とニューズウィークは書いている。<専門家はロシア側の活動を監視することで核攻撃が差し迫っているかどうかを予測することが可能だと指摘>プーチンは核兵器使用の決断を前の脅しの時もしなかったので当時兆候はなかった。
では今はどうなのか?それについては述べていない。そこがこのニュースの読みどころ。
そもそも無いという証明は悪魔の証明。プーチンと米国がグルで同じチームの場合以外は、有れば99%察知できるという観察研究を根拠に無いという実証はできない。見逃しや擦り抜けは避けられないと考察するのが真の専門家である。
プーチンが核攻撃を決断すれば「アメリカが検知する」
2022年9月22日 19:37 ニューズウィーク日本版 REUTERS
<専門家はロシア側の活動を監視することで核攻撃が差し迫っているかどうかを予測することが可能だと指摘>
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領による再度の「核の脅し」を受けて、今度こそロシアの核攻撃が迫っているのでは、と懸念する声が上がっている。だがアメリカは、プーチンが攻撃を計画した段階で、それを検知することができるという。
プーチンは9月21日、NATOが核兵器でロシアを「脅そうとした」と非難した。事前収録されたテレビ演説の中で、ロシア側も「さまざまな大量破壊兵器を保有しており」、反撃の用意があると警告。「ロシアと国民を守るために、あらゆる手段を行使する」つもりだと述べ、「はったりではない」とつけ加えた。
ロシアにとっても核兵器の使用は最後の手段だが、専門家は、もし本当にプーチンが核攻撃を決断しても、アメリカは事前にそれを検知することができるだろうと指摘する。
全米科学者連盟の核情報プロジェクト責任者であるハンス・クリステンセンは本誌に対し、プーチンが核兵器の使用を決定した場合、中央保管施設から持ち出さなければならない短距離核戦力よりも、既に警戒態勢に入っている長距離核戦力を使用する方が迅速に動けるだろうと指摘した。
核活動の監視から予測は可能
米情報当局はロシアの核兵器保管施設を監視しており、核弾頭がトラックやヘリコプターに積み込まれたり、核兵器を扱うための特殊訓練を受けた部隊の活動が活発化したりした場合に、それを検知することができる。これらの活動は、プーチンが短距離核戦力による攻撃の準備に着手したことを示すものとなる。
一方で地上型の移動式発射台、ミサイル潜水艦や巡航ミサイルの移動が通常よりも増えた場合には、長距離核戦力が使用される可能性があると予測できる。「核兵器の指揮統制システムや通信全般における検知可能な活動が増えることからも、何かが起きていることが伺える」とクリステンセンは指摘した。
全米科学者連盟によれば、ロシアは世界最大の核兵器保有国で、保有する核弾頭は推定5977個にのぼる。世界で2番目に多いのがアメリカの4428個、その次がフランスの290個だ。
米軍備管理不拡散センターの政策担当シニアディレクター、ジョン・エラスによれば、こうした核活動の監視は冷戦以降、当たり前のことになっていると本誌に語った。
プーチンが核攻撃の警告を発したのは今回が初めてではない。ウクライナへの軍事侵攻を受けて西側諸国が対ロ制裁を発動し、またグローバル企業がロシアから撤退し始めた2月末には、核戦力を含む「核抑止部隊」を、任務遂行のための高度な警戒態勢に移行させると言った。
だが当時はプーチンが核攻撃の準備を行っていることを示す動きはみられなかった、とクリステンセンは言う。彼は今回も当局者たちが前回同様にロシアの動きを観察し、脅威がどれだけ差し迫ったものか否かを明らかにすると期待している。またアメリカ側も1000発近い核兵器を数分以内に発射できる態勢にあるため、プーチンが核攻撃を行っても、すぐに反撃できるともいう。
米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー報道官は21日、もしもロシアが核兵器を使用すれば「深刻な結果」がもたらされることになると述べたが、現時点ではウクライナでの戦闘がそこまでのレベルにエスカレートすることを示す情報は「一切ない」とも説明した。
キャサリン・ファン