公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

今読んでる『白昼の死角』高木彬光

2018-10-18 14:08:00 | 今読んでる本

「少し 、大きすぎはしないかな ? 」九鬼善司はちょっと首をひねったが 、そんな異議を聞きいれる彼ではない 。 「青年よ大志を抱け ― ―とクラ ーク博士も言っている 。国家は敗戦では滅びない 。ただ国民が魂を打ち砕かれたとき滅びる ― ―とビスマ ークも言っている 。今度の戦争で負けたのは 、東条はじめ 、過去の指導者たちの責任だ 。われわれ青年が 、これぐらいの志を持つのはとうぜんきわまることだ 」 「賛成 ! 」


1960年の作品子供の時に親父の本でこっそり読んだ。

『白昼の死角』今はアマゾンプライムで読める。盛んに東京裁判の逸話が出てくる。法か力かとなると、結局力が勝ることになり不法な法定の判決も金科玉条で通用する。なにが悪事でなにが善意かわからない時代と現在とを比較しても、詐欺の立証は学理に合致している事業ほどその立証が難しいことには変わりがない。


法は力、正義の仮面はつけていても、決して正義ではないのです。私のこの十年の生涯は、力に対する力の闘争でした。そして鶴岡七郎という人間は、その勝利に満足して死んでいったのです。  それはもちろん、私個人の死を意味するものではありません。死んでそして生き返る――。金森光蔵氏の教訓に従って、私はまったくの別人としてふたたび別の人生へ第一歩をふみ出してきたのです。  おそらく、私が日本の地をふむことは二度とないでしょう。先生とも、もう永久にお目にかかる機会はないと存じますが、ご健康に十分ご留意のうえ、ますますご活躍あらんことを、せつにお祈りしてやみません。 昭和三十四年三月一日 神を恐れざる男  鶴岡七郎」


鶴岡七郎がその後別人として米国でどうなったか消息はない。それが本当かどうかもわからない。



1979年4月7日公開の映画になっていたとは知らなかった。配役は 

 

ドッジラインの阿鼻叫喚の資金供給規制があったから、犯罪の背景となる約手詐欺が成立する戦後日本経済の混乱は今P2P融資を登録規制する中共主導経済に似ている。登録よりも廃業を選んでいる。昭和25年6月朝鮮戦争が始まって急に需要が伸びても、闇物資景気から急激な株安に突入し、資金がない、外貨がないと言う状況が昭和24年頃の日本経済だった。この年の総選挙は激烈を極めて2当1落(二〇〇万円使えば当選、100万円では落選する)といわれる金権選挙のはしりとなった。また、『三バン』 (選挙戦で当選するには『ジバン』(地盤)、『カンバン』(看板=肩書)、『カバン』(鞄―金)の三つのバンが必要条件という意味)が流行語となる。 『《1949年(昭和24)一月、戦後三度目となる総選挙を前に、マッカーサーは「日本の民主化は終了し、今年は経済の安定に取り組む年である」との年頭所感を発表、対日占領政策の転換を示唆した。》マッカーサーは労組圧迫人員整理を後押しした。《 二 前年末以来の九原則・ドツジラインを基調とする均衡財政政策によつて,各企業はインフレに便乗した放慢な 経営を一擲して企業合理化の方向に進んだが,その対策の第一段階は一應人員整理に求めざるを得なかつた。い ま,労働省職業安定局調査による企業整備状況を示せば,二-一二月間に約四十四万人の常用労働者が整理されてい るが,これによれば,企業整備は五月以後急激に増加して七月に最高に達し,以後漸減の傾向を示している。七月の ピークについては國鉄・郵政・電通等の政府関係官庁の行政整理が強く影響している。 第三表 企業整備実施状況》』

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