原田マハの「リーチ先生」を読みました。イギリス人の著名な陶芸家、バーナード・リーチの物語です。リーチは香港で生まれ、幼い頃、日本で過ごし、ロンドンの美術学校で高村光太郎と知り合い、そのつてを頼って来日した。当初はエッチング教室を開いたりしていたが、陶芸に目ざめる。浦野光山に陶芸を学び、七代目尾形乾山を襲名する。その後、中国の陶器に興味を抱き、北京にわたるが、また日本に帰って柳宗悦の自宅の庭(千葉県の我孫子)に登窯を築き、数々の名品を生みました。名のない陶工たちが作り出す日常使いの陶器の中に美を見出す「民藝」に共感し、そんな中で芸術的な陶器を作り出していった。リーチは後年、のちに人間国宝になる濱田庄司とリーチの弟子として作陶を続け、リーチを支えた沖亀之助を連れてイギリスに戻り、セント・アイブスというイギリス西部の地で、陶器に適した土を見つけ、そこに窯を築いて、職人と陶芸家がともに作陶するリーチ・ポタリ―を作り、活動を続けた。日本の陶芸技術を学ぶだけでなく、日本にもイギリスの伝統的技法のスリップウェアと言われる陶器を伝え、多くの影響を与えた。まさに日本とイギリスの架け橋となった陶芸家だったことがわかりました。物語の登場人物の沖亀之助とその息子の高市は架空の人物ですが、のちに偉大な陶芸家となる河井寛次郎、濱田庄司、「白樺」同人で美術評論家の柳宗悦、彫刻家の高村光太郎など実在人物を登場させ、史実を踏まえたバーナード・リーチの魅力的な物語になっています。陶芸などまったく門外漢の私ですが、今、NHKの朝のドラマ「スカーレット」で信楽の陶芸家の話を放送中なので、タイムリーでした。お勧めです。ネットでバーナード・リーチの作品を見ましたが、美しい!すごいなぁと思いました。
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