(01)
論理学の「・・・あるいは・・・」は両立的選言に取り決められている。
それは論理学の体系がよりシンプルなものになるからである。とりわけ、
∨を両立的選言に決めておけば、排他的選言の方は∨と&と~によって 簡単に表現できる―(P∨Q)&~(P&Q)―。
(昭和堂刊、論理学の基礎、1994年、11頁)
従って、
(01)により、
(02)
①(P∨Q)&~(P&Q)
といふ「選言」、すなはち、
①(Pか、または、Qである)が、(Pであって、尚且つ、Qである)といふことはない。
といふ場合の「選言」を、「排他的選言」といふ。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1 (1)(P∨Q)&~(P&Q) A
1 (2) ~(P&Q) 1&E
3 (3) P A
4 (4) Q A
34 (5) P&Q 34&I
134 (6)~(P&Q)&(P&Q) 25&I
13 (7) ~Q 46RAA
1 (8) P→~Q 37CP
1 (9)(P∨Q) 1&E
ア (ア) P A
1 ア (イ) ~Q 8アMPP
1 ア (ウ) P&~Q アイ&I
1 ア (エ)(P&~Q)∨(Q&~P) ウ∨I
オ(オ) Q A
オ(カ) ~~Q オDN
1 オ(キ) ~P 8カMTT
1 オ(ク) Q&~P オキ&I
1 オ(ケ)(P&~Q)∨(Q&~P) ク∨I
1 (コ)(P&~Q)∨(Q&~P) 1アエオケ∨E
(ⅱ)
1 (1)(P&~Q)∨(Q&~P) A
2 (2)(P&~Q) A
2 (3) P 2&E
2 (4) P∨Q 3∨I
5 (5) Q&~P A
5 (6) Q 5&E
5 (7) P∨Q 6∨I
1 (8) P∨Q 12457∨E
9(9) P& Q A
9(ア) Q 9&E
2 (イ) ~Q 2&E
2 9(ウ) ~Q&Q アイ&I
2 (エ) ~(P& Q) 9ウRAA
9(オ) P 9&E
5 (カ) ~P 5&E
59(キ) P&~P オカ&I
5 (ク) ~(P& Q) 9キRAA
1 (ケ) ~(P& Q) 12エ5ク∨E
1 (コ)(P∨Q)&~(P& Q) 8ケ&I
従って、
(03)により、
(04)
①(P∨ Q)&~(P&Q)
②(P&~Q)∨(Q&~P)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
(ⅱ)
1 (1) (P&~Q)∨(Q&~P) A
2 (2) (P&~Q) A
2 (3)~(~P∨Q) 2ド・モルガンの法則
2 (4) ~(P→Q) 3含意の定義
2 (5) ~(P→Q)∨~(Q→P) 4∨I
6(6) (Q&~P) A
6(7) ~(~Q∨P) 6ド・モルガンの法則
6(8) ~(Q→P) 7含意の定義
6(9) ~(P→Q)∨~(Q→P) 8∨I
1 (ア) ~(P→Q)∨~(Q→P) 12569∨E
1 (イ)~{(P→Q)& (Q→P)} ア、ド・モルガンの法則
1 (ウ) ~(P⇔Q) イDf.⇔
(ⅲ)
1 (1) ~(P⇔Q) A
1 (2)~{(P→Q)& (Q→P)} 1Df.
1 (3) ~(P→Q)∨~(Q→P) 2ド・モルガンの法則
4 (4) ~(P→Q) A
4 (5)~(~P∨Q) 4含意の定義
4 (6) (P&~Q) 5ド・モルガンの法則
4 (7) (P&~Q)∨(Q&~P) 6∨I
8(8) ~(Q→P) A
8(9) ~(~Q∨P) 8含意の定義
8(ア) (Q&~P) 9ド・モルガンの法則
8(イ) (P&~Q)∨(Q&~P) ア∨I
1 (ウ) (P&~Q)∨(Q&~P) 1478イ∨E
従って、
(05)により、
(06)
②(P&~Q)∨(Q&~P)
③ ~(P⇔Q)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(04)(06)により、
(07)
①(P∨ Q)&~(P&Q)
②(P&~Q)∨(Q&~P)
③ ~(P⇔Q)
に於いて、すなはち、
①(Pか、または、Qである)が、(Pであって、尚且つ、Qである)といふことはない。
②(Pであって、Qでない)か、または、(Qであって、Pではない)。
③(PとQが同時に真になること、並びに、PとQが同時に偽になること)はない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(01)(07)により、
(08)
④ PとQの内の、どちらか一方だけが、真である。
といふ場合の、
④ PかQ。
を、「排他的選言」といふ。
然るに、
(09)
(ⅰ)
1 (1) P∨Q A
1 (2)~~P∨Q 1DN
1 (3) ~P→Q 2含意の定義
4(4) ~P A
14(5) Q 34MPP
(ⅱ)
1 (1) (P∨Q)&~(P&Q) A
1 (2) P∨Q 1&E
1 (3)~~P∨Q 2DN
1 (4) ~P→Q 3含意の定義
5(5) ~P A
15(6) Q 45MPP
従って、
(09)により、
(10)
①(P∨Q), ~P├ Q
②(P∨Q)&~(P&Q),~P├ Q
といふ「連式」は、「両方」とも、「妥当」である。
従って、
(01)(07)~(10)により、
(11)
「Pか、または、Qであるが、Pではない。故に、Qである。」
といふ「推論(選言三段論法・消去法)」は、「両立的選言」に於いても、「排他的選言」に於いても、「両方」とも、「妥当」である。
(01)
1 (1) ~(P&~Q)→P A
2(2) ~P A
12(3)~~(P&~Q) 12MTT
12(4) P&~Q 3DN
12(5) P 4&E
12(6) P&~P 25&I
1 (7) ~~P 26RAA
1 (8) P 7DN
(9)(~(P&~Q)→P)→P 18CP
従って、
(01)により、
(02)
① ~(P&~Q)→P
② ~P
に於いて、
①&② は「矛盾」であるため、「背理法(RAA)」により、
① ならば、② ではない。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1 (1)~(P&~Q) A
2 (2) P A
3(3) ~Q A
23(4) P&~Q 23&I
123(5)~(P&~Q)&
(P&~Q) 14&I
12 (6) ~~Q 35RAA
12 (7) Q 6DN
1 (8) P→ Q 27CP
(ⅱ)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P&~Q A
2 (3) P 2&E
12 (4) Q 13MPP
2 (5) ~Q 2&E
12 (6) Q&~Q 45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
従って、
(03)により、
(04)
① ~(P&~Q)
② P→ Q
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(03)(04)により、
(05)
①(~(P&~Q)→P)→P
② ((P→ Q)→P)→P
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)(05)により、
(06)
②(P→Q)→P
③ ~P
に於いて、
②&③ は「矛盾」であるため、「背理法(RAA)」により、
② ならば、③ ではない。
然るに、
(07)
命題計算では、パースの法則は((P→Q)→P)→P のことを言う。
(ウィキペディア)
従って、
(05)(07)により、
(08)
①(~(P&~Q)→P)→P
② ((P→ Q)→P)→P
③「パースの法則」
に於いて、
①=②=③ である。
(01)
① 父母之年、不可不知也=
① 父母之年、不レ可レ不レ知也=
① 父母之年、不[可〔不(知)〕]也⇒
① 父母之年、[〔(知)不〕可]不也=
① 父母の年は[〔(知ら)不る〕可から]不る也=
① 父母の年を[〔(知ら)ないといふことは〕あってはなら]ない(論語 里仁第四の二十一)。
然るに、
(02)
「管到」とは、ある語句がそのあとのどの漢字までかかっているか、という範囲のことである。白文の訓読では、それぞれの漢字の意味や品詞を自分で考え、その漢字が後ろのどこまでかかっているか、考えねばならない。
然るに、
(03)
括弧は、論理演算子のスコープ(scope)を明示する働きを持つ。スコープは、論理演算子の働きが及ぶ範囲のことをいう。
(産業図書、数理言語学辞典、2013年、四七頁:命題論理、今仁生美)
然るに、
(04)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 父母之年、不レ可レ不レ知也。
といふ「返り点」は、
① 父母之年、不可不知也。
といふ「漢文」の、
① 父母之年、不[可〔不(知)〕]也。
といふ「管到(補足構造)」を示してゐる。
然るに、
(06)
数学嫌いであろうと、子供であろうと、だれでも「父と母の年齢」というと、
「父の年齢と母の年齢」と同じ意味だとわかっている。当たり前のこととして、
気にもかけないかも知れない。実はこれは
(父と母)の年齢=(父の年齢)と(母の年齢)
というように分配法則そのものなのだ。
(a+b)×c=ac+bc
という式を理解できない人でも、「父と母の年齢?」と聞かれたら数を二つ言うに違いない。
(小谷善行、ことばの数理千夜一夜、2021年、8頁)
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① 父母之年、不可不知也。
といふ「漢文」には、
②(父母)之年、不[可〔不(知)〕]也。
といふ「管到(スコープ)」が有るものの、
②(父母)之年
に関しては、「補足構造」でなく、「並列構造+被修飾構造」であって、
「並列構造+被修飾構造」の「語順」は、「日本語の語順」と「同じ」であるが故に、
②(父母)之年=(父母)の年
といふ「管到(スコープ)」に対しては、「返り点」が付かない。
然るに、
(08)
① (a+b)×c=ac+bc
だけでなく、
② c×(a+b)=ac+bc
であっても、「分配法則」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 父母之年、不可不知也。
といふ「語順」だけなく、
② 年之父母、不可不知也。
といふ「語順」が有っても、良いはずであって、その場合は、
② 年レ之二父母一、不レ可レ不レ知也。
といふ「返り点」が付く。
といふ、ことになる。
(01) 例2.1
01 自然数は偶数であるかまたは奇数である。
02 奇数の自乗は奇数である。
03 奇数は偶数ではない。
これらをもとにして
「自乗すると偶数になる自然数は偶数である。」
を証明する。この証明の文章構造がどのようになっているか眺められたい。
[証明]
04 aを任意の自然数を表す変数とし、
05 aの自乗が偶数であると仮定する。
《aが偶数であることを示せばよい。そのためには、aが偶数でないと仮定して矛盾を示せばよい。》
― 途中省略。―
15 したがって、aの自乗が偶数であるならば、aは偶数である。
《aは任意の自然数を表す変数である。》
(上江中洲忠弘、述語論理入門、2007年、17頁)
然るに、
(01)により、
(02)
① 奇数の自乗は奇数である。
② ある自然数の1乗が奇数である(偶数でない)ならば、その自然数の2乗も奇数である(偶数でない)。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(01)(02)により、
(03)
② ある自然数の1乗が奇数である(偶数でない)ならば、その自然数の2乗も奇数である(偶数でない)。
③ ある自然数の2乗が奇数でない(偶数である)ならば、その自然数の1乗も奇数でない(偶数である)。
に於いて、
②=③ は『対偶』である。
然るに、
(04)
③ ある自然数の2乗が偶数である(奇数でない)ならば、その自然数の1乗も偶数である(奇数でない)。
④ 自乗すると偶数になる自然数は偶数である。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 奇数の自乗は奇数である。
② ある自然数の1乗が奇数である(偶数でない)ならば、その自然数の2乗も奇数である(偶数でない)。
③ ある自然数の2乗が偶数である(奇数でない)ならば、その自然数の1乗も偶数である(奇数でない)。
④ 自乗すると偶数になる自然数は偶数である。
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(05)により、
(06)
① 奇数の自乗は奇数である。
といふ「日本語」を、
② ある自然数の1乗が奇数である(偶数でない)ならば、その自然数の2乗も奇数である(偶数でない)。
といふ「意味」であるとして、
③ ある自然数の2乗が偶数である(奇数でない)ならば、その自然数の1乗も偶数である(奇数でない)。
といふ『対偶』を考へれば、そのまま、
④ 自乗すると偶数になる自然数は偶数である。
といふ「命題」になる。
従って、
(01)(06)により、
(07)
④ 自乗すると偶数になる自然数は偶数である。
といふことを「証明」する際に、わざわざ、
[証明]
04 aを任意の自然数を表す変数とし、
05 aの自乗が偶数であると仮定する。
《aが偶数であることを示せばよい。そのためには、aが偶数でないと仮定して矛盾を示せばよい。》
― 途中省略。―
15 したがって、aの自乗が偶数であるならば、aは偶数である。
《aは任意の自然数を表す変数である。》
といふ「証明(背理法)」を行ふ「必要」はない。
然るに、
(08)
因みに、
(フェルマーの最終定理。アンドリュー・ワイルズはこうして証明した。楕円曲線と谷山・志村予想。超入門。)
といふのは、「(謎の数学者の)話」を聞く限り、
(1)「フェルマーの最終定理」が「マチガイ」ならば、「谷山・志村予想」も「マチガイ」である。然るに、
(2)「谷山・志村予想」も「マチガイ」ではない。従って、
(3)「フェルマーの最終定理」も「マチガイ」ではない。
といふ、『対偶による証明』のやうである。
(01)
{xの変域}={a、b、c}
であるとして、
FaかFbかFc=∃x(Fx)
従って、
(01)により、
(02)
① Fa ならば、それだけで、∃x(Fx)であり、
② Fb ならば、それだけで、∃x(Fx)であり、
③ Fc ならば、それだけで、∃x(Fx)である。
従って、
(02)により、
(03)
連式 Fa├ ∃x(Fx)は妥当であるとして受け入れるが、連式 ∃x(Fx)├ Fa は妥当とは考えず、
aは任意に選ばれているが、与えられたFもつ対象の1つではないかも知れないから、この連式は受け入れないのである。
(E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、149頁)
然るに、
(04)
{xの変域}={a、b、c}
であるとして、
FaでFbでFc=∀x(Fx)
従って、
(04)により、
(05)
① ∀x(Gx)ならば、それだけで、Ga であり、
② ∀x(Gx)ならば、それだけで、Gb であり、
③ ∀x(Gx)ならば、それだけで、Gc である。
従って、
(02)(05)により、
(06)
(ⅰ)
① Fa ならば、∃x(Fx)であり、
① ∃x(Fx)であるからといって、Fa であるとは、限らないが、
① ∀x(Gx)ならば、Ga である。
(ⅱ)
② Fb ならば、∃x(Fx)であり、
② ∃x(Fx)であるからといって、Fb であるとは、限らないが、
② ∀x(Gx)ならば、Gb である。
(ⅲ)
③ Fc ならば、∃x(Fx)であり、
③ ∃x(Fx)であるからといって、Fc であるとは、限らないが、
③ ∀x(Gx)ならば、Gc である。
従って、
(06)により、
(07)
∃x(Fx)&∀x(Gx)
であるならば、
① Fa&Ga
② Fb&Gb
③ Fc&Gc
といふ「3つ」の内の、「少なくとも1つ」が「真(本当)」である。
従って、
(07)により、
(08)
∃x(Fx)&∀x(Gx)
であるならば、
① Fa&Ga
② Fb&Gb
③ Fc&Gc
に於いて、
①か②か③ である。
然るに、、
(01)(08)により、
(09)
① Fa&Ga
② Fb&Gb
③ Fc&Gc
に於いて、
①か②か③ である。
といふことは、
∃x(Fx&Gx)
といふことに、他ならない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
∃x(Fx)&∀x(Gx)
であるならば、
∃x(Fx&Gx)
である。
然るに、
(11)
{xの変域}={a、b、c}
であるとして、
(ⅰ)
1 (1)∃x(Fx)&∀x(Gx) A
1 (2)∃x(Fx) 1&E
2(3) Fa A
1 (4) ∀x(Gx) 1&E
1 (5) Ga 4UE
12(6) Fa&Ga 35&I
12(7)∃x(Fx&Gx) 6EI
(ⅱ)
1 (1)∃x(Fx)&∀x(Gx) A
1 (2)∃x(Fx) 1&E
2(3) Fb A
1 (4) ∀x(Gx) 1&E
1 (5) Gb 4UE
12(6) Fa&Ga 35&I
12(7)∃x(Fx&Gx) 6EI
(ⅲ)
1 (1)∃x(Fx)&∀x(Gx) A
1 (2)∃x(Fx) 1&E
2(3) Fc A
1 (4) ∀x(Gx) 1&E
1 (5) Gc 4UE
12(6) Fc&Gc 35&I
12(7)∃x(Fx&Gx) 6EI
従って、
(11)により、
(12)
(ⅰ)
1 (2)∃x(Fx) 1&E
2(3) Fa A
(ⅱ)
1 (2)∃x(Fx) 1&E
2(3) Fb A
(ⅲ)
1 (2)∃x(Fx) 1&E
2(3) Fc A
従って、
(11)(12)により、
(13)
(ⅰ) 1 (2)∃x(Fx) 1&E
2(3) Fa A
に於ける、
2(3) Fa A
の「a」は、「a、b、c」の「代表」であると、見做すことが出来る。
従って、
(13)により、
(14)
1 (2)∃x(Fx) 1&E
2(3) Fa A
に於ける、
2(3) Fa A
の「a」を、「代表的選言項(typical disjunction)」と呼ぶ。
cf.
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、144頁)
(01)
1 (1)∀x(象x→動物x) A
1 (〃)すべての象は動物である。 A
1 (2) 象a→動物a 1UE
3 (3)∃x(象x) A
3 (〃)あるxは象である。 A
4(4) 象a A
1 4(5) 動物a 24MPP
1 4(6) 象a&動物a 45&I
1 4(7)∃x(象x&動物x) 6EI
13 (8)∃x(象x&動物x) 347EE
13 (〃)あるxは、象といふ動物である。347EE
然るに、
(01)により、
(02)
{xの変域}={a、b、c}
であるとして、
1 (1)(象a→動物a)&(象b→動物b)&(象c→動物c) A
1 (2)(象a→動物a) 1UE
1 (3)(象b→動物b) 1UE
1 (4)(象c→動物c) 1UE
5 (5) 象a∨象b∨象c A
5 (6)(象a∨象b)∨象c 5結合法則
7 (7)(象a∨象b) A
8 (8) 象a A
1 8 (9) 動物a 28MPP
1 8 (ア) 象a&動物a 89&I
1 8 (イ)(象a&動物a)∨(象b&動物b) ア∨I
1 8 (ウ)(象a&動物a)∨(象b&動物b)∨(象c&動物c) イ∨I
エ (エ) 象b A
1 エ (オ) 動物b 3エMPP
1 エ (カ) 象b&動物b エオ&I
1 エ (キ)(象a&動物a)∨(象b&動物b) カEI
1 エ (ク)(象a&動物a)∨(象b&動物b)∨(象c&動物c) キEI
1 7 (ケ)(象a&動物a)∨(象b&動物b)∨(象c&動物c) 58ウエク∨E
コ(コ) 象c A
1 コ(サ) 動物c 4コMPP
1 コ(シ) 象c&動物c コサ&I
1 コ(ス) (象b&動物b)∨(象c&動物c) シ∨I
1 コ(セ)(象a&動物a)∨(象b&動物b)∨(象c&動物c) ス∨I
15 (ソ)(象a&動物a)∨(象b&動物b)∨(象c&動物c) 57ケコセ∨E
従って、
(01)(02)により、
(03)
{xの変域}={a、b、c}
であるとして、
① ∀x(象x→動物x),∃x(象x)├ ∃x(象x&動物x)
②(象a→動物a)&(象b→動物b)&(象c→動物c),(象a∨象b∨象c)├(象a&動物a)∨(象b&動物b)∨(象c&動物c)
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∀x(象x→動物x),∃x(象x)├ ∃x(象x&動物x)
②(象a→動物a)&(象b→動物b)&(象c→動物c),(象a∨象b∨象c)├(象a&動物a)∨(象b&動物b)∨(象c&動物c)
といふ「連式」は、「妥当」であるが、
① ∀x(象x→動物x),∃x(象x)├ ∀x(象x&動物x)
②(象a→動物a)&(象b→動物b)&(象c→動物c),(象a∨象b∨象c)├(象a&動物a)&(象b&動物b)&(象c&動物c)
といふ「連式」は、「妥当」ではない。
従って、
(01)(04)により、
(05)
(ⅰ)
1 (1)∀x(象x→動物x) A
1 (2) 象a→動物a 1UE
3 (3)∃x(象x) A
4(4) 象a A
1 4(5) 動物a 24MPP
1 4(6) 象a&動物a 45&I
1 4(7)∃x(象x&動物x) 6EI
13 (8)∃x(象x&動物x) 347EE
13 (〃)あるxは、象といふ動物である。347EE
といふ「計算」は「妥当」であるが、
(ⅱ)
1 (1)∀x(象x→動物x) A
1 (2) 象a→動物a 1UE
3 (3)∃x(象x) A
4(4) 象a A
1 4(5) 動物a 24MPP
1 4(6) 象a&動物a 45&I
1 4(7)∀x(象x&動物x) 6UI
1 4(〃)全てのxは象といふ動物である。 6UI
といふ「計算」は「妥当」ではない。
(01)
(ⅰ)
1(1) ∀x{(象x→動物x)&(~象x→~動物x)} A
1(2) (象a→動物a)&(~象a→~動物a) 1UE
1(3) (象a→動物a) 2&E
1(4) ∀x(象x→動物x) 3UI
1(5) (~象a→~動物a) 2&E
1(6) ∀x(~象x→~動物x) 5UI
1(7)∀x(象x→動物x)&∀x(~象x→~動物x) 46&I
(ⅱ)
1(1)∀x(象x→動物x)&∀x(~象x→~動物x) A
1(2)∀x(象x→動物x) 1&E
1(3) (象a→動物a) 2UE
1(4) ∀x(~象x→~動物x) 1&E
1(5) (~象a→~動物a) 4UE
1(6) (象a→動物a)&(~象a→~動物a) 35&I
1(7) ∀x{(象x→動物x)&(~象x→~動物x)} 6UI
従って、
(01)により、
(02)
「普遍量記号(∀x)は連言の仲間である(E.J.レモン )」といふ「理由」により、
① ∀x{(象x→動物x)& (~象x→~動物x)}
② ∀x(象x→動物x)&∀x(~象x→~動物x)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1(1) ∀x(~象x→~動物x) A
1(2) ~象a→~動物a 1UE
1(3) ~~象a∨~動物a 2含意の定義
1(4) ~(~象a& 動物a) 3ド・モルガンの法則
1(5)∀x~(~象a& 動物a) 4UI
1(6)~∃x(~象x& 動物x) 5量化子の関係
(ⅲ)
1(1)~∃x(~象x& 動物x) A
1(2)∀x~(~象x& 動物x) 1量化子の関係
1(3) ~(~象a& 動物a) 2UE
1(4) ~~象a∨~動物a 3ド・モルガンの法則
1(5) ~象a→~動物a 4含意の定義
1(6) ∀x(~象x→~動物x) 5UI
従って、
(03)により、
(04)
② ∀x(~象x→~動物x)
③ ~∃x(~象x& 動物x)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① ∀x{(象x→動物x)& (~象x→~動物x)}
② ∀x(象x→動物x)& ∀x(~象x→~動物x)
③ ∀x(象x→動物x)&~∃x(~象x& 動物x)
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1(1) ∀x{(象x→動物x)&~(~象x→~動物x)} A
1(2) (象a→動物a)&~(~象a→~動物a) 1UE
1(3) (象a→動物a) 2&E
1(4) ∀x(象x→動物x) 3UI
1(5) ~(~象a→~動物a) 2&E
1(6) ∀x~(~象x→~動物x) 5UI
1(7)∀x(象x→動物x)&∀x~(~象x→~動物x) 46&I
(ⅱ)
1(1)∀x(象x→動物x)&∀x~(~象x→~動物x) A
1(2)∀x(象x→動物x) 1&E
1(3) (象a→動物a) 2UE
1(4) ∀x~(~象x→~動物x) 1&E
1(5) ~(~象a→~動物a) 4UE
1(6) (象a→動物a)&~(~象a→~動物a) 35&I
1(7) ∀x{(象x→動物x)&~(~象x→~動物x)} 6UI
従って、
(02)(06)により、
(07)
① ∀x{(象x→動物x)& ~(~象x→~動物x)}
② ∀x(象x→動物x)&∀x~(~象x→~動物x)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
(ⅱ)
1(1)∀x~(~象x→~動物x) A
1(2) ~(~象a→~動物a) 1UE
1(3) ~(象a∨~動物a) 2含意の定義
1(4) ~象a& 動物a 3ド・モルガンの法則
1(5) ∃x(~象x& 動物x) 4EI
(ⅲ)
1 (1) ∃x(~象x& 動物x) A
2(2) ~象a& 動物a A
2(3) ~(象a∨~動物a) 2ド・モルガンの法則
2(4) ~(~象a→~動物a) 3含意の定義
2(5)∃x~(~象x→~動物x) 4EI
1 (6)∃x~(~象x→~動物x) 125EE(であるため)、
1 (〃)∀x~(~象x→~動物x) 4UI(はマチガイである)。
従って、
(08)により、
(09)
② ∀x~(~象x→~動物x)
③ ∃x(~象x& 動物x)
に於いて、
②=③ ではないが、
②⇒③ である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
① ∀x{(象x→動物x)& ~(~象x→~動物x)}
② ∀x(象x→動物x)&∀x~(~象x→~動物x)
③ ∀x(象x→動物x)& ∃x(~象x& 動物x)
に於いて、
①=② であるが、
②=③ ではなくて、
②⇒③ である。
然るに、
(11)
(ⅱ)
1 (1)~∀x(~象x→~動物x) A
1 (2)∃x~(~象x→~動物x) 1量化子の関係
3(3) ~(~象a→~動物a) A
3(4) ~(象a∨~動物a) 3含意の定義
3(5) ~象a& 動物a 4ド・モルガンの法則
3(6) ∃x(~象x& 動物x) 5EI
1 (7) ∃x(~象x& 動物x) 236EE
(ⅲ)
1 (1) ∃x(~象x& 動物x) A
2(2) ~象a& 動物a A
2(3) ~(象a∨~動物a) 2ド・モルガンの法則
2(4) ~(~象a→~動物a) 3含意の定義
2(5)∃x~(~象x→~動物x) 4EI
1 (6)∃x~(~象x→~動物x) 125EE
1 (7)~∀x(~象x→~動物x) 6量化子の関係
従って、
(11)により、
(12)
② ~∀x(~象x→~動物x)
③ ∃x(~象x& 動物x)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
① ∀x{(象x→動物x)& ~(~象x→~動物x)}
② ∀x(象x→動物x)&~∀x(~象x→~動物x)
③ ∀x(象x→動物x)& ∃x(~象x& 動物x)
に於いて、
①≠② であるが、
②=③ である。
従って、
(05)(10)(13)により、
(14)
いづれにせよ、
① ∀x{(象x→動物x)& (~象x→~動物x)}
② ∀x(象x→動物x)&~∃x(~象x& 動物x)
③ ∀x{(象x→動物x)& ~(~象x→~動物x)}
④ ∀x(象x→動物x)& ∃x(~象x& 動物x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{(xが象であるならば、xは動物であって)、(xが象でないならば、xは動物ではない)}。
② すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。あるxが(象ではなくて、動物である)といふことはない。
③ すべてのxについて{(xが象であるならば、xは動物である)が、(xが象でないならば、xは動物ではない)といふことない}。
④ すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。あるxは(象ではなくて、動物である)。
に於いて、
① ならば、② であり、
③ ならば、④ である。
然るに、
(15)
①{象、机、車、花}
③{象、兎、犬、馬}
であれば、
① 象が動物である。
③ 象も動物である。
然るに、
(16)
②{象、机、車、花}
④{象、兎、犬、馬}
であれば、
② すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。あるxが(象ではなくて、動物である)といふことはない。
④ すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。あるxは(象ではなくて、動物である)。
従って、
(14)(15)(16)により、
(17)
① 象が動物である。
③ 象も動物である。
といふ「日本語」は、
① ∀x{(象x→動物x)& (~象x→~動物x)}
③ ∀x{(象x→動物x)&~(~象x→~動物x)}
といふ「述語論理式」に、「相当」する。
従って、
(14)(17)により、
(18)
② 象が動物である。
④ 象も動物である。
といふ「日本語」の「主語」は、「象と、象以外」である。
(01)
① 食(馬)者不〔知(其能千里)〕而食也。
② 食(馬)者不〔知(其能千里)而食〕也。
③ 食(馬)者不〔知(其能千里而食)〕也。
といふ「3通リの管到(スコープ)」が考へられる。
然るに、
(02)
① 食馬者不知其能千里而食也=
① 食レ馬者不レ知二其能千里一而食也=
① 食(馬)者不〔知(其能千里)〕而食也⇒
① (馬)食者〔(其能千里)知〕不而食也=
① (馬を)食ふ者は〔(其の能の千里なるを)知ら〕ずして食ふなり=
① 馬の飼い主は、自分の馬が千里も走る能力があることを知らないで飼うのである。
然るに、
(03)
② 食馬者不知其能千里而食也=
② 食レ馬者不下知二其能千里一而食上也=
② 食(馬)者不〔知(其能千里)而食〕也⇒
② (馬)食者〔(其能千里)知而食〕不也=
② (馬を)食ふ者は〔(其の能の千里なるを)知りて食は〕ざるなり=
② 馬の飼い主は、自分の馬が千里も走る能力があることを知って飼うことをしない。
cf.
(旺文社、漢文の基礎、1973年、154頁)
然るに、
(04)
(ⅰ)
1(1)馬は飼ふが(その馬の能力を知ら)ずに、馬を飼ふ。 A
1(2) その馬の能力を知らない。 1&E
(ⅱ)
1 (1)馬は飼ふが(その馬の能力を知って、馬を飼ふ)といふことは無い。 A
1 (2)馬を飼ふ。 1&E
1 (3) (その馬の能力を知って、馬を飼ふ)といふことは無い。 1&E
4 (4) 馬を飼ふ。 A
5(5) その馬の能力を知る。 A
45(6) (その馬の能力を知って、馬を飼ふ) 45&I
145(7) (その馬の能力を知って、馬を飼ふ)といふことは無く、
(その馬の能力を知って、馬を飼ふ)。 36&I
14 (8) その馬の能力を知らない。 57RAA
1 (9)馬を飼ふならば、その馬の能力を知らない。 49CP
1 (ア) その馬の能力を知らない。 29MPP
cf.
① P& ~Q&P ├ ~Q
② P&~(Q&P)├ ~Q
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 食レ馬者不レ知二其能千里一而食也。
② 食レ馬者不下知二其能千里一而食上也。
であるならば、すなはち、
① 食(馬)者不〔知(其能千里)〕而食也。
② 食(馬)者不〔知(其能千里)而食〕也。
であるならば、すなはち、
① 馬の飼い主は、自分の馬が千里も走る能力があることを知らないで、飼うのである。
② 馬の飼い主は、自分の馬が千里も走る能力があることを知って、飼うことをしない。
であるならば、いづれにせよ、
① 自分の馬が千里も走る能力があることを知らない。
② 自分の馬が千里も走る能力があることを知らない。
然るに、
(06)
③ 食馬者不知其能千里而食也=
③ 食レ馬者不レ知二其能千里而食也一=
③ 食(馬)者不〔知(其能千里而食)〕也⇒
③ (馬)食者〔(其能千里而食)知〕不也=
③ (馬を)食ふ者は〔(其の能く千里にして食ふを)知ら〕ざるなり=
③ 馬を飼う者は、その馬が千里を走ることができて、(一食に、5.9リットルも)食べるのだということを知らない。
cf.
(日栄社、1日1題30日完成 漢文〔高校上級用〕、解答、1980年、11頁)
従って、
(06)により、
(07)
③ 食レ馬者不レ知二其能千里而食也一。
であるならば、すなはち、
③ 食(馬)者不〔知(其能千里而食)〕也。
であるならば、
③ 自分の馬が千里も走る能力があって、(一食に、5.9リットルも)食べるのだということを知らない。
従って、
(05)(07)により、
(08)
① 食(馬)者不〔知(其能千里)〕而食也。
② 食(馬)者不〔知(其能千里)而食〕也。
③ 食(馬)者不〔知(其能千里而食)〕也。
といふ「管到(スコープ)」であれば、
① 自分の馬が千里も走る能力があることを知らない。
② 自分の馬が千里も走る能力があることを知らない。
③ 自分の馬が千里も走る能力があって、一石を食べるということを知らない。
といふ「意味」になる。
従って、
(08)により、
(09)
① 食(馬)者不〔知(其能千里)〕而食也。
② 食(馬)者不〔知(其能千里)而食〕也。
③ 食(馬)者不〔知(其能千里而食)〕也。
といふ「管到(スコープ)」であれば、「命題」として、
①=② であるが、
②=③ ではない。
(01)
1 (1) Fa&Fb&Fc A
2(2) Ga&Gb&Gc A
1 (3) Fa 1&E
2(4) Ga 2&E
12(5) Fa&Ga 34&I
1 (6) Fb 1&E
2(7) Gb 2&E
12(8) Fb&Gb 34&I
1 (9) Fc 1&E
2(ア) Gc 2&E
12(イ) Fc&Gc 34&I
12(ウ)(Fa&Ga)&(Fb&Gb) 58&I
12(エ)(Fa&Ga)&(Fb&Gb)&(Fc&Gc) イウ&I
といふ「推論」は、『妥当』である。
従って、
(01)により、
(02)
1 (1)∀x(Fx) A
2(2)∀x(Gx) A
1 (3) Fa 1UE
2(4) Ga 2UE
12(5) Fa&Ga 34&I
12(6)∀x(Fx&Gx) 5UI
といふ「推論」は、『妥当』である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 三人(a、b、c)ともフランス人である。然るに、
② 三人(a、b、c)とも学生である。従って、
③ フランス人の学生(a、b、c)がゐる。
といふ「推論」は、『妥当』である。
然るに、
(04)
1 (1) Fa&Fb& Fc A
2 (2) Ga∨Gb∨ Gc A
2 (3)(Ga∨Gb)∨Gc 2結合法則
4 (4)(Ga∨Gb) A
5 (5) Ga A
1 (6) Fa 1&E
1 5 (7) Fa&Ga 56&I
1 5 (8)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb) 7∨I
1 5 (9)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) 8∨I
ア (ア) Gb A
1 (イ) Fb 1&E
1 ア (ウ) Fb&Gb アイ&I
1 ア (エ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb) ウ∨I
1 ア (オ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) エ∨I
1 4 (カ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) 459アオ∨I
キ(キ) Gc A
1 (ク) Fc 1&E
1 キ(ケ) Fc&Gc キク&I
1 キ(コ) (Fb&Gb)∨(Fc&Gc) ケ∨I
1 キ(サ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) コ∨I
12 (サ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) 34カキサ∨E
といふ「推論」は、『妥当』である。
従って、
(04)により、
(05)
1 (1)∀x(Fx) A
2 (2)∃x(Gx) A
1 (3) Fa 1UE
4(4) Ga 2UE
1 4(5) Fa&Ga 34&I
1 4(6)∃x(Fx&Gx) 5EI
12 (7)∃x(Fx&Gx) 246EE
といふ「推論」は、『妥当』である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 三人(a、b、c)ともフランス人である。然るに、
② 三人(a、b、c)の中の、少なくとも一人は学生である。従って、
③ フランス人の学生がゐる。
といふ「推論」は、『妥当』である。
然るに、
(07)
1 (1) Fa∨Fb∨ Fc A
2 (2) Ga∨Gb∨ Gc A
1 (3)(Fa∨Fb)∨Fc 1結合法則
2 (4)(Ga∨Gb)∨Gc 2結合法則
5 (5)(Fa∨Fb) A
6 (6) Fa A
7 (7)(Ga∨Gb) A
8 (8) Ga A
6 8 (9) Fa&Ga 68&I
6 8 (ア)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb) 9∨I
6 8 (イ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) ア∨I
ウ(エ) Fb A
8ウ(オ) Fb&Gb 8エ&I(は、マチガイである。)
従って、
(07)により、
(08)
1 (1)∃x(Fx) A
2 (2)∃x(Gx) A
3 (3) Fa A
4(4) Ga A
34(5) Fa&Ga 34&I
34(6)∃x(Fx&Gx) 5EI
1 4(7)∃x(Fx&Gx) 136EE
といふ「推論」は、『妥当』ではない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 少なくとも、一人(a)はフランス人である。然るに、
② 少なくとも、一人(b)は学生である。従って、
③ フランス人の学生(a)がゐる。
といふ「推論」も、『妥当』ではない。
然るに、 (10)
1 (1) (Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨ (Fc&Gc) A
1 (2){(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)}∨(Fc&Gc) 1結合法則
3 (3) (Fa&Ga)∨(Fb&Gb) A
4 (4) (Fa&Ga) A
4 (5) Fa 4&E
4 (6) Fa∨Fb 5∨I
4 (7) Fa∨Fb∨Fc 6∨I
4 (8) Ga 4&E
4 (9) Ga∨Gb 8∨I
4 (ア) Ga∨Gb∨Gc 9∨I
4 (イ)(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc) 7ア&I
ウ (ウ) (Fb&Gb) A
ウ (エ) Fb ウ&E
ウ (オ) Fa∨Fb エ∨I
ウ (カ) Fa∨Fb∨Fc オ∨I
ウ (キ) Gb ウ&E
ウ (ク) Ga∨Gb キ∨I
ウ (ケ) Ga∨Gb∨Gc ク∨I
ウ (コ)(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc) カケ&I
3 (サ)(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc) 34イウコ∨E
シ(シ) (Fc&Gc) A
シ(ス) Fc シ&E
シ(セ) Fb∨Fc ス∨I
シ(ソ) Fa∨Fb∨Fc セ∨I
シ(タ) Gc シ&E
シ(チ) Gb∨Gc タ∨I
シ(ツ) Ga∨Gb∨Gc チ∨I
シ(テ) (Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc) ソツ&I
1 (ト) (Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc) 13サシテ∨E
といふ「推論」は、『妥当』である。
従って、
(10)により、
(11)
1 (1)∃x(Fx&Gx) A
2(2) Fa&Ga A
2(3) Fa 2&E
2(4)∃x(Fx) 3EI
2(5) Ga 2&E
2(6) ∃x(Gx) 5EI
2(7)∃x(Fx)&∃x(Gx) 46&I
1 (8)∃x(Fx)&∃x(Gx) 127EE
といふ「推論」は、『妥当』である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 少なくとも一人は、フランス人の学生である。従って、
② フランス人はゐるし、学生もゐる。
といふ「推論」は、『妥当』である。
(01)
(3) 数表現の記号化
「=」の導入によってこれまで表現できなかった命題が記号化できるようになる。
すでに明らかなように、「少なくとも一つのFがある」は、「∃xFx」であるが、
「少なくとも二つのFがある」は、「=」を使って、
∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)}
(飯田賢一・中才敏郎・中谷隆雄 著、論理学の基礎、1994年、176頁)
(02)
いま三つのもの a、b、c がFであると思ったとしよう。しかし、
「たかだか二つのものがFである」が真であるとすれば、同じ対象を二回重複して数えたことになる。
つまり、a=bか、または、a=cか、または、b=c である。それゆえ、「たかだか二つのものがFである」は、
次のように形式かできる。
∀x∀y∀z{Fx&Fy&Fz→(x=y)∨(x=z)∨(y=z)}
(飯田賢一・中才敏郎・中谷隆雄 著、論理学の基礎、1994年、177頁)
然るに、
(03)
「少なくとも二つのモノFがある」として、その上、
「たかだか、二つのモノがFである」とするならば、
「ちょうど、二つのモノがFである」。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)}であって、その上、
∀x∀y∀z{Fx&Fy&Fz→(x=y)∨(x=z)∨(y=z)}であるならば、
「ちょうど、二つのモノがFである」。
従って、
(04)により、
(05)
① ちょうど、二つのモノがFである。
② ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)}&∀x∀y∀z{Fx&Fy&Fz→(x=y)∨(x=z)∨(y=z)}。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
「ちょうど、二つのモノがFである」は次のようになる。
∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z[Fz→(x=z)∨(y=z)]}
(飯田賢一・中才敏郎・中谷隆雄 著、論理学の基礎、1994年、177頁)
従って、
(05)(06)により、
(07)
① ちょうど、二つのモノがFである。
② ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)}&∀x∀y∀z{Fx&Fy&Fz→(x=y)∨(x=z)∨(y=z)}。
③ ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z[Fz→(x=z)∨(y=z)]}
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
「述語計算(Predicate calculus)」をしてみると、
(ⅱ)
1 (1)∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)}&∀x∀y∀z{Fx&Fy&Fz→(x=y)∨(x=z)∨(y=z)} A
1 (2)∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)} 1&E
3 (3) ∃y{Fa&Fy&(a≠y)} A
4 (4) Fa&Fb&(a≠b) A
4 (5) Fa&Fb 4&E
4 (6) (a≠b) 4&E
1 (7) ∀x∀y∀z{Fx&Fy&Fz→(x=y)∨(x=z)∨(y=z)} 1&E
1 (8) ∀y∀z{Fa&Fy&Fz→(a=y)∨(a=z)∨(y=z)} 7UE
1 (9) ∀z{Fa&Fb&Fz→(a=b)∨(a=z)∨(b=z)} 8UE
1 (ア) Fa&Fb&Fc→(a=b)∨(a=c)∨(b=c) 9UE
イ(イ) Fc A
4イ(ウ) Fa&Fb&Fc 5ウ&I
1 4イ(エ) (a=b)∨ (a=c)∨(b=c) アウMPP
1 4イ(オ) (a=b)∨{(a=c)∨(b=c)} エ結合法則
1 4イ(カ) ~(a≠b)∨{(a=c)∨(b=c)} オDN
1 4イ(キ) (a≠b)→{(a=c)∨(b=c)} カ含意の定義
1 4イ(ク) (a=c)∨(b=c) 6キMPP
1 4 (ケ) Fc→(a=c)∨(b=c) イクCP
1 4 (コ) ∀z[Fz→(a=z)∨(b=z)] ケUI
1 4 (サ) Fa&Fb&(a≠b)&∀z[Fz→(a=z)∨(b=z)] 4コ&I
1 4 (シ) ∃y{Fa&Fy&(a≠y)&∀z[Fz→(a=z)∨(y=z)]} サEI
13 (ス) ∃y{Fa&Fy&(a≠y)&∀z[Fz→(a=z)∨(y=z)]} 34シEE
13 (セ)∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z[Fz→(x=z)∨(y=z)]} スEI
1 (ソ)∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z[Fz→(x=z)∨(y=z)]} 13セEE
(ⅲ)
1 (1)∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z[Fz→(x=z)∨(y=z)]} A
2 (2) ∃y{Fa&Fy&(a≠y)&∀z[Fz→(a=z)∨(y=z)]} A
3 (3) Fa&Fb&(a≠b)&∀z[Fz→(a=z)∨(b=z)] A
3 (4) Fa&Fb&(a≠b) 3&E
3 (5) ∀z[Fz→(a=z)∨(b=z)] 4&E
3 (6) Fc→(a=c)∨(b=c) 5UE
7(7) Fa&Fb&Fc A
7(8) Fc 7&E
37(9) (a=c)∨(b=c) 68MPP
37(ア) (a=b)∨(a=c)∨(b=c) 9∨I
3 (イ) Fa&Fb&Fc→(a=b)∨(a=c)∨(b=c) 7ア
3 (ウ) ∀z{Fa&Fb&Fz→(a=b)∨(a=z)∨(b=z)} イUI
3 (エ) ∀y∀z{Fa&Fy&Fz→(a=y)∨(a=z)∨(y=z)} ウUI
3 (オ) ∀x∀y∀z{Fx&Fy&Fz→(x=y)∨(x=z)∨(y=z)} エUI
3 (カ) ∃y{Fa&Fy&(a≠y)} オEI
2 (キ) ∃y{Fa&Fy&(a≠y)} 23カEE
2 (ク)∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)} キEI
1 (ケ)∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)} 12クEE
1 (コ)∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)}&∀x∀y∀z{Fx&Fy&Fz→(x=y)∨(x=z)∨(y=z)} オケ&I
従って、
(07)(08)により、
(09)
果たして、
② ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)}&∀x∀y∀z{Fx&Fy&Fz→(x=y)∨(x=z)∨(y=z)}。
③ ∃x∃y{Fx&Fy&(x≠y)&∀z[Fz→(x=z)∨(y=z)]}。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(10)
藤子 不二雄(ふじこ ふじお)は、日本の漫画家。藤本弘(ふじもと ひろし)と安孫子素雄(あびこ もとお)の共同ペンネーム。1951年コンビ結成。コンビ解消後の1988年以降はそれぞれ藤子・F・不二雄、藤子 不二雄Ⓐと名乗った。代表作は『オバケのQ太郎』(合作)、『ドラえもん』(藤本)、『パーマン』(藤本、コンビ解消後はF名義となったが旧作は合作)、『忍者ハットリくん』(安孫子)、『怪物くん』(安孫子)など多数。
1976年に執筆された『オバケのQ太郎』の読切作品(合作)を最後に、1987年にコンビ解消を表明するまでの約12年間は、ほぼ全作品をそれぞれ単独で描き、藤子不二雄名義で発表していた。 (ウィキペディア)
従って、
(10)
(11)
『オバQ』は、「藤本弘と安孫子素雄」による「二人の合作」であり、そのため、
『オバQ』の「作者」は、「二人いて、二人しかゐない」。
従って、
(07)(09)(11)により、
(12)
③ ∃x∃y{オバQの作者x&オバQの作者y&(x≠y)&∀z[オバQの作者z→(x=z)∨(y=z)]}。
といふ「命題」、すなはち、
③ あるxとあるyについて{xはオバQの作者であって、yもオバQの作者であって、(xとyは別人であり)、すべてのzについて[zがオバQの作者であるならば、xがzであるか、または、yがzである)]}。
といふ「命題」は「真」である。
(01)
性質Fをもつ「すくなくとも2つの相異なる対象が存在する」ということを表現するするためには、われわれは符号を必要とする。
すなわち、
∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
― どちらもFをもつ同一でないxとyが存在する。
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、210頁)
従って、
(01)により、
(02)
① ∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
② 性質Fを持つモノの個数は「2個以上」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
② 性質Fを持つモノの個数が「2個以上」である。 といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
② 性質Fを持つモノの個数が「2個以上」である。 といふことはない。
③ 性質Fを持つモノの個数は「1個以下」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
② 性質Fを持つモノの個数は「1個以下」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1(1)~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y) A
1(2)∀x~∃y(Fx&Fy&x≠y) 1量化子の関係
1(3)∀x∀y~(Fx&Fy&x≠y) 2量化子の関係
1(4) ∀y~(Fa&Fy&a≠y) 3UE
1(5) ~(Fa&Fb&a≠b) 4UE
1(6) ~Fa∨~Fb∨a=b 5ド・モルガンの法則
1(7) (~Fa∨~Fb)∨a=b 6結合法則
1(8) ~(Fa&Fb)∨a=b 7ド・モルガンの法則
1(9) (Fa&Fb)→a=b 8含意の定義
1(ア) ∀y(Fa&Fy →a=y) 9UI
1(イ)∀x∀y(Fx&Fy →x=y) アUI
(ⅲ)
1(1)∀x∀y(Fx&Fy →x=y) A
1(2) ∀y(Fa&Fy →a=y) 1UE
1(3) Fa&Fb →a=b 2UE
1(4) ~(Fa&Fb)∨a=b 3含意の定義
1(5) ~Fa∨~Fb∨a=b 4ド・モルガンの法則
1(6) ~(Fa&Fb&a≠b) 5ド・モルガンの法則
1(7) ∀y~(Fa&Fy&a≠y) 6UI
1(8)∀x∀y~(Fx&Fy&x≠y) 7UI
1(9)∀x~∃y(Fx&Fy&x≠y) 8量化子の関係
1(ア)~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y) 9量化子の関係
従って、
(06)により、
(07)
① ~∃x∃y(Fx&Fy&x≠y)
② ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
に於いて、
①=② である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② 性質Fを持つモノの個数は「1個以下」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
① ∃x(Fx)
② 性質Fを持つモノの個数は「1個以上」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② 性質Fを持つモノの個数は、「1個以上」であって、尚且つ「1個以下」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
① 性質Fを持つモノの個数は、「1個以上」であって、尚且つ「1個以下」である。
② 性質Fを持つモノの個数は、「0個でも、2個でもなく、ちょうど1個」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② 性質Fを持つモノの個数は、「ちょうど1個」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(13)
つぎの相互に導出可能な結果を確立せよ。
(a):正確に1のものがFをもつ。
∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)┤├ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、215頁)
〔私による解答〕
(ⅰ)
1 (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1 (2)∃xFx 1&E
3 (3) Fa A
1 (4) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1 (5) ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1 (6) Fa&Fb→a=b 5UE
7(7) Fb A
37(8) Fa&Fb 37&I
137(9) a=b 68MPP
13 (ア) Fb→a=b 79CP
13 (イ) ∀y(Fy→a=y) アUI
13 (ウ) Fa&∀y(Fy→a=y) 3イ&I
13 (エ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ウEI
1 (オ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 23エEE
(ⅱ)
∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}├ ∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
1 (1)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
2 (2) Fa&∀y(Fy→a=y) A
2 (3) ∀y(Fy→a=y) 2&E
2 (4) Fb→a=b 3UE
5(5) Fa&Fb A
5(6) Fb 5&E
25(7) a=b 46MPP
2 (8) Fa&Fb→a=b 57CP
2 (9) ∀y(Fa&Fy→a=y) 8UI
2 (ア) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 9UI
2 (イ) Fa 2&E
2 (ウ)∃xFx イEI
2 (エ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) アウ&I
1 (ウ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 12エEE
従って、
(13)により、
(14)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
① ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
② 性質Fを持つモノの個数は、「ちょうど1個」である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(16)
(22)∃x{(Ix&Ox)&∀y(Iy→x=y)}
― ある人はイリアスを書いた、そしてオデュッセイアを書いて、そしてその人はイリアスを書いたただ1人の人である。
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、213頁)
従って、
(15)(16)により、
(17)
① ∃x{(Ix&Ox)&∀y(Iy→x=y)}
②「イリアスの作者」であって「オデュッセイアの作者」でもある人物は、一人しかゐない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(17)により、
(18)
① ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny→x=y)}
②「忍者ハットリくん」の作者であって「オバケのQ太郎」の作者でもある人物は、一人しかゐない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(19)
藤子 不二雄(ふじこ ふじお)は、日本の漫画家。藤本弘(ふじもと ひろし)と安孫子素雄(あびこ もとお)の共同ペンネーム。1951年コンビ結成。コンビ解消後の1988年以降はそれぞれ藤子・F・不二雄、藤子 不二雄Ⓐと名乗った。代表作は『オバケのQ太郎』(合作)、『ドラえもん』(藤本)、『パーマン』(藤本、コンビ解消後はF名義となったが旧作は合作)、『忍者ハットリくん』(安孫子)、『怪物くん』(安孫子)など多数。
1976年に執筆された『オバケのQ太郎』の読切作品(合作)を最後に、1987年にコンビ解消を表明するまでの約12年間は、ほぼ全作品をそれぞれ単独で描き、藤子不二雄名義で発表していた。
(ウィキペディア)
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
②「忍者ハットリくん」の作者であって「オバケのQ太郎」の作者でもある人物は、一人(藤子 不二雄Ⓐ)しかゐない。
といふ「命題」は「真(本当)」であるが、
②「オバケのQ太郎」の作者である人物は、一人(藤子 不二雄Ⓐ)しかゐない。
といふ「命題」は「偽(ウソ)」である。
従って、
(17)~(20)により、
(21)
① ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny→x=y)}
② ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny&Oy→x=y)}
に於いて、
①=② ではない。
(22)
① ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny→x=y)}
② ∃x{(Nx&Ox)&∀y(Ny&Oy→x=y)}
に於いて、
② であるならば、そのときに限って、
②「忍者ハットリくん」の作者。
③「オバケのQ太郎」 の作者。
に於いて、
②=③ であるが、「実際」には、
②=③ ではない。
(23)
③「オバケのQ太郎」 の作者(ふじもと ひろし)は、
②「忍者ハットリくん」の作者(あびこ もとお)ではない。
(01)
142 ∃x(Fx)├ ∃x∃y(Fa&Fy)
1 (1) ∃x(Fx) A
2(2) Fa A
2(3) Fa&Fa 2&I
2(4) ∃y(Fa&Fy) 3EI
2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年)
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx) A
2(2) Fa A
2(3) Fa&Fa 2&I
2(4) ∃y(Fa&Fy) 3EI
2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
(ⅱ)
1 (1) ∃x(Fx) A
2(2) Fb A
2(3) Fb&Fb 2&I
2(4) ∃y(Fb&Fy) 3EI
2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
(ⅲ)
1 (1) ∃x(Fx) A
2(2) Fc A
2(3) Fc&Fc 2&I
2(4) ∃y(Fc&Fy) 3EI
2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
然るに、
(03)
(ⅰ)
① Fa
② (Fa&Fa)
③ (Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)
④{(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
に於いて、
①⇒②⇒③⇒④ である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
{変域}={a、b、c}
として、
① ∃x∃y(Fa&Fy)
②{(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
②{(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
から、
②(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
②(Fc&Fc)
を「除く」と、
②{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
②{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)により、
(07)
{変域}={a、b、c}
として、
① ∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
を「否定」すると、すなはち、
②{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}
を「否定」すると、「ド・モルガンの法則」により、
②~{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}&~{(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}&~{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}
然るに、
(08)
(ⅱ)
1 (1)~{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)} A
1 (2)~(Fa&Fb)&~(Fa&Fc) 1ド・モルガンの法則
1 (3)~(Fa&Fb) 2&E
1 (4)~Fa∨~Fb 3ド・モルガンの法則
1 (5) Fa→~Fb 4含意の定義
1 (6) ~(Fa&Fc) 2&E
1 (7) ~Fa∨~Fc 6ド・モルガンの法則
1 (8) Fa→~Fc 7含意の定義
9(9) Fa A
19(ア) ~Fb 59MPP
19(イ) ~Fc 89MPP
19(ウ) ~Fb&~Fc アイ&I
1 (エ) Fa→(~Fb&~Fc) 9ウCP
(ⅲ)
1 (1) Fa→(~Fb&~Fc) A
2(2) Fa A
12(3) ~Fb&~Fc 12&I
12(4) ~Fb 3&E
12(5) ~Fc 3&E
1 (6) Fa→~Fb 24CP
1 (7)~Fa∨~Fb 6含意の定義
1 (8)~(Fa&Fb) 7ド・モルガンの法則
1 (9) Fa→~Fc 25CP
1 (ア) ~Fa∨~Fc 9含意の定義
1 (イ) ~(Fa&Fc) ア、ド・モルガンの法則
1 (ウ) ~(Fa&Fb)&~(Fa&Fc) 8イ&I
1 (エ)~{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)} ウ、ド・モルガンの法則
従って、
(08)により、
(09)
② ~{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}
③ Fa→(~Fb&~Fc)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
{変域}={a、b、c}
として、
① ~∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
② ~{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}&~{(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}&~{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}
③ {Fa→(~Fb&~Fc)} & {Fb→(~Fa&~Fc)} & {Fc→(~Fa&~Fb)}
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(07)(10)により、
(11)
{変域}={a、b、c}
として、
① ∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
の「否定」は、
①{Fa→(~Fb&~Fc)}&{Fb→(~Fa&~Fc)}&{Fc→(~Fa&~Fb)}
に「等しい」。
然るに、
(12)
①{Fa→(~Fb&~Fc)}&{Fb→(~Fa&~Fc)}&{Fc→(~Fa&~Fb)}
② Fa&Fb&Fc
③ Fa&Fb
④ Fa&Fc
⑤ Fb&Fc
⑥ Fa
⑦ Fb
⑧ Fc
に於いて、
①&② は、「矛盾」し、
①&③ は、「矛盾」し、
①&④ は、「矛盾」し、
①&⑤ は、「矛盾」し、
①&⑥ は、「矛盾」せず、
①&⑦ は、「矛盾」せず、
①&⑧ は、「矛盾」しない。
然るに、
(13)
「含意の定義」により、
①{ Fa→(~Fb&~Fc)}&{ Fb→(~Fa&~Fc)}&{ Fc→(~Fa&~Fb)}
②{~Fa∨(~Fb&~Fc)}&{~Fb∨(~Fa&~Fc)}&{~Fc∨(~Fa&~Fb)}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(14)
②{~Fa∨(~Fb&~Fc)}&{~Fb∨(~Fa&~Fc)}&{~Fc∨(~Fa&~Fb)}
に於いて、
⑥ Fa=「偽」
⑦ Fb=「偽」
⑧ Fc=「偽」
であるならば、
⑥ ~Fa=「真」
⑦ ~Fb=「真」
⑧ ~Fc=「真」
であるため、
②{真∨(真&真)}&{真∨(真&真)}&{真∨(真&真)}
であるが、
②{真∨(真&真)}&{真∨(真&真)}&{真∨(真&真)}
であれば、
②{真}&{真}&{真}
であって、
②{真}&{真}&{真}
は、「真」である。
従って、
(11)~(14)により、
(15)
{変域}={a、b、c}
として、
⑥ Fa=「偽」
⑦ Fb=「偽」
⑧ Fc=「偽」
であるならば、
① ∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
の「否定」は、「真」である。
然るに、
(16)
②{~Fa∨(~Fb&~Fc)}&{~Fb∨(~Fa&~Fc)}&{~Fc∨(~Fa&~Fb)}
に於いて、
⑥ Fa=「真」
⑦ Fb=「偽」
⑧ Fc=「偽」
であるならば、
②{~真∨(~偽&~偽)}&{~偽∨(~真&~偽)}&{~偽∨(~真&~偽)}
である。
然るに、
(16)により、
(17)
~真=偽
~偽=真
であるため、
②{~真∨(~偽&~偽)}&{~偽∨(~真&~偽)}&{~偽∨(~真&~偽)}
であるならば、
②{偽∨(真&真)}&{真∨(偽&真)}&{真∨(偽&真)}
である。
然るに、
(18)
(真&真)=真
(偽&真)=偽
であるため、
②{偽∨(真&真)}&{真∨(偽&真)}&{真∨(偽&真)}
であるならば、
②{偽∨(真)}&{真∨(偽)}&{真∨(偽)}
であるものの、
②{偽∨(真)}&{真∨(偽)}&{真∨(偽)}
であれば、
②{真}&{真}&{真}
であって、
②{真}&{真}&{真}
は、「真」である。
従って、
(11)(16)(17)(18)により、
(19)
{変域}={a、b、c}
であるとして、
⑥ Fa=「真」
⑦ Fb=「偽」
⑧ Fc=「偽」
であるならば、
① ∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
の「否定」は、「真」である。
従って、
(12)(15)(19)により、
(20)
{変域}={a、b、c}
として、
⑥ Fa
⑦ Fb
⑧ Fc
の内の、「0個」が「真」であるか、
⑥ Fa
⑦ Fb
⑧ Fc
の内の、「1個」が「真」であるならば、
① ∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
の「否定」は、「真」である。
従って、
(20)により、
(21)
{変域}={a、b、c}
として、
⑥ Fa
⑦ Fb
⑧ Fc
の内の、「2個か3個」が「真」であるならば、
① ∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
の「否定」ではなく、
① ∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
の「肯定」は、「真」である。
従って、
(21)により、
(22)
{変域}={a、b、c}
として、
⑥ Fa
⑦ Fb
⑧ Fc
の内の、「少なくとも、2つ」が「真」であるならば、
① ∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
の「肯定」は、「真」である。
従って、
(22)により、
(23)
性質Fをもつ「すくなくとも2つの相異なる対象が存在する」ということを表現するするためには、われわれは符号を必要とする。
すなわち、
∃x∃y{Fa&Fy&~(x=y)}
― どちらもFをもつ同一でないxとyが存在する。
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、210頁)
といふ『説明』は、「正しい」。