島の友人、S子さんから先日早朝電話が来た。
電話が来るときは夕方、彼女は夕食が終わってからで、私のほうはこれから食事という時間帯が多いのだが、この日は早朝、何事だろうと訝しみながら電話に出た。
元気のない声。どうしたの?と聞くと「私を励ましてください」とのこと。
彼女のお姉さん夫妻が特老に行くことになったと泣いている。確か、そのお姉さんは80歳を超えている。30年も前、私が島に住んでいたころ婦人会活動を一緒にして随分助けていただいた記憶がある。
そのころから膝が痛いと嘆いていらっしゃった。
ご主人のほうも耳が遠くて筆談でないとできないらしい。そんな二人だから、いよいよ施設へ行くという決心をなさったようだ。
呼べば届くような近所に、姉妹で何十年も一緒に住まっていたのに・・とこの先が不安と寂しさでいっぱいのようだった。
でもねぇ、ここで考えねばならないのは、今まで通りに暮らしたら、姉さん夫妻はいよいよ動けなくなる。しかしあなたは、「その面倒を見られるか」ということがあるよ。と、冷たいようだが私は言った。
S子さん自身もパーキンソン病を患っていて、連れ合いさんの世話になっている状態だ。
夫婦一緒の部屋が空いているなら、今がいい潮時ではないのかなとも思う。入所のタイミングは、空きがなければ待たねばならない。ちょうど二人部屋が空いていると聞いた。
悲しいことだが、年齢を重ねれば、ほとんどの人が体を動かすことさえも不自由になってしまう。
かくいう私も、首が悪くて腕までも痛い。だんだん酷くなっているので、いつどういう状態になるか、この先を考えると不安は尽きない。
それでも生ある限りは生きねばならない。
彼女を慰めつつも、自分をも心で鼓舞することだった。
ではまた、お会いしましょう