公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

顧客の支持、顧客の感性

2010-05-24 23:12:35 | 日記
 ドラッカー1954年(45歳)の著作「現代の経営」でマネージメントが学の対象になったといわれる。それから50年以上経過してもっとも成功しているビジネスマン(2008年)はビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェット、カルロス・スリム・ヘル、ラリー・エルソン、インヴァー・ カンプラード、カール・アルブレヒト、ムケシュ・アンバニ、ラクシュミ・ミタル、テオ・アルブレヒト、アマンシオ・オルテガ、このなかで明らかに製造メーカーといえるのは世界最大の製鉄会社ラクシュミ・ミタルの「アルセロール・ミタル」ぐらいだ。反対にカール・アルブレヒトや弟のテオ・アルブレヒトは激安ストアのチェーンでドイツ一の富豪となっている。低所得層から中間層までを顧客にしたほとんどが、一流メーカーのPB商品で構成される1商品1品目を基本に商品数を最小限に抑えることによって商品管理を簡素化し、売場面積を縮小した300坪程度のボックストストアからのしあがった。どケチとしてもすこぶる有名な兄弟だ。
 もはやメーカーやナショナルブランドの時代ではない。
 販売とマーケティングの時代となった。

 相反する販売とマーケティング("Indeed, selling and marketing are antithetical rather than synonymous or even complementary." 『実のところ、販売とマーケティングは正反対である。同じ意味でないことはもちろん、補い合う部分さえない。』 P.F. ドラッカー)をつなぐものは、顧客の支持、顧客の感性にある。だからどんな経営も顧客の感性と好意が何に反応しているのかということを常に注視している。ドラッカーは販売促進活動のない未来を理想化して示したこともあったが、そうはならない。
 ドラッカー流に言えば、自ずから売れる仕組みがあり、販売がある。そこまできて初めてメーカーの働きどころ製品性能の必要性が現れてくる。

======

「消費者運動はマーケティングの恥である。
Consumerism is the “shame of marketing.”

 マーケティングの重要性が繰り返し説かれているにもかかわらず。あまりに多くの企業でマーケティングが行なわれていない。そのことを消費者運動が示している。消費者運動が企業に要求しているものがマーケティングである。それは企業に対し、顧客にとってのニーズ、現実、価値からスタートせよと要求する。企業の目的は欲求の満足であると定義せよと要求する。社員の評価基準を顧客への貢献におけと要求する。
 マーケティングが長い間説かれてきたにもかかわらず、消費者運動が強力な大衆運動として出てきたということは、結局のところ、マーケティングが実践されてこなかったということである。消費者運動はマーケティングの恥である。
 実のところ、販売とマーケティングは正反対である。同じ意味でないことはもちろん、補い合う部分さえない。
 何らかの販売は必要である。だが、マーケティングの理想は販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、顧客に製品とサービスを合わせ、おのずから売れるようにすることである。すぐにでも帰るようにすることである。」
 

ドラッカー 『マネジメント-課題・責任・実践』『未来への決断』
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 明治維新2 | トップ | 夢の代償 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。