公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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防衛歳出予算は5兆4797億円

2021-08-31 16:00:00 | 防衛力

ゲームチェンジャー技術予算に注目してください。

量子レーダー 反ステルス技術としても量子レーダーは注目される。ステルス機は、レーダーからの電波をレーダーの受信元以外に反射するか、吸収することで受信機にレーダー波が帰らないようにする。完全に反射を防ぐのは困難であるが、十分に小さければ熱的バックグラウンドノイズに反射波が埋もれ検知できなくなる。だが量子レーダーはバックグラウンドノイズを回避できるので、反射波が著しく小さいステルス機であっても探知できる。

以下記事まとめ「レーダーなどのマイクロ波技術の感度を向上させることができることが明らかになった。量子力学的な効果を利用することで、レーダーなどの技術の感度を向上させる。電波にまで広げれば、磁気共鳴画像の感度を向上させることができる。」

 

量子力学的な効果を利用することで、レーダーなどのマイクロ波技術の感度を向上させることができることが、新しい計算で明らかになった。著者らは、ノイズの多い背景の中で反射の弱いターゲットを感知するのを助ける「量子照明」の概念を、その効果がより大きいはずの可視波長からマイクロ波に拡張するスキームを説明している。さらに電波にまで広げれば、磁気共鳴画像の感度を向上させることができる。

量子照明の概要は、7年前にマサチューセッツ工科大学のセス・ロイド教授らによって発表された[1,2]。光ビームは、量子力学的に絡み合った2つのビームに分割され、それぞれのビームに含まれる光子の量子状態は強く相関していることになる。相関関係にある2つのビームが検出器で干渉すると、無相関のビームに比べて信号が増幅される。量子照明では、2本のビームのうち1本(アイドラー)はそのまま検出器に送られるが、もう1本(プローブ)はターゲットを感知するために送り出される。ターゲットが存在すると、そこから反射したエコーが検出器に戻ってきて、アイドラービームと干渉します。2つのビーム間のもつれが環境中のノイズによって破壊されたとしても、干渉に影響を与える相関関係が残っているため、プローブの光子と背景の光子を識別することができる。これにより、エコーが非常に弱い場合でも、ターゲットからの反射を識別することが可能になる。

量子照明は、2013年に可視光の波長で実験的に実証されたが[3]、英国ヨーク大学のStefano Pirandola教授らは、より長い波長では量子照明の実現が困難であると同時に、より有用な可能性があると述べている。彼らは、マイクロ波(レーダー)周波数で実験を行うためのスキームを説明し、現在利用可能な技術での有効性を予測している。

軍が開発した航空機やボートなどの「ステルス」物体では、レーダーの反射は特殊な表面コーティングによって低減され、周囲の熱的背景にかき消されてしまうことがある。しかし、プローブ信号に量子照明によって「ラベル付け」された光子が含まれていた場合、かすかなレーダーエコーが目立ってしまう。

提案されている方法の中核となるのは、電気光学機械変換器と呼ばれる装置を使って、マイクロ波と光の信号を相互変換することである[4,5]。この装置は、それぞれの放射線を蓄積するための光学空洞とマイクロ波空洞で構成されており、ナノスケールの振動体(圧電結晶や金属膜など)が両者をつなぐ役割を果たしている。この発振器は、周波数が異なるにもかかわらず、2つの空洞の電磁振動をカップリングすることができる。

実験の最初のステップでは、コンバーターが2つの空洞内の放射線を絡め取り、マイクロ波はプローブビームとして放出され、可視光線はアイドラービームとなります。プローブがターゲットから跳ね返って装置に戻ってくると、第2の電気光学機械変換器で可視光ビームに変換され、検出器でアイドラーと干渉させる。研究チームは、この方式を「量子レーダー」と呼んでいる。

ピランドラは、「私たちの研究は、マイクロ波領域のような非常にノイズの多い背景での量子センシングのための一般的な資源として、量子相関を利用することを支持しています」と語る。原理的には、この方法は、軍用機がプローブされたことを認識できないような弱いセンサービームでも機能するので、完全な「非侵襲性」が得られるという。

イェール大学の応用物理学者マイケル・デボレトは、この研究を「非常に興味深く、価値のあるもの」と評価し、「この種のスキームの基本的なアイデアは、知的好奇心をくすぐるものです」と付け加えています。しかし、この提案された方法がうまくいくかどうかはまだわからない。「空気中の光子の吸収によってすべてがかき消されてしまうかもしれないからです」とDevoretは言う。実用的なデバイスを構築することは「困難であり、時間がかかる」とピランドラは認めている。

しかし、研究者たちは、このアイデアを無線周波数に拡張することも可能かもしれないと言う。例えば、NMRやMRIなどの磁気共鳴法を使って、放射線の吸収を最小限に抑えなければならないデリケートな生体試料を調べるなど、非侵襲的な検出に新たな可能性が広がるだろう。

この研究成果は、Physical Review Lettersに掲載されました。

-フィリップ・ボール

フィリップ・ボールは、ロンドン在住のフリーランスのサイエンスライター。最新作は『The Modern Myths』(University of Chicago Press、2021年)。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

 

 


1 軍事科学技術の動向

1 全般

近年の科学技術の発展は、様々な分野に波及し、経済、社会、ライフスタイルなど、多くの分野において革命とも呼ぶべき大きな変化が引き起こされている。このことは軍事分野においても例外ではなく、主要国は、兵器の開発において、先端技術の活用に注力しており、無人化技術(無人機1など)、人工知能(AI)を活用した自律化技術、ビッグデータ解析技術2、極超音速技術3を重視している。最近では、火砲などの従来兵器と比べて1発あたりのコストや、射程、精度、迅速性などの観点から効果的な火力発揮が期待される電磁レールガン4や高出力レーザー兵器5の実験や配備計画が伝えられており、今後のさらなる技術革新により、将来の戦闘様相は大きく変化するとみられる。

2 先端技術を活用した兵器の開発動向
(1)人工知能を搭載した自律型の無人機

米国、中国及びロシアは、人工知能を搭載した自律型の無人機を開発している。こうした無人機については、人工知能が敵の行動や戦況の変化を認識したうえで、柔軟に各種作戦を行う可能性があることなどから、軍事面での影響の大きさが指摘されている。

米国防省高等研究計画局(DARPA:Defense Advanced Research Projects Agency)は、空中射出・回収・再利用が可能な情報収集・警戒監視・偵察(ISR)用の小型無人機のスウォーム飛行6、潜水艦発見用の無人艦7など、人工知能を搭載した無人機を開発しているほか、米空軍は、有人機を支援する自律型の無人機を開発している。また、米国防省は、19(平成31)年2月に公表した「国防省人工知能(AI)戦略」において、法的・倫理的な観点からも適切な形で人工知能を活用する方針を示している。

中国政府は、17(平成29)年に「次世代AI発展計画」を発表し、30(令和12)年までに世界の主要なイノベーションセンターとなることを目標としている8。中国電子科技集団公司は、17(平成29)年6月、人工知能を搭載した119機からなる固定翼無人機のスウォーム飛行を披露、さらに、18(平成30)年5月には、200機からなるスウォーム飛行に成功し、多数の無人機を相互に一定の距離を保ちながら飛行させる技術力の高さを見せた。また、同年11月の中国国際航空宇宙ショーで模型が展示された「彩虹7」は、高度な自律飛行が可能な戦闘型無人機とされている9

18(平成30)年の中国国際宇宙ショーで模型が展示された「彩虹7」【Jane's by IHS Markit】

18(平成30)年の中国国際宇宙ショーで模型が展示された「彩虹7」
【Jane's by IHS Markit】

ロシアは、核弾頭を搭載可能な原子力推進の水中無人機(後に「ポセイドン」と命名)を開発中であり、試験が成功裏に行われているとしているほか、有人機と連携して運用されることが指摘されるステルス戦闘型無人機「オホートニク」の飛行試験が19(令和元)年8月に実施され、ロシア政府が飛行動画を公開している。

人工知能を搭載した自律型の無人機については、いわゆる自律型致死兵器システム(LAWS:Lethal Autonomous Weapons Systems)に発展していく可能性も指摘されている。LAWSについては、特定通常兵器使用禁止・制限条約(CCW:Convention on Certain Conventional Weapons)の枠組みにおいて、その特徴、人間の関与のあり方、国際法の観点などから議論されている。

なお、無人航空機がパイロットのような高い自律性を有するのは40(令和22)年以降になるとの見方がある。

(2)極超音速兵器

米国、中国及びロシアは、弾道ミサイルから発射され、大気圏突入後に極超音速(マッハ5以上)で滑空飛翔・機動し、目標へ到達するとされる極超音速滑空兵器(HGV:Hypersonic Glide Vehicle)や、超音速で取り入れた空気を、音速以下に減速させずに燃焼に活用することにより極超音速飛しょうを可能とするスクラムジェットエンジンなどの技術を使用した極超音速巡航ミサイル(HCM:Hypersonic cruise missile)といった極超音速兵器の開発を行っている。極超音速兵器については、弾道ミサイルと比べ、低い軌道を長時間飛翔し、高い機動性を有することなどから、探知や迎撃がより困難になると指摘されている。

米空軍が契約したHGVのイメージ画像(CG)【Jane's by IHS Markit】

米空軍が契約したHGVのイメージ画像(CG)
【Jane's by IHS Markit】

米国は、「ミサイル防衛見直し(MDR)」(19(平成31)年1月)において、ロシア及び中国が先進の極超音速ミサイル能力を開発中であり、既存のミサイル防衛システムへ挑むものとの認識を示している10

中国は、14(平成26)年以降、複数のモデルのHGVを開発しており11、20(令和2)年にも配備される可能性が指摘されている。一方、ロシアは、HGV「アヴァンガルド」を開発12、同兵器を19(令和元)年中に配備するとしている。ロシアは、「アヴァンガルド」の能力について現在及び将来のミサイル防衛網で対処できないと主張している。このほか、ロシアは極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」を開発している13

(3)電磁レールガン

米国や中国は、電気エネルギーから発生する磁場を利用して弾丸を撃ち出す電磁レールガンを開発している。電磁レールガンの砲弾は、ミサイルとは異なり推進装置を有しないことから、小型・低コストかつ省スペースで備蓄可能なため、電磁レールガンによるミサイル迎撃が実現すれば、多数のミサイルによる攻撃にも効率的に対処可能とされる。

米国は、10(平成22)年12月の試験で、射程約185km、着弾速度マッハ5を達成しており、25(令和7)年までに艦艇に搭載する計画としている。また、米国は、対地、対艦攻撃のほか対空兵器として電磁レールガンを使用する計画としている。

中国は海上での試験を実施し、25(令和7)年までに実戦配備する見通しとの指摘がある。

(4)高出力レーザー兵器

米国、中国及びロシアは、レーザーのエネルギーにより対象を破壊する高出力レーザー兵器を開発している。レーザー兵器については、多数の小型無人機や小型船舶による攻撃に対する低コストで有効な迎撃手段として期待14されているほか、光速で弾数の制約がないことなどから、ミサイルを迎撃可能な程度まで高出力化が実現できれば、多数のミサイルによる攻撃にも効率的に対処可能な装備となり得る。

米国は、14(平成26)年からペルシャ湾で小型UAVに対処可能な出力30kW級の艦載固体レーザー兵器「LaWS」の試験を行ったほか、20(令和2)年には砲弾などへの対処が可能とされる出力100kW前後の固体レーザー兵器「HELIOS」をイージス艦に試験搭載する計画である。また、ブースト段階の弾道ミサイルを高出力レーザー兵器によって迎撃する有効性を示しており15、無人機にレーザーを搭載する技術の評価を行っている。

中国は小型UAVに対処可能な出力数30-100kW級のレーザー兵器「Silent Hunter」を国際防衛装備展示会(IDEX2017)で公開したほか、対衛星攻撃兵器としてさらに高出力のレーザー兵器も開発中との指摘がある。

ロシアは、出力数10kW級のレーザー兵器「ペレスヴェト」を試験配備中16であるほか、対衛星攻撃兵器として出力数MW級の化学レーザー兵器も開発中との指摘がある。

(5)量子科学技術

「量子科学技術」は、日常的に感じる身の回りの物理法則とは異なる「量子力学」を応用することにより、社会に変革をもたらす重要な技術と位置づけられている。例えば、量子暗号通信は、量子の特性を利用した暗号化技術である量子暗号技術を利用した通信方式であり、第三者が解読できない暗号通信とされる。また、量子レーダーは、量子の特性を利用して、ステルス機のステルス性を無効化できる可能性が指摘されている。

中国は、北京・上海間約3,000kmにわたる世界最大規模の量子通信ネットワークインフラを構築したほか、16(平成28)年8月、世界初となる量子暗号通信を実験する衛星「墨子」を打上げ、18(平成30)年1月には、「墨子」を使った量子暗号通信により、中国とオーストリア間の長距離通信に成功したとしている。また、米国のDARPAは、量子暗号通信技術や量子レーダー技術の研究開発を進めており、今後各国において、量子暗号通信などの新たな技術が軍事分野に応用される可能性もある。

1 軍用の無人機については、無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)、陸上無人機(UGV:Unmanned Ground Vehicle)及び海洋無人機(UMV:Unmanned Maritime Vehicle)などが開発されている(海洋無人機は、海上無人機(USV:Unmanned Surface Vehicle)と無人潜水艇(UUV:Unmanned Undersea Vehicle)に区分できる。)。

2 米国は「第3のオフセット戦略」の中で、ビッグデータ解析により、サイバー攻撃の兆候察知や警告を行うなど、人工知能を用いた「深層学習する機械」の技術を例示している。

3 例えば、米国においては、DARPAと空軍が共同で、ジェットエンジンを使用し音速以下で飛行する巡航ミサイルとは異なり、スクラムジェットエンジンの技術を使用した「極超音速吸気式兵器構想(HAWC:Hypersonic Air-breathing Weapon Concept)」について研究開発を行っており、将来の極超音速ミサイルなどへの適用を目指している。

4 電磁レールガンは、火薬の代わりに電気エネルギーから発生する磁場を利用して弾丸を撃ち出す兵器であり、米軍では、従来兵器である5インチ(127mm)砲と比べ射程を約10倍の約370kmとするレールガンの開発を目標としており、コストはレールガン1発あたり、ミサイルの20~60分の1と伝えられている。

5 米軍はレーザー兵器を、小型船舶や無人機などからの攻撃に対する低高度防空能力強化などの目的で開発中であり、レーザーで無人機を撃墜する試験を行うなど、実用化に向けた動きが見られる。

6 DARPAは、空中の母機から無人機の発射・回収を目的とするフライトテストを19(平成31)年に実施予定と発表している。

7 「対潜水艦戦用連続追跡無人艦」(ACTUV:Anti-Submarine Warfare Continuous Trail Unmanned Vessel)(通称シーハンター)は、人による恒常的な遠隔監視のもと、無人で数ヶ月間、数千キロメートルを航行することが可能とされる。16(平成28)年8月、最初の海上試験が完了したとされている。

8 「次世代AI発展計画」は、30(令和12)年までのAI開発の目標を3段階で設定しており、20(令和2)年までの第1段階において、「AIの総合的技術と応用において世界先進レベルに並ぶ」、25(令和7)年までの第2段階において、「一定の技術と応用において世界をリードするレベルに到達する」、30(令和12)年までの第3段階において、「理論技術及び応用の総合において世界をリードするレベルに到達し、世界の主要なイノベーションセンターとなる」としている。

9 中国は、無人機のほか、原子力潜水艦の指揮官を支援する人工知能による意思決定支援システムを導入する計画があると指摘されている。

10 米国もHGV「AHW:Advanced Hypersonic Weapon」を開発しており、17(平成29)年10月に改良型の飛翔試験を実施。約3,700km飛翔し、目標に着弾している。

11 飛翔試験を複数回実施している。

12 18(平成30)年12月に飛翔試験を実施し、6,000km程度とみられる距離を飛翔して計画通り着弾した。

13 「ツィルコン」は、19(平成31)年2月の年次教書演説において、最高速度約マッハ9で、1,000km以上離れた海上及び地上の目標を攻撃することが可能であると説明されている。

14 テロリストによるUAVの使用については、I部3章7節を参照

15 ブースト段階での弾道ミサイルの迎撃は、弾道ミサイルが迎撃回避策をとる前の最も脆弱な段階でミサイル攻撃を阻止できる可能性が指摘されている。

16 19(平成31)年2月の年次教書演説において、「ペレスヴェト」が同年末には本格的に運用される旨説明。

 

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