ゲストの皆様へ
このブログは、当分の間、下の資料にある問題を解決するために管理をして行く予定です。 なお、この問題を県が放置していた場合は、県に対する県内の市町村、そして県民の信頼を著しく損なうおそれがあると考えています。
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その13は、「県と国のロジックの違い」について書きます。
その前に、下の画像(3つ)をご覧下さい。
これは、中北組合に対する沖縄県の技術的援助の概要を整理した資料です。
中北組合のごみ処理施設(青葉苑)は、①2基の焼却炉(設備)、②1基の溶融炉(設備)、③1棟の建物で構成されています。 そして、沖縄県は中北組合に対してごみ処理施設の経過年数が10年を超えている(設備の処分制限期間も経過している)ことを根拠にして、溶融炉(設備)の運用を放棄して建物内に放置しておくことができるという技術的援助を与えています。
(注)実際のごみ処理施設には不燃ごみの分別等を行うリサイクルプラザも併設されていますが、ここでは省略しています。
地方財政法や補助金適正化法、そして廃棄物処理法等の規定に基づく焼却炉と溶融炉は同じ「設備」になります。したがって、経過年数が10年を超えた場合に溶融炉の運用を放棄して建物内に放置しておくことができる場合は焼却炉の運用も放棄して建物内に放置しておくこともできることになります。
(注)沖縄県は中北組合に対して最終処分場の整備を行わずに焼却灰の民間委託処分を認める技術的援助も与えているので、最終処分場の整備を行わずに焼却炉の運用を放棄して民間に可燃ごみの焼却処理を委託することもできることになります。
沖縄県においては焼却炉と溶融炉が一体化しているガス化溶融炉を整備している市町村もあります。そのガス化溶融炉も焼却炉や溶融炉と同じ「設備」なので、経過年数が10年を超えた場合は運用を放棄して建物内に放置しておくこと、つまり、ごみ処理施設を閉鎖することができることになります。そして、最終処分場の整備を行わずに可燃ごみの焼却処理を民間に委託することができることになります。
(注)中北組合に対する沖縄県の技術的援助によれば、沖縄県においては設備の長寿命化を行う必要はないことになります。なお、長寿命化を行わずに運用を放棄した設備を建物内に放置している場合は建物の運用(所有財産の所有の目的に応じた効率的な運用)も放棄していることになります。そして、設備を運用するために整備した建物を補助金の交付の目的に反して使用(運用を放棄した設備の倉庫として使用)していることになります。
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ということで、本題に入ります。
まず、下の画像(3つ)をご覧下さい。
これは、ごみ処理施設の整備に関する沖縄県のロジックを整理した資料です。
このように、沖縄県のロジックは、ごみ処理施設の経過年数が10年を超えている場合は設備だけでなく建物も運用を放棄することができることになっています。しかし、このロジックでは地方財政法第8条及び補助金適正化法第22条の規定に違反することになります。それでも、県のロジックは市町村が廃棄物処理法の基本方針に適合するごみ処理計画を策定すれば国の補助金を利用して新たにごみ処理施設を整備することができるというロジックになっています。
県はこのロジックに従って、中北組合に対して、ごみ処理施設の長寿命化や最終処分場の整備を免除する技術的援助を与えています。
このように、県のロジックは、①ごみ処理施設の「使い捨て」を容認するロジックであり、②ごみ処理施設の整備を放棄することもできるロジックになっています。
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下の画像(2つ)は、県のロジックと法令違反との関係を整理した資料です。
県が法令に違反するロジックに基づいて市町村に対して技術的援助を与えることは絶対にありません。したがって、県は県のロジックが法令に違反していることを知らないことになります。なお、地方財政法違反については県は認識していないと思われます。また、補助金適正化法違反については県は十分に認識していないと思われます。
(注)県が法令違反を承知で市町村に対して技術的援助を与えていた場合は別の問題になりますが、県のロジックが法令に違反しないロジックであるとした場合は、県は市町村に対してその根拠を明示しなければならないことになります。
このように、県のロジックが法令に違反しないロジックであるとした場合は、沖縄県における市町村のごみ処理計画が流動化することになります。そして、県は県が自ら策定している廃棄物処理計画を改正しなければならないことになります。
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下の画像(3つ)は、ごみ処理施設の整備に関する国のロジックを整理した資料です。
国のロジックは廃棄物処理法の基本方針に明記されています。したがって、ごみ処理施設の長寿命化を行っていない市町村に対して国は財政的援助を与えることはできないことになります。また、ごみ処理施設の整備を放棄して民間委託を行っている市町村に対しても財政的援助を与えることはできないことになります。
このように、国のロジックは、①ごみ処理施設の更新を行う前に長寿命化を行い、②民間に最終処分を委託している場合は市町村が自ら最終処分場を整備するというロジックになっています。
この資料は、国のロジックにおける特例(右下)に関する資料です。ごみ処理は市町村の自治事務なので、国の補助金を利用してごみ処理施設を整備している場合であっても、市町村が自主財源により代替措置を講じた場合は、補助金を返還せずに施設を廃止することができます。また、新たにごみ処理施設を整備する場合であっても廃棄物処理法の基本方針に適合する代替措置を講じている場合は国の補助金を利用することができます。
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下の画像(3つ)は、中北組合が国のロジックにおける特例を活用する場合を想定して作成した資料です。
このように、溶融炉については代替措置を講じることによって長寿命化を回避することができます。しかし、焼却炉については継続して運用して行くことになるので長寿命化を行わなければならないことになります。
中北組合が溶融炉を廃止するために代替措置を講じた場合であっても、最終処分ゼロを継続できない場合は必要となる最終処分場を整備しなければなりません。しかし、最終処分ゼロを継続できる場合は最終処分場の整備を回避することができます。
このブログの管理者は、県や中北組合が琉球大学に技術的援助を依頼すれば、溶融炉を廃止して最終処分ゼロを継続できる代替措置を講じることができると考えています。ただし、平成28年度はインフラ長寿命化基本計画に基づく「行動計画」の策定期限になっているので、今年度中に代替措置に関する具体的な施策を決定しない場合は、国のロジックにおける特例を活用することはできないことになります。
(注)中北組合が法令違反の是正に当って代替措置を講じることができない場合は、溶融炉を再稼動して焼却炉と一緒に長寿命化を行うことになります。しかし、溶融炉の再稼動は中北組合にとってはギャンブルになる(失敗する確率が極めて高い施策になる)ので、議会や住民の理解と協力を得るために、できる限り代替措置を講じる方向で事務処理を進めるべきであると考えています。
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下の画像(3つ)は、一般廃棄物の適正な処理に関する国のロジックを整理した資料です。
このように、国民は国や地方公共団体の施策に協力しなければならないことになっています。そして、国と都道府県は都道府県が策定した廃棄物処理計画の達成に必要な措置を講じなければならないことになっています。そして、市町村は市町村が策定したごみ処理計画に従ってごみ処理を行わなければならないことになっています。
都道府県が策定する廃棄物処理計画と市町村が策定するごみ処理計画には直接的な関係はありません。しかし、沖縄県民と県内の市町村民は同じ国民なので、市町村は国や都道府県の施策に協力しなければならないことになります。つまり、国のロジックは廃棄物処理法第2条の4の規定があることによって、国と都道府県と市町村の施策が一体的な施策になるというロジックになっています。
このように、沖縄県の市町村民は沖縄県民として市町村の施策と県の施策に協力しなければならないので、上の資料にある3つの法令の規定は、結果的に一体化していることになります。
(注)沖縄県は市町村に対して県の廃棄物処理計画を強要することはできないという立場を取っていますが、沖縄県民は廃棄物処理法第2条の4の規定により県の施策に協力しなければならないので、結果的に県は市町村に対して県が策定した廃棄物処理計画を強要していることになります。その証拠に、県の廃棄物処理計画においては「市町村は県の廃棄物処理計画の考え方に即してごみ処理計画を策定する」としています。
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下の画像は、一般廃棄物の適正な処理に関する県のロジックとロジックの矛盾点を整理した資料です。
このように、沖縄県のロジックは国民の責務と国や県の責務を無視して、市町村の責務だけに対応したロジックになっています。
上の画像にあるように、沖縄県においては、市町村は廃棄物処理法第6条の2の規定を遵守していれば、一般廃棄物の適正な処理を行っていることになります。しかし、このロジックは下の画像にあるような矛盾点を抱えています。
このように、沖縄県民が日本の国民ではないとした場合は、沖縄県内の市町村民も日本の国民ではないことになるので、市町村も日本の地方公共団体ではないことになってしまいます。
このように、県のロジックでは沖縄県においては上の資料にある2つの法令の規定は適用されないことになりますが、その場合は、一番下にある市町村に対する法令の規定も適用されないことになってしまいます。
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下の画像(2つ)は、県のロジックに基づいて中北組合がインフラ長寿命化基本計画に基づく「行動計画」を策定した場合を想定して作成した資料です。
県は県のロジックが法令に違反していることを知りません。そして、中北組合も知りません。しかし、中北組合が行動計画を策定すれば国が法令違反を知ることになります。したがって、中北組合が県のロジックに基づいて行動計画を策定した場合は、広域処理を推進することはできないので、単独更新を前提とした行動計画に修正することになります。
(注)行動計画には更新コストの見通しを記載することになっていますが、中北組合は国の補助金を利用することができないので40億円以上の自主財源を住民から確保しなければならないことになります。
中北組合が行動計画を修正することになった場合は、中城村と北中城村の住民に過大な財政負担を強いることになります。しかし、その原因を作ったのは県ということになるので、県としては単なる「過失」では済まされない状況になると考えています。
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下の画像(2つ)は、中北組合が国のロジックに基づいて行動計画を策定した場合を想定して作成した資料です。
浦添市は平成30年度に地域計画を策定して平成31年度に広域組合を設立することを広域処理の条件にしています。したがって、中北組合は平成30年度には焼却炉の長寿命化を完了しなければならないことになります。そして、そのためには平成29年度に代替措置を講じて溶融炉を廃止しなければならないことになります。
このように、平成30年度(供用開始から16年目)は焼却炉の長寿命化を行うタイムリミットになります。しかし、その前に代替措置を講じて溶融炉を廃止しなければなりません。したがって、平成29年度に中北組合が溶融炉を廃止するための代替措置を講じることができないと浦添市が判断した場合は、広域処理は白紙撤回になります。
(注)中北組合だけでなく浦添市も平成28年度中に行動計画を策定することになるので、浦添市としてはそろそろ広域処理の白紙撤回を決断しなければならない状況になっています。
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下の画像(2つ)は、ごみ処理施設の長寿命化に関する国のロジック(環境省の考え方)を整理した資料です。
この資料にある環境省の考え方は、処分制限期間を経過した設備の運用を放棄している(設備の長寿命化を行わずに休止している)市町村に対しては国(環境省)は財政的援助を与えないことを意味しています。
この資料は、市町村に対する国の技術的援助に関する具体的な施策を整理したものですが、国の技術的援助は財政的援助を前提にして行われています。したがって、市町村がこれらの国の技術的援助に対応していない場合は、当然のこととして国の財政的援助を受けることができないことになります。
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以上が、「県と国のロジックの違い」に関するこのブログの管理者の意見です。
最後に、下の画像をご覧下さい。
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地方自治法第2条第16項の規定により、地方公共団体は法令に違反して事務処理を行うことができないことになっています。しかし、中北組合は沖縄県の技術的援助に従って法令に違反する事務処理を行っています。
その中北組合は、今年度中にインフラ長寿命化基本計画に基づく「行動計画」を策定しなければなりません。
したがって、沖縄県は中北組合の法令違反を是正するために、中北組合に対する不適正な技術的援助を早急に適正化する必要があると考えます。
その14に続く