今日は午前中に広域処理と最終処分場の整備に関する記事を書いたので、午後は北中城村における広域処理と最終処分場の整備に関する記事を書きます。
北中城村は平成26年3月にごみ処理計画を改正していますが、あえて廃棄物処理法の基本方針には適合しない計画に改正しています。
市町村のごみ処理計画が廃棄物処理法の基本方針に適合していない場合は、ごみ処理施設の整備に当たって国の補助金を利用することができなくなりますが、なぜ、北中城村はそれでも廃棄物処理法の基本方針に適合しない計画に改正したのか?
それは、溶融炉を休止しても最終処分場の整備を行わない計画にしたかったからだと思われます。なぜなら、改正するごみ処理計画を廃棄物処理法の基本方針に適合させると最終処分場の整備を課題として抽出しなければならないからです。
ちなみに、廃棄物処理法の基本方針は5年ごとに変更が行われており、平成22年12月に変更された基本方針は今年の1月21日に変更されています。ただし、最終処分場の整備に関する方針は変更されていません。したがって、北中城村が見直すことになるごみ処理計画は最終処分場の整備が課題になります。
なお、廃棄物処理法の基本方針は市町村に対してごみ処理計画における処理体制を住民に十分に周知することを求めていますが、広域処理における「処理体制」とは関係市町村の「役割分担」と同じ意味になります。また、市町村にとっては住民に対するごみ処理計画の「告知」が最も効果的な「周知」の手段になります。
という前提で下の画像をご覧下さい。画像の一番右が、最終処分場の整備に関する見直し案です。
原寸大の資料(画像をクリック)
北中城村は「旧知の仲」ともいえる中城村と申し合わせて、最終処分場の整備を行わずに溶融炉を休止して焼却灰の民間委託処分を行うごみ処理計画を策定していますが、浦添市との広域処理を目指して行くとなると浦添市とも一定の申し合わせが必要になります。しかも、浦添市とは「旧知の仲」ではないので、ごみ処理計画の見直しを行う場合は浦添市に対してそれなりの配慮が必要になります。その配慮が足りないと浦添市との間に感情的な「シコリ」が残ることになります。
特に、北中城村や中城村が廃棄物処理法の基本方針に従わずに焼却灰の民間委託処分を行っていることについては、なんらかの形で「ケジメ」を付けることが不可欠になります。なぜなら、このまま浦添市が北中城村や中城村と広域処理を行うと浦添市も廃棄物処理法の基本方針に従わないごみ処理を行うことになってしまうからです。
浦添市は廃棄物処理法の基本方針に従って溶融炉の長寿命化を行い溶融スラグや溶融飛灰の利用を推進していますが、仮にそうなった場合は、溶融炉を休止して焼却灰の民間委託処分を行っている北中城村や中城村のために広域施設の整備に当たって国の補助金を利用することができなくなります。
広域施設は浦添市に整備することになるようですが、国の補助金を利用するためには1市2村のごみ処理計画が廃棄物処理法の基本方針に適合していなければなりません。したがって、2村のごみ処理計画が基本方針に適合していない場合はアウトということになります。
以上により、北中城村が廃棄物処理法の基本方針に従ってごみ処理計画の見直しを行う場合は、上の画像にあるように北中城村において最終処分場の整備を行う「覚悟」があることを浦添市に対して明確に示す必要があるというのがこのブログの管理者の考えです。
※北中城村は平成28年度から浦添市との広域処理を目指して事務処理を行っていくことがほぼ決定しているので、今年度中にごみ処理計画を見直すことになります。もちろん、中城村と中北組合も同様にごみ処理計画を見直すことになります。
※北中城村が最終処分場の整備に関する北中城村の「役割分担」等をスルーしてごみ処理計画の見直しを行った場合は、沖縄県におけるウチナーンチュ同士の礼儀や北中城村の歴史や文化を知らない第三者(内地のコンサルタント等)が見直しに関わっていることになり、北中城村はその第三者にごみ処理計画の見直しを丸投げしていたことになると考えます。