(01)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{象x→ ∃y(鼻yx&長y)&~[∃y(鼻yx&長y)→象x]} A
1 (2) 象a→ ∃y(鼻ya&長y)&~[∃y(鼻ya&長y)→象a] 1UE
1 (3) 象a→ ∃y(鼻ya&長y) 2&E
4 (4) 象a&~∃y(鼻ya&長y) A
4 (5) 象a 4&E
14 (6) ∃y(鼻ya&長y) 35MPP
4 (7) ~∃y(鼻ya&長y) 4&E
14 (8) ∃y(鼻ya&長y)&~∃y(鼻ya&長y) 67&I
1 (9) ~[象a&~∃y(鼻ya&長y)] 48RAA
1 (ア) ~[∃y(鼻ya&長y)→象a] 2&E
イ(イ) ~∃y(鼻ya&長y)∨象a A
イ(ウ) ∃y(鼻ya&長y)→象a イ含意の定義
1 イ(エ) ~[∃y(鼻ya&長y)→象a]&
[∃y(鼻ya&長y)→象a] アウ&I
1 (オ) ~[~∃y(鼻ya&長y)∨象a] イエRAA
1 (カ) ∃y(鼻ya&長y)&~象a オ、ド・モルガンの法則
1 (キ) ~象a&∃y(鼻ya&長y) カ交換法則
1 (ク) ~[象a&~∃y(鼻ya&長y)]&[~象a&∃y(鼻ya&長y)] 9キ&I
1 (ケ)∀x{~[象x&~∃y(鼻yx&長y)]&[~象x&∃y(鼻yx&長y)]} クUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{~[象x&~∃y(鼻yx&長y)]&[~象a&∃y(鼻ya&長y)]} カUI
1 (2) ~[象a&~∃y(鼻ya&長y)]&[~象a&∃y(鼻ya&長y)] 1UE
1 (3) ~[象a&~∃y(鼻ya&長y)] 2&E
4 (4) 象a A
5 (5) ~∃y(鼻ya&長y) A
45 (6) 象a&~∃y(鼻ya&長y) 45&I
145 (7) ~[象a&~∃y(鼻ya&長y)]&[象a&~∃y(鼻ya&長y)] 36&I
14 (8) ~~∃y(鼻ya&長y) 57RAA
14 (9) ∃y(鼻ya&長y) 8DN
1 (ア) 象a→ ∃y(鼻ya&長y) 49CP
1 (イ) [~象a&∃y(鼻ya&長y)] 2&E
1 (ウ) ∃y(鼻ya&長y)&~象a イ交換法則
エ(エ) ∃y(鼻ya&長y)→ 象a A
1 (オ) ∃y(鼻ya&長y) ウ&E
1 エ(カ) 象a エオ&I
1 (キ) ~象a ウ&E
1 エ(ク) 象a&~象a カキ&I
1 (ケ) ~[∃y(鼻ya&長y)→象a] エクRAA
1 (コ) 象a→ ∃y(鼻ya&長y)&~[∃y(鼻ya&長y)→象a] アケ&I
1 (サ) ∀x{象x→ ∃y(鼻yx&長y)&~[∃y(鼻yx&長y)→象x]} コUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{象x→ ∃y(鼻yx&長y) &~[∃y(鼻yx&長y)→象x]}
② ∀x{~[象x&~∃y(鼻yx&長y)]&[~象x&∃y(鼻yx&長y)]}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyは、xの鼻であって、長い、ものの、あるyがxの鼻であって、長いならば、xは象である、といふわけではない。
② すべてのxについて、xが象であって、あるyがxの鼻であって、yが長くない、といふことはないが、xが象でなくとも、yがxの鼻であって、長い、といふことはある。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyは、xの鼻であって、長い、ものの、あるyがxの鼻であって、長いならば、xは象である、といふわけではない。
② すべてのxについて、xが象であって、あるyがxの鼻であって、yが長くない、といふことはないが、xが象でなくとも、yがxの鼻であって、長い、といふことはある。
といふことは、要するに、
① 象の鼻は長いが、象以外の鼻も長い。
② 象の鼻は長いが、象以外の鼻も長い。
といふ、ことである。
然るに、
(04)
① 象の鼻は長いが、象以外の鼻も長い。
といふことは、
① 象も、鼻は長い。
といふ、ことである。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 象も鼻は長い。⇔
① 象の鼻は長いが、象以外の鼻も長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~[∃y(鼻yx&長y)→象x]}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyは、xの鼻であって、長い、ものの、あるyがxの鼻であって、長いならば、xは象である、といふわけではない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(05)により、
(06)
① 象の鼻は長いが、象以外の鼻も長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~[∃y(鼻yx&長y)→象x]}。
であるため、
① 象以外の鼻も長い。⇔
① ~[∃y(鼻yx&長y)→象x]。
である。
従って、
(06)により、
(07)
① 象以外の鼻も長い。⇔
① ~[∃y(鼻yx&長y)→象x]。
であるため、
① 象以外の鼻は長くない。⇔
① ~~[∃y(鼻yx&長y)→象x]。
である。
従って、
(07)により、
(08)
「二重否定(DN)」により、
① 象以外の鼻は長くない。⇔
① ~~[∃y(鼻yx&長y)→象x]⇔
① [∃y(鼻yx&長y)→象x]。
である。
従って、
(08)により、
(09)
「対偶(Contraposition)」により、
① 象以外の鼻は長くない。⇔
①[∃y(鼻yx&長y)→象x]⇔
①[~象x→~∃y(鼻yx&長y)]。
である。
従って、
(06)(09)により、
(10)
① 象の鼻は長いが、象以外の鼻も長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~[∃y(鼻yx&長y)→象x]}。
に対して、
② 象の鼻は長いが、象以外の鼻は長くない。⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&[~象x→~∃y(鼻yx&長y)]}。
である。
然るに、
(11)
② 象の鼻は長いが、象以外の鼻は長くない。
といふことは、
② 象が鼻は長い。
といふ、ことである。
従って、
(10)(11)により、
(12)
② 象が鼻は長い。⇔
② 象の鼻は長いが、象以外の鼻は長くない。⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&[~象x→~∃y(鼻yx&長y)]}⇔
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyは、xの鼻であって、長い、ものの、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、長い、といふことはない。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(05)(12)により、
(13)
① 象も鼻は長い。⇔ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~[∃y(鼻yx&長y)→象x]}。
② 象が鼻は長い。⇔ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&[~象x→~∃y(鼻yx&長y)]}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(14)
① 象も鼻は長い。
② 象が鼻は長い。
に対して、
③ 象は鼻は長い。
の場合は、
③「象の鼻以外」については、「何も述べてゐない」。
然るに、
(15)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~[∃y(鼻yx&長y)→象x]}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&[~象x→~∃y(鼻yx&長y)]}。
に対して、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
の場合は、
③「象の鼻以外」については、「何も述べてゐない」。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
「番号」を付け直すと、
① 象は鼻は長い。⇔ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象も鼻は長い。⇔ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~[∃y(鼻yx&長y)→象x]}。
③ 象が鼻は長い。⇔ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&[~象x→~∃y(鼻yx&長y)]}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(17)
① 象は鼻は長い。
② 象も鼻は長い。
③ 象が鼻は長い。
といふ「日本語」は、「述語論理(predicate logic)」に「翻訳」する限り、「3つ」とも、
① ∀x(象x→P)≡すべてのxについて、xが象であるならば、Pである。
② ∀x(象x→P)≡すべてのxについて、xが象であるならば、Pである。
③ ∀x(象x→P)≡すべてのxについて、xが象であるならば、Pである。
といふ「文型」をしてゐる。
従って、
(17)により、
(18)
① 象は
② 象も
③ 象が
は、「3つ」とも、
① ∀x(象x→ )≡すべてのxについて、xが象であるならば、
② ∀x(象x→ )≡すべてのxについて、xが象であるならば、
③ ∀x(象x→ )≡すべてのxについて、xが象であるならば、
といふ、「意味」である。
然るに、
(19)
日本語で典型な文(センテンス)は「Ⅹは」で始まる題述関係の文です。公式で一括して
Ⅹハ、本ウンヌン。
題目 述部
と書くことできます。題目の提示「Ⅹは」は、だいたい「Ⅹニツイテ言エバ」の心持ちです。上の「Ⅹニツイテ」は中味の予告です。下の「言エバ」は話し手の態度の宣言であり、これが述部の言いきり(文末)と呼応します。
後者、すなわち文末と呼応して一文を完成する仕事が「ハ」の本務です。前者、すなわち中味への関与の仕方は「ハ」の兼務です。「Ⅹハ」には。本務と兼務の両面があることを知り、始終それを念頭に置くことが大切です(三上章、象は鼻が長い、1992年第21版、8頁)。
従って、
(18)(19)により、
(20)
「述語論理的」には、
① 象(は)
② 象(も)
③ 象(が)
は、「3つ」とも、「題目」である。
然るに、
(21)
じつは、主述関係という色ネガネほど日本文法の研究を阻害しているものはありません。主述関係の片方を占める主語も同罪です。わたしはすでに二十年近く、主語という用語の使用を拒みつづけています(三上章、象は鼻が長い、1992年第21版、178頁)。
然るに、
(22)
私にとっての「主語」と言ふのは、例へば、荻野先生が、次(23)のやうに述べてゐる際の、「それ」に等しい。
(23)
主語や目的語や補語、これだけは自分で考えるクセを付けて下さい。学校の先生がこれまた、考えなくとも、どんどん入れて訳してくれるんです。古文はよく、省かれているんですね。誰が、誰を、誰に、みたいなものが、日本語はよく省略されているんですけど、先生がどんどん補って下さる。で、皆さんは何でその主語になるのかよくわかんないまま、またノートに、訳のところに、一生懸命、書いて覚えて、テストを受けてる。さっきも言いました。自力です。「自力で補足するです。」入試のときそばで誰も助けてくれないからですね。で実は、これが皆さんを古文嫌いにさせている、つまり、せっかく、訳ができた。単語を覚えて、Aさんがしてることを、Bさんがしたと勘違いして、変え~んな、文章にしちゃったことないですかあ。ワタシは模擬試験の時にですねえ、よく、ストーリーは、ある程度わかったのに、「やったひととやられた人を勘違い」して、もう途中で「大混乱」してですね。七行目ぐらいまで頑張って読んだのに、もう「まんなか辺」で、プチッと切れて、もうええいいや、ワケわかんなくなっちゃたといって、「放り出す」ことがよくありますけども、これ(主語・目的語・補語)を自分で意識すると、「こうやって考えながらやるんだな」って意識すると、かなり読みやすくなるんです(東進ハイスクール 荻野文子先生 - YouTube)。
従って、
(24)
「日本語には主語がない。」と言はれてしまふと、「古文や漢文が読めなくなってしまふ」ため、私としては、「それでは困る。」と、言はざるを得ない。
(01)
①{象、机}
に於いて、
①{象が動物である。}は、「本当」である。
(02)
②{象、兎}
に於いて、
②{象が動物である。}は、「ウソ」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
①{象、□}
に於いて、
① □が動物でない。ならば、そのときに限って、
①{象が動物である。}は、「本当」である。
従って、
(03)により、
(04)
① 象が動物である。⇔
① 象は動物であり、象以外は動物ではない。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(04)により、
(05)
① 鼻が長い。⇔
① 鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(05)により、
(06)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(06)により、
(07)
① 象が鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外は、さうではない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(08)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
であれば、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは、xの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ風に、書くことが出来る。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
① 象が鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外は、さうではない。
であれば、
① ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、そのときに限って、あるyは、xの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ風に、書くことが出来る。
然るに、
(10)
(ⅰ)
1 (1)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&
~象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} 1Df.⇔
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
~象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] 2UE
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 3&E
1 (5)~象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] 3&E
6 (6)~象a A
16 (7) ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] 56MPP
16 (8) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) 7ド・モルガンの法則
9 (9) ~∀z(~鼻za→~長z) A
9 (ア) ∃z~(~鼻za→~長z) 9量化子の関係
イ (イ) ~(~鼻ba→~長b) A
ウ (ウ) 鼻ba∨~長b A
ウ (エ) ~鼻ba→~長b ウ含意の定義
イウ (オ) ~(~鼻ba→~長b)&
(~鼻ba→~長b) イエ&I
イ (カ) ~(鼻ba∨~長b) ウオRAA
イ (キ) ~鼻ba& 長b カ、ド・モルガンの法則
イ (ク) ∃z(~鼻za& 長z) キEI
9 (ケ) ∃z(~鼻za& 長z) アイクEE
9 (コ) ~∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za& 長z) ケ∨I
サ (サ) ~∃y(鼻ya&長y) A
サ (シ) ~∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za& 長z) サ∨I
16 (ス) ~∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za& 長z) 89コサシ∨E
16 (セ) ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) ス含意の定義
1 (ソ) ~象a→∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) 6セCP
タ(タ) ~象a&∃y(鼻ya&長y) A
タ(チ) ~象a タ&E
1 タ(ツ) ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) ソチMPP
タ(テ) ∃y(鼻ya&長y) タ&E
1 タ(ト) ∃z(~鼻za& 長z) ツテMPP
1 (ナ) ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) タトCP
1 (ニ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) 4ナ&I
1 (ヌ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&
~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)} ニUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&
~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 2&E
1 (4) ~象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) 2&E
5 (5) ~象a A
6 (6) ∃y(鼻ya&長y) A
56 (7) ~象a&∃y(鼻ya&長y) 56&I
156 (8) ∃z(~鼻za& 長z) 47MPP
15 (9) ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) 68CP
1 (ア) ~象a→∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) 59CP
イ (イ) ~象a A
1 イ (ウ) ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z) アイMPP
1 イ (エ) ~∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za& 長z) ウ含意の定義
オ (オ) ∃z(~鼻za& 長z) A
カ (カ) ~鼻ba& 長b A
キ (キ) ~鼻ba→~長b A
カ (ク) ~鼻ba カ&E
カキ (ケ) ~長b キクMPP
カ (コ) 長b カ&E
カキ (サ) ~長b&長b ケコ&I
カ (シ) ~(~鼻ba→~長b) キサRAA
カ (ス) ∃z~(~鼻za→~長z) シEI
オ (セ) ∃z~(~鼻za→~長z) オカスEE
オ (ソ) ~∀z(~鼻za→~長z) セ量化子の関係
オ (タ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) ソ∨I
チ(チ) ~∃y(鼻ya&長y) A
チ(ツ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) タ∨I
1 イ (テ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) エオタチツ∨E
1 イ (ト) ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] テ、ド・モルガンの法則
1 (ナ)~象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] イトCP
1 (ニ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)&
~象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] 3ナ&I
1 (ヌ) 象a⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} ニDf.⇔
1 (ネ)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} ヌUI
従って、
(10)により、
(11)
① ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
② 象が鼻が長い。⇔
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くなく、象以外は、さうではない。⇔
② ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}⇔
② すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは、xの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くなく、xが象でなくて、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzはxの鼻ではないが、zは長い}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(13)
② すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは、xの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くなく、xが象でなくて、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzはxの鼻ではないが、zは長い}。
といふことは、
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くないものの、象以外に、鼻が長い動物がゐるのであれば、その動物は、鼻以外も長い。
といふ「意味」である。
然るに、
(14)
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くないものの、象以外に、鼻が長い動物がゐるのであれば、その動物は、鼻以外も長い。
といふことは、
② 鼻が長く、鼻以外は長くない動物は、象だけである。
といふ「意味」である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
② 象が鼻が長い。
といふ「日本語」は、
② 鼻が長く、鼻以外は長くない動物は、象だけである。
といふ「意味」である。
従って、
(08)(12)(15)により、
(16)
① 象は鼻が長い。
② 象が鼻が長い。
といふ「日本語」は、
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 鼻が長く、鼻以外は長くない動物は、象だけである。
といふ「意味」であって、
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 鼻が長く、鼻以外は長くない動物は、象だけである。
といふ「日本語」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「述語論理」に、相当する。
然るに、
(17)
③ 象は動物である。
といふ「日本語」は、
③ ∀x(象x→動物x)。
といふ「述語論理」に、相当する。
従って、
(16)(17)により、
(18)
「番号」を付け直すと、
① 象は動物である。
② 象は鼻が長い。
③ 象が鼻が長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x(象x→動物x)。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「述語論理」に、相当する。
然るに、
(19)
① ∀x(象x→動物x)。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&~象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「述語論理」は、「大枠」としては、三つとも、
① ∀x(象x→P)。
② ∀x(象x→P)。
③ ∀x(象x→P)。
といふ「文型」をしてゐる。
従って、
(18)(19)により、
(20)
少なくとも、「述語論理」的には、
① 象は動物である。
② 象は鼻が長い。
③ 象が鼻が長い。
といふ「日本語」に於ける、
① 象は が、「主語」であるならば、
② 象は も、「主語」であり、
③ 象が も、「主語」である。
としても、「何らの不都合」も、生じない。
(01)
① 象の鼻は長い。 然るに、
② 兎の鼻は長くない。従って、
③ 象の鼻は兎の鼻ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(02)
1 (1)∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y) A
2 (2)∀x∀y(兎x&鼻yx→~長y) A
1 (3) ∀y(象a&鼻ya→ 長y) 1UE
1 (4) 象a&鼻ba→ 長b 3UE
2 (5) ∀y(兎a&鼻ya→~長b) 2UE
2 (6) 兎a&鼻ba→~長b 5UE
7(7) 象a&鼻ba A
1 7(8) 長b 47MPP
1 7(9) ~~長b 8DN
127(ア) ~(兎a&鼻ba) 69MTT
127(イ) ~兎a∨~鼻ba ア、ド・モルガンの法則
127(ウ) ~鼻ba∨~兎a イ交換法則
127(エ) 鼻ba→~兎a ウ含意の定義
7(オ) 鼻ba 7&E
127(カ) ~兎a エオMPP
127(キ) ~兎a&鼻ba オカ&I
12 (ク) 象a&鼻ba→~兎a&鼻ba 7キCP
12 (ケ) 象a&鼻ba→~兎a&鼻ba 7クCP
12 (コ) ∀y(象a&鼻ya→~兎a&鼻ya) ケUI
12 (サ)∀x∀y(象x&鼻yx→~兎x&鼻yx) コUI
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x∀y(象x&鼻yx→ 長y)。然るに、
② ∀x∀y(兎x&鼻yx→~長y)。従って、
③ ∀x∀y(象x&鼻yx→~兎x&鼻yx)。
といふ「推論」、すなはち、
① すべてのxとyについて、xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長い。 然るに、
② すべてのxとyについて、xが兎であって、yがxの鼻であるならば、yは長くない。 従って、
③ すべてのxとyについて、xが象であって、yがxの鼻であるならば、xは兎ではなく、yはxの鼻である。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(04)
① すべてのxとyについて、xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長い。 然るに、
② すべてのxとyについて、xが兎であって、yがxの鼻であるならば、yは長くない。 従って、
③ すべてのxとyについて、xが象であって、yがxの鼻であるならば、xは兎ではなく、yはxの鼻である。
といふことは、
① 象の鼻は長い。 然るに、
② 兎の鼻は長くない。従って、
③ 象の鼻は兎の鼻ではない。
といふ、ことである。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 象の鼻は長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x∀y(象x&鼻yx→長y)。
といふ「述語論理」に、相当する。
然るに、
(06)
① 鼻は象が長い。
② 鼻は兎は長くない。
③ 兎の鼻は象の鼻ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(07)
1 (1)∀x∀y(鼻xy&象y⇔ 長y) A
2 (2)∀x∀y(鼻xy&兎y→~長y) A
1 (3) ∀y(鼻ay&象y⇔ 長y) 1UE
1 (4) 鼻ab&象b⇔ 長b 3UE
1 (5) (鼻ab&象b→ 長b)&
(長b→鼻ab& 象b) 4Df.⇔
1 (6) 鼻ab&象b→ 長b 5&E
2 (7) ∀y(鼻ay&兎y→~長y) 2UE
2 (8) 鼻ab&兎b→~長b 7UE
9(9) 兎b&鼻ab A
9(ア) 鼻ab&兎b 9交換法則
29(イ) ~長b 89MPP
129(ウ) ~(鼻ab&象b) 6アMTT
129(エ) ~鼻ab∨~象b イ、ド・モルガンの法則
129(オ) 鼻ab→~象b ウ含意の定義
9(カ) 鼻ab 9&E
129(キ) ~象b エオMPP
129(ク) ~象b&鼻ab オカ&I
12 (ケ) 兎b&鼻ab→~象b&鼻ab 9クCP
12 (コ) ∀x(兎b&鼻xb→~象b&鼻xb) ケUI
12 (サ)∀y∀x(兎y&鼻xy→~象y&鼻xy) コUI
cf.
∀x∀y(Fxy)と、
∀y∀x(Fxy)は、「等しい」。
従って、
(07)により、
(08)
① ∀x∀y(鼻xy&象y⇔ 長y)。然るに、
② ∀x∀y(鼻xy&兎y→~長y)。従って、
③ ∀y∀x(兎y&鼻xy→~象y&鼻xy)。
といふ「推論」、すなはち、
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、そのときに限って、yは長い。 然るに、
② すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、 yは長くない。 従って、
③ すべてのyとxについて、yが兎であって、xがyの鼻であるならば、yは象ではなく、 xはyの鼻である。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(09)
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、そのときに限って、yは長い。 然るに、
② すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象であるならば、 yは長くない。 従って、
③ すべてのyとxについて、yが兎であって、xがyの鼻であるならば、yは象ではなく、 xはyの鼻である。
といふことは、
① 鼻は象が長い。
② 鼻は兎は長くない。
③ 兎の鼻は象の鼻ではない。
といふ、ことである。
従って、
(06)~(09)により、
(10)
① 鼻は象が長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x∀y(鼻xy&象y⇔長y)。
といふ「述語論理」に、相当する。
従って、
(05)(10)により、
(11)
① 象の鼻は長い。
② 鼻は象が長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x∀y(象x&鼻yx→長y)。
② ∀x∀y(鼻xy&象y⇔長y)。
といふ「述語論理」に、相当する。
(01)
①{象、机}
に於いて、
①{象が動物である。}は、「本当」である。
cf.
Which is an animal?
(02)
②{象、兎}
に於いて、
②{象が動物である。}は、「ウソ」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
①{象、□}
に於いて、
① □が動物でない。ならば、そのときに限って、
①{象が動物である。}は、「本当」である。
従って、
(03)により、
(04)
① 象が動物である。⇔
① 象は動物であり、象以外は動物ではない。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(04)により、
(05)
① 鼻が長い。⇔
① 鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(05)により、
(06)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(07)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(象x&兎x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za) 2UE
6 (6) 象a&兎a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 兎a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
ウ (ウ) 鼻ba&長b A
1 6 (エ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (オ) ~鼻ba→~長b エUE
2 6 (カ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
キ(キ) 耳ba&長b A
2 6 (ク) ∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ケ) ~耳ba→~長b&耳ba→~鼻ba クUE
2 6 (コ) 耳ba→~鼻ba ケ&E
キ(サ) 耳ba キ&E
2 6 キ(シ) ~鼻ba コサMPP
12 6 キ(ス) ~長b オシMPP
ウ (セ) 長b ウ&E
12 6ウキ(ソ) 長b&~長b シス&I
12 6ウ (タ) 長b&~長b カキソEE
12 6 (チ) 長b&~長b イウタEE
123 (ツ) 長b&~長b 36チEE
12 (テ)~∃x(象x&兎x) 3ツRAA
12 (ト)∀x~(象x&兎x) テ量化子の関係
12 (ナ) ~(象a&兎a) トUE
12 (ニ) ~象a∨~兎a ナ、ド・モルガンの法則
12 (ヌ) ~兎a∨~象a ニ交換法則
12 (ネ) 兎a→~象a ヌ含意の定義
12 (ノ)∀x(兎x→~象x) ネUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ネUI
12 (〃)兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。 ネUI
従って、
(07)により、
(08)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)} A
12 (ノ)∀x(兎x→~象x) ネUI
といふ「推論」、すなはち、
(1)象は鼻が長い。然るに、
(2)兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(3)兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyは、xの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(10)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}の「否定」、すなはち、
② ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}を「計算」すると、次(11)の通りである。
(11)
(ⅱ)
1 (1)~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 1量化子の関係
3 (3) ~{象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} A
4 (4) ~象a∨{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} A
4 (5) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 4含意の定義
34 (6) ~{象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}&
{象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} 35&I
3 (7)~[~象a∨{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}] 46RAA
3 (8) 象a&~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} 4ド・モルガンの法則
3 (9) 象a 8&E
3 (ア) ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} 8&E
3 (イ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) ア、ド・モルガンの法則
9 (ウ) ~∀z(~鼻za→~長z) A
9 (エ) ∃z~(~鼻za→~長z) イ量化子の関係
イ (オ) ~(~鼻ba→~長b) A
イ (カ) ~(鼻ba∨~長b) オ含意の定義
イ (キ) ~鼻ba&長b カ、ド・モルガンの法則
イ (ク) ∃z(~鼻za&長z) キ、EI
9 (ケ) ∃z(~鼻za&長z) エオキEE
9 (コ) ~∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) ケ∨I
サ(サ) ~∃y(鼻ya&長y) A
サ(シ) ~∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) サ∨I
3 (ス) ~∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za&長z) イウコサシ∨E
3 (セ) ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za&長z) ス含意の定義
3 (ソ) 象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za&長z) 9セ&I
3 (タ) ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} ソEI
1 (チ) ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} 23タEE
(ⅲ)
1 (1) ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)} A
2 (2) 象a&∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za&長z) A
2 (3) 象a 2&E
4 (4) ∃y(鼻ya&長y) A
24 (5) 象a&∃y(鼻ya&長y) 34&I
24 (6) ∃z(~鼻za&長z) 25MPP
7 (7) ~鼻ba&長b A
7 (8) ~(鼻ba∨~長b) 7ド・モルガンの法則
7 (9) ~(~象ba→~長b) 8含意の定義
7 (ア) ∃z~(~象za→~長z) 9EI
24 (イ) ∃z~(~象za→~長z) 67アEE
24 (ウ) ~∀z(~象za→~長z) イ量化子の関係
2 (エ) ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~象za→~長z) 4ウCP
2 (オ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) エ含意の定義
2 (カ) ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} オ、ド・モルガンの法則
2 (キ) 象a&~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} 2カ&I
2 (ク) ~{~象a∨∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} キ、ド・モルガンの法則
2 (ケ) ~{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} ク、含意の定義
2 (コ)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} ケEI
1 (サ)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 12コEE
1 (シ)~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} サ量化子の関係
従って、
(11)により、
(12)
② ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(10)(12)により、
(13)
「二重否定律(DN)」により、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ~~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ~∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(13)により、
(14)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ~∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyは、xの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② あるxが象であって、あるyがxの鼻であって、yが長いならば、あるzが、xの鼻以外で、長い。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(15)
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyは、xの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② あるxが象であって、あるyがxの鼻であって、yが長いならば、あるzが、xの鼻以外で、長い。といふことはない。
といふことは、要するに、
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふ、ことである。
従って、
(09)(15)により、
(16)
① 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふ「意味」であって、
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふ「日本語」は、「述語論理」で書くならば、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ~∃x{象x&∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「意味」である。
然るに、
(17)
日本語で典型な文(センテンス)は「Ⅹは」で始まる題述関係の文です。公式で一括して
Ⅹハ、本ウンヌン。
題目 述部
と書くことできます。題目の提示「Ⅹは」は、だいたい「Ⅹニツイテ言エバ」の心持ちです。上の「Ⅹニツイテ」は中味の予告です。下の「言エバ」は話し手の態度の宣言であり、これが述部の言いきり(文末)と呼応します。
後者、すなわち文末と呼応して一文を完成する仕事が「ハ」の本務です。前者、すなわち中味への関与の仕方は「ハ」の兼務です。「Ⅹハ」には。本務と兼務の両面があることを知り、始終それを念頭に置くことが大切です(三上章、象は鼻が長い、1992年第21版、8頁)。
然るに、
(18)
① ∀x{象x→・・・・・。
① すべてのxについて、xが象であるならば、・・・・・。
といふことは、
① すべての象について、象をxとするならば、・・・・・。
といふことである。
(19)
① すべての象について、象をxとするならば、・・・・・。
といふことは、
① 象ニツイテ言エバ、・・・・・。
といふ、ことである。
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
題目の提示「Ⅹは」は、だいたい「Ⅹニツイテ言エバ」の心持ちです。
といふ「言ひ方」は、私にも、分からない、わけではない。
然るに、
(21)
題目の提示「Ⅹは」は、だいたい「Ⅹニツイテ言エバ」の心持ちです。上の「Ⅹニツイテ」は中味の予告です。下の「言エバ」は話し手の態度の宣言であり、これが述部の言いきり(文末)と呼応します。後者、すなわち文末と呼応して一文を完成する仕事が「ハ」の本務です。前者、すなわち中味への関与の仕方は「ハ」の兼務です。「Ⅹハ」には。本務と兼務の両面があることを知り、始終それを念頭に置くことが大切です。
といふ場合の、「本務と兼務」といふ「言ひ方」は、結局の所、私には、「難しすぎて」、全く理解できない。
(22)
「象は」は主語であり、「鼻がながい」全体が述語をなしていると、みなすわけにはいかないだろうか。そうだとすれば、「鼻がながい」が連語をなしていて、それを主語と述語にわける必要はない。「述語節」というみ方にも根拠はあるわけである。形態論的にみたら、主格がふたつあっても、文論的には、主語はひとつしかないのである(三上章、象は鼻が長い、1992年第21版、227頁:増補―批判と反批判)。
然るに、
(23)
① 象は動物である=∀x{象x→動物x}。
といふ「命題」に於ける、
① 動物x
に対して、
① 動物x=∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)。
といふ「代入(Substitution)」を行へば、
② 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「命題」になる。
従って、
(23)により、
(24)
① 象は動物である=∀x{象x→動物x}。
② 象は鼻が長い =∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於ける、
① 動物である=動物x
② 鼻が長い =∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)
に於いて、
① は「述語」であるが、
② は「述語」ではない。
といふ風には、「述語論理的」には、言へない。
従って、
(22)(23)(24)により、
(25)
「象は」は主語であり、「鼻がながい」全体が述語をなしている。
といふ「理解」は、「述語論理的」には、「正しい」。
従って、
(24)(25)により、
(26)
① 象は動物である=∀x{象x→動物x}。
② 象は鼻が長い =∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
① 象は は、「主語」であり、
② 象は も、「主語」である。
といふ主張は、少なくとも、「述語論理的」には、「正しい」。
(27)
① 象は動物である=∀x{象x→動物x}。
② 象は鼻が長い =∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「日本語」は、「述語論理」としては、両方とも、
③ ∀x(象x→P)。
といふ「文型」であって、
③ 象x は「主語」であり、
③ P は「述語」である。
(01)
⑤ 使{籍誠不[以〔畜( 子)憂( 寒)〕乱( 心)]有( 財)以済( 薬)}。
⑥ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(良心)]有(銭財)以済(医薬)}。
に於いて、
使{ }⇒{ }使
不[ ]⇒[ ]不
以〔 〕⇒〔 〕以
畜( )⇒( )畜
憂( )⇒( )憂
乱( )⇒( )乱
有( )⇒( )有
済( )⇒( )済
といふ「移動」を行ひ、「平仮名」を加へると、
⑤{籍をして誠に[〔( 子を)畜ひ(寒さを)憂ふるを〕以て( 心を)乱さ]不( 財)有りて以て( 薬を)済さ}使む。
⑥{籍をして誠に[〔(妻子を)畜ひ(飢寒を)憂ふるを〕以て(良心を)乱さ]不(銭財)有りて以て(医薬を)済さ}使む。
然るに、
(02)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(01)(02)により、
(03)
⑤ 使{籍誠不[以〔畜( 子)憂( 寒)〕乱( 心)]有( 財)以済( 薬)}。
⑥ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(良心)]有(銭財)以済(医薬)}。
に於ける、
⑤{ [ 〔 ( )( ) 〕( ) ]( )( ) }
⑥{ [ 〔 ( )( ) 〕( ) ]( )( ) }
といふ「括弧」は、
⑤ 使籍誠不以畜_子憂_寒乱_心有_財以済_薬。
⑥ 使籍誠不以畜妻子憂飢寒乱良心有銭財以済医薬。
といふ「漢文の補足構造」と、
⑤ 籍をして誠に 子を養ひ、寒さを憂ふるを以て 心を乱さず、 財有りて以て 薬を済さ使む。
⑥ 籍をして誠に妻子を養ひ、飢寒を憂ふるを以て良心を乱さず、銭財有りて以て医薬を済さ使む。
といふ「訓読の語順」を、表してゐる。
然るに、
(04)
に於いて、
① 籍誠 以
② 籍誠 子 寒 心 財 以 薬
③ 籍誠 以
④ 籍誠 妻 飢 良 銭 以 医
には、「返り点」が付いてゐない。
従って、
(04)により、
(05)
① 籍をして誠に子を養ひ、寒さを憂ふるを以て心を乱さず、財有りて以て薬を済さ使む。
② 籍をして誠に妻を養ひ、子、飢えを憂へずを以て、寒い、良を乱さず、心、銭有りて、財、以て医を済さしむ薬。
③ 籍をして誠に子を養ひ、寒さを憂ふるを以て心を乱さず、財有りて以て薬を済さ使む。
④ 籍をして誠に妻子を養ひ、飢寒を憂ふるを以て良心を乱さず、銭財有りて以て医薬を済さ使む。
といふ風に、「読む」ことになる。
然るに、
(06)
④ 籍をして誠に妻子を養ひ、飢寒を憂ふるを以て良心を乱さず、銭財有りて以て医薬を済さ使む。
といふ「訓読」に対して、
② 籍をして誠に妻を養ひ、子、飢えを憂へずを以て、寒い、良を乱さず、心、銭有りて、財、以て医を済さしむ薬。
といふ「訓読」は、「有り得ない」。
従って、
(03)~(06)により、
(07)
① 使乙 籍誠不下 以二 畜レ 子 憂一レ 寒 乱上レ 心 有レ 財 以済甲レ 薬。
③ 使人 籍誠不丙 以下 畜二 子一 憂中 寒上 乱乙 心甲 有二 財一 以済地 薬天。
④ 使人 籍誠不丙 以下 畜二 妻子一 憂中 飢寒上 乱乙 良心甲 有二 銭財一 以済地 医薬天。
⑤ 使{籍誠不[以〔畜( 子)憂( 寒)〕乱( 心)]有( 財)以済( 薬)}。
⑥ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(良心)]有(銭財)以済(医薬)}。
に於いて、
① は、「訓読の語順」を、表してゐる。
③と④ は、「漢文の補足構造」と「訓読の語順」を、表してゐる。
⑤と⑥ は、「漢文の補足構造」と「訓読の語順」を、表してゐる。
(01)
「チコちゃんに叱られる!(令和元年12月21日、再放送)」でも取り上げられた、「鏡は左右を逆にするが、上下を逆にしないのはなぜか(Why do mirrors reverse left and right, but not top and bottom?)」という疑問は、英語圏に於いても、「FAQ(Frequently Asked Questions)」の「典型」である。
(02)
「コピー用紙」等に、「(油性)ペン」で「AE」と書くと、当然、
といふ風に、見える。
然るに、
(03)
① チコちゃんが言ふやうに、「鏡は左右を逆にする」といふのであれば、「AEの文字」は、「鏡の中」では、
といふ風に、見える。
然るに、
(04)
②「コピー用紙」は、「十分に薄い」ため、「明るい方向」に向ければ、
②「表に書かれた文字」を、「裏側から、透かして見る」ことが出来る。
然るに、
(05)
②「AEの文字」を、「裏側から、透かして見る」と、この場合も、
といふ風に、見える。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
①「鏡」に映ってゐる「∃A」といふ「形(輪郭)」は、
②「AE」と書いた「紙」を、「裏側から、透かして見る」際の「形」に「等しい」。
然るに、
(07)
①「人間」は、「AEといふ文字」が書かれた「Tシャツ」を、着ることが出来る。
従って、
(06)(07)により、
(08)
①「鏡」に映ってゐる「文字」だけでなく、
①「鏡」に映ってゐる「人間」の場合も、「形(輪郭)」に関しては、
②「背中(裏側)」を見せてゐるときの、「形(輪郭)」に「等しい」。
従って、
(08)により、
(09)
①「鏡の中の文字」と、
①「鏡の中の人間」は、「両方」とも、
①「表面」は、「こちら」を向いてゐて、
②「輪郭」は、「あちら」を向いてゐる。
従って、
(09)により、
(10)
①「鏡の中の人間」は、
①「表面」に関しては、「回れ右」をして、 「こちらを向いてゐる」にも拘らず、
②「輪郭」に関しては、「回れ右」をせずに、「あちらを向いてゐる」。
従って、
(09)(10)により、
(11)
①「鏡の中の人間」と、
②「鏡の外の人間」を、「混同」すると、
①「鏡は左右を逆にするが、上下を逆にしないのはなぜか」という疑問が、生じることになる。
然るに、
(12)
「紙の面やTシャツの表」は、「2次元」であるが、
「人間」は「3次元(上下・左右・前後)」である。
然るに、
(02)~(11)により、
(13)
「以上の説明」と、「2次元・3次元の話」は、「関係」が無い。
従って、
(13)により、
(14)
「鏡を正面から見たときに手前と奥が逆転し、左右や上下はそのまま映す。」といふ「説明」を、されたとしても、
「鏡は左右を逆にするが、上下を逆にしないのはなぜか」という疑問が、無くなるわけではない。
(01)
(ⅰ)
1 (1) P&(Q∨R) A
1 (2) P 1&E
1 (3) Q∨R 1&E
4 (4) Q A
14 (5) P&Q 24&I
14 (6)(P&Q)∨(P&R) 5∨I
7(7) R A
1 7(8) P&R 27&I
1 7(9)(P&Q)∨(P&R) 8∨I
1 (ア)(P&Q)∨(P&R) 34679∨E
(ⅱ)
1 (1)(P&Q)∨(P&R) A
2 (2)(P&Q) A
2 (3) P 2&E
2 (4) Q 2&E
2 (5) Q∨R 4∨I
2 (6) P&(Q∨R) 35&I
7(7) (P&R) A
7(8) P 7&E
7(9) R 7&E
7(ア) Q∨R 9∨I
7(イ) P&(Q∨R) 8ア&I
1 (ウ) P&(Q∨R) 1267イVE
従って、
(01)により、
(02)
① P&(R∨Q)
②(P& R)∨(P&Q)
に於いて、
①=② である。
cf.
「分配の法則(Law of distribution)」といふ。
従って、
(02)により、
(03)
① P&(R∨Q)
②(P& R)∨(P&Q)
に於いて、
R=P
といふ「代入」を行ふと、
① P&(P∨Q)
②(P& P)∨(P&Q)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
②(P&P)は、Pに、等しい。
cf.
「冪等律(idempotent law)」といふ。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① P&(P∨Q)
② P∨(P&Q)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1 (1)P∨(P&Q) A
2 (2)P A
3(3) P&Q A
3(4) P 3&E
1 (5)P 12234∨E
(ⅲ)
1 (1)P A
1 (2)P∨(P&Q) 1∨I
従って、
(06)により、
(07)
② P∨(P&Q)
③ P
に於いて、
②=③ である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① P&(P∨Q)
② P∨(P&Q)
③ P
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(08)により、
(09)
① P⇔P&(P∨Q)
② P⇔P∨(P&Q)
である。
cf.
「吸収律・吸収法則(law of absorption)」といふ。
然るに、
(10)
① P⇔P&(P∨Q)
② P⇔P∨(P&Q)
に於いて、
① 真⇔真&(真∨Q)
② 真⇔真∨(真&Q)
であるならば、「⇔の働き」により、「Qの真偽」に拘らず、
① 真⇔真&(真∨Q)
② 真⇔真∨(真&Q)
は、「真」である。
従って、
(10)により、
(11)
① P⇔P&(P∨Q)
② P⇔P∨(P&Q)
といふことは、
① Pであるならば、Qであらうとなからうと、いづれにせよ、Pである。
② Pであるならば、Qであらうとなからうと、いづれにせよ、Pである。
といふ、「意味」である。
然るに、
(12)
① P⇔P&(P∨Q)
② P⇔P∨(P&Q)
に於いて、
① 偽⇔偽&(偽∨Q)
② 偽⇔偽∨(偽&Q)
であるならば、「⇔の働き」により、「Qの真偽」に拘らず、
① 偽⇔偽&(偽∨Q)
② 偽⇔偽∨(偽&Q)
は、「真」である。
従って、
(12)により、
(13)
① P⇔P&(P∨Q)
② P⇔P∨(P&Q)
といふことは、
① Pでないならば、Qであらうとなからうと、いづれにせよ、Pでない。
② Pでないならば、Qであらうとなからうと、いづれにせよ、Pでない。
といふ、「意味」である。
従って、
(11)(13)により、
(14)
① P⇔P&(P∨Q)
② P⇔P∨(P&Q)
といふ「吸収法則」とは、両方とも、
① Pであるならば、Qであらうとなからうと、いづれにせよ、Pである。
② Pでないならば、Qであらうとなからうと、いづれにせよ、Pでない。
といふ、「極めて、当然な、主張」である。
然るに、
(15)
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
吸収法則
きゅうしゅうほうそく
law of absorption
吸収律ともいう。集合の演算 ∪ (結び) および ∩ (交わり) について,次の法則が成り立つ。
A=A∪(A∩B),A=A∩(A∪B)
これを吸収法則という。一般に,∪ ,∩ を束演算とするとき,この法則が成り立つ。集合演算の場合は,その特別の場合で,集合束がブール束になっている。
従って、
(14)(15)により、
(16)
① A=A∩(A∪B)
② A=A∪(A∩B)
は、「集合」の「吸収律」であっても、
① Aであるならば、Bであらうとなからうと、いづれにせよ、Aである。
② Aでないならば、Bであらうとなからうと、いづれにせよ、Aでない。
といふ、「極めて、当然な、主張」である。
と、思はれるものの、私には、その返のところが、分からない。
(01)
(ⅰ)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨I
1(3)P&(P∨Q) 12&I
(ⅱ)
1(1)P&(P∨Q) A
1(2)P 1&E
従って、
(01)により、
(02)
① P
② P&(P∨Q)
に於いて、
①=② である。
cf.
「消去律・吸収律・簡約律」といふ。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① P
② P&(P∨真)
③ P&(P∨偽)
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(ⅰ)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨I
といふ「計算」に於いて、
1(1)Pは、必ず「真」であるが、
1(2) Qは、「真」である「必要」はなく、
1(〃) Qは、「偽」であっても、かまわない。
然るに、
(05)
1(2) Qは、「真」である「必要」はなく、
1(〃) Qは、「偽」であっても、かまわない。
といふことは、
1(2) Qの「真偽」は、分からない。
といふ、ことである。
従って、
(01)(05)により、
(06)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨I
といふ「計算」は、
(1)Pである。 従って、
(2)Pであるが、Qであるかどうかは、分からない。
といふ「意味」になる。
従って、
(07)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨I
といふ「計算」は、
(1)Pである。 従って、
(2)Pであるか、または、Qである。
といふ「意味」ではない。
従って、
(06)(07)により、
(08)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨I
に於いて、
P=彼女は背が高い。
Q=彼女は美人である。
であるならば、
(2)彼女は背が高いが、美人であるかどうかは、分からない。
といふ「意味」ではあって、
(2)彼女は背が高いか、または、美人である。
といふ「意味」ではない。
然るに、
(09)
この規則は、推論の中で意識されることがおおよそないといえます。「彼女は背が高い」という主張をPとしましょう。すると、このPから「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」が導けます。この場合、主張Qは「彼女は美人だ」に対応しています。しかし、「彼女は背が高い」がわかっているのに、わざわざ、「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」とつなげる場面は普通の会話ではあまりないでしょう。数学の証明でも、これが使われる場面はほとんど見かけないような気がします(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、156頁)。
従って、
(08)(09)により、
(10)
この規則(選言導入)を、
「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」と理解するのは、「マチガイ」であって、
「彼女は背が高い しかし 美人かどうかは、分からない」とするのが、「正しい」。
然るに、
(11)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨I
ではなく、
1(1)P∨Q A
に於いて、
P=彼女は背が高い。
Q=彼女は美人である。
であるならば、当然、
「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」とするのが、「正しく」、
「彼女は背が高い しかし 美人かどうかは、分からない」とするのは、「マチガイ」である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
1(2)P∨Q 1∨I(選言導入)
1(1)P∨Q A(仮定)
といふ「二種類の、P∨Q」を、「混同」してはならないものの、寡聞にして、「そのやうに書いてある、教科書」を、私は知らない。
(01)
を見ると、
①「父子」は、「前を向いてゐる」のかも知れないし、
②「母子」は、「後を向けてゐる」のかもしれない。
然るに、
(02)
①「父子」が、「前を向いてゐる」のであれば、「子供」は「父親の左側にゐる」し、
②「母子」が、「後を向いてゐる」のであれば、「子供」は「母親の右側にゐる」。
然るに、
(03)
①「鏡に正対」してゐるとき、「鏡の中」の「自分の姿」は、「表面」に関しては、
①「前を向いてゐる」際の、「それ」に「等しい」。
然るに、
(04)
②「鏡に正対」してゐるとき、「鏡の中」の「自分の姿」は、「シルエット」に関しては、
②「鏡の外」で、「後(背中の側)」を見てゐる際の、「シルエット」に「等しい」。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
①「鏡の中」の「自分の姿」は、「(表面は)前を向きつつ」も、同時に、
②「鏡の中」の「自分の姿」は、「(シルエットは)後を向いてゐる」。
従って、
(05)により、
(06)
「このこと」を、「理解」してゐないのであれば、その場合は、
③「鏡は左右を逆にするが、上下を逆にしないのはなぜか(Why do mirrors reverse left and right, but not top and bottom?)。」
といふ「疑問」が、生じることになる。
然るに、
(07)
②「コピー用紙」は、「十分に薄い」ため、
②「コピー用紙」は、「明るい方向」に向ければ、「表に書かれた文字」を、「裏側から、透かして見る」ことが出来る。
然るに、
(08)
①「コピー用紙」は、「鏡に映る」ため、
①「コピー用紙」は、「鏡」に向けると、「表に書かれた文字」を、「裏返しのままで、見る」ことが出来る。
然るに、
(09)
②「AE」と書かれた「コピー用紙」を、「裏側から、透かして見る」と、「∃A」に見える。
①「AE」と書かれた「コピー用紙」を、「鏡に映して、見る」と、 「∃A」に見える。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
①「鏡に映ってゐる、文字の形」は、
②「裏側から透かして見てゐる、文字の形」に、「等しい」。
従って、
(10)により、
(11)
①「鏡に映ってゐる、人の形」も、「シルエット」に関しては、
②「裏側(背中)を向けてゐる、人の形」に、「等しい」。
従って、
(11)により、
(12)
であっても、
①「鏡の中で、こちらを向いてゐる、人の形(シルエット)」は、
②「鏡の外で、裏側(背中)を向けてゐる、人の形(シルエット)」に、「等しい」。
(01)
昨日の「チコちゃんに叱られる!(平成30年10月20、令和元年12月21日)」で取り上げられた、「鏡は左右を逆にするが、上下を逆にしないのはなぜか(Why do mirrors reverse left and right, but not top and bottom?)」という疑問は、英語圏に於いても、「FAQ(Frequently Asked Questions)」の「典型」です。
(02)
①「AE」と描かれた「Tシャツ」を着た「ある人物」が、あなたに対して、「背中」を向けてゐて、
①「その人物」が、あなたの方を、「振り向いた」とします。
然るに、
(03)
①「その人物」が、あなたの方に、「振り向いた」のであれば、「その人物」は、
①「回れ右」をして、「振り向いた」か、
②「逆立ち」をして、「振り向いた」かの、どちらかです。
然るに、
(04)
①「回れ右」をして、「振り向いた」のであれば、「Tシャツ」の「AE」は、[AE]に見えます。
②「逆立ち」をして、「振り向いた」のであれば、「Tシャツ」の「AE」は、[∃∀]に見えます。
然るに、
(05)
③ あなた自身が、「AE」と描かれた「Tシャツ」を着て、「鏡の前」に立つならば、「鏡の中」で、「AE」は、[∃A]に見えます。
従って、
(02)~(05)により、
(06)
①[AE]:鏡の外で、「回れ右」で、振り向く。
②[∃∀]:鏡の外で、「逆立ち」で、振り向く。
③[∃A]:鏡の中。
に於いて、
①と③ であれば、「左右が逆で、上下が等しい」。
②と③ であれば、「上下が逆で、左右が等しい」。
従って、
(06)により、
(07)
①「鏡は左右を逆にするが、上下を逆にしないのはなぜか(Why do mirrors reverse left and right, but not top and bottom?)」
といふ「疑問」は、飽く迄も、
①[AE]:鏡の外で、「回れ右」をする、ならば、さうである。
といふことに、過ぎない。
従って、
(06)(07)により、
(08)
①[AE]:鏡の外では、「回れ右」で、振り向く、ことはなく、
②[∃∀]:鏡の外では、「逆立ち」で、振り向く、とするならば、
②「鏡は上下を逆にするが、左右を逆にしないのはなぜか(Why do mirrors reverse top and bottom, but not left and right?)」
といふ「疑問」が、生じることになる。
従って、
(07)(08)により、
(09)
①「鏡は左右を逆にするが、上下を逆にしないのはなぜか(Why do mirrors reverse left and right, but not top and bottom?)」
といふ「疑問」が生じる「所以」は、ただ単に、
①[AE]:鏡の外では、「回れ右」をするが、
②[∃∀]:鏡の外では、「逆立ち」はしない。
といふ風に、「決め付けてゐる」からである。
(01)
NHK 総合テレビで土曜日午前 8 時 15 分から 45 分間放映されている番組『チコちゃんに叱られる!』が、2018年10月20 日の放映(2019年12月21日、再放送)で、チコちゃんの質問の一つに、人類が悩み続けてきた難問「鏡の謎」を取り上げた。「鏡は左右を逆にするが、上下を逆にしないのはなぜか」という疑問である。答えは「分からない」だった(Ted's Coffeehouse 2)。
(02)
「クリアホルダー」に「油性ペン」で、「AE」と書いてみる。
(03)
「クリアホルダー」や「油性ペン」がなければ、
「コピー用紙」のやうな「薄い紙」に、「鉛筆」で、「AE」と書いてみる。
然るに、
(04)
①「AE」と書かれた「面」を、「裏返し」にするには、「人間」で譬へると、
②「回れ右」による「裏返し」と、
③「逆立ち」による「裏返し」による、「2種類」がある。
然るに、
(05)
①「コピー用紙」は、「裏返し」の状態であっても、「明るい方向」に向ければ、「表の側が、透けて見える」ため、
②「回れ右」による「裏返し」をすれば、「AE」は、[∃A(左右が逆)]に見える。
然るに、
(06)
①「コピー用紙」は、「鏡に映る」ため、
②「回れ右」による「裏返し」た上で、「鏡に向ける」と、「AE」は、[∃A(左右が逆)]に見える。
従って、
(05)(06)により、
(07)
②「鏡の中」の[∃A(AEとは、左右が逆)]は、「形」としては、「コピー用紙」を、「裏側から、透かして見てゐる状態」に「等しい」。
従って、
(07)により、
(08)
①「鏡に正対」してゐるとき、「鏡の中」の「自分の姿」は、「シルエット」に関しては、
②「裏側(背中の側)」から見てゐる際の、「シルエット」に「等しい」。
従って、
(09)
「鏡の中の自分」は、「こちらを向いてゐる」にも拘らず、「シルエット」に関しては、
「背中の側(裏側)」を向けてゐる。といふ、ことになる。
然るに、
(10)
①「背中」を向けてゐる人物が、「こちらを向く」際は、
②「回れ右」をして「こちらを向く」場合が、「ほとんど100%」である。
従って、
(11)
①「背中」を向けてゐる人物が、「こちらを向く」際には、
③「逆立ち」をして「こちらを向く」場合は、「ほとんど、有り得ない」。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
①「鏡の中の自分」は、
②「回れ右」をして「こちらを向いた」にも拘らず、
③「背中の側」を向けてゐる。
然るに、
(13)
③「背中の側」を向けてゐる。
といふことは、
②「回れ右」をしてゐない。
といふことに、他ならない。
従って、
(12)(13)により、
(14)
①「鏡の中の自分」は、
②「回れ右」をして「こちらを向い」た、にも拘らず、
③「回れ右」をしてゐない。
といふことになり、それ故、「鏡は左右を逆にするが、上下を逆にしないのはなぜか(チコちゃんに叱られる!)」
といふ、「疑問」が生まれることになる。
然るに、
(15)
①「背中」を向けてゐる人物が、「こちらを向く」際に、逆に、
②「回れ右」をして「こちらを向く」場合が、「 0%」であって、
③「逆立ち」をして「こちらを向く」場合が、「100%」である。とする。
然るに、
(16)
③「AE」と書かれた「Tシャツ」を着た人物が、
③「逆立ち」をして「こちらを向く」のであれば、その際の、
③「AE」は、[∃∀]に、「見えなければならない」。
然るに、
(17)
①「AE」
②[∃A]
③[∃∀]
に於いて、
①と② であれば、「左右が逆で、上下が等しい」。
③と② であれば、「上下が逆で、左右が等しい」。
従って、
(15)(16)(17)により、
(18)
①「背中」を向けてゐる人物が、「こちらを向く」際に、
③「逆立ち」をして「こちらを向く」場合が、「100%」である。とするならば、
①「鏡の中の自分」は、
③「逆立ち」をして「こちらを向い」た、にも拘らず、
③「逆立ち」をしてゐない。
といふことになり、それ故、「鏡は上下を逆にするが、左右を逆にしないのはなぜか(チコちゃんに叱られない!)」
といふ、「疑問」が生まれることになる。
従って、
(01)~(18)により、
(19)
「鏡は左右を逆にするが、上下を逆にしないのはなぜか」 といふ「疑問」に対して、
「鏡は上下を逆にするが、左右を逆にしないのはなぜか」といふ「疑問」が生じない。のは「何故か」といふと、
①「背中」を向けてゐる人物が、「こちらを向く」際は、
②「回れ右」をして「こちらを向く」場合が、「ほとんど100%」だからである。
といふ、ことになる。
(01)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨I(選言導入)
(3)P→P∨Q 12CP
然るに、
(02)
1(1)P A
(3)P→P∨Q 12CP
に於いて、「(1)の仮定の数」は「1個」であって、
「(3)の仮定の数」は「0個」である。
(03)
1 (1) ~P A
1 (2) ~P∨~Q 1∨I(選言導入)
(3) ~P→~P∨~Q 12CP
4(4) ~~P&~~Q A
4(5)~(~P∨~Q) 4ド・モルガンの法則
4(6) ~~P 35MTT
(7) ~~P&~~Q→~~P 46CP
(8) P& Q→ P 7DN
然るに、
(04)
1 (1)~P A
(8) P&Q→P 7DN
に於いて、「(1)の仮定の数」は「1個」であって、
「(8)の仮定の数」は「0個」である。
(05)
1 (1) ~(P∨~P) A
2(2) P A
2(3) P∨~P 2∨I(選言導入)
12(4) ~(P∨~P)&
(P∨~P) 23&I
1 (5) ~P A
1 (6) P∨~P 5∨
1 (7) ~(P∨~P)&
(P∨~P) 16&I
(8)~~(P∨~P) 17RAA
(9) P∨~P 8DN
然るに、
(06)
1 (1) ~(P∨~P) A
(9) P∨~P 8DN
に於いて、「(1)の仮定の数」は「1個」であって、
「(9)の仮定の数」は「0個」である。
然るに、
(07)
定理(theorem)とは、仮定(assumptions)の数がゼロ個の証明可能な連式の結論である。
(E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学入門、65頁改)
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① P→P∨Q≡Pであるならば、PかQである。
② P&Q→P≡PであってQであるならば、Pである。
③ P∨~P ≡Pであるか、Pでない。
といふ「論理式」、すなはち、
① 付加律
② 単純化律
③ 排中律
は、三つとも、「定理(theorem)」である。
然るに、
(09)
① 付加律
すなはち、
① P→P∨Q≡Pであるならば、PかQである。
は、「ヒルベルト・アッカーマンの、公理2」である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① P→P∨Q≡Pであるならば、PかQである。
② P&Q→P≡PであってQであるならば、Pである。
③ P∨~P ≡Pであるか、Pでない。
といふ「論理式」は、3つとも、「公理(axiom)」であるとしても、「不自然」ではない。
然るに、
(11)
(1)Pならば、PかQである。 然るに、
(2)Pである。 従って、
(3) PかQである。
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である。
然るに、
(12)
(2)Pである。 従って、
(3) PかQである。
といふのであれば、いづれにせよ、
(2)Pである。
従って、
(12)により、
(13)
(2)Pである。 従って、
(3) PかQである。
といふのであれば、「正しく」は、
(2)Pであるが、
(3)Qであるかどうかは、分からない。
といふ。ことになる。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨I(選言導入)
といふ「計算」は、
(1)Pであるが、
(2)Qであるかどうかは、分からない。
といふ、ことであり、
1(1)~P A
1(2)~P∨~Q 1∨I(選言導入)
といふ「計算」は、
(1)Pでないが、
(2)Qでないかどうかは、分からない。
といふ、ことであり、
2(2)P A
2(3)P∨~P 2∨I(選言導入)
といふ「計算」は、
(2)Pであるが、
(3)Pでないかどうかは、分からない。
といふ、ことである。
然るに、
(15)
① Pであるが、Qであるかどうかは、分からない。
② Pでないが、Qでないかどうかは、分からない。
であれば、二つとも、「正常」であるが、
③ Pであるが、Pでないかどうかは、分からない。
の場合は、
③ Pである。と「断定」してゐながら、そのことを「否定」してゐる。
といふ点に於いて、明らかに、「異常」である。
従って、
(01)(03)(05)(14)(15)により、
(16)
① P→P∨Q≡Pであるならば、PかQである。
② P&Q→P≡PであってQであるならば、Pである。
③ P∨~P ≡Pであるか、Pでない。
といふ「定理」の「証明」に於いて、
① には「問題」はなく、
② にも「問題」はないものの、
③ には「問題」がある。
従って、
(10)(16)により、
(17)
① P→P∨Q≡Pであるならば、PかQである。
② P&Q→P≡PであってQであるならば、Pである。
③ P∨~P ≡Pであるか、Pでない。
といふ「論理式」は、すなはち、
① 付加律
② 単純化律
③ 排中律
といふ「法則」は、3つとも、「公理(axiom)」であるとしても、「不自然」ではない。
とは言ふものの、実際には、
③ に関しては、「計算の過程」で、
③ Pであるが、Pでないかどうかは、分からない。
としているため、あるいは、「公理(axiom)」であるとしては、ならないのかも、知れない。
然るに、
(18)
④ ~(~P&P)≡~~P∨~P≡P∨~P
は、「ド・モルガンの法則」であって、
④ ~(~P&P)
は、「矛盾律」である。
従って、
(19)
③ P∨~P ≡Pであるか、Pでない。
④ ~(~P& P)≡Pでなくて、Pである。といふことはない。
に於いて、
③「矛盾律」を「否定」することは、
④ Pではないが、Pである。といふこともある。
といふことを、「肯定」することに、「等しい」。
従って、
(20)
④ Pではないが、Pである。といふこともある。
といふことは、ない。
とするならば、
③ Pであるか、Pでない。
といふ「排中律」も、認めざるを、得ない。
(01)
Pが真である場合には「PかQ」は必ず真になり、Qが真である場合には「QかP」は必ず真になります。これは「選言導入」と呼ばれる推論規則です(WIIS)。
然るに、
(02)
① Pならば、PかQである。 然るに、
② Pである。 従って、
③ PかQである。
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である。
然るに、
(03)
② Pである。 従って、
③ PかQである。
といふのであれば、いづれにせよ、
② Pである。
従って、
(04)
② Pである。 従って、
③ PかQである。
といふのであれば、「正しく」は、
② Pであるが、
③ Qであるかどうかは、分からない。
といふ。ことになる。
従って、
(05)
② 彼女は背が高い。従って、
③ 彼女は背が高いか、美人である。
といふ「言ひ方」は、「正しく」は、
③ 彼女は背は高いが、美人であるかどうかは、分からない。
といふ、ことになる。
然るに、
(06)
この規則は、推論の中で意識されることがおおよそないといえます。「彼女は背が高い」という主張をPとしましょう。すると、このPから「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」が導けます。この場合、主張Qは「彼女は美人だ」に対応しています。しかし、「彼女は背が高い」がわかっているのに、わざわざ、「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」とつなげる場面は普通の会話ではあまりないでしょう。数学の証明でも、これが使われる場面はほとんど見かけないような気がします(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、156頁)。
従って、
(01)(05)(06)により、
(07)
この規則(選言導入)を、
「彼女は背が高い または 彼女は美人だ」と理解するのは、「マチガイ」であって、
「彼女は背が高い しかし 美人かどうかは、分からない」とするのが、「正しい」。
従って、
(08)
1(1)P A
1(2)P∨Q 1∨I(選言導入)
(3)P→P∨Q 12CP
(〃)Pならば、PかQである。12CP
といふ、「公理(axiom)」に於ける、
1(2)P∨Q 1∨I(選言導入)
といふ「それ」は、
1により(2)Pであるが、Qかどうかは分からない。 1選言導入。
といふ「意味」である。
(01)
(02)
① 告げざる可からず。
② 我、鳥の樹に啼くを聞く。
③ 鳥獣は、我、之(これ)と与(とも)に群れを同じくする可からず。
④ 外人の為に道(い)ふに足らざるなり。
⑤ 耕す者、以て益々、急ならざる可からず。
⑥ 己に如かざる者を友とする無かれ。
⑦ 当世の士大夫、劉老人有るを知らざる者無し。
⑧ 聖人の知れざる所、未だ必ずしも、愚人の知る所と為さずんばあらざるなり。
⑨ 曽子の母、子の人を殺さざるを知らざるに非ざるなり。
⑩ 籍をして誠に子を養ひ、寒さを憂ふるを以て心を乱さず、財有りて以て薬を済さ使む。
⑪ 之を取らんと欲す。
⑫ 之を取‐捨せんと欲す。
cf.
「 」が塗られた「漢字」には、「返り点」が付いてゐない。
⑦「上 中 下」ではあるが、「上 下」であって、「上 中」ではない。
⑧「未=未だ・・・・・ず。」は、「再読文字」である。
⑩ 使籍誠不以畜 子憂 寒乱心有 財以済 薬。の場合は、
⑩ 使籍誠不以蓄妻子憂饑寒亂心有錢財以濟醫藥(韓愈)。が「原文」である。
⑫ 「取‐捨」は、「一語(熟語)」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① レ レ レ
② 二 一レ
③ レ 二 レ 一レ
④ レ 下 二 一 上
⑤ レ 三 二 一
⑥ レ 二 レ レ 一
⑦ 下 レ レ 二 一レ 上
⑧ レ レ 二 一レ 二 一レ
⑨ レ レ 二 一レ レ
⑩ 乙 下 二 レ 一レ 上レ レ 甲レ
⑪ レ レ
⑫ レ 二- 一
といふ「返り点」が表す「訓読の順番」は、
① 四 三 二 一
② 三 二 一
③ 丁 丙 二 一 乙 甲
④ 下 中 二 一 上
⑤ 四 三 二 一
⑥ 下 中 三 二 一 上
⑦ 下 四 三 二 一 上
⑧ 三 二 一 五 四 三 二 一
⑨ 六 五 四 三 二 一
⑩ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
⑪ 三 二 一
⑫ 三 二- 一
といふ「返り点」が表す「訓読の順番」に「等しい」。
然るに、
(04)
① 四[三〔二(一)〕]
② 三〔二(一)〕
③ 丁[丙〔二(一)乙(甲)〕]
④ 下[中〔二(一)上〕]
⑤ 四[三〔二(一)〕]
⑥ 下{中[三〔二(一)〕上]}
⑦ 下{四[三〔二(一)〕]上}
⑧ 三〔二(一)〕五{四[三〔二(一)〕]}
⑨ 六〈五{四[三〔二(一)〕]}〉
⑩ 人{丙[下〔二(一)中(上)〕乙(甲)]二(一)地(天)}
⑪ 三〔二(一)〕
⑫ 三〔二-(一)〕
に於いて、
□( )⇒( )□
□〔 〕⇒〔 〕□
□[ ]⇒[ ]□
□{ }⇒( )□
といふ「移動」を行ふと、
① [〔(一)二〕三]四
② 〔(一)二〕三
③ [〔(一)二(甲)乙〕丙]丁
④ [〔(一)二上〕中]下
⑤ [〔(一)二〕三]四
⑥ {[〔(一)二〕三上]中}下
⑦ {[〔(一)二〕三]四上}下
⑧ 〔(一)二〕三{[〔(一)二〕三]四}五
⑨ 〈{[〔(一)二〕三]四}五〉六
⑩ {[〔(一)二(上)中〕下(甲)乙]丙(一)二(天)地}人
⑪ 〔(一)二〕三
⑫ 〔(一)二-〕三
従って、
(01)(02)(04)により、
(05)
① 不[可〔不(告)〕]。
② 我聞〔鳥啼(樹)〕。
③ 鳥獣吾不[可〔与(之)同(群)〕]。
④ 不[足〔為(外人)道〕]也。
⑤ 耕者不[可〔以不(益急)〕]矣。
⑥ 無{友[不〔如(己)〕者]}。
⑦ 当世士大夫無{不[知〔有(劉老人)〕]者}。
⑧ 聖人所〔不(知)〕、未{必不[為〔愚人所(知)〕]}也。
⑨ 曽子之母非〈不{知[子不〔殺(人)〕]}〉也。
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(子)憂(寒)〕乱(心)]有(財)以済(薬)}。
⑪ 欲〔取(之)〕。
⑫ 欲取‐捨之。
に於いて、
□( )⇒( )□
□〔 〕⇒〔 〕□
□[ ]⇒[ ]□
□{ }⇒( )□
□〈 〉⇒〈 〉□
といふ「移動」を行ひ、「平仮名」を加へると、
①[〔(告げ)不る〕可から]不。
② 我〔鳥の(樹に)啼くを〕聞く。
③ 鳥獣は吾[〔(之と)与に(群を)同じうする〕可から]不。
④[〔(外人の)為に道ふに〕足ら]不る也。
⑤ 耕す者[〔以て(益々急なら)不る〕可から]不矣。
⑥{[〔(己に)如か〕不る者を]友とする}無かれ。
⑦ 当世士大夫[〔(劉老人)有るを〕知ら]不る者}無し。
⑧ 聖人の〔(知ら)不る〕所、未だ{必ずしも[〔愚人の(知る)所と〕為さ]不んば}あら不る也。
⑨ 曽子の母〈{[子の〔(人を)殺さ〕不るを]知ら}不るに〉非ざる也。
⑩{籍をして誠に[〔(子を)畜ひ(寒さを)憂ふるを〕以て(心を)乱さ]不(財)有りて以て(薬を)済さ}使む。
⑪〔(之を)取らんと〕欲す。
⑫〔(之を)取‐捨せんと〕欲す。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
「(レ点を含む)返り点」は、
「(レ点を除いた)返り点」を介して、
〈{[〔( )]}〉に、「置き換へ」ことが出来る。
従って、
(06)により、
(07)
〈{[〔( )]}〉も、「一種の、返り点」であり、そのため、ネット上にある『返り点が付いてゐない、横書きの、白文』に対して、「返り点」を加へる際には、〈{[〔( )]}〉を用ひれば、「十分」である。
然るに、
(08)
「現行の返り点」は、飽く迄も、
(Ⅰ)レ
(Ⅱ)一レ 上レ 甲レ 天レ
(Ⅲ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・・・
(Ⅳ)上 中 下
(Ⅴ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅵ)天 地 人
であって、〈{[〔( )]}〉ではないため、特に、受験を控へた中高生は、「(レ点を含む、現行の)返り点」を、無視するわけには行かない。
然るに、
(09)
「(レ点を含む)返り点」ではなく、
「(レ点を除いた)返り点」で言へば、
であれば、ただ単に、
(Ⅲ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・・・
に従って、「下から上へ、返ってゐる」だけである。
(10)
「(レ点を含む)返り点」ではなく、
「(レ点を除いた)返り点」で言へば、
であるため、
(Ⅲ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・・・
(Ⅳ)上 中 下
(Ⅴ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅵ)天 地 人
に於いて、
(Ⅳ)上 中 下
(Ⅴ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
に関しては、
(Ⅳ)上 中 下 □ の、
(〃) □ が、不足する場合は、「順番」を変へて、
(Ⅴ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)上 中 下
といふ「順番」になることになる。⇒ ③
然るに、
(11)
(Ⅳ)上 中 下 □ の、
(〃) □ が、不足する場合は、「極めて、まれ」であり、そのため、
(Ⅲ)一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・・・・・・・
(Ⅳ)上 中 下
(Ⅴ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅵ)天 地 人
に於いては、実質的に、
(Ⅲ)「一二点」を挟んで、「下から上へ、返る」場合には、
(Ⅳ)「上下点」を用ひ、
(Ⅳ)「上下点」を挟んで、「下から上へ、返る」場合には、
(Ⅴ)「甲乙点」を用ひ、
(Ⅴ)「甲乙点」を挟んで、「下から上へ、返る」場合には、
(Ⅵ)「天地点」を用ひる。
といふ、「極めて、単純なルール」しかない。
従って、
(08)~(11)により、
(12)
(Ⅰ)レ
(Ⅱ)一レ 上レ 甲レ 天レ
が無ければ、「極めて、単純なルール」しかないものの、実際には、
(Ⅰ)レ
(Ⅱ)一レ 上レ 甲レ 天レ
が有るために、
といった、『複雑で、読みにくい(レ点を含む、現行の)返り点』が、成立する。
(13)
(Ⅰ)レ
に関して言へば、
(α)「レ点」は、「他の漢字」を飛び越へずに、「一字下の漢字」から、「一字上の漢字」へ返る際に用ひる。
(β)「レ点」は、
(Ⅲ)「一二点」の間に、置かれる。
(Ⅳ)「上下点」の間に、置かれる。
(Ⅴ)「甲乙点」の間に、置かれる。
(Ⅵ)「天地天」の間に、置かれる。
(γ)「レ点」は、
(Ⅲ)「二点」よりも大きい、「一二点」が付いてゐる、「一字」の上に、置かれる。⇒ ③⑤⑥⑨。
(Ⅳ)「上点」よりも大きい、「上下点」が付いてゐる、「一字」の上に、置かれる。⇒ ④。
(Ⅴ)「甲点」よりも大きい、「甲乙点」が付いてゐる、「一字」の上に、置かれる。
(Ⅵ)「天点」よりも大きい、「天地点」が付いてゐる、「一字」の上に、置かれる。
(γ)「レ点」は、
(Ⅱ)「一レ」であれば、「一点」が付いてゐる「下の一字」から、「一点」が付いてゐる「一字」へ返る。
(Ⅱ)「上レ」であれば、「上点」が付いてゐる「下の一字」から、「上点」が付いてゐる「一字」へ返る。
(Ⅱ)「甲レ」であれば、「甲点」が付いてゐる「下の一字」から、「甲点」が付いてゐる「一字」へ返る。
(Ⅱ)「天レ」であれば、「天点」が付いてゐる「下の一字」から、「天点」が付いてゐる「一字」へ返る。
(δ)「レ点」は、
例へば、
⑧ 二 一レ□二 一レ
に於いて、 □ が、「一字の漢字」であるときには、
⑧ 五 四 三 二 一
と、「同じ」ことである。
従って、
(13)により、
(14)
「レ点の用法」を、「文章(言葉)」で説明するのは、大変であるし、(13)でも、説明は、まだ足りない。
そのため、
(15)
『(レ点を含む、現行の)返り点』の「付け方・読み方」の「基本」を知りたいのであれば、
① 不可不告
② 我聞鳥啼樹。
③ 鳥獣吾不可与之同群。
④ 不足為外人道也。
⑤ 耕者不可以不益急矣。
⑥ 無友不如己者。
⑦ 当世士大夫無不知有劉老人者。
⑧ 聖人所不知、未必不為愚人所知也。
⑨ 曽子之母非不五知子不殺人也。
⑩ 使籍誠不以畜子憂寒乱心有財以済薬。
⑪ 欲取之。
⑫ 欲取‐捨之。
といふ「漢文」は、
① 告げざる可からず。
② 我、鳥の樹に啼くを聞く。
③ 鳥獣は、我、之(これ)と与(とも)に群れを同じくする可からず。
④ 外人の為に道(い)ふに足らざるなり。
⑤ 耕す者、以て益々、急ならざる可からず。
⑥ 己に如かざる者を友とする無かれ。
⑦ 当世の士大夫、劉老人有るを知らざる者無し。
⑧ 聖人の知れざる所、未だ必ずしも、愚人の知る所と為さずんばあらざるなり。
⑨ 曽子の母、子の人を殺さざるを知らざるに非ざるなり。
⑩ 籍をして誠に子を養ひ、寒さを憂ふるを以て心を乱さず、財有りて以て薬を済さ使む。
⑪ 之を取らんと欲す。
⑫ 之を取‐捨せんと欲す。
といふ風に「訓読」する。といふことを、「確認」した上で、
といふ「返り点(右側が、現行のそれ)」同士を、「十分に、比較」することを、勧めたい。
(16)
① レ レ レ
② 二 一レ
③ レ 二 レ 一レ
④ レ 下 二 一 上
⑤ レ 三 二 一
⑥ レ 二 レ レ 一
⑦ 下 レ レ 二 一レ 上
⑧ レ レ 二 一レ 二 一レ
⑨ レ レ 二 一レ レ
⑩ 乙 下 二 レ 一レ 上レ レ 甲レ
⑪ レ レ
⑫ レ 二- 一
といふ「返り点(右側が、現行のそれ)」が、結局は、
① 四 三 二 一
② 三 二 一
③ 丁 丙 二 一 乙 甲
④ 下 中 二 一 上
⑤ 四 三 二 一
⑥ 下 中 三 二 一 上
⑦ 下 四 三 二 一 上
⑧ 三 二 一 五 四 三 二 一
⑨ 六 五 四 三 二 一
⑩ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
⑪ 三 二 一
⑫ 三 二- 一
と「同じ順番」になる。
といふことを、「理解」出来たとすれば、その人は、『現行の返り点』を、ほぼ100%、理解できた。
といふ、ことになる。
(01)
ルカジェビィッツによる公理
(1) P→(Q→P)
(2)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(Q→R)]
(3)(~P→~Q)→(Q→P)
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(01)により、
(02)
(1)Pならば(QならばPである)。
は、「ルカジェビィッツによる公理(1)」である。
(03)
1 (1) P A
1 (2) P∨~Q 1∨I
1 (3) ~Q∨ P 1交換法則
4 (4) Q&~P A
5 (5) ~Q A
4 (6) Q 4&E
45 (7) ~Q& Q 56&I
5 (8)~(Q&~P) 47RAA
9 (9) P A
4 (ア) ~P 4&E
4 9 (イ) P&~P 9ア&I
9 (ウ)~(Q&~P) 4イRAA
1 (エ)~(Q&~P) 3589ウ∨E
オ (オ) Q A
カ(カ) ~P A
オカ(キ) Q&~P オカ&I
1 オカ(ク)~(Q&~P)&
(Q&~P) エキ&I
1 オ (ケ) ~~P カクRAA
1 オ (コ) P ケDN
1 (サ) Q→P オコCP
(ス)P→(Q→P) 1サCP
然るに、
(04)
1 (1) P A
(ス)P→(Q→P) 1サCP
に於いて、「(1)の仮定の数」は「1個」であって、
「(ス)の仮定の数」は「0個」である。
然るに、
(05)
定理(theorem)とは、仮定(assumptions)の数がゼロ個の証明可能な連式の結論である。
(E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学入門、65頁改)
従って、
(01)~(05)により、
(06)
(1)Pならば(QならばPである)≡P→(Q→P)。
(ス)Pならば(QならばPである)≡P→(Q→P)。
は、「ルカジェビィッツによる公理(axiom)」であって、「E.J.レモンの言ふ定理(theorem)」である。
然るに、
(03)により、
(07)
(03)に於いて、Qに、~Qを「代入」すると、
1 (1) P A
1 (2) P∨~~Q 1∨I
1 (3) ~~Q∨ P 1交換法則
4 (4) ~Q& ~P A
5 (5) ~~Q A
4 (6) ~Q 4&E
45 (7) ~~Q& ~Q 56&I
5 (8)~(~Q& ~P) 47RAA
9 (9) P A
4 (ア) ~P 4&E
4 9 (イ) P&~P 9ア&I
9 (ウ)~(~Q& ~P) 4イRAA
1 (エ)~(~Q& ~P) 3589ウ∨E
オ (オ) ~Q A
カ(カ) ~P A
オカ(キ) ~Q& ~P オカ&I
1 オカ(ク)~(~Q& ~P)&
(~Q& ~P) エキ&I
1 オ (ケ) ~~P カクRAA
1 オ (コ) P ケDN
1 (サ) ~Q→ P オコCP
(ス) P→(~Q→P) 1サCP
従って、
(03)(06)(07)により、
(08)
(1)Pならば(QでないならばPである)≡P→(~Q→P)。
(ス)Pならば(QでないならばPである)≡P→(~Q→P)。
は、「ルカジェビィッツによる公理(axiom)」であって、「E.J.レモンの言ふ定理(theorem)」である。
従って、
(06)(08)により、
(09)
(1)Pならば(Qであらうと、Qでなからうと、Pである)≡P→(Q∨~Q→P)。
(ス)Pならば(Qであらうと、Qでなからうと、Pである)≡P→(Q∨~Q→P)。
は、「ルカジェビィッツによる公理(axiom)」であって、「E.J.レモンの言ふ定理(theorem)」である。
cf.
P→ (Q∨~Q→P)⇔
~P∨~(Q∨~Q)∨P⇔
~P∨P∨~(Q&~Q)⇔
「排中律」か「矛盾律」。⇔
「恒真式」か「恒真式」は、「恒真式」。
然るに、
(10)
「明日が晴れならば、明日が土曜ならば、明日は晴れである。」は、「変な言ひ方」であるが、
「明日が晴れならば、明日が土曜であろうと、明日が土曜でなかろうと、明日は晴れである。」は、「普通の言ひ方」である。
従って、
(11)
「Pならば(QならばPである)。」は、「変な言ひ方」であるが、
「Pならば(Qであらうと、Qでなからうと、Pである)。」は、「普通」である。
従って、
(02)(11)により、
(12)
(1)P→(Q→P)
といふ、「ルカジェビィッツによる公理(1)」は、
(1)Pならば(QならばPである)。
といふ「日本語」に訳す限りは、固より、「変な言ひ方」である。
従って、
(06)(13)により
(14)
(1)P→(Q→P)
といふ、「ルカジェビィッツによる公理(1)」は、
(1)Pならば(QならばPである)。
といふ「日本語」に訳す限りは、「変な言ひ方」であるが、「命題論理」としては、「恒に真(トートロジー)」である。
といふ、ことになる。