英国大手銀行RBSが異例の警告「極めて深刻な事態、投資家は全てを売るべきだ」
ついに始まった同調売り。資源ー株価ー債権と、次々に売り浴びせ売りサーキットが止まらないように価格操作し、混乱と混沌に先が見えない舞台をつくる。世界中が計画を中断する、成長を疑い有用であるが不確実な物までも捨てる。グローバルの意味はこれだった。
その通りになったヨ
1月21日、中国国家主席、習近平(62)と、世界のマーケットを動かす著名投資家、ジョージ・ソロス(85)は意外に近くにいた。中東訪問が佳境を迎えていた習はエジプトに。ソロスはスイス・ダボスに。地中海を隔てた南北である。
■「ハードランディング不可避」、中東訪問の習に冷や水
「中国経済のハードランディングは不可避である」「これは予想ではない。実際に目にしていることだ」
その日、ソロスは世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)開催中のスイス・ダボスからテレビ画面で言明した。世界に衝撃が走った。あのソロスが口にする言葉の意味を世界はすぐに理解した。彼は既にそのシナリオに沿ってポジションを取ったということだ。
サウジアラビア、エジプト、イラン3国を訪問した習は、同じ日のカイロでの演説で中東向けに計6兆5000億円超(円換算)という巨額の資金投下を華々しく打ち出した。中国と中東、欧州、アフリカをつなぐ「新シルクロード経済圏」構想。その実現に向けて中東で布石を打った習は上機嫌のはずだった。
習が打ち出したのは「1+2+3」協力構想だ。中東依存度が高いエネルギー協力が柱。インフラ整備と、貿易・投資の協力強化で両翼から支える。さらに原子力、人工衛星、新エネルギー開発の三大新技術領域を起爆剤とする。習指導部下で権限が強まった中国共産党の「中央外事工作指導小組」に経済・金融、科学技術、軍、外交・安全保障など各部門の知恵を結集して練り上げた自信作だった。
習の中東訪問の真の意義は、力の落ちた米国に代わり、中国が柔らかな「バランサー」として存在感を示すことだ。だからこそ核問題を巡る制裁解除直後のイランに国連安保理常任理事国5カ国のトップを切って乗り込んだ。イランとの外交関係を断ったサウジにも入った。
「時の人」であるはずの習への注目を封じたのはソロス発言だった。世界は確かに「CHINA」の動きに目を凝らしたが、習の中東訪問にではなく、人民元・株式など中国に絡む市場混乱にだった。上海株式市場の1月の下落幅は22%。ソロスも標的にする人民元の急落で中国経済の混乱が続けば、習の中東構想はおろか、「新シルクロード経済圏」構想も絵に描いた餅になりかねない。
ついに始まった同調売り。資源ー株価ー債権と、次々に売り浴びせ売りサーキットが止まらないように価格操作し、混乱と混沌に先が見えない舞台をつくる。世界中が計画を中断する、成長を疑い有用であるが不確実な物までも捨てる。グローバルの意味はこれだった。
その通りになったヨ
1月21日、中国国家主席、習近平(62)と、世界のマーケットを動かす著名投資家、ジョージ・ソロス(85)は意外に近くにいた。中東訪問が佳境を迎えていた習はエジプトに。ソロスはスイス・ダボスに。地中海を隔てた南北である。
■「ハードランディング不可避」、中東訪問の習に冷や水
「中国経済のハードランディングは不可避である」「これは予想ではない。実際に目にしていることだ」
その日、ソロスは世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)開催中のスイス・ダボスからテレビ画面で言明した。世界に衝撃が走った。あのソロスが口にする言葉の意味を世界はすぐに理解した。彼は既にそのシナリオに沿ってポジションを取ったということだ。
サウジアラビア、エジプト、イラン3国を訪問した習は、同じ日のカイロでの演説で中東向けに計6兆5000億円超(円換算)という巨額の資金投下を華々しく打ち出した。中国と中東、欧州、アフリカをつなぐ「新シルクロード経済圏」構想。その実現に向けて中東で布石を打った習は上機嫌のはずだった。
習が打ち出したのは「1+2+3」協力構想だ。中東依存度が高いエネルギー協力が柱。インフラ整備と、貿易・投資の協力強化で両翼から支える。さらに原子力、人工衛星、新エネルギー開発の三大新技術領域を起爆剤とする。習指導部下で権限が強まった中国共産党の「中央外事工作指導小組」に経済・金融、科学技術、軍、外交・安全保障など各部門の知恵を結集して練り上げた自信作だった。
習の中東訪問の真の意義は、力の落ちた米国に代わり、中国が柔らかな「バランサー」として存在感を示すことだ。だからこそ核問題を巡る制裁解除直後のイランに国連安保理常任理事国5カ国のトップを切って乗り込んだ。イランとの外交関係を断ったサウジにも入った。
「時の人」であるはずの習への注目を封じたのはソロス発言だった。世界は確かに「CHINA」の動きに目を凝らしたが、習の中東訪問にではなく、人民元・株式など中国に絡む市場混乱にだった。上海株式市場の1月の下落幅は22%。ソロスも標的にする人民元の急落で中国経済の混乱が続けば、習の中東構想はおろか、「新シルクロード経済圏」構想も絵に描いた餅になりかねない。