万城目学さんの「偉大なるしゅららぼん」を読みました。物語は琵琶湖の近くの石走に住む湖の民、日出家と棗家の一族の話を軸にしています。琵琶湖から超能力をもらい、その能力をうまく使いながら一家を繁栄させてきた日出家。琵琶湖から超能力をもらい、剣術師範の家として栄華を誇った棗家。日出本家は商売で巨万の富を築き、日出一族は琵琶湖周辺に多く住み、今も安泰だったが、棗家の人々は日出家の金の力で地方に追いやられ、現在、石走に住む者は本家の一家のみとなっていた。道場の経営も苦しく没落していた。この物語の主人公、日出涼介は生まれながらにして湖の民の力を宿していたため、湖西の実家を出て、元藩主の広大な城を住まいとする日出本家に寄宿し、竹生島でその能力を開花すべく修行を始めた。本家の息子、日出淡十郎と涼介は石走の高校に通う1年生同士。同じクラスに配属され、淡十郎が校長の娘、速瀬に恋したり、涼介が、モテモテでいけすかない棗広海に反発したりの平和な日々だった。ところがある日、速瀬の父親で、石走高校の校長であった彼が、突然、日出本家にきて、城から立ち退くよう一家に迫る。速瀬家はかつての藩主の末裔であり、先祖が日出家により、城を取られたといういきさつがあった。その場で、淡十郎の父、淡九郎は、突然、校長にって石のように変えられてしまった。校長は、一家が城を明け渡し、日出一族が琵琶湖周辺から全員立ち去るなら、淡九郎をもとにもどすと言うのだった。一方、棗家にも速瀬校長はやってきて、石走から立ち去るように迫った。父、妹の二人を、石のように変えられてしまった広海は、窮地に陥る。ここから後半は、怒涛の戦いの場面になります。校長は、ものすごい超能力の持ち主だったのか!? すごく奇想天外な話ですが、面白い。万城目学さんの本は、「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」「プリンセストヨトミ」なども読みましたが、どれもとても面白かったです。ファンタジー好きな人にお薦めです。
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