- 化学合成では極めて困難な中分子天然化合物の母核改変を、生合成遺伝子の精密な編集によって実現することに成功した。
- 従来の遺伝子操作技術とは異なり、通常細胞内で用いられるCRISPR/Cas9によるゲノム編集を試験管内で行い、Gibson assemblyと組み合わせることで精密な遺伝子編集技術を確立した。
- この技術を用いることによって、当初の予想より高い成功率で母核改変化合物を生産可能であることが示され、今後の創薬における問題点、すなわち中分子天然化合物の誘導体展開を克服することが大きく期待される。
本研究成果は、2020年8月11日に英国科学誌『Nature Communications』のオンライン版に掲載されました。
論文タイトル
In vitro Cas9-assisted editing of modular polyketide synthase genes to produce desired natural product derivatives
(所望の天然化合物誘導体製造のための試験管内Cas9反応を利用したモジュラー型ポリケタイド合成酵素遺伝子の編集)
著者
Kei Kudo, Takuya Hashimoto, Junko Hashimoto, Ikuko Kozone, Noritaka Kagaya, Reiko Ueoka, Takehiro Nishimura, Mamoru Komatsu, Hikaru Suenaga, Haruo Ikeda & Kazuo Shin-ya