公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

「術語集・問題群」中村雄二郎

2016-06-16 20:33:14 | 今読んでる本
面白いのは、西欧は1960年代に新たに三種の人間を発見した。笑える。
狂人
未開人
子供
エーリエネーション
譲渡も疎外も狂気も同じ語だということ。笑える。

フォイエルバッハのキリスト教の本質によれば、神は人間の美徳を隔絶したもの、本来手元にあったものを譲渡し、人は無価値になる。マルクスによれば労働の成果・労働そのもの・労働の社会的本質を譲渡し、人の労働は無価値となるが故に神は輝かしい創造者になる。

術語というものは面白いもので、術語のインクが脳に落ちるとインクに合わせた言葉が浮かぶ。これを指摘した構造主義は狂気も譲渡も疎外も区別しない。区別しないことで人間は自然に帰る。言葉自体が譲渡であり、自己拘束である。

日本語の一人称ほど多いものは無い。日本人は自己拘束の達人。冥の変態かもしれない。俺、わたくし、私、あたい、手前、僕などなど。笑える。

自由を得たければ、人は言葉を使う前の幼児に戻るか、語るのをやめるしか無い。ポスト構造主義はどんなものであるか知らないが、術語が言葉である時点で嘘である。わずかに[嘘を信じる誠実な嘘]を信じる無限サーキットに人間の希望がある。文学、笑える。


笑える。


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