
大型のICBM「サルマト」など新型兵器も開発しています。(令和3年白書P.83)これが実用段階に入る。「ロシアを脅迫しようとしている者たちが考え直す」だろうと語ったというわけは、プーチンは、事実上の先制核使用戦略への転換を選択したということ。
記事によると、予想を超えるエスカレーションが対抗的軍事行動の抑制を産むという理論がロシアにあるらしいが、これは相手国側が先に使用しないという確証がある場合だけ有効になる。米国のバイデン政権がその条件を整えた。
使用するならまずは小型戦術核で、ロシアが迎撃が困難になったICBMをすぐに使用することなどないだろうと思う冷戦常識を超えた場合、米国はサルマト報復を恐れて対抗できない。戦術核までなら対抗報復も可能だろう。そう思わせるだけで効果がある。
(CNN) ロシア国防省は20日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「RS―28サルマト」の試験発射を行ったと発表した。
ミサイルはモスクワ時間の20日午後3時12分、ロシア北部アルハンゲリスク州にあるプレセツク宇宙基地の発射場から、極東のカムチャッカ半島にあるクーラ試験場に向けて発射された。
国防省の声明によると、ミサイルはカムチャッカ半島の想定した場所に着弾した。
試験プログラムが完了すれば、サルマトはロシア戦略ミサイル軍に実戦配備されると国防省は述べている。サルマトは旧ソ連時代のICBM「ボエボダ(SS―18サタン)」の後継とすることを想定している。
国営タス通信によると、ロシアのプーチン大統領はミサイル試験の成功を賞賛し、これで「ロシアを脅迫しようとしている者たちが考え直す」だろうと語った。
サルマトについてはプーチン大統領が2018年の演説で新型兵器として言及し、これで北大西洋条約機構(NATO)の防衛は「完全に使い物にならなくなる」と誇示していた。米当局者は当時、それほどの脅威にはならないとの見方を示していた。