トドの小部屋

写真付き日記帳です。旅行記、本や美術展の紹介、俳句など好きなことをつれづれに。お気軽にどうぞ。

チョコレートコスモス

2021-02-14 13:15:10 | 
恩田陸さんの「チョコレートコスモス」を読みました。チョコレートコスモスって花をご存知でしょうか。コスモスなんですが、茶色っぽいやや小ぶりのコスモスで、ちょっと地味な感じの花。この本のタイトルがなぜ「チョコレートコスモス」なったのかが最後にわかります。このあたりの展開、恩田陸さんってうまいなぁと実感。演劇の世界の物語です。芸能一家に生まれ、物心ついたときには女優デビューをしていた東響子は20歳そこそこだが芸歴は長く、才能豊かな舞台女優として活躍していた。小松崎という前衛的な脚本家兼演出家のもとで、「真夏の夜の夢」の設定を現代に置き換えて小松崎が書き換えた「ララバイ」という芝居の稽古場で居心地の悪さを感じながら、稽古に参加していた。共演者は、実力のある若手男優2人と安積あおいというアイドル出身の女優。芝居が上手くいかず、中断されたときに小松崎から課された「エチュード」の場面でのヒリヒリした現場。怖いなぁ。
一方、脚本家の神谷は、新しい脚本の書き出しが上手くいかず、じりじりしていたとき、事務所の窓から偶然見かけた少女に注目した。少女は駅前に集う人たちをすごい集中力で観察し、そのうち誰かを定めると、存在を消すように近づき、真似をすることを繰り返していた。姿かたちはまるで違うのに、その類まれな技に神谷は舌を巻いた。少女の名は佐々木飛鳥。彼女はW大の1年で、後日、W大の演劇研究会から独立し、男10人で新たに作った劇団に加わることになる。劇団の名前は「ゼロ」。ゼロの旗揚げ公演の「目的地」という演目で演じた佐々木飛鳥の演技は、玄人たちの注目を浴びることになり、芹澤泰次郎という映画界の巨匠が手掛ける舞台へのオーディションに呼ばれることになったのだが・・・演劇のプロの厳しくも真剣な世界の話で、緊張感が途切れることなく興味深く読みました。お薦めです。手元に2冊予約した本がきました。



追伸=昨夜11時過ぎの地震は福島県沖が震源で震度6強。横揺れが長く続いたので、東日本大震災と阪神淡路大震災の悪夢がよぎりました。10年前の3.11の大地震の余震だとか。朝になって被害状況がわかってきました。被災された方々にはお見舞い申し上げます。
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春を探して俳句を

2021-02-14 09:54:46 | 俳句
久しぶりに俳句の記事をば。(*^^*)
9日は梶の葉火曜句会でした。最近は平日忙しく、なかなか俳句脳になっていませんでしたが、火曜日夜の句会に間に合わせるべく、俳句作りのために5日(金)に十輪寺に散歩に出ました。困ったときの十輪寺。毎年3月に木蓮祭を開催するお寺です。春を探しに行きました。1枚目の写真は十輪寺の白木蓮の枝を撮影したもの。どの枝にもたくさんの新芽が出ていました。可愛い産毛の新芽。



「蒼穹に産毛輝く木の芽かな」

十輪寺の墓地の横にある沈丁花は蕾をつけていて、匂いを嗅いだら、微かに香りがしました。
「沈丁の蕾微かに香りけり」

帰りに通ったいつもの梅並木の白梅は満開でした。



「人影のなき白梅の小道かな」
9日の句会に出した他の句は
「玻璃越しの庭の明るさ春隣」
「春の宵チーズフォンデュと赤ワイン」
「夫の声抑へぎみなる鬼やらひ」

9日の句会で間島先生から入選と秀逸にとっていただけた句だけをご紹介しました。また頑張ろうっと。(*^^*)
これからも句づくりに困った時は、外に出て感じたことを詠みたいと思います。
ちなみに家の近所の朝比奈川堤防の河津桜は2月5日はこんな感じでした。この木はかなり咲いていましたが、全体的には見ごろはまだという感じでした。





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