による解決が即決合理的である。もののあわれには、猛々しく死をも恐れず対決的に団結するところと調和的に現世至上なところがある。これが矛盾していないのが大和魂であろう。
中世や戦国期に成立した喧嘩両成敗や無縁な下手人提示という自力救済思想は後者の落とし所を踏まえた対決的前者と思う。
ありのままの猛々しい大和魂は集団的で示威的である。団結と縄張り示威自体が目的だから純粋過ぎて当事者以外には無意味で時に迷惑である。
例えばバイクで公道に停止しつつ爆音だけを鳴らす。周りが同じリズムで呼応する。延々と続く。これこそ大和魂である。彼らの目的は自分達の爆音の音色を認識しうる周辺のわかる同世代集団たちに対して、後部座席に乗せたトロフィーガールを俺らが囲い込んだという同世代へのお知らせをしているのだ。それにより潜在する動物本能的トラブルを避けようとする儀礼だ。大人が気を回すように、爆音によって何か社会を変えようというのではない。尾崎豊もその類のバイク窃盗を歌っていた。これは江戸時代の吉原の花魁道中の再現のようなものだ。男も女も局所的社会頂点を主観的に極めて荒ぶり誇らしく現世を肯定している。
一見大人に反抗しているようでいて極めて現世調和のヤンキー至上主義である。日本を担う真面目な社会人になる素質があるのは、学校の良い子よりヤンキーの方であろう。なぜなら彼らには守るもの彼女と大和魂がある。
もののあわれは儚くも猛々しい心情を共有する日本人、ヤンキー達がやがてぶつかる人生の困難も顔で笑い心で泣きとどめ、集団で乗り越えてゆく。それが日本人の共通属性である。ご先祖は皆そうしてきた。
下手人という用語も、相対主義の帳尻合わせで、犯人とは限らなかった。赤松義雅は失踪し、なんと同じ自分たちの支配下の被官代理人が切腹した。この発想には紛争解決が正義を上回るという帰属集団本位主義が基礎にあるが、イエ ムラ マチ という基本構造＝帰属集団が消滅した時の被官を得るまでの過酷さが理解できなければ、理不尽なことである。もうお分かりだろうが、正義や罪刑対応などどうでもよく、起訴事実や正義より相互復讐の均衡が重要だったのが、大和心の有り様である。平和的現世調和と猛々しい真善美の道の連立式が大和心である。
こんな参拝を内心の赴くままにするようじゃ天皇もオワコン。内心の自由を認めないから神官の頂点天皇、スメラミコトであるのに、内心の自由が普通の日本人と同じならば、神官の頂点の資格はない。日本国に生を受けた累々たる神民の縁を受け止めるための徳の器、すなわち生ける人柱がスメラミコトの覚悟である。このままの明仁天皇では退位後クリスチャン信仰を告白してローマ教皇の洗礼を受けても良いことになる。そんなことは許されるはずもない。天皇にヒラ国民と同じ人権などない。個人の内心の自由を行使するお覚悟であるならば、職業選択の自由も与えるから、国庫に財産を全部返納してゼロからの国民に帰しても良い。憲法解釈上、犯罪を犯しても逮捕も訴追もされない天皇が、内心の自由を盾にスメラミコトの義務を儀礼化してしまえば、究極の極道にさえなり得る。そういう陥穽を憲法と皇室典範は本質に抱えている。
『 天皇、皇后両陛下は20日、私的旅行のため埼玉県日高市を訪問された。７世紀に朝鮮半島の高句麗から日本に渡った王族をまつる高麗神社を参拝。近くにある宮司の住まいだった国の重要文化財「高麗家住宅」を見学し、天皇陛下は「いろんなことがよく残っていますね」と話されていた。
同市では全国有数のヒガンバナの群生地「巾着田曼珠沙華（まんじゅしゃげ）公園」も訪問。鮮やかな赤に染まって見ごろを迎えたヒガンバナの中を散策された。
日程は１泊２日で、21日には同県深谷市で「日本近代資本主義の父」といわれる渋沢栄一ゆかりの地を訪ねられる。』
