控訴理由書(の補足)
東京高等裁判所 御中
(民事第##部)
令和7年3月 日
控訴人 ####
(01)
3 本件裁決書に記載された理由に関する原告の主張について
機構法施行規則50条1項が裁決について理由を付さなければならないとしている趣旨は、審査に当たる裁決庁の判断の慎重と公正妥当とを担保してその恣意を抑制するとともに、裁決の理由を審査の申立てをした者に知らせることによって、裁決の対象となった原処分又は裁決に対する不服申立てに便宜を与えることを目的としているものと解され、裁決に付された理由に誤りがあった場合に、当該裁決の対象とされた原処分について、請求されたとおりの処分をすることが義務付けられるという法的効果を認めるべき旨を定めた規定は関係法令上見当たらない。また、被告のした本件不支給決定に対する不服申立て手続において裁決庁である厚生労働大臣がした裁決に付された理由に誤りがあるという手続的な瑕疵が、本件不支給決定の違法事由となると解釈すべき法的根拠もおよそ見出し難い(第1審判決、11頁)。
従って、
(02)
3 本件裁決書に記載された理由に関する原告の主張について
機構法施行規則50条1項が裁決について理由を付さなければならないとしている趣旨は、
(ⅰ)裁決の対象となった原処分又は裁決に対する不服申立ての際に、
(ⅱ)裁決に付された理由に誤りがあった場合に、
(ⅲ)当該裁決の対象とされた原処分について、
(ⅳ)請求されたとおりの処分をすることが義務付けられるという、
(ⅴ)法的効果を認めるべき旨を定めた規定は関係法令上見当たらない。また、
(ⅵ)被告のした本件不支給決定に対する不服申立て手続において、
(ⅶ)請求されたとおりの処分をすることが義務付けられるという、
(ⅷ)手続的な瑕疵が、
(ⅸ)本件不支給決定の違法事由となると解釈すべき法的根拠もおよそ見出し難い。
という「趣旨」である。
従って、
(03)
「要約」すると、
(ⅰ)「機構法施行規則50条1項」が所謂、
(ⅱ)「不服申立ての際」の、
(ⅲ)「行政側の、間違い」は「常に、許容される」。
という「趣旨」であり、そのため、これでは、
行政訴訟を提起するには、大変な根性と費用を覚悟しなければならない。生半可な覚悟では、
訴訟追行は出来ないのである(瀬木比呂志、ニッポンの裁判、2015年、163頁)。
ということに、ならざるを得ない。
然るに、
(04)
すべての導出可能な連式が「論理的に妥当(logically valid)」であること、それ故に
「述語計算は無矛盾である」ことを示すのは、大して難しい問題ではない(It is not too
difficult a matter to show that )。
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、201頁)
然るに、
(05)
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、書面が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、理由が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、書面も、理由も無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、書面か、又は、理由が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
という「三段論法」を「述語論理」に「翻訳」すると、
① ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)}。然るに、
② ∀x{∀y(~書yx)}。 従って、
➂ ~∃x(裁x)。
① ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)}。然るに、
② ∀x{∀z(~理zx)}。 従って、
➂ ~∃x(裁x)。
① ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)}。然るに、
② ∀x{∀y(~書yx)&∀z(~理zx)}。 従って、
➂ ~∃x(裁x)。
① ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)}。然るに、
② ∀x{~∃y(書yx)V~∃z(理zx)}。 従って、
➂ ~∃x(裁x)。
という「記号」は、
① すべてのxについて{xが裁決であるならば、あるyは(xの書面)であって、
かつ、あるzは(xの理由である)}。 然るに、
② いかなるxと{いかなるyであっても(yはxの書面でない)}。従って、
③(裁決であるx)は存在しない。
① すべてのxについて{xが裁決であるならば、あるyは(xの書面)であって、
かつ、あるzは(xの理由である)}。 然るに、
② いかなるxと{いかなるzであっても(zはxの理由でない)}。従って、
③(裁決であるx)は存在しない。
① すべてのxについて{xが裁決であるならば、あるyは(xの書面)であって、
かつ、あるzは(xの理由である)}。 然るに、
② いかなるxと{いかなるyであっても(yはxの書面ではない)し、いかなるzであっても(zはxの理由でない)}。従って、
③(裁決であるx)は存在しない。
① すべてのxについて{xが裁決であるならば、あるyは(xの書面)であって、
かつ、あるzは(xの理由である)}。 然るに、
② いかなるxも{xの書面であるyは存在しないか、または、xの理由であるyは存在しない}。 従って、
③(裁決であるx)は存在しない。
という「意味」である。
然るに、
(06)
「計算」は、
1 (1) ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)} A
1 (2) 裁a→∃y(書ya)& ∃z(理za) 1UE
3 (3) ~∃y(書ya) A
3 (4) ~∃y(書ya)V~∃z(理za) 3VI
3 (5) ~{∃y(書ya)& ∃z(理za)} 4ド・モルガンの法則
13 (6) ~裁a 25MTT
1 (7) ~∃y(書ya)→~裁a 36CP
8(8)∀x{∀y(~書yx)} A
8(9) ∀z(~書ya) 8UE
8(ア) ~∃y(書ya) 9量化子の関係
1 8(イ) ~裁a 7アMPP
1 8(ウ) ∀x(~裁x) イUI
1 8(エ) ~∃x(裁x) ウ量化子の関係
1 (1) ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)} A
1 (2) 裁a→∃y(書ya)& ∃z(理za) 1UE
3 (3) ~∃z(理za) A
3 (4) ~∃z(理za)V~∃z(理za) 3VI
3 (5) ~{∃y(書ya)& ∃z(理za)} 4ド・モルガンの法則
13 (6) ~裁a 25MTT
1 (7) ~∃z(理za)→~裁a 36CP
8(8)∀x{∀z(~理zx)} A
8(9) ∀z(~理za) 8UE
8(ア) ~∃z(理za) 9量化子の関係
1 8(イ) ~裁a 7アMPP
1 8(ウ) ∀x(~裁x) イUI
1 8(エ) ~∃x(裁x) ウ量化子の関係
1 (1) ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)} A
1 (2) 裁a→∃y(書ya)& ∃z(理za) 1UE
3 (3) ~∃y(書ya)&~∃z(理za) A
3 (4) ~∃y(書ya) 3&E
3 (5) ~∃y(書ya)V~∃z(理za) 3VI
3 (6) ~{∃y(書ya)& ∃z(理za)} 5ド・モルガンの法則
13 (7) ~裁a 26MTT
1 (8) ~∃y(書ya)&~∃z(理za)→~裁a 47CP
9(9) ∀x{∀y(~書yx)&∀z(~理zx)} A
9(ア) ∀y(~書ya)&∀z(~理za) 9UE
9(イ) ∀y(~書ya) ア&E
9(ウ) ~∃x(書ya) イ量化子の関係
9(エ) ∀z(~理za) ア&E
9(オ) ~∃z(理za) エ量化子の関係
9(カ) ~∃y(書ya)&~∃z(理za) ウオ&I
1 9(キ) ~裁a 8カMPP
1 9(ク) ∀x(~裁x) キUI
1 9(ケ) ~∃x(裁x) ク量化子の関係
1 (1) ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)} A
1 (2) 裁a→∃y(書ya)& ∃z(理za) 1UE
3 (3) ~∃y(書ya)V~∃z(理za) A
4 (4) ∃y(書ya)& ∃z(理za) A
5 (5) ~∃y(書ya) A
4 (6) ∃y(書ya) 4&E
45 (7) ~∃y(書ya)& ∃(書ya) 56&I
5 (8) ~{∃y(書ya)& ∃z(理za)} 47RAA
9 (9) ~∃z(理za) A
4 (ア) ∃z(理za) 4&E
4 9 (イ) ~∃z(理za)&∃z(理za) 9ア&I
9 (ウ) ~{∃y(書ya)& ∃z(理za)} 4イRAA
3 (エ) ~{∃y(書ya)& ∃z(理za)} 3589ウVE
1 3 (オ) ~裁a 2エMTT
1 (カ) ~∃y(書ya)V~∃z(理za)→~裁a 3オCP
キ (キ)∀x{~∃y(書yx)V~∃z(理zx)} A
キ (ク) ~∃y(書ya)V~∃z(理za) キUE
1 キ (ケ) ~裁a カクMPP
コ (コ) ∃x(裁x) A
サ(サ) 裁a A
1 キ サ(シ) ~裁a&裁a ケサ&I
1 キコ (ス) ~裁a&裁a コサシEE
1 キ (セ) ~∃x(裁x) ス量化子の関係
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)}。然るに、
② ∀x{∀y(~書yx)}。 従って、
➂ ~∃x(裁x)。
① ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)}。然るに、
② ∀x{∀z(~理zx)}。 従って、
➂ ~∃x(裁x)。
① ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)}。然るに、
② ∀x{∀y(~書yx)&∀z(~理zx)}。 従って、
➂ ~∃x(裁x)。
① ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)}。然るに、
② ∀x{~∃y(書yx)V~∃z(理zx)}。 従って、
➂ ~∃x(裁x)。
という「三段論法」である所の、
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、書面が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、理由が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、書面も、理由も無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、書面か、又は、理由が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
という「三段論法」が、「論理的に妥当(logically valid)」であることを示すのは、
大して難しい問題ではない(It is not too difficult a matter to show that )。
従って、
(07)により、
(08)
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、書面が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、理由が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、書面も、理由も無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、書面か、又は、理由が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
において、唯一、
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、書面も、理由も無い。 従って、
③ 裁決は無効である。 という「三段論法」だけが、「非妥当(Invalid)」ということは、「有り得ない」。
従って、
(08)により、
(09)
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、書面が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
という「三段論法」は、「(論理的に)正しい」が、
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、理由が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
という「三段論法」は、「(論理的に)間違い」である。
ということは、「有り得ない」。
然るに、
(10)
論理学について。
法学部生や法曹を目指す人にとって、
論理学はとった方がいい科目ですか??
授業内容見ても、わからないもんで(^^;)
東大法卒のおっさん(の回答)です。
法曹をめざすのに論理学はまったく必要ありません。
論理学的に厳密に法律を解釈しようとしても、破綻するだけです。
法律にはそういう解釈の幅をもたせてあります(ヤフー!知恵袋)。
従って、
(01)~(06)(09)(10)により、
(11)
すべての導出可能な連式が「論理的に妥当」であること、それ故に「述語計算は無矛盾である」ことを示すのは、大して難しい問題ではない。
とは言うものの、
「論理学的に厳密に法律を解釈しようとしても、破綻するだけです。」
という「理由」により、
➀ 裁決は、書面で行い、かつ、理由が無ければならない。然るに、
② 裁決には、書面が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
という「三段論法」は、「(論理的に)正しい」が、
② 裁決には、理由が無い。 従って、
③ 裁決は無効である。
という「三段論法」は、「(論理的に)間違い」である。
ということは、「有り得ない」。
という「主張」は、「法律家」には、「通じない」(?!?)。
従って、
(12)
3 本件裁決書に記載された理由に関する原告の主張について
機構法施行規則50条1項が裁決について理由を付さなければならないとしている趣旨は、審査に当たる裁決庁の判断の慎重と公正妥当とを担保してその恣意を抑制するとともに、裁決の理由を審査の申立てをした者に知らせることによって、裁決の対象となった原処分又は裁決に対する不服申立てに便宜を与えることを目的としているものと解され、裁決に付された理由に誤りがあった場合に、当該裁決の対象とされた原処分について、請求されたとおりの処分をすることが義務付けられるという法的効果を認めるべき旨を定めた規定は関係法令上見当たらない。また、被告のした本件不支給決定に対する不服申立て手続において裁決庁である厚生労働大臣がした裁決に付された理由に誤りがあるという手続的な瑕疵が、本件不支給決定の違法事由となると解釈すべき法的根拠もおよそ見出し難い(第1審判決、11頁)。
という「判決」を書いた「東京地裁の裁判官(3人による合議制)」は、
1 (1) ∀x{裁x→∃y(書yx)& ∃z(理zx)} A
1 (2) 裁a→∃y(書ya)& ∃z(理za) 1UE
3 (3) ~∃y(書ya)V~∃z(理za) A
4 (4) ∃y(書ya)& ∃z(理za) A
5 (5) ~∃y(書ya) A
4 (6) ∃y(書ya) 4&E
45 (7) ~∃y(書ya)& ∃(書ya) 56&I
5 (8) ~{∃y(書ya)& ∃z(理za)} 47RAA
9 (9) ~∃z(理za) A
4 (ア) ∃z(理za) 4&E
4 9 (イ) ~∃z(理za)&∃z(理za) 9ア&I
9 (ウ) ~{∃y(書ya)& ∃z(理za)} 4イRAA
3 (エ) ~{∃y(書ya)& ∃z(理za)} 3589ウVE
1 3 (オ) ~裁a 2エMTT
1 (カ) ~∃y(書ya)V~∃z(理za)→~裁a 3オCP
キ (キ)∀x{~∃y(書yx)V~∃z(理zx)} A
キ (ク) ~∃y(書ya)V~∃z(理za) キUE
1 キ (ケ) ~裁a カクMPP
コ (コ) ∃x(裁x) A
サ(サ) 裁a A
1 キ サ(シ) ~裁a&裁a ケサ&I
1 キコ (ス) ~裁a&裁a コサシEE
1 キ (セ) ~∃x(裁x) ス量化子の関係
という「理屈(論理)」を知らない。