公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

東京大学や京都大学など日本の大学

2018-06-04 09:50:51 | 捨て置けないニュース
『東京大学や京都大学など日本の大学は世界の中で相対的な地位が低下している。学術論文数と研究の質の関係を見ると、2002~06年の論文数では東大は米ハーバード大学に次ぐ2位、京大も8位につけていた。研究の質でも欧米の有力大学のグループに次ぐ位置につけ、研究活動は世界でも有数だった。ところが。。。』日経新聞一部抜粋


東京大学や京都大学など日本の大学に未練はないけど、未来が無いのは問題でしょう。国立大学の予算配分は学生数が2:1で理系が多いので、ほとんどが理系であるにもかかわらずこの体たらく。我々の世代の研究者がちゃんと後進を育てれられなかったということです。
将来が約束された大学生なんていうのは金色夜叉の昔話の幻想になって久しい。当時でさえ金の前には無力の学歴、況してや低迷する日本経済の理系の大学生になんの魅力がありましょう。


映画金色夜叉。金色夜叉(1932年、不二映画社) - 荒尾譲介
左のブ男が鈴木伝明。
右が浦辺粂子。30前には見えない。




鈴木 傳明(すずき でんめい、1900年3月1日 - 1985年5月13日)は、日本の映画俳優、水泳選手。本名は同じ鈴木傳明だが、読みはつぐあきら。無声映画時代に活躍した現代劇の映画スター。
浦辺粂子(うらべ くめこ、1902年10月5日 - 1989年10月26日)は、日本の女優。本名は木村 くめ。浅草オペラや旅回りの一座を経て日活京都撮影所に入り、『清作の妻』『塵境』『お澄と母』などに主演し性格女優として人気を博した。その後は日本を代表する老け役として活躍し、60年以上の女優生活の中で300本以上の映画に出演した。晩年は、おばあちゃんアイドルとしてテレビのバラエティ番組にも多く出演した。



科学研究というのは一人で何でもできるものではない。アイディアと数式中心の物理学でさえ実証実験が巨額の装置と数百人の細かい仕事が積み上げられてやっと実証できる巨大組織研究になっている。ウェット系は研究のユニークなリソースが手元に(網羅的に)なければ、既存情報の切ったりはったりのエンジニアリングの発展で終わる。リソースを必要とする研究にはすそ野が必要なのです。すそ野には時間がかかる。短期のカンフル注射で研究が目覚めるわけではない。緊縮財政のなかで総額500億円の予算を確保した当時の関係者には敬意を表したいが、その方々は結果が出るまで研究の成り行きを見守ったのですか?




研究国力というのはトップの高さとすそ野で決まる。例えば2009年 以下の趣旨でFIRSTプログラムを実施中でトップ30人に20~50億円の幅で予算をつけった結果はどうだろう。以下『@@』はホームページに消されずに残っていた情報。
『FIRSTプログラムは、内閣府の総合科学技術会議により2009年5月に創設されました。日本の中長期的な国際競争力、底力の強化を図るとともに、その成果をさまざまな形で社会や国民に還元し、世界に情報発信していくことを目的としています。公募により採択された各研究プロジェクトの中心研究者は、新たな分野を開拓する基礎研究から、実用化を視野に入れた研究開発まで、それぞれ約15億~60億円が割り当てられ、およそ5年で世界のトップに到達することをめざしています。』
と言っていたことは約10年経過してどうなったかというと、もちろん研究の進展はあるだろうが、インプットほどの成果だったろうか?既に選考の時点でトップクラスの研究をしていた審良静男氏、山中伸弥、田中耕一氏は(2014年には血液からアルツハイマー病の原因物質を検出できる段階に達した)別として、そのほかの皆さんはトップ域に到達したのだろうか?それでも結果として論文の質と量が劣るのはトップの山が高くないからではないだろうか?評価方法も含め、大学の価値を考え直してみてはどうだろうか。2009年の時点で有機ELとか選考している時点で遅れていたのではないか。ソニーやパナソニックが有機ELテレビの開発を凍結したのは2012年のこと。

合原 一幸
東京大学
科学技術振興機構
複雑系数理モデル学の基礎理論構築とその分野横断的科学技術応用
1,936,000,000

審良 静男
大阪大学
大阪大学
免疫ダイナミズムの統合的理解と免疫制御法の確立
2,520,000,000

安達 千波矢
九州大学
九州大学
スーパー有機ELデバイスとその革新的材料への挑戦
3,240,000,000

荒川 泰彦
東京大学
技術研究組合光電子融合基盤技術研究所
フォトニクス・エレクトロニクス融合システム基盤技術開発
3,899,000,000

江刺 正喜
東北大学
東北大学
マイクロシステム融合研究開発
3,087,000,000

大野 英男
東北大学
東北大学
省エネルギー・スピントロニクス論理集積回路の研究開発
3,200,000,000

岡野 光夫
東京女子医科大学
科学技術振興機構
再生医療産業化に向けたシステムインテグレーション-臓器ファクトリーの創生-
3,384,000,000

岡野 栄之
学校法人慶應義塾
(慶應義塾大学)
理化学研究所
心を生み出す神経基盤の遺伝学的解析の戦略的展開
3,068,000,000

片岡 一則
東京大学
科学技術振興機構
ナノバイオテクノロジーが先導する診断・治療イノベーション
3,415,000,000

川合 知二
大阪大学
大阪大学
1分子解析技術を基盤とした革新ナノバイオデバイスの開発研究―超高速単分子DNA シークエンシング、超低濃度ウイルス検知、極限生体分子モニタニングの実現―
2,877,000,000

喜連川 優
東京大学
東京大学
超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価
3,948,000,000

木本 恒暢
京都大学
産業技術総合研究所
低炭素社会創成へ向けた炭化珪素(SiC)革新パワーエレクトロニクスの研究開発
3,480,000,000

栗原 優
東レ株式会社
新エネルギー・産業技術総合開発機構
Mega-ton Water System
2,924,000,000

小池 康博
学校法人慶應義塾
(慶應義塾大学)
学校法人慶應義塾
(慶應義塾大学)
世界最速プラスチック光ファイバーと高精細・大画面ディスプレイのためのフォトニクスポリマーが築くFace-to-Faceコミュニケーション産業の創出
4,026,000,000

児玉 龍彦
東京大学
分子動力学抗体創薬技術研究組合
がんの再発・転移を治療する多機能な分子設計抗体の実用化
2,876,000,000

山海 嘉之
筑波大学
筑波大学
健康長寿社会を支える最先端人支援技術研究プログラム
2,336,000,000

白土 博樹
北海道大学
北海道大学
持続的発展を見据えた「分子追跡放射線治療装置」の開発
3,600,000,000

瀬川 浩司
東京大学
新エネルギー・産業技術総合開発機構
低炭素社会に資する有機系太陽電池の開発~複数の産業群の連携による次世代太陽電池技術開発と新産業創成~
3,067,000,000

田中 耕一
株式会社島津製作所
科学技術振興機構
次世代質量分析システム開発と創薬・診断への貢献
3,367,157,000

十倉 好紀
東京大学
理化学研究所
強相関量子科学
3,099,000,000

外村 彰
株式会社日立製作所
科学技術振興機構
原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡の開発とその応用
5,000,000,000

永井 良三
東京大学
東京大学
未解決のがんと心臓病を撲滅する最適医療開発
3,464,000,000

中須賀 真一
東京大学
東京大学
日本発の「ほどよし信頼性工学」を導入した超小型衛星による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築
4,105,000,000

細野 秀雄
東京工業大学
東京工業大学
新超電導および関連機能物質の探索と産業用超電導線材の応用
3,240,000,000

水野 哲孝
東京大学
東京大学
高性能蓄電デバイス創製に向けた革新的基盤研究
2,843,000,000

村山 斉
東京大学
東京大学
宇宙の起源と未来を解き明かす―超広視野イメージングと分光によるダークマター・ダークエネルギーの正体の究明―
3,208,000,000

柳沢 正史
筑波大学
テキサス大学
筑波大学
高次精神活動の分子基盤解明とその制御法の開発
1,800,000,000

山中 伸弥
京都大学
京都大学
iPS 細胞再生医療応用プロジェクト
5,000,000,000

山本 喜久
情報・システム研究機構
(国立情報学研究所)
情報・システム研究機構
(国立情報学研究所)
量子情報処理プロジェクト
3,250,000,000

横山 直樹
産業技術総合研究所
産業技術総合研究所
グリーン・ナノエレクトロニクスのコア技術開発
4,583,000,000


===
関係ないがこういう不名誉な次世代研究もある。これとて2005年には既に商品になっていた技術。どこが次世代だったのか?
不正行為が行われた競争的資金及び交付額
競争的資金等名:最先端・次世代研究開発支援プログラム
研究課題名:医工連携による磁場下過冷却(細胞)臓器凍結保存技術開発と臨床応用を目指した国際共同研究
交付額:144,889千円

世界の特許は

DeepMind: First major AI patent filings revealed
Rose Hughes Thursday, June 07, 2018 - AI, Artificial Intelligence, DeepMind, google, machine learning, patenting AI
DeepMind, a leading artificial intelligence (AI) research company, has filed a series of international patent applications, which have now been published for the first time. The applications relate to a number of the fundamental aspects of modern day machine learning, and are therefore of potential significance to anyone operating in the commercial AI sector.


こういう仕事がなぜ評価されないのか?




Quantized conductance atomic switch

K. Terabe, T. Hasegawa[…]M. Aono
Nature volume 433, pages 47–50 (06 January 2005) |

Abstract

A large variety of nanometre-scale devices have been investigated in recent years1,2,3,4,5,6,7 that could overcome the physical and economic limitations of current semiconductor devices8. To be of technological interest, the energy consumption and fabrication cost of these ‘nanodevices’ need to be low. Here we report a new type of nanodevice, a quantized conductance atomic switch (QCAS), which satisfies these requirements. The QCAS works by controlling the formation and annihilation of an atomic bridge at the crossing point between two electrodes. The wires are spaced approximately 1 nm apart, and one of the two is a solid electrolyte wire from which the atomic bridges are formed. We demonstrate that such a QCAS can switch between ‘on’ and ‘off’ states at room temperature and in air at a frequency of 1 MHz and at a small operating voltage (600 mV). Basic logic circuits are also easily fabricated by crossing solid electrolyte wires with metal electrodes.
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