自分と同じ、高齢オタクの知人が褒めていたラブコメアニメをふとしたことがきっかけで視聴しました。
90年代から、ラブコメの漫画、アニメ、それにライトノベルみたいなものは身近に溢れていましたから、今さら何ということはないだろうと決めていたのですが、ちゃんとアップデートされて、変わってきているのだなと実感できたのでメモです。
信じられないほどしょぼい主人公の男の子や、弱気で人畜無害な雰囲気でありながら、よくよく逆の立場になって考えるとゲスな行動をしているのに、なぜか周りにはたくさんの女の子がいてモテモテというような古い構造は少なくなって、ちょっと変わった人物像ではあるものの、共感出来る要素だったり受け答えだったり。そしてなにより、ヒロインが都合良いだけの、属性を極限まで高めただけのものから、地に足付いた人間になっているのが良かったです。
たぶん、昔のオタクはとにかく異性に縁が無かったから。だからそのへんの解像度がおかしくても観てもらえたんでしょう。アニメ絵が市民権を得ていくに従って、現実に存在する異性の行動も観察している人たちが想定される視聴者になるからには、これくらいちゃんと描かないとダメってことですかね。
アホみたいな話もそれはそれで楽しいのですが、キュンとなる、とかジーンとなるとか、心の機微を描いて感動させようと思ったら、ちゃんと人間を観ないとダメですね。