東野圭吾さんの「流星の絆」を読みました。小学生だった幼い3兄妹が、夜中にこっそり窓から抜け出し、ペルセウス流星群を見に行った夜。天候悪化で流星は見られなかったが、彼らが帰宅した時、裏口の戸があいていて両親は刺殺されていた。犯人が残したと思われた唯一の物的証拠だった透明の白いビニール傘に指紋はなく、手がかりは次男が裏口から出てきて走り去った男の横顔を目撃していたことだけだった。似顔絵を作り、それをもとに捜査が開始したが、捜査は難行し、犯人不明のまま14年の歳月が流れた。児童養護施設に預けられた3兄妹も成長し、施設を出て暮らしていた。彼らは犯人を見つけたいという思いで、今も固い絆で結ばれていた。ある日、妹の静奈が詐欺にひっかかり、30万をだまし取られた。長男の功一は、逆に他人から金をだまし取ればいいと提案し、見事30万をだまし取った。その後、デザイン事務所に勤めてた功一も会社で詐欺にあい、会社倒産で職を失った彼らは詐欺稼業を本格的に始めた。詐欺の計画や準備は長男の功一が担当し、演技と扮装が上手な弟の泰介と美人の妹、静奈が実行犯となって詐欺を重ねていた。彼らの狙いは金持ちの男から金を巻き上げることだった。最後に大きな詐欺をして、大金を巻き上げようと計画した彼らは、都内で何店舗もレストランを経営するとがみ亭の御曹司、戸神行成をターゲットにした。ところが、妹の静奈の見張り役としてレストランのそばで待機していた泰助が、行成の父の、政行を目撃する。その男こそ、泰助があの夜、目撃した男だった。時効まであと1年に迫った殺人事件の実行犯を追い詰め、警察に政行を容疑者として捜査してもらうために、功一たちは、新たに証拠品を準備し、警察を動かそうとするのだった。真犯人は誰なのか、後半の展開がスリリングで一気読みしました。お薦めです。
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