JELIS(The Japan EPA Lipid Intervention Study)は,日本人の高脂血症患者を対象にスタチンを両群に投与し,イコサペンタエン酸(EPA)長期投与が主要冠動脈イベントを有意に19% 抑制することを証明した大規模介入臨床試験である.この画期的な報告は,日本人のエビデンスに基づいたガイドラインを作成するうえで極めて重要な成績である.
砂糖にはコカインよりも高い依存性がある。
ピルズベリーに入社して26年間、6人の最高経営責任者(CEO)の下で働いてきたジェームズ・ベーンクは、塩と砂糖と脂肪の威力を知りすぎるほどよく知っていた。化学を学び、食品科学の博士号を取ったベーンクは、1979年にピルズベリーの最高技術責任者となり、数々のヒット商品を手掛けた。電子レンジ式のポップコーンもその一つだ。彼は、ピルズベリーという会社にも、その社員たちにも、そして同社のブランドが持つ温かいイメージにも、深い敬意と誇りを持っていた。しかし数年前から状況が変わりはじめた。同社のマスコットキャラクターはパン生地をモチーフにした「ドゥボーイ」だが、そのあどけなく親しみやすいイメージに影が差しはじめたのだ。重度の肥満で満足に遊ぶことすらできない子どもたちの映像がニュースで流れるようになってきた。2型糖尿病を発症した子どもや、高血圧や心臓病の初期症状が見られる子どもも増えつつあった。
The Pillsbury Company was a General Mills in 2001. Orrville, Ohio–based Martha White and Hungry Jack.[2]
=++‐‐‐「P」は購買、すなわち、一般市民の健康への懸念「H」をたやすく凌駕する脂肪分と塩分の魅力である。調査を進めるにつれて見えてきたことがある。塩分・糖分・脂肪分は加工食品においてさまざまな役割を担っているが、中でもとりわけ強力で、そして心配な側面は、食品メーカーが競争力を高めるために塩や糖や脂肪の形態や構造を変化させていることである。ネスレの科学者たちは現在、脂肪分の吸収率といわゆる「口当たり」を変化させようと、脂肪粒子の分布と形状について試行錯誤を繰り返している。塩の世界的供給業者であるカーギルでは、科学者たちが塩の形状の改変に取り組んでいる。砕かれて微細な粉末状になった塩は、より素早く、より強力に味蕾を刺激し、同社が言うところの「風味バースト」が増す。糖分も無数の方法で加工されている。たとえば、最も甘味が強い糖であるフルクトース(果糖)は、結晶化の技術が確立されて、食品の魅力を大きく高めるための添加物として利用されている。糖分の甘味を通常の200倍に高める甘味増強剤も作られている。塩分・糖分・脂肪分の物理的操作は、使用量を抑えるための取り組みとして、「低脂肪」や「低糖」といううたい文句で表現されることがある。たとえば「この特殊な塩なら塩分の使用量が少なくて済みます」のように。しかしここには、加工食品業界の聖域も存在する。製品の栄養面を改善しようとすると、場合によっては魅力が低下しかねない。そこで業界はひねり技にたどり着いた。たとえば脂肪を「問題児」として減らしたなら、黙って砂糖の量を増やす。そうして消費者をつなぎとめておくのである。