個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

静止しているように見えるかもしれないけれども

2020-06-18 18:16:08 | 不登校
こんばんは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

先日高校時代の友人に半年ぶりに会ったのですが、「痩せたなー」と言われました。自分では気づいていませんでしたが、帰って体重を量ってみると半年前と比べて5㎏ほど減っていました。確かにウオーキングをまったくしなくなったけれども、コロナの自粛期間中は自宅でスクワットしたり普段より運動してたかもしれません。自粛期間の方が運動量が多いって(笑)

ですが、毎日顔を合わせている家族には「痩せた」なんて声は一言もなかったです。「5kg痩せてん」とこちらから言ったら「そういえば、そんな感じもするなあ」といった具合です。よほど家族は私に関心がないんでしょうか(笑)

まあそんなことはないと思いますが、毎日のように会っているとその変化に気づきにくいというのはあるでしょうね。成長期ということもありますが、卒業した生徒が久しぶりに遊びに来てくれたときなどは、ずいぶんとその変化・成長ぶりに驚きますもんね。

そういう意味では親というのは子どもの成長には気づきにくいのも納得です。親子ってそういうものかもしれず、ふと横に立ったときに「あれっ、いつのまにこんなに背が伸びていたんだろ」とか、普段の会話の中で「こんな難しい言葉使えるようになったんや」「こんな深いことを考えられるようになったんや」などと気づき、子どもの成長を嬉しく感じるものなのでしょうね。

ですが、その子どもの成長や変化に気づかず、しんどくなるケースもあります。不登校の子どもの親御さんはそうなることが多いように思います。その原因の1つは、子どもの不登校という状況がいつまで続くのか不安だ、早く学校に復帰してほしい、あるいは早く目標を見つけて動き出してほしいなどの「もっと変わってほしい!」という思いが強すぎることです。そういう目で毎日子どもを見続けているため、子どもの微妙な変化に気づかないのです。

小学校5年生から4年間不登校で、ひきこもっていた子がいるとします。親としては、子どもの将来が不安になるでしょう。「このまま高校にも進学しなかったらどうなってしまうのだろう」「いったいいつまでこの状態が続くのか」もちろんそのような不安な気持ちが大きくなるのは自然なことですし、子どもに対する愛情が大きいからこそ心配なんですよね。

しかし心配するだけでなく子どもの微妙な変化に気づいてあげ、そして喜んであげることが大切です。上記のように4年間不登校でひきこもっていた子どもが動き出すには相当なエネルギーが必要です。人間の思考の約8割はネガティブなものだという学者もいます。多いですよね。ただ私たちのように毎日仕事をしたり、あるいは学校に行ったりしている人は、仕事のことや勉強や部活、友だち関係や趣味のことなど考えることがありすぎ、日々の生活に追われ、ゆっくりと自分自身のことや自分の将来のことについて考える時間もありません。しかし、ひきこもっている子どもに関しては真逆で、時間がありすぎるのです。この時間がありあまっていることが大きな問題なのですが、彼らは何度も何度も自分の置かれている状況や将来のことを考えます。そのほとんどがネガティブなものになり、ますます不安になり、考えることが怖くなり現実逃避のためにゲームやネットの世界にはまっていくのです。

このようにネガティブな感情で満たされてしまった子どもたちが動き始めるのは大きなエネルギーが必要となるのです。そして大きなエネルギーを使ったとしてもその動いた距離はごくわずかかもしれません。ですがそのごくわずかな動いた距離が大きな1歩となるのです。

「ほとんど会話らしい会話がなかったのに、話しかけてくるようになった」「家から出なかったのに、近くのコンビニに行くようになった」これらは大きな変化です。

「受験しようと思うからちょっと勉強しようかな」「カウンセリング受けてみたいねんけど」もう動き出しました。大丈夫です。もちろんここで喜んで応援してあげるべきなのですが、過度の期待をしてはいけないと思います。私たちも、病気で何日か寝込んでいた場合、急に全力で動き出すとしんどくなりますよね。彼らの場合も同じです。多くの場合、その反動がやってきます。

「勉強したい」と言ったから塾に通い始めたけれども、最近休んでばかりいる。そんなこともありますよ。気持ちは「勉強しよう!」「高校(大学)に進学しよう!」と思っていても、急に動き始めたから体がついてこなかったり、疲れが出てしまうんです。しばらく慣れるまではゆっくり待ってあげましょう。

そして順調に歩き出したら「〇〇大学、△△高校を受験してほしい」という親の願望は、もしあったとしてもいったん捨てるべきだと思います。どうしても子どもが動き始めると、「次はこうしてほしい」という願望がわいてきます。それは当然のことでしょう。ですがこうして歩き出すのにどれくらいのエネルギーが必要だったかを考えると、まずは元気に歩き出してくれていることに満足して、喜んであげましょう。そのうちきっと本人が、「この道に進みたい!」というものを見つけます。もちろん見つけやすいように情報を与えてあげたり、話を聞いてあげたり、実際に学校を見に行ったりするようなサポートは必要だと思いますが。

ひきこもっていた間、ネガティブな感情に押しつぶされ、自分の未来に希望を持てなかった子たちが、勇気とエネルギーを振り絞って再び歩き始めるんです。少しかもしれませんが、ようやく幸せを感じながら自分の人生を歩み始めているんです。それで十分ではないでしょうか。その途中で自らの目標や夢を見つけ、「この学校に進学したい!」と思うことができればさらに嬉しいことですよね。1歩進んで3歩下がっているように見える子もいます。でもそれでも確実に動いているのです。そのうち必ず前に進みます。私が導くのではなく、共に考え悩みながら彼らは自分の力で歩き始めます。彼らの表情がだんだんと明るくなっていき、確実に前に進んでいると実感できたとき最高に嬉しいですね。1人でも多くの子どもたちのこういった表情が見られるように私も彼らと向き合っていきたいと思います。

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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (one-sakai)
2021-08-11 00:18:22
ネイロさま
はじめまして。

コメントありがとうございます。

たくさんの子どもたちと関わらせていただき、私も多くのことを学ぶことができています。ほんの少しでも、何かのきっかけになったり、元気になるヒントを感じてもらうことができたら嬉しいなという気持ちで取り組んでいます。

はい、堺市の上野芝というところです。

お子様が不登校なのですね。私もネイロ様のことを応援しています。またこうしてお話できれば嬉しいですので、いつでもコメントくださいね。
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Unknown (ネイロ)
2021-08-10 23:59:06
はじめまして。
ネイロと申します。
まだあまり読めていませんが、私が苦しんでわかったこと、色んな人との関わりで学んだこと
そして、なにより子どもの立場になって物事を考えているところに
親しみと尊敬を感じました。
大阪の堺なんですねー💦
大阪市内であれば、動き出した時にあなたのところへ通わせたいと思ったのになぁ。
それ位、頼もしく感じました。
応援しています。
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