今期放送しているアニメ『悪役令嬢転生おじさん』の話です。
ただし作品の内容について、ではなくて原作漫画のあとがきについてです。
この作品、タイトルや土台となる構造こそ近年のネット発小説によくあるものを使っているのですが、作者は超の付くベテラン漫画家。そして年齢も50代に入られたようで、まさにおじさんです。
そして作品の主人公である憲三郎も51歳の地方公務員という設定。
ふつう漫画などでおじさんキャラ、しかもバーコード頭のようなおじさんを出す場合は、ダメや役だったり、敵対するような無理解な相手として描かれることが多いのですが、この作品ではそうじゃない。下手に若者っぽいおじさんということもなく、ちゃんとした大人、という立ち位置になっています。
そのおじさんに対する解像度の高さ、そして老いを忌み嫌うのではなく年相応に得たものを発揮している姿が良かったし、他作品にはいないキャラクターとなっているなと思っています。そして、あとがきを読んで一番刺さったのが、作者自らが「年相応の見た目、能力の、ちゃんとしたおじさんになりたい」と書かれていたこと。
未だに(法に触れないよう遠回しに)年齢を理由に求人に応募しても不採用とするような会社が多く、加齢をネガティブにしかとらえられない自分としては、この作者の考え方は輝いて見えました。