カシワなのかナラなのかよくわからない木だったが、AIはモンゴリナラと判定。なかなかの高木になっている。一応カシワと比定した。縁起の良い木であるから旧家の屋敷内で大切にされていたのだろう。
周辺旧家がどんどん潰されてアパートになってゆく。
10月22日土曜日は天赦日で縁起の良い日だそうです。
1958年10月22日は長編アニメーション映画誕生の日
私が石狩海岸で目にした「カシワ」は交雑種だったのか、ミズナラだったのか。今となってはわからない。
清水一氏
「石狩の天然生海岸林にはカシワとともにミズナラも生育していました。しかし,林内を注意 ぶかく観察してみると,カシワに似ているけれどカシワではない“怪しいカシワ”がいくつかみつかりました(写真-1)。葉の形と当年生枝に生えている星状毛はカシワそっくりでした。 ところが芽の形と大きさ,当年生枝の太さはミズナラに似ていました。また,当年生枝1本当たりの芽鱗腋芽数は,カシワ 7.1 個,ミズナラ 0.9 個に対しで“怪しいカシワ”は 4.7 個でし た。このように“怪しいカシワ”はカシワとミズナラの形質をあわせもつとともに芽鱗腋芽数も中間の値を示したことから,天然にできた種間雑種ではないかと思われます。」
第129回日本森林学会大会
セッションID: S15-4
会議情報
主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
学術講演集原稿
北海道海岸林におけるミズナラ・カシワ交雑帯の実態
抄録
北海道におけるカシワ北限以南の海岸林では前縁にカシワ、後背にミズナラが生育する。一方で、カシワ北限より北の海岸林では、前縁にミズナラが生育し、カシワに似た形態をもつ現象がみられる。ナラ類では、種間で交雑が生じることから、カシワ北限より北の海岸林のミズナラは浸透交雑によりカシワから表現形質に関連した遺伝子を獲得している可能性がある。この仮説を検証するため、カシワ北限集団から南北約数十kmの範囲で選定した12地域それぞれにおいて、海岸および内陸(山麓)に生育するナラ類について葉や枝の形質および核マイクロサテライト遺伝子座の遺伝子型を調べた。交雑状況を解析した結果、内陸のナラ類は、ほとんどが純粋なミズナラと推定された。一方、海岸林では純粋なカシワおよびその交雑次世代が生育していると推定されたが、その割合はカシワ北限より北で急減することが示された。さらに、遺伝的および環境的要因がナラ類の形質に与える影響を、線形混合モデルを用いて推定した結果、地域特異的環境への応答、カシワからミズナラへの浸透交雑、および浸透交雑に起因する反応基準の差異が海岸林におけるミズナラの形質の変異を形成すると考えられる。