公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

桜田門外の変

2013-03-15 19:54:55 | 日本人
吉村昭の「桜田門外の変」には、あとがきにこの事件が226事件によく似ていると解説したところがある。確かに雪の降る日であったし、それ自身はテロであるし、要人が殺害され、その後の政治が恐怖に染め上げられたという点も似ている。しかし全然違っているのは、この事件と坂下門外の変、天狗党の乱を通じて熾烈な幕府内部の内戦が水戸藩での代理戦争という形で始まったということを忘れている。一言にテロとまとめるにはこの事件は大きすぎる。

薩摩と水戸が連携して京都で尊王を実現する裏の計画があったことは史実としても疑いがない(その後の坂下門外の変に通じる水長盟約もあったのだろう)。続く7年間で水戸藩はあまりにも人材を失ってしまった。司馬遼太郎が坂本龍馬を通じて書きなおした薩長土肥の明治維新(岩倉具視プラン)だけしか無かったかのような歴史しか教えられていない日本人にはもう一度、複雑な時代を勉強してほしい。1860年3月24日日本の動乱、身分を超えた戦国時代以来はじめての日本人の政治参加がはじまった。まもなく153年になる。

「上は天朝に報じ奉り、下は幕府を補翼し、神州の威稜万国に輝き候様致し度」1864 年天狗党檄文
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