「人生已やムヲ得ザルノ時運ニテ、一族ノ人民、他国ノ政治ヲ離レ、物理天道ノ自然ニ従テ世界中ノ万国ト同列シ、別ニ一国ヲ建ルノ時ニ至テハ、其建国スル所以ゆえんノ原因ヲ述ベ、人心ヲ察シテ之ニ布告セザルヲ得ズ。
天ノ人ヲ生ズルハ億兆皆みな同一轍ニテ、之ニ附与スルニ動カス可カラザルノ通義ヲ以テス。即すなわチ其通義トハ人ノ自カラ生命ヲ保シ自由ヲ求メ幸福ヲ祈ルノ類ニテ、他ヨリ之ヲ如何トモス可ラザルモノナリ。人間じんかんニ政府ヲ立たつル所以ハ、此通義ヲ固クスルタメノ趣旨ニテ、政府タランモノハ其臣民ニ満足ヲ得セシメ初はじめテ真ニ権威アルト云フベシ。政府ノ処置、此趣旨ニ戻もとルトキハ、則すなわチ之ヲ変革シ或ハ之ヲ倒シテ、更ニ此この大趣旨ニ基キ、人ノ安全幸福ヲ保ツベキ新政府ヲ立ルモ亦人民ノ通義ナリ。是レ余輩ノ弁論ヲ俟まタズシテ明了ナルベシ。○因循姑息いんじゆんこそくノ意ヲ以テ考フレバ、旧来ノ政府ハ一旦軽卒ノ挙動ニテ変ジ難シト思フベシ。然レドモ同一ノ人民ヲ目的ト為シテ強奪ヲ恣ほしいままニシ悪俗ヲ改メシメズンバ、遂ついニハ自主自裁ノ特権ヲ以テ国内ヲ悩マスニ至ルベシ。故ニ斯かくノ如キ政府ヲ廃却シテ後来ノ安全ヲ固クスルハ、人ノ通義ナリ、亦また人ノ職掌ナリ。○方今我諸州正まさシク此ノ難ニ罹レルガ故ニ、政府旧来ノ法ヲ変革スルハ諸州一般止ム得ザルノ急務ナリ。英国王ノ行ヒヲ論ズレバ不仁惨酷ノ他ニ記スベキモノナク、専もつぱラ暴政ヲ以テ我諸州ヲ抑圧セリ。今其その事実ヲ枚挙シ之ヲ世界ニ布告シテ其明論ヲ待ツベシ。
英国王、世上一般ノ利益ノタメ欠ク可ラザルノ良法ヲ採用セズ。○急要ノ事件指起さしおこルトキ、其土地ノ奉行ニテ法ヲ立たてントスルモ、英国王之これヲ禁ジテ、王ノ免許ヲ得ルニ非ザレバ之ヲ施行セシメズ。加之しかのみならず斯ク其施行ヲ禁ジ、王ハ自カラ之ヲ忘却シテ意ヲ用ユルコトナシ。
○英国王、州内一般ニ的当セル法令ヲ施スコトヲ拒ミ、其人民ヲシテ国法ヲ会議セシムルノ通義ヲ破レリ。此通義ハ人民ニ於テハ甚はなはダ貴重ニシテ、暴政ヲ行ハントスル者ノ恐ルヽ所ナリ。」
「人類の歴史において、ある国民が、他の国民とを結び付けてきた政治的なきずなを断ち切り、世界の諸国家の間で、自然の法と自然神の法によって与えられる独立平等の地位を占めることが必要となったとき、 全世界の人々の意見を真摯に尊重するならば、その国の人々は自分たちが分離せざるを得なくなった理由 について公に明言すべきであろう。
われわれは、以下の事実を自明のことと信じる。すなわち、すべての人間は生まれながらにして平等で あり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられているということ。こうした権利を確保するために、人々の間に政府が樹立され、政府は統治される者の合意に基づい て正当な権力を得る。そして、いかなる形態の政府であれ、政府がこれらの目的に反するようになったと きには、人民には政府を改造または廃止し、新たな政府を樹立し、人民の安全と幸福をもたらす可能性が 最も高いと思われる原理をその基盤とし、人民の安全と幸福をもたらす可能性が最も高いと思われる形の権力を組織する権利を有するということ、である。もちろん、長年にわたり樹立されている政府を軽々しい一時的な理由で改造すべきではないことは思慮分別が示す通りである。従って、あらゆる経験が示すよ うに、人類は、慣れ親しんでいる形態を廃止することによって自らの状況を正すよりも、弊害が耐えられ るものである限りは、耐えようとする傾向がある。しかし、権力の乱用と権利の侵害が、常に同じ目標に 向けて長期にわたって続き、人民を絶対的な専制の下に置こうとする意図が明らかであるときには、そのような政府を捨て去り、自らの将来の安全のために新たな保障の組織を作ることが、人民の権利であり義 務である。これらの植民地が耐え忍んできた苦難は、まさにそうした事態であり、そして今、まさにその ような必要性によって、彼らはこれまでの政府を変えることを迫られているのである。現在の英国王の治世の歴史は、度重なる不正と権利侵害の歴史であり、そのすべてがこれらの諸邦に対する絶対専制の確立 を直接の目的としている。このことを例証するために、以下の事実をあえて公正に判断する世界の人々に 向けて提示することとする。」
一見して明らかな通り、現代語訳、おそらく黒田訳には英国王は一つしかでてこない。原文ではどうだろうか?
When in the Course of human events, it becomes necessary for one people to dissolve the political bands which have connected them with another, and to assume among the powers of the earth, the separate and equal station to which the Laws of Nature and of Nature's God entitle them, a decent respect to the opinions of mankind requires that they should declare the causes which impel them to the separation.
We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.--That to secure these rights, Governments are instituted among Men, deriving their just powers from the consent of the governed, --That whenever any Form of Government becomes destructive of these ends, it is the Right of the People to alter or to abolish it, and to institute new Government, laying its foundation on such principles and organizing its powers in such form, as to them shall seem most likely to effect their Safety and Happiness. Prudence, indeed, will dictate that Governments long established should not be changed for light and transient causes; and accordingly all experience hath shewn, that mankind are more disposed to suffer, while evils are sufferable, than to right themselves by abolishing the forms to which they are accustomed. But when a long train of abuses and usurpations, pursuing invariably the same Object evinces a design to reduce them under absolute Despotism, it is their right, it is their duty, to throw off such Government, and to provide new Guards for their future security.--Such has been the patient sufferance of these Colonies; and such is now the necessity which constrains them to alter their former Systems of Government. The history of the present King of Great Britain is a history of repeated injuries and usurpations, all having in direct object the establishment of an absolute Tyranny over these States. To prove this, let Facts be submitted to a candid world.
1箇所しか無い。
JUSTICEは正義ではない。この像がなぜJUSTICEを象徴しているのか、やっと分かりました。
米国の憲法にあるJUSTICEとは、実は正義ではない。どちらかというと公平、均等である。それ自体に決まった価値を埋め込まれたような正義という言葉は憲法のプログラム動作を恣意的に歪みたてフリーズする。
天ノ人ヲ生ズルハ億兆皆みな同一轍ニテ、之ニ附与スルニ動カス可カラザルノ通義ヲ以テス。即すなわチ其通義トハ人ノ自カラ生命ヲ保シ自由ヲ求メ幸福ヲ祈ルノ類ニテ、他ヨリ之ヲ如何トモス可ラザルモノナリ。人間じんかんニ政府ヲ立たつル所以ハ、此通義ヲ固クスルタメノ趣旨ニテ、政府タランモノハ其臣民ニ満足ヲ得セシメ初はじめテ真ニ権威アルト云フベシ。政府ノ処置、此趣旨ニ戻もとルトキハ、則すなわチ之ヲ変革シ或ハ之ヲ倒シテ、更ニ此この大趣旨ニ基キ、人ノ安全幸福ヲ保ツベキ新政府ヲ立ルモ亦人民ノ通義ナリ。是レ余輩ノ弁論ヲ俟まタズシテ明了ナルベシ。○因循姑息いんじゆんこそくノ意ヲ以テ考フレバ、旧来ノ政府ハ一旦軽卒ノ挙動ニテ変ジ難シト思フベシ。然レドモ同一ノ人民ヲ目的ト為シテ強奪ヲ恣ほしいままニシ悪俗ヲ改メシメズンバ、遂ついニハ自主自裁ノ特権ヲ以テ国内ヲ悩マスニ至ルベシ。故ニ斯かくノ如キ政府ヲ廃却シテ後来ノ安全ヲ固クスルハ、人ノ通義ナリ、亦また人ノ職掌ナリ。○方今我諸州正まさシク此ノ難ニ罹レルガ故ニ、政府旧来ノ法ヲ変革スルハ諸州一般止ム得ザルノ急務ナリ。英国王ノ行ヒヲ論ズレバ不仁惨酷ノ他ニ記スベキモノナク、専もつぱラ暴政ヲ以テ我諸州ヲ抑圧セリ。今其その事実ヲ枚挙シ之ヲ世界ニ布告シテ其明論ヲ待ツベシ。
英国王、世上一般ノ利益ノタメ欠ク可ラザルノ良法ヲ採用セズ。○急要ノ事件指起さしおこルトキ、其土地ノ奉行ニテ法ヲ立たてントスルモ、英国王之これヲ禁ジテ、王ノ免許ヲ得ルニ非ザレバ之ヲ施行セシメズ。加之しかのみならず斯ク其施行ヲ禁ジ、王ハ自カラ之ヲ忘却シテ意ヲ用ユルコトナシ。
○英国王、州内一般ニ的当セル法令ヲ施スコトヲ拒ミ、其人民ヲシテ国法ヲ会議セシムルノ通義ヲ破レリ。此通義ハ人民ニ於テハ甚はなはダ貴重ニシテ、暴政ヲ行ハントスル者ノ恐ルヽ所ナリ。」
「人類の歴史において、ある国民が、他の国民とを結び付けてきた政治的なきずなを断ち切り、世界の諸国家の間で、自然の法と自然神の法によって与えられる独立平等の地位を占めることが必要となったとき、 全世界の人々の意見を真摯に尊重するならば、その国の人々は自分たちが分離せざるを得なくなった理由 について公に明言すべきであろう。
われわれは、以下の事実を自明のことと信じる。すなわち、すべての人間は生まれながらにして平等で あり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられているということ。こうした権利を確保するために、人々の間に政府が樹立され、政府は統治される者の合意に基づい て正当な権力を得る。そして、いかなる形態の政府であれ、政府がこれらの目的に反するようになったと きには、人民には政府を改造または廃止し、新たな政府を樹立し、人民の安全と幸福をもたらす可能性が 最も高いと思われる原理をその基盤とし、人民の安全と幸福をもたらす可能性が最も高いと思われる形の権力を組織する権利を有するということ、である。もちろん、長年にわたり樹立されている政府を軽々しい一時的な理由で改造すべきではないことは思慮分別が示す通りである。従って、あらゆる経験が示すよ うに、人類は、慣れ親しんでいる形態を廃止することによって自らの状況を正すよりも、弊害が耐えられ るものである限りは、耐えようとする傾向がある。しかし、権力の乱用と権利の侵害が、常に同じ目標に 向けて長期にわたって続き、人民を絶対的な専制の下に置こうとする意図が明らかであるときには、そのような政府を捨て去り、自らの将来の安全のために新たな保障の組織を作ることが、人民の権利であり義 務である。これらの植民地が耐え忍んできた苦難は、まさにそうした事態であり、そして今、まさにその ような必要性によって、彼らはこれまでの政府を変えることを迫られているのである。現在の英国王の治世の歴史は、度重なる不正と権利侵害の歴史であり、そのすべてがこれらの諸邦に対する絶対専制の確立 を直接の目的としている。このことを例証するために、以下の事実をあえて公正に判断する世界の人々に 向けて提示することとする。」
一見して明らかな通り、現代語訳、おそらく黒田訳には英国王は一つしかでてこない。原文ではどうだろうか?
When in the Course of human events, it becomes necessary for one people to dissolve the political bands which have connected them with another, and to assume among the powers of the earth, the separate and equal station to which the Laws of Nature and of Nature's God entitle them, a decent respect to the opinions of mankind requires that they should declare the causes which impel them to the separation.
We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.--That to secure these rights, Governments are instituted among Men, deriving their just powers from the consent of the governed, --That whenever any Form of Government becomes destructive of these ends, it is the Right of the People to alter or to abolish it, and to institute new Government, laying its foundation on such principles and organizing its powers in such form, as to them shall seem most likely to effect their Safety and Happiness. Prudence, indeed, will dictate that Governments long established should not be changed for light and transient causes; and accordingly all experience hath shewn, that mankind are more disposed to suffer, while evils are sufferable, than to right themselves by abolishing the forms to which they are accustomed. But when a long train of abuses and usurpations, pursuing invariably the same Object evinces a design to reduce them under absolute Despotism, it is their right, it is their duty, to throw off such Government, and to provide new Guards for their future security.--Such has been the patient sufferance of these Colonies; and such is now the necessity which constrains them to alter their former Systems of Government. The history of the present King of Great Britain is a history of repeated injuries and usurpations, all having in direct object the establishment of an absolute Tyranny over these States. To prove this, let Facts be submitted to a candid world.
1箇所しか無い。
JUSTICEは正義ではない。この像がなぜJUSTICEを象徴しているのか、やっと分かりました。
米国の憲法にあるJUSTICEとは、実は正義ではない。どちらかというと公平、均等である。それ自体に決まった価値を埋め込まれたような正義という言葉は憲法のプログラム動作を恣意的に歪みたてフリーズする。