https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsami.3c02250#
名古屋大学(名大)は4月6日、酸化物、グラフェン、窒化ホウ素などの二次元物質(ナノシート)を、1分程度の短時間で基板上に隙間なく配列して薄膜を作製する新技術「高速薄膜作製法」を開発したことを発表した。
研究チームによると、今回の技術は、酸化物、グラフェン、窒化ホウ素など、さまざまな組成、構造のナノシートに適用可能であり、かつさまざまな形状、サイズ、材質の基材上に製膜できることが確認できており、極めて汎用性の高い製膜技術だという。また今回の技術は、自動ピペットによる簡便な滴下・吸引操作を基盤としており、専門的な知識や技術の必要がなく、ワンクリックで、4インチのウェハサイズの大型製膜、少数ロットのオンデマンド自動製膜なども可能となるとしている。
また併せて、今回の手法は、簡便、短時間かつ少量の溶液で高品質稠密配列膜の大面積製膜を実現できるため、製造コストも大幅に削減でき、ナノシートの工業的な薄膜製作法、ナノコーティング法として重要な技術に発展するものと期待されるとしている。