「弱体な国家は常に優柔不断である。そして決断に手間取ることは常に有害である」
マキャヴェッリ
マキャヴェッリ
北朝鮮がICBM級の弾道ミサイルを発射しました。この発射は国際社会全体に対する挑発をエスカレートさせる暴挙であり厳しく抗議を行いました。そして国民の安心・安全が何よりも重要です。今後とも情報収集、警戒監視に全力を挙げるとともに、日米や日米韓の連携を緊密に図って参ります。
「弱体な国家は常に優柔不断である」とマキャヴェッリが言うとき、たぶん貴族の優柔不断を言っている。軍隊の弱点は古来からはっきりしている。先に死ぬのは常に下っ端である。軍の外に階級が無ければ民主的軍隊は常に崩壊を内包している。下っ端が死ぬ理由以上に明白な規律はない。ところが身分差のない社会から徴兵された軍隊の強さは規律からではなく役割から生じる。職業軍人と徴兵軍人の役割の差を明確にできない軍隊は弱い。
士官が貴族で兵士は農奴、一方は金持ちで他方は貧乏人、そして前者は教養と力があり後者は無知無力、このようなときには、二人の間にこの上なく強固な従属の絆を結ぶことは簡単である。兵士はいわば入営する前から軍紀に従っている、というかむしろ、軍紀は社会的隷属の一つの完成に過ぎない。貴族的軍隊においては、兵士はいとも簡単に上官の命令以外のなにものにも反応しないような存在になってしまう。彼は考えることなく行動し、勝利にも熱狂せず、黙々と死んでいく。このような状態において、これはもはや人間ではないが、戦争用に調教された一個の恐るべき動物ではある。
『アメリカのデモクラシー』トクヴィル
第二十五章 民主的軍隊の規律について