2024年4月28日(日)に詩人で画家でもある星野富弘さんが、他界されました。私が初めて彼の著書「愛、深き淵より」を読んだのは、もう20年以上前のことで、勤務先の学校の図書館から借りました。何の予備知識もなく、選んだ本でしたが、内容に衝撃を受けました。富弘さんは、群馬大学を卒業後、高崎市立倉賀野中学校の体育教師として赴任し、部活動の指導中、器械体操の模範演技をしていた最中に、どういうわけか、頭から落下し、頚椎を損傷し、首から下の運動機能を失いました。感覚がなくなり、まったく動かすことができないという大怪我を負いました。たった二か月の教員生活。怪我をする前は、強靭な肉体で、山男でもあった20代の彼が、なんども命の危険にさらされる壮絶な入院生活を送ることになりました。その間の家族の支え、特に、お母さんの献身的な看病と愛情。親子の関係など、涙なくして読めない本でした。9年にわたる長い入院。そんな暮らしにあっても、ガーゼを巻いたサインペンを口に咥えて、字を書く練習をし、病室の花を写生し、水彩絵の具で色をつけて、多くの作品を生み出しました。絶望の果てに、残された機能を使って表現する喜びを得ました。花の絵に添えられた彼のことばは、心を打つものばかり。数年後、亡き夫と富弘さんの故郷の群馬県の勢多郡東村に建てられた村立・富弘美術館を訪れました。水彩画が退色しないよう、明度を落とした照明の中で、優しさにあふれた彼の多くの作品を観ることができました。富弘さんの生きざまに多くの人が感動し、生きる指針をもらったのではないでしょうか。4月28日(日)は私は、たまたま、焼津市綜合体育館で、太極拳の三段四段特別講習を1日受講していましたが、帰宅後、彼の訃報に接し、悲しくなりました。でも、富弘さんは、精一杯生きられたと想像します。私の蔵書の一冊、「新版、愛、深き淵より」を読み返し、富弘さんを偲ばせていただきました。すばらしい絵と詩をありがとうございました。心より、ご冥福をお祈りします。
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2 コメント
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- Unknown (megu)
- 2024-05-02 19:16:53
- そうでしたか。。。。こうして書いて下さらなかったら知らずにいるところでした。ありがとうございました。星野さんの描かれる絵に添えられた短い言葉はそれはそれは清らかな想いに溢れ素晴らしいものでしたね。毎年カレンダーを買い求めておりましたのに。ご冥福ををお祈りします。
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- 素晴らしい人 (トド)
- 2024-05-02 20:28:11
- 本当に素晴らしい方でしたね。享年78歳だったそうです。残念ですが、きっと富弘さんは暖かなご家族に見守られ、旅立たれたと想像します。クリスチャンになられ、良き伴侶に恵まれたことは、良かったと思います。
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