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大規模量子コンピューターに向けた量子ビット制御超伝導回路の原理実証に成功

2024-06-08 08:40:00 | 経済指標(製造業)
画像はAIの生成イメージ
 
量子計算における誤り訂正は、古典的なコンピュータとは異なる一連の困難さがあります。これは量子ビットが連続的な状態を持ち、また量子ビットを観測するとその状態が崩壊するという量子力学の特性によるものです。それにもかかわらず、いくつかの量子誤り訂正の技術が提案されています。

1. 量子エラー訂正符号:これらは、特定のエラータイプを検出し、訂正するための量子ビット配列を利用します。有名な例としては、ショアの9量子ビット符号やスチルウェル符号があります。

2. トポロジカル量子エラー訂正:これらの手法は、トポロジカル量子計算を利用してエラーを訂正します。トポロジカル量子計算は、量子ビットを特定の幾何学的な配列(例えば、二次元格子)に配置し、その幾何学的特性を利用してエラーを検出し訂正します。トポロジカルエラー訂正は、物質中のトポロジカル状態を利用するトポロジカル量子計算と密接に関連しています。

3. デコヒーレンスを防ぐ方法:デコヒーレンスは、量子ビットが周囲の環境と相互作用することで生じるエラーの一種で、これを防ぐ方法がいくつか考案されています。例えば、量子ビットの物理的な環境を制御することで、温度、電磁放射、振動などの外部因子からの影響を最小限に抑えます。

4. フォールトトレラント量子計算:これは、エラーが生じても計算が正しく進行するような量子回路を設計するアプローチです。これには、エラーを訂正するための冗長な量子ビットを含む回路を設計することが含まれます。

これらの技術は、現在の量子計算技術の限界を克服し、量子計算機が大規模かつ実用的になるための重要な

これらの技術は、現在の量子計算技術の限界を克服し、量子計算機が大規模かつ実用的になるための重要な要素です。

量子エラー訂正はまだ初期段階で、効果的なエラー訂正法を開発することは大きな挑戦を伴います。量子ビットの誤り訂正には、高度な技術と深い理論的理解が必要であり、その達成にはまだ時間がかかると考えられています。

しかし、この分野の研究は急速に進んでおり、量子エラー訂正の技術が改善されれば、大規模で実用的な量子コンピュータの構築が可能になります。これにより、従来のコンピュータでは解くことが困難な問題に対して、量子コンピュータが新たな解答を提供することが期待されます。



産業技術総合研究所(産総研)は、横浜国立大学や東北大学、NECと共同で、大規模量子コンピュータに向けた量子ビット制御超伝導回路を提案し、原理実証に成功した。1本のマイクロ波ケーブルで1000個以上の量子ビットを制御することが可能となる。
この研究成果の詳細は、2024年6月3日(ロンドン時間)に「npj Quantum Information」に掲載されます。


大規模量子コンピューターに向けた量子ビット制御超伝導回路の原理実証に成功 量子ビット制御のためのマイクロ波伝送経路の密度を1,000倍高める回路技術を提案
2024年6月 4日 10:00 | プレスリリース・研究成果
【本学研究者情報】
〇大学院工学研究科 応用物理学専攻
教授 山下 太郎
研究室ウェブサイト

【発表のポイント】
•1本のマイクロ波ケーブルで1,000個以上の量子ビットを制御可能な超伝導回路を提案・原理実証に成功
•室温と極低温間のケーブル数の大幅な削減が可能
•大規模量子コンピューターの実用化に向けた開発を加速





【概要】
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター 竹内 尚輝 主任研究員は、大規模超伝導量子コンピューターの開発を加速させるため、国立大学法人 横浜国立大学 吉川 信行 教授、山栄 大樹 特任教員(助教)(研究当時)、国立大学法人 東北大学 山下 太郎 教授、日本電気株式会社 山本 剛 主席研究員と共同で、多数の量子ビットを制御可能な超伝導回路を提案し、回路動作の原理実証に成功しました。
実用的な量子コンピューターを実現するには、極低温下で動作する多数の量子ビットの状態を制御する必要があり、必要な量子ビットの数は100万個とも言われています。既存の量子コンピューターでは、室温下で生成したマイクロ波信号一つ一つを異なるケーブルで極低温下の量子ビットまで伝送しています。それには、室温と極低温を繋ぐ大量のケーブルが必要となるため、制御可能な最大量子ビット数は1,000個程度に制限されます。
今回、マイクロ波を多重化することで1本のケーブルで多数の量子ビットを制御可能な超伝導回路を提案し、液体ヘリウム中(絶対温度4.2 K)でその原理実証に成功しました。この技術が実用化されれば、マイクロ波の伝送経路の密度を従来の1,000倍程度まで高めることができるため、極低温下で制御可能な量子ビット数を飛躍的に増加させることが可能となります。これにより、大規模量子コンピューターの開発が加速されることが期待されます。
この研究成果の詳細は、2024年6月3日(ロンドン時間)に「npj Quantum Information」に掲載されます。

従来技術と本研究における量子ビット制御方法の比較

【用語解説】
量子ビット
量子計算における情報の最小単位。超伝導体や半導体などを用いた様々なデバイスで実現可能。
マイクロ波
周波数が3 GHzから30 GHzまでの電磁波。超伝導量子ビットの制御には、5 GHz付近のマイクロ波が使用される。

情報量と熱力学を結びつける理論によれば,原理的には.初期状態にリセットするときにだけ起こる


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