トドの小部屋

写真付き日記帳です。旅行記、本や美術展の紹介、俳句など好きなことをつれづれに。お気軽にどうぞ。

陸王

2018-06-01 09:54:25 | 
池井戸潤さんの「陸王」を読みました。池井戸潤さんといえば、直木賞受賞作の「下町ロケット」を始め、「空飛ぶタイヤ」「あきらとアキラ」、ドラマでも大ヒットした半沢直樹を主人公にした銀行の話など、難しそうな企業の話をわかりやすく興味深い小説にする作家さんだと思いますが、今回読んだ「陸王」も100年の歴史を誇る足袋製造の老舗「こはぜ屋」が、和装の衰退から本業の足袋の売り上げが落ち込み、企業としてジリ貧になっている現状を打開すべく、新規事業としてランニングシューズ製造を始める話です。この陸王は、こはぜ屋がシルクレイという新素材をソールに使い、アッパー素材も新しく織物業者から調達して生み出した新製品の靴の名前です。ランニングシューズをめぐる大手のアトランティスとの競合、中小企業の資金不足からくる行き詰まり、融資をしぶる銀行の姿勢、シルクレイを生み出し、その特許を取得した飯山という男の存在、ランニングの選手とシューフィッターとの関係。企業買収の話など、いろいろな要素を取り込み、最後までグイグイと読ませる内容です。「あきらとアキラ」はWOWOWのドラマで観てとても面白かったのですが、池井戸さんの小説を読んだのは初めてだと思います。「陸王」お薦めです。なんとなく敬遠していた「下町ロケット」も読んでみようかと思います。
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