
修身教科書曰く
私たちは、帝国議会の議員を選挙し、あるいはその議員になって、国の政治に加わることができるのであります。議員を選挙するには、候補者の中から、おこないがりっぱであり、しっかりした考えをもっている人をえらんで投票しなければなりません。自分だけの利益を考えて投票し、または他人にしいられて、適当と思わない人に投票することがあってはなりません。なお理由もないのに大切な選挙権をすてて投票しないのは、尽忠報国の精神にもとることになります。
憲法といっしょにお定めになった皇室典範には、皇位継承・践祚・即位など皇室に関する大切なことがしめしてあります。
私たち帝国の臣民は、つねに皇室典範および帝国憲法を尊び、これをよく守って、天皇の大みわざを翼賛したてまつらなければならないのであります。
大君のオオミワザを感受して翼賛する(ちからぞえする)ということは伊勢神宮に参拝した時に西行が歌ったとされるうたにも通じる素朴な畏敬の心から生まれるものです。
全体の中の個人という日本概念がよく表されています。皇室典範というものがあり憲法と同格に尊ぶべきと教育したのは全体主義国家の誤りではありません。日本人の価値規範が全て法律によって為されるようになれば、国が滅びるという見通しがあったから先人はそうしたのです。事実日本国は滅びつつあります。版籍が蠶食された現在の日本人が法の支配にのみ頼るからいつまでも版籍の抜け穴、外国人土地取得を塞ぐことが出来ないのです。
はん‐せき【版籍】
領地と戸籍。また、土地と人民。