日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(593)「象は(鼻が長い)」の「否定」と「(象は鼻が長い)」の「否定」の「述語論理」。

2020-04-20 11:55:12 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
「(02)~(11)」に関しては、「昨日の記事の、別の計算」による「証明」であるため、あるいは、(12)から読まれることを、お勧めします。
(02)
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
然るに、
(03)
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
② 象の鼻が長いならば、象の鼻以外も長い。
③ 象の鼻以外が長くないならば、象の鼻は長くない
に於いて、
① と、② は「矛盾」し、
② と、③ は「対偶」である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① 象は(鼻が長い。)といふわけではない。⇔
① 象は(鼻は長く、鼻以外は長くない。)といふわけではない。⇔
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば[あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない]といふことはない。
といふ「等式」が、「日本語」としても、「述語論理」としても、「正しい」のであれば、そのときに限って、
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
といふ「述語論理式」から、
② 象の鼻が長いならば、象の鼻以外も長い。
③ 象の鼻以外が長くないならば、象の鼻は長くない
といふ「日本語」に相当する、然るべき、「述語論理式」が「演繹」出来る。
然るに、
(05)
― 昨日(令和02年04月18日)も書いたものの、―
(a)
1    (1)∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} A
1    (2)   象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  1UE
 3   (3)   象a                             A
13   (4)      ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  23MPP
13   (5)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   4ド・モルガンの法則
13   (6)      ~∀z(~鼻za→~長z)∨~∃y(鼻ya&長y)   5交換法則
13   (7)       ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)   6含意の定義
  8  (8)                     ∃y(鼻ya&長y)   A
  8  (9)                   ~~∃y(鼻ya&長y)   8DN
138  (ア)      ~∀z(~鼻za→~長z)               79MTT
138  (イ)      ∃z~(~鼻za→~長z)               ア量化子の関係
   ウ (ウ)        ~(~鼻ba→~長b)               A
   ウ (エ)        ~( 鼻ba∨~長b)               ウ含意の定義
   ウ (オ)          ~鼻ba& 長b                エ、ド・モルガンの法則
   ウ (カ)       ∃z(~鼻za& 長z)               ウEI
128  (キ)       ∃z(~鼻za& 長z)               イウカEE
12   (ク)       ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻za& 長z)    8キCP
1    (ケ)   象a→[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]   3クCP
    コ(コ)   象a& ∃y(鼻yx&長y)                 A
    コ(サ)   象a                             コ&E
1   コ(シ)       ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻za& 長z)    ケサMPP
    コ(ス)       ∃y(鼻yx&長y)                 コ&E
1   コ(セ)                  ∃z(~鼻za& 長z)    シスMPP
1    (ソ)   象a& ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻za& 長z)    コセCP
1    (タ)∀x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}   ソUI  
(b)
1   (1)∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} A
1   (2)   象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  1UE
 3  (3)   象a                             A
13  (4)      ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  23MPP
13  (5)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   4ド・モルガンの法則
13  (6)       ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   5含意の定義
  7 (7)                   ∀z(~鼻za→~長z)   A
  7 (8)                 ~~∀z(~鼻za→~長z)   7DN
137 (9)      ~∃y(鼻ya&長y)                 68MTT
13  (ア)       ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)   79CP
1   (イ)   象a→[∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)]  3アCP
   ウ(ウ)   象a& ∀z(~鼻za→~長z)               A
   ウ(エ)   象a                             ウ&E
1  ウ(オ)       ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)   イエMPP
   ウ(カ)       ∀z(~鼻za→~長z)               ウ&E
1  ウ(キ)                    ~∃y(鼻ya&長y)   カキMPP
1   (ク)   象a& ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)   ウキCP
1   (ケ)∀x{象x& ∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)}  クUI
(06)
― 昨日(令和02年04月19日)は書かなかったものの、―
(c)
1   (1) ∀x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}  A
1   (2)    象a& ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)   1UE
 3  (3)    象a                            A
  4 (4)        ∃y(鼻ya&長y)                A
 34 (5)    象a& ∃y(鼻ya&長y)                34&I
134 (6)                   ∃z(~鼻za& 長z)   25MPP
   7(7)                      ~鼻ba& 長b    A
   7(8)                     ~(鼻ba∨~長b)   7ド・モルガンの法則
   7(9)                    ~(~鼻ba→~長b)   8含意の定義
   7(ア)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   7EI
134 (イ)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   67アEE
134 (ウ)                  ~∀z(~鼻za→~長z)   イ量化子の関係
13  (エ)       ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   4ウCP
13  (オ)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   エ含意の定義
13  (カ)     ~[∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]  オ、ド・モルガンの法則
1   (キ)   象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  3カCP
1   (ク)∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} キUI
(d)
1    (1)∀x{象x& ∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)}  A
1    (2)   象a& ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)   ウキCP
 3   (3)                     ∃y(鼻ya&長y)   A
 3   (4)                   ~~∃y(鼻ya&長y)   3DN
13   (5) ~{象a& ∀z(~鼻za→~長z)}              24MTT
13   (6)  ~象a∨~∀z(~鼻za→~長z)}              5ド・モルガンの法則
13   (7)   象a→~∀z(~鼻za→~長z)}              6含意の定義
1    (8) ∃y(鼻ya&長y)→ 象a→~∀z(~鼻za→~長z)}    37CP
  9  (9) 象a&∃y(鼻ya&長y)                    A
  9  (ア)    ∃y(鼻ya&長y)                    9&E
1 9  (イ)             象a→~∀z(~鼻za→~長z)     8アMPP
  9  (ウ) 象a                               9&E
1 9  (エ)                ~∀z(~鼻za→~長z)     イウMPP
1    (オ) 象a&∃y(鼻ya&長y)→ ~∀z(~鼻za→~長z)     9エCP
   カ (カ) 象a                               A
    キ(キ)    ∃y(鼻ya&長y)                    A
   カキ(ク) 象a&∃y(鼻ya&長y)                    カキ&I
1  カキ(ケ)                ~∀z(~鼻za→~長z)     オクMPP
1  カ (コ)    ∃y(鼻ya&長y)→ ~∀z(~鼻za→~長z)     キケCP
1  カ (サ)   ~∃y(鼻ya&長y)∨ ~∀z(~鼻za→~長z)     コ含意の定義
1  カ (シ)      ~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]  サ、ド・モルガンの法則
1    (ス)   象a→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]  カシCP
1    (セ)∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} スUI
従って、
(05)(06)により、
(07)
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ∀x{象x&   ∃y(鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x{象x& ∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx& 長y)} 
に於いて、
① ならば、② である。
② ならば、① である。
① ならば、③ である。
③ ならば、① である。
従って、
(07)により、
(08)
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ∀x{象x&   ∃y(鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x{象x& ∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx& 長y)}
に於いて、
①=②
①=③
であって、それ故、
①=②=③ である。
従って、
(08)により、
(09)
① すべてのxについて、xが象であるならば[あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない]といふことはない。
② すべてのxについて、xが象であって、あるyがxの鼻であって、長いならば、あるzは、xの鼻以外(例へば、耳)であって、長い。
③ すべてのxについて、xが象であって、(すべてのzについて、zがxの鼻でないとして、zは長くない)ならば、(あるyがxの鼻であって、長い。)といふことはない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
① 象は(鼻は長く、鼻以外は長くない。)といふわけではない。
② 象の鼻が長いならば、象の鼻以外も長い。
③ 象の鼻以外が長くないならば、象の鼻は長くない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(04)~(10)により、
(11)
① 象は(鼻が長い。)といふわけではない。⇔
① 象は(鼻は長く、鼻以外は長くない。)といふわけではない。⇔
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば[あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない]といふことはない。
といふ「等式」は、「日本語」としても、「述語論理」としても、「正しい」。
然るに、
(12)
① 象は(鼻が長い。)といふわけではない。⇔
① 象は(鼻は長く、鼻以外は長くない。)といふわけではない。⇔
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば[あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない]といふことはない。
に対して、
④(象は鼻が長い。)といふわけではない。⇔
④(象は鼻は長く、鼻以外は長くない。)といふわけではない。⇔
④ ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
④{すべてのxについて、xが象であるならば、あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}といふことはない。
であるものの、当然、
①=④ ではない。
然るに、
(13)
(ⅳ)
1   (1)~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}  A
1   (2)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}  1量化子の関係
 3  (3)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  A
 3  (4) ~{~象a∨∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  3含意の定義
 3  (5)  象a&~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  4ド・モルガンの法則
 3  (6)  象a                              5&E
 3  (7)     ~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  5&E
 3  (8)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   7ド・モルガンの法則
 3  (9)       ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   8含意の定義
  ア (ア)       ∃y(鼻ya&長y)                 A
 3ア (イ)                  ~∀z(~鼻za→~長z)   9アMPP
 3ア (ウ)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   イ量化子の関係
   エ(エ)                    ~(~鼻ba→~長b)   A
   エ(オ)                    ~( 鼻ba∨~長b)   エ含意の定義
   エ(カ)                      ~鼻ba& 長b    オ、ド・モルガンの法則
   エ(キ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   カEI
 3ア (ク)                   ∃z(~鼻za& 長z)   ウエキEE
 3  (ケ)       ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)   アクCP
 3  (コ)   象a&[∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)]  6ケ&I
 3  (サ)∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]  コEI
1   (シ)∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]} 23サEE
(ⅴ)
1   (1)∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]  A
 2  (2)   象a&[∃y(鼻ya&長b)→ ∃z(~鼻za& 長z)]  1UE
 2  (3)   象a                             2&E
 2  (4)       ∃y(鼻ya&長b)→ ∃z(~鼻za& 長z)   2&E
  5 (5)       ∃y(鼻ya&長b)                 A
 25 (6)                   ∃z(~鼻za& 長z)   45CP
 25 (7)                      ~鼻ba& 長b    A
 25 (8)                    ~( 鼻ba∨~長b)   7ド・モルガンの法則
 25 (9)                    ~(~鼻ba→~長b)   8含意の定義
 25 (ア)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   9EI
 25 (イ)                  ~∀z(~鼻za→~長z)   ア量化子の関係
 2  (ウ)       ∃y(鼻ya&長b)→~∀z(~鼻za→~長z)   5イCP
 2  (エ)      ~∃y(鼻ya&長b)∨~∀z(~鼻za→~長z)   ウ含意の定義 
 2  (カ)     ~[∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]  エ、ド・モルガンの法則
 2  (キ)  象a&~[∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]  3カ&I
 2  (ク) ~{~象a∨∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  キ、ド・モルガンの法則
 2  (ケ)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  ク含意の定義
 2  (コ)∃x~{象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  ケEI
1   (サ)∃x~{象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  12コEE
1   (シ)~∀x{象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  サ量化子の関係
従って、
(13)により、
(14)
④ ~∀x{象x→  ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
⑤   ∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}
に於いて、すなはち、
④{すべてのxについて、xが象であるならば、あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}といふことはない。
⑤  あるxは、象であって、あるyがxの鼻であって、長いならば、あるzはxの鼻ではなくて、長い。
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(14)により、
(15)
④(象は鼻が長い。)といふわけではない。
⑤ ある象は、鼻が長いならば、鼻以外(例へば、耳)も長い。
に於いて、
④=⑤ である。
然るに、
(16)
⑤ 鼻が長いならば、鼻以外(例へば、耳)も長い。
⑥ 鼻以外が長くないならば、鼻も長くない。
に於いて、
⑤=⑥ は、「対偶(Contraposition)」である。
cf.
⑤ ∃x{象x&[ ∃y( 鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx&長z)]}
⑥ ∃x{象x&[~∃z(~鼻zx&長z)→~∃y( 鼻yx&長y)]}
従って、
(15)(16)により、
(17)
④(象は鼻が長い。)といふわけではない。
⑤ ある象は  鼻が長いならば、鼻以外(例へば、耳)も長い。
⑥ ある象は、鼻以外が長くないならば、鼻も長くない。
に於いて、
④=⑤=⑥ である。
従って、
(01)~(17)により、
(18)
① 象は(鼻は長く、鼻以外は長くない。)といふわけではない。
② 象の鼻が長いならば、象の鼻以外も長い。
③ 象の鼻以外が長くないならば、象の鼻は長くない。
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ∀x{象x&   ∃y(鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x{象x& ∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx& 長y)}
に於いて、
①=②=③ であって、
④(象は鼻が長い。)といふわけではない。
⑤ ある象は、鼻が長いならば、鼻以外(例へば、耳)も長い。
⑥ ある象は、鼻以外が長くないならば、鼻も長くない。
④ ~∀x{象x→   ∃y( 鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
⑤   ∃x{象x&[ ∃y( 鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]}
⑥  ∃x{象x&[~∃z(~鼻zx&長z)→~∃y( 鼻yx& 長y)]}
に於いて、
④=⑤=⑥ である。
といふことは、「述語論理」としても、「正しい」。
(19)
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ∀x{象x&   ∃y(鼻yx& 長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x{象x& ∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx& 長y)}
は、「すべての象が、さうである。」といふ「意味」であって、
④ ~∀x{象x→   ∃y( 鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
⑤   ∃x{象x&[ ∃y( 鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]}
⑥  ∃x{象x&[~∃z(~鼻zx&長z)→~∃y( 鼻yx& 長y)]}
は、「象の中の、ある象は、さうである。」といふ「意味」である。


(592)「象は(鼻が長い。)といふわけではない。」の「否定」の「述語論理」。

2020-04-19 13:40:36 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
― 何度も、書いてゐるやうに、―
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(02)
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふのであれば、例へば、
長い象はゐないし、
長くない象はゐない。
従って、
(02)により、
(03)
① 象は(鼻は長く、鼻以外は長くない。)といふわけではない
とするならば、例へば、
② 鼻と耳長い象はゐるし、
③ 鼻も長くない象もゐる。
といふ、ことになる。
然るに、
(04)
― 昨日(令和02年04月18日)も書いたものの、―
(ⅰ)
1    (1)∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} A
1    (2)   象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  1UE
 3   (3)   象a                             A
13   (4)      ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  23MPP
13   (5)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   4ド・モルガンの法則
13   (6)       ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   5含意の定義
  7  (7)       ∃y(鼻ya&長y)                 A
137  (8)                  ~∀z(~鼻za→~長z)   78MPP
137  (9)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   8量化子の関係
   ア (ア)                    ~(~鼻ba→~長b)   A
   ア (イ)                     ~(鼻ba∨~長b)   ア含意の定義
   ア (ウ)                      ~鼻ba& 長b    イ、ド・モルガンの法則
   ア (エ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   ウEI
137  (オ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   9アエEE
13   (カ)       ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)   7オCP
1    (キ)   象a→[∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)]  3カCP
    ク(ク)   象a& ∃y(鼻ya&長y)                 A
    ク(ケ)   象a                             ク&E
1   ク(コ)       ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)   キケMPP
    ク(サ)       ∃y(鼻ya&長y)                 ク&E
1   ク(シ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   コサMPP
1    (ス)   象a& ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)   クシCP
1    (セ)∀x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)}  スUI
(ⅱ)
1   (1) ∀x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}  A
1   (2)    象a& ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)   1UE
 3  (3)    象a                            A
  4 (4)        ∃y(鼻ya&長y)                A
 34 (5)    象a& ∃y(鼻ya&長y)                34&I
134 (6)                   ∃z(~鼻za& 長z)   25MPP
   7(7)                      ~鼻ba& 長b    A
   7(8)                     ~(鼻ba∨~長b)   7ド・モルガンの法則
   7(9)                    ~(~鼻ba→~長b)   8含意の定義
   7(ア)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   7EI
134 (イ)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   67アEE
134 (ウ)                  ~∀z(~鼻za→~長z)   イ量化子の関係
13  (エ)       ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   4ウCP
13  (オ)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   エ含意の定義
13  (カ)     ~[∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]  オ、ド・モルガンの法則
1   (キ)   象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  3カCP
1   (ク)∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} キUI
従って、
(04)により、
(05)
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ∀x{象x&   ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
①=② である。
(06)
― 昨日(令和02年04月18日)も書いたものの、―
(ⅱ)
1  (1)∀x{象x&∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)} A
1  (2)   象a&∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)  1UE
1  (3)   象a                           2&E
1  (4)      ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)  2&E
 5 (5)                  ∀z(~鼻za→~長z)  A
 5 (6)                     ~鼻ba→~長b   1UE
 5 (7)                      鼻ba∨~長b   6含意の定義
 5 (8)                   ~(~鼻ba& 長b)  7ド・モルガンの法則
 5 (9)                 ∀z~(~鼻za& 長z)  8UI
 5 (ア)                 ~∃z(~鼻za& 長z)  9量化子の関係
15 (イ)      ~∃y(鼻ya&長y)               1アMTT
1  (ウ)      ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)  5イCP
1  (エ)   象a&∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)  3ウ&I
1  (オ)∀x{象x&∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)} エUI
(ⅲ)
1  (1)∀x{象x&∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)} A
1  (2)   象a&∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)  1UE
1  (3)   象a                           2&E
1  (4)      ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)  2&E
 5 (5)                    ∃y(鼻ya&長y)  A
 5 (6)                  ~~∃y(鼻ya&長y)  5DN   
15 (7)     ~∀z(~鼻za→~長z)              46MTT
15 (8)     ∃z~(~鼻za→~長z)              7量化子の関係
  9(9)       ~(~鼻ba→~長b)              A
  9(ア)       ~( 鼻ba∨~長b)              9含意の定義
  9(イ)         ~鼻ba& 長b               ア、ド・モルガンの法則
  9(ウ)      ∃z(~鼻zx& 長z)              イEI
15 (エ)      ∃z(~鼻zx& 長z)              89ウEE
1  (オ)      ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)  5エCP
1  (カ)   象a&∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)  3オ&I
1  (キ)∀x{象x&∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)} カUI
従って、
(06)により、
(07)
② ∀x{象x&   ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x{象x& ∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(05)(07)により、
(08)
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ∀x{象x&   ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x{象x& ∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
①=②=③ である。
(09)
― 昨日(令和02年04月18日)は書かなかったものの、―
(ⅱ)
1    (1)∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} A
1    (2)   象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  1UE
 3   (3)   象a                             A
13   (4)      ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  23MPP
13   (5)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   4ド・モルガンの法則
13   (6)      ~∀z(~鼻za→~長z)∨~∃y(鼻ya&長y)   5交換法則
13   (7)       ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)   6含意の定義
  8  (8)                     ∃y(鼻ya&長y)   A
  8  (9)                   ~~∃y(鼻ya&長y)   8DN
138  (ア)      ~∀z(~鼻za→~長z)               79MTT
138  (イ)      ∃z~(~鼻za→~長z)               ア量化子の関係
   ウ (ウ)        ~(~鼻ba→~長b)               A
   ウ (エ)        ~( 鼻ba∨~長b)               ウ含意の定義
   ウ (オ)          ~鼻ba& 長b                エ、ド・モルガンの法則
   ウ (カ)       ∃z(~鼻za& 長z)               ウEI
128  (キ)       ∃z(~鼻za& 長z)               イウカEE
12   (ク)       ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻za& 長z)    8キCP
1    (ケ)   象a→[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]   3クCP
    コ(コ)   象a& ∃y(鼻yx&長y)                 A
    コ(サ)   象a                             コ&E
1   コ(シ)       ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻za& 長z)    ケサMPP
    コ(ス)       ∃y(鼻yx&長y)                 コ&E
1   コ(セ)                  ∃z(~鼻za& 長z)    シスMPP
1    (ソ)   象a& ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻za& 長z)    コセCP
1    (タ)∀x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}   ソUI  
(ⅲ)
1   (1)∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} A
1   (2)   象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  1UE
 3  (3)   象a                             A
13  (4)      ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  23MPP
13  (5)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   4ド・モルガンの法則
13  (6)       ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   5含意の定義
  7 (7)                   ∀z(~鼻za→~長z)   A
  7 (8)                 ~~∀z(~鼻za→~長z)   7DN
137 (9)      ~∃y(鼻ya&長y)                 68MTT
13  (ア)       ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)   79CP
1   (イ)   象a→[∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)]  3アCP
   ウ(ウ)   象a& ∀z(~鼻za→~長z)               A
   ウ(エ)   象a                             ウ&E
1  ウ(オ)       ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)   イエMPP
   ウ(カ)       ∀z(~鼻za→~長z)               ウ&E
1  ウ(キ)                    ~∃y(鼻ya&長y)   カキMPP
1   (ク)   象a& ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)   ウキCP
1   (ケ)∀x{象x& ∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)}  クUI
従って、
(09)により、
(10)
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ∀x{象x&   ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x{象x& ∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
① ならば、② であり、
① ならば、③ である。
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
いづれにせよ、
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ∀x{象x&   ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x{象x& ∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば[あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない]といふことはない。
② すべてのxについて、xが象であって、あるyがxの鼻であって、長いならば、あるzは、xの鼻以外(例へば、耳)であって、長い。
③ すべてのxについて、xが象であって、(すべてのzについて、zがxの鼻でないとして、zは長くない)ならば、(あるyがxの鼻であって、長い。)といふことはない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(12)
① すべてのxについて、xが象であるならば[あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない]といふことはない。
② すべてのxについて、xが象であって、あるyがxの鼻であって、長いならば、あるzは、xの鼻以外(例へば、耳)であって、長い。
③ すべてのxについて、xが象であって、(すべてのzについて、zがxの鼻でないとして、zは長くない)ならば、(あるyがxの鼻であって、長い。)といふことはない。
といふことは、
① 象は(鼻は長く、鼻以外は長くない。)といふわけではない。
② 象の鼻が長いならば、象の鼻以外も長い。
③ 象の鼻以外が長くないならば、象の鼻は長くない。
といふことである。
然るに、
(13)
② 象の鼻が長いならば、象の鼻以外も長い。
③ 象の鼻以外が長くないならば、象の鼻は長くない。
といふことは、例へば、
長い象がゐる。
長くない象がゐる。
といふことである。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
① 象は(鼻は長く、鼻以外は長くない。)といふわけではない。
とするならば、その時に限って、例へば
② 鼻と耳が長い象はゐるし、
③ 鼻も耳も長くない象もゐる。
といふ「命題」は、「述語論理」としても、「真(本当)」である。
従って、
(11)~(14)により、
(15)
① 象は(鼻は長く、鼻以外は長くない。)といふわけではない。⇔
① ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば[あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない]といふことはない。
とするならば、その時に限って、例へば
② 鼻と耳が長い象はゐるし、
③ 鼻も耳も長くない象もゐる。
といふ「結論」は、「述語論理」としても、「正しい」。
従って、
(15)により、
(16)
① 象は(鼻は長く、鼻以外は長くない)。⇔
① ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば[あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない]。
とするならば、その時に限って、例へば
② 鼻と耳が長い象はゐないし、
③ 鼻も耳も長くない象もゐない。
といふ「命題」は、「述語論理」としても、「真(本当)」。
然るに、
(17)
長い象はゐないし、
長くない象もゐない
といふ「命題」は、「真(本当)」である。
従って、
(01)(16)(17)により、
(18)
① 象は鼻長い。⇔
① 象は(鼻は長く、鼻以外は長くない)。⇔
① ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば[あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない]。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(01)により、
(19)
一番初めの、(01)に於いて、
― 何度も、書いてゐるやうに、―
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
といふ風に、書いてゐるため、「以上の、説明」は、「証明」にはなってゐない。
(20)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふ「等式」を「証明」する上で、一番簡単な「それ」は、これも、
― 何度も、書いてゐるやうに、―
次のやうな「証明」である。
(21)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(21)により、
(22)
① タゴール記念会は、私理事長です。
② タゴール記念会は、理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(23)
(ⅱ)
1  (1) Q→ P A
 2 (2) Q    A
  3(3)   ~P A
12 (4)    P 12MPP
123(5) ~P&P 34&I
1 3(6)~Q    25PAA
1  (7)~P→~Q 36CP
(ⅲ)
1  (1)~P→~Q A
 2 (2)    Q A
  3(3)~P    A
1 3(4)   ~Q 13MPP
123(5) Q&~Q 24&I
12 (6)~~P   35PAA
12 (7) P    6DN
1  (8) Q→ P 27CP
従って、
(23)により、
(24)
②  Q→ P
③ ~P→~Q
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(24)により、
(25)
②  Q→ P
③ ~P→~Q
に於いて、
Q=理事長
P=私
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
② 理事長ならば私です。
③ 私でないならば理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(25)により、
(26)
② 理事長は私です。
③ 私以外理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(22)(26)により、
(27)
① タゴール記念会は、私が理事長です。
② タゴール記念会は、理事長は私です。
③ タゴール記念会は、私以外理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(28)
① タゴール記念会は、私理事長です。
② タゴール記念会は、理事長は私です。
③ タゴール記念会は、私以外理事長ではない
に於いて、
タゴール記念会=象
      私=鼻
    理事長=長い
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
① 象は、鼻長い。
② 象は、長いのは鼻です。
③ 象は、鼻以外は長くない
に於いて、
①=②=③ である。(Q.E.D)


(591)「象は(鼻が長い。)といふわけではない。」の「述語論理」。

2020-04-18 19:12:17 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
― 何度も、書いてゐるやうに、―
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(01)により、
(02)
② (象は鼻長い。)といふわけではない。
ではなく、
② 象は(鼻長い。)といふわけではない。
であれば、
② ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
といふ「論理式」に、対応する。
然るに、
(03)
― 先程(令和02年04月18日)も書いたものの、―
(ⅱ)
1    (1)∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} A
1    (2)   象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  1UE
 3   (3)   象a                             A
13   (4)      ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  23MPP
13   (5)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   4ド・モルガンの法則
13   (6)       ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   5含意の定義
  7  (7)       ∃y(鼻ya&長y)                 A
137  (8)                  ~∀z(~鼻za→~長z)   78MPP
137  (9)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   8量化子の関係
   ア (ア)                    ~(~鼻ba→~長b)   A
   ア (イ)                     ~(鼻ba∨~長b)   ア含意の定義
   ア (ウ)                      ~鼻ba& 長b    イ、ド・モルガンの法則
   ア (エ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   ウEI
137  (オ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   9アエEE
13   (カ)        ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)   7オCP
1    (キ)   象a→[∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]   3カCP
    ク(ク)   象a& ∃y(鼻ya&長y)                 A
    ク(ケ)   象a                             ク&E
1   ク(コ)       ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)    キケMPP
    ク(サ)       ∃y(鼻ya&長y)                 ク&E
1   ク(シ)                  ∃z(~鼻za& 長z)    コサMPP
1    (ス)   象a& ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)    クシCP
1    (セ)∀x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}   スUI
(ⅲ)
1   (1) ∀x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}   A
1   (2)    象a& ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)    1UE
 3  (3)    象a                             A
  4 (4)        ∃y(鼻ya&長y)                 A
 34 (5)    象a& ∃y(鼻ya&長y)                 34&I
134 (6)                   ∃z(~鼻za& 長z)    25MPP
   7(7)                      ~鼻ba& 長b     A
   7(8)                     ~(鼻ba∨~長b)    7ド・モルガンの法則
   7(9)                    ~(~鼻ba→~長b)    8含意の定義
   7(ア)                  ∃z~(~鼻za→~長z)    7EI
134 (イ)                  ∃z~(~鼻za→~長z)    67アEE
134 (ウ)                  ~∀z(~鼻za→~長z)    イ量化子の関係
13  (エ)       ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)    4ウCP
13  (オ)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)    エ含意の定義
13  (カ)     ~[∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]   オ、ド・モルガンの法則
1   (キ)   象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]   3カCP
1   (ク)∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}  キUI
従って、
(02)(03)により、
(04)
② ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
③ ∀x{象x&   ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、すなはち、
② すべてのxについて、xが象であるならば[あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない]といふことはない。
③ すべてのxについて、xが象であって、あるyがxの鼻であって、長いならば、あるzはxの鼻以外であって、長い。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
② 象は(鼻長い。)といふわけではない。
③ 象は、鼻長いならば、鼻以外長い
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1  (1)∀x{象x&∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)} A
1  (2)   象a&∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)  1UE
1  (3)   象a                           2&E
1  (4)      ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)  2&E
 5 (5)                  ∀z(~鼻za→~長z)  A
 5 (6)                     ~鼻ba→~長b   1UE
 5 (7)                      鼻ba∨~長b   6含意の定義
 5 (8)                   ~(~鼻ba& 長b)  7ド・モルガンの法則
 5 (9)                 ∀z~(~鼻za& 長z)  8UI
 5 (ア)                 ~∃z(~鼻za& 長z)  9量化子の関係
15 (イ)      ~∃y(鼻ya&長y)               1アMTT
1  (ウ)      ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)  5イCP
1  (エ)   象a&∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)  3ウ&I
1  (オ)∀x{象x&∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)} エUI
(ⅳ) 
1  (1)∀x{象x&∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)} A
1  (2)   象a&∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)  1UE
1  (3)   象a                           2&E
1  (4)      ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya&長y)  2&E
 5 (5)                    ∃y(鼻ya&長y)  A
 5 (6)                  ~~∃y(鼻ya&長y)  5DN   
15 (7)     ~∀z(~鼻za→~長z)              46MTT
15 (8)     ∃z~(~鼻za→~長z)              7量化子の関係
  9(9)       ~(~鼻ba→~長b)              A
  9(ア)       ~( 鼻ba∨~長b)              9含意の定義
  9(イ)         ~鼻ba& 長b               ア、ド・モルガンの法則
  9(ウ)      ∃z(~鼻zx& 長z)              イEI
15 (エ)      ∃z(~鼻zx& 長z)              89ウEE
1  (オ)      ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)  5エCP
1  (カ)   象a&∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)  3オ&I
1  (キ)∀x{象x&∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)} カUI
従って、
(06)により、
(07)
③ ∀x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
④ ∀x{象x&∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、すなはち、
③ すべてのxについて、xが象であって、あるyがxの鼻であって、長いならば、あるzはxの鼻以外であって、長い。
④ すべてのxについて、xが象であって、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。ならば、あるyがxの鼻であって、長い、といふことはない。
に於いて、
③=④ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(07)により、
(08)
③ 象は、鼻長いならば、鼻以外も長い。
④ 象は、鼻以外長くないならば、鼻は長くない
に於いて、
③=④ である。
従って、
(01)~(08)により、
(09)
② 象は(鼻長い。)といふわけではない。
③ 象は、鼻長いならば、鼻以外も長い。
④ 象は、鼻以外長くないならば、鼻は長くない
といふ「日本語」は、
② ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
③ ∀x{象x&   ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
④ ∀x{象x& ∀z(~鼻zx→~長z)→~∃y(鼻yx&長y)}
といふ「述語論理式」に、対応する。
(10)
「述語論理」を「独学」することが、「難しい」かどうかは、人それぞれなので、何とも、言へない。
然るに、
(11)
いづれにせよ、
日常言語の文から述語計算の文の翻訳のためには、一般にあたまが柔軟であることが必要である。なんら確定的な規則があるわけでなく、量記号に十分に馴れるまでには、練習を積むことが必要である。そこに含まれている仕事は翻訳の仕事に違いないけれども、しかしそこへ翻訳が行われる形式言語は、自然言語のシンタックスとは幾らか違ったシンタックスをもっており、また限られた述語―論理的結合記号、変数、固有名、述語文字、および2つの量記号―しかももたない。その言語のおもな長所は、記法上の制限にもかかわらず、非常に広範な表現能力をもっていることである
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、130頁)。
といふ風に、E.J.レモンは、言ってゐる。


(590)「象は鼻が長い」と「鼻は象が長い」の「述語論理」。

2020-04-18 13:01:04 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
― 以前にも書いたものの、―
(ⅰ)
1     (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} A
1     (2)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 1UE
 3    (3)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a)  A
 3    (4)      鼻ab&象b→長a                 3&E
 3    (5)                  ~象b&鼻ab→~長a   3&E
  6   (6)                           長a   A
  6   (7)                         ~~長a   6DN
 36   (8)                ~(~象b&鼻ab)      57MTT
 36   (9)                  象b∨~鼻ab       8ド・モルガンの法則
   ア  (ア)                  象b            A
   ア  (イ)                ~~象a            アDN
   ア  (ウ)                ~~象a∨~鼻ab       イ∨I
    エ (エ)                     ~鼻ab       A
    エ (オ)                ~~象b∨~鼻ab       エ∨I
 36   (カ)                ~~象b∨~鼻ab       9アウエオ∨E
 36   (キ)                 ~象b→~鼻ab       カ含意の定義
 3    (ク)             長a→(~象b→~鼻ab)      6キCP
     ケ(ケ)             長a& ~象b            A
     ケ(コ)             長a                 ケ&E
 3   ケ(サ)                 ~象b→~鼻ab       クコMPP
     ケ(シ)                 ~象b            ケ&E
 3   ケ(ス)                     ~鼻ab       サシMPP
 3    (セ)              長a&~象b→~鼻ab       ケスCP
 3    (ソ)     (鼻ab&象b→長a)&(長a&~象b→~鼻ab)  4セ&I
 3    (タ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(長a&~象y→~鼻ay)} ソEI
1     (チ)  ∃y{(鼻ay&象b→長a)&(長a&~象y→~鼻ay)} 23タEE
1     (ツ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)} チUI
(ⅱ)
1     (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)} A
1     (2)  ∃y{(鼻ay&象b→長a)&(長a&~象y→~鼻ay)} 1UE
 3    (3)     (鼻ab&象b→長a)&(長a&~象b→~鼻ab)  A
 3    (4)      鼻ab&象b→長a                 3&E
 3    (5)                  長a&~象b→~鼻ab   3&E
  6   (6)                          鼻ab   A
  6   (7)                        ~~鼻ab   6DN
 36   (8)                ~(長a&~象b)       57MTT
 36   (9)                 ~長a∨ 象b        8ド・モルガンの法則
 36   (ア)                  象a∨~長a        9交換法則
   イ  (イ)                  象a            A
   イ  (ウ)                ~~象a            イDN
   イ  (エ)                ~~象a∨~長a        ウ∨I
    オ (オ)                     ~長a        A
    オ (カ)                ~~象a∨~長a        オ∨I
 36   (キ)                ~~象a∨~長a        アイエオカ∨E
 36   (ク)                 ~象a→~長a        キ含意の定義
 3    (ケ)               鼻ab→(~象a→~長a)    6クCP
     コ(コ)              ~象b&鼻ab           A
     コ(サ)                  鼻ab           コ&E
 3   コ(シ)                    ~象a→~長a     ケサMPP
     コ(ス)              ~象b               コ&E
 3   コ(セ)                        ~長a     シスMPP
 3    (ソ)                  ~象b&鼻ab→~長a   コセCP
 3    (タ)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a)  4ソ&I
 3    (チ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} タEI
1     (ツ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 23チEE
1     (テ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} ツUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、xが長くて、yが象でないならば、xはyの鼻ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふことは、
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない。
といふ「意味」である。
(04)
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)}⇔
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、xが長くて、yが象でないならば、xはyの鼻ではない。
といふことは、
② 鼻は象は長く、象以外の動物で、ある部分が長いならば、鼻以外の、例へば、耳が長い。
② 鼻は象は長く、象以外の動物で、ある部分が長いならば、鼻以外の、例へば、顔が長い。
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
{象、兎、馬}を、{変域(ドメイン)}とすると、
① 鼻は象が長く、
② 耳は兎が長く、
③ 顔は馬が長い。
といふ「日本語」は、「正しい」。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 鼻は象長い。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(07)
― 昨日(令和2年2月17日)も書いたものの、―
(ⅰ)
1    (1)~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} A
1    (2)∃x~∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} 1量化子の関係
1    (3)∃x∀y~{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} 2量化子の関係
 4   (4)  ∀y~{(鼻ay&象y→長a)& (~象y&鼻ay→~長a)} A
 4   (5)    ~{(鼻ab&象b→長a)& (~象b&鼻ab→~長a)} 4UE
 4   (6)     ~(鼻ab&象b→長a)∨~(~象b&鼻ab→~長a)  5ド・モルガンの法則
 4   (7)      (鼻ab&象b→長a)→~(~象b&鼻ab→~長a)  6含意の定義
  8  (8)      (鼻ab&象b→長a)                 A
 48  (9)                  ~(~象b&鼻ab→~長a)  48MPP
 48  (ア)               ~{~(~象b&鼻ab)∨~長a}  9含意の定義
 48  (イ)                  (~象b&鼻ab)& 長a   アド・モルガンの法則
 48  (ウ)                  (~象b&鼻ab&長a)    イ結合法則
 4   (エ)      (鼻ab&象b→長a)→(~象b&鼻ab&長a)    8ウCP
 4   (オ)     ~(鼻ab&象b→長a)∨(~象b&鼻ab&長a)    エ含意の定義
   カ (カ)     ~(鼻ab&象b→長a)                 A
   カ (キ)   ~{~(鼻ab&象b)∨長a)                カ含意の定義
   カ (ク)      (鼻ab&象b)&~長a                キ、ド・モルガンの法則
   カ (ケ)      (鼻ab&象b&~長a)                ク結合法則
   カ (コ)      (鼻ab&象b&~長a)∨(~象b&鼻ab&長a)   ケ∨I
    サ(サ)                   (~象b&鼻ab&長a)   A
    サ(シ)      (鼻ab&象b&~長a)∨(~象b&鼻ab&長a)   サ∨I
 4   (ス)      (鼻ab&象b&~長a)∨(~象b&鼻ab&長a)   オカコサシ∨E
 4   (セ)   ∀y{(鼻ay&象y&~長y)∨(~象y&鼻ay&長a)}  スUI
 4   (ソ) ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長y)∨(~象y&鼻xy&長x)}  セEI
1    (タ) ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長y)∨(~象y&鼻xy&長x)}  34ソEE
(ⅱ)
1    (1) ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長y)∨(~象y&鼻xy&長x)}  A
 2   (2)   ∀y{(鼻ay&象y&~長y)∨(~象y&鼻ay&長a)}  A
 2   (3)      (鼻ab&象b&~長b)∨(~象b&鼻ab&長a)   2UE
  4  (4)      (鼻ab&象b&~長b)                A
  4  (5)      (鼻ab&象b)&~長b                4結合法則
  4  (6)   ~~{(鼻ab&象b)&~長b}               5DN
  4  (7)   ~{~(鼻ab&象b)∨ 長b}               6ド・モルガンの法則
  4  (8)     ~(鼻ab&象b→長b)                 7含意の定義
  4  (9)     ~(鼻ab&象b→長b)∨~(~象b&鼻ab→~長a)  8∨I
   ア (ア)                   (~象b&鼻ab &長a)  A
   ア (イ)                   (~象b&鼻ab)&長a   ア結合法則
   ア (ウ)                ~~{(~象b&鼻ab)&長a}  イDN
   ア (エ)                ~{~(象b&鼻ab)∨~長a}  ウ、ド・モルガンの法則
   ア (カ)                  ~(象b&鼻ab →~長a)  エ、含意の定義
   ア (キ)     ~(鼻ab&象b→長b)∨~(~象b&鼻ab→~長a)  カ∨I
 2   (ク)     ~(鼻ab&象b→長b)∨~(~象b&鼻ab→~長a)  349アキ∨E
 2   (ケ)    ~{(鼻ab&象b→長a)& (~象b&鼻ab→~長a)} ク、ド・モルガンの法則
 2   (コ)  ∀y~{(鼻ay&象y→長a)& (~象y&鼻ay→~長a)} ケUI
 2   (サ)  ~∃y{(鼻ay&象y→長a)& (~象y&鼻ay→~長a)} コ量化子の関係
 2   (シ)∃x~∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} サUI
 2   (ス)~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} シ量化子の関係
1    (セ)~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻ay→~長x)} 12スEE
従って、
(07)により、
(08)
③ ~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
④   ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長x)∨(~象y&鼻xy&長x)}
に於いて、すなはち、
③「すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。」といふわけではない。
④「あるxとすべてのyについて(xはyの鼻であって、yは象であって、xは長くない)か、または(yは象ではなく、xはyの鼻であり、xは長い。」
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(09)
④「あるxとすべてのyについて(xはyの鼻であって、yは象であって、xは長くない)か、または(yは象ではなくて、xはyの鼻であり、xは長い)。」
といふことは、
④(鼻が長くない象がゐる)か、または(鼻が長い、象ではない動物がゐる)。
といふことである。
然るに、
(10)
①  鼻は象が長い。
④(鼻が長くない象がゐる)か、または(鼻が長い、象ではない動物がゐる)。
に於いて、
① と ④ は、「矛盾」する。
従って、
(11)
①  鼻は、象が長い。
④(鼻が長くない象がゐる)か、または(鼻が長い、象ではない動物がゐる)。
に於いて、
① の「否定」は、④ であって、
④ の「否定」は、① である。
従って、
(06)~(11)により、
(12)
① 鼻は象が長い。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「等式」が、成立し、
③ 鼻は象が長い。といふわけではない。⇔
③ ~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
④   ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長x)∨(~象y&鼻xy&長x)}⇔
④ あるxとすべてのyについて(xはyの鼻であって、yは象であって、xは長くない)か、または(yは象ではなく、xはyの鼻であり、xは長い)。
といふ「等式」が、成立し、
① の「否定」は、③ であって、
③ の「否定」は、① である。
然るに、
(13)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
に於いて、
鼻⇒□
象⇒鼻
□⇒象
といふ「置換(Replacement)」を行ふと、
② ∀x∃y{(象xy&鼻y→長x)&(~鼻y&象xy→~長x)}
② すべてのxとあるyについて、xがyの象であって、yが鼻ならば、xは長く、yが鼻ではなく、xがyの象ならば、xは長くない。
といふ「論理式」になる。
然るに、
(14)
② すべてのxとあるyについて、xがyの象であって、yが鼻ならば、xは長く、yが鼻ではなく、xがyの象ならば、xは長くない。
といふことは、
x=象
y=鼻
といふことであって、それ故、
② すべてのxとあるyについて、xがyの象であって、yが鼻ならば、象は長く、yが鼻ではなく、xがyの象ならば、象は長くない
といふことになる。
然るに、
(15)
② 象は鼻長い。
といふ「日本語」は、
② 象は、鼻が長く、鼻以外は長くない
と言ってゐるのであって、
象は長い。
象は長くない。
とは、言っていない。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く。象以外は長くない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「論理式」は、「(本当)」であるが、
② 象は鼻が長い。⇔
② ∀x∃y{(象xy&鼻y→長x)&(~鼻y&象xy→~長x)}
② すべてのxとあるyについて、xがyの象であって、yが鼻ならば、xは長く、yが鼻ではなく、xがyの象ならば、xは長くない。
といふ「論理式」は、「(ウソ)」である。
然るに、
(17)
― 何度も、書いてゐるやうに、―
③ 象は鼻長い。⇔
③ 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
③ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(18)
④ (象は鼻が長い。)といふわけではない。
ではなく、
④ 象は(鼻が長い。)といふわけではない。
であれば、
④ ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
といふ「論理式」に、対応する。
然るに、
(19)
(ⅳ)
1    (1)∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} A
1    (2)   象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  1UE
 3   (3)   象a                             A
13   (4)      ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]  23MPP
13   (5)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   4ド・モルガンの法則
13   (6)       ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   5含意の定義
  7  (7)       ∃y(鼻ya&長y)                 A
137  (8)                  ~∀z(~鼻za→~長z)   78MPP
137  (9)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   8量化子の関係
   ア (ア)                    ~(~鼻ba→~長b)   A
   ア (イ)                     ~(鼻ba∨~長b)   ア含意の定義
   ア (ウ)                      ~鼻ba& 長b    イ、ド・モルガンの法則
   ア (エ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   ウEI
137  (オ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   9アエEE
13   (カ)        ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)   7オCP
1    (キ)   象a→[∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]   3カCP
    ク(ク)   象a& ∃y(鼻ya&長y)                 A
    ク(ケ)   象a                             ク&E
1   ク(コ)       ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)    キケMPP
    ク(サ)       ∃y(鼻ya&長y)                 ク&E
1   ク(シ)                  ∃z(~鼻za& 長z)    コサMPP
1    (ス)   象a& ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)    クシCP
1    (セ)∀x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}   スUI
(ⅴ)
1   (1) ∀x{象x& ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}   A
1   (2)    象a& ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)    1UE
 3  (3)    象a                             A
  4 (4)        ∃y(鼻ya&長y)                 A
 34 (5)    象a& ∃y(鼻ya&長y)                 34&I
134 (6)                   ∃z(~鼻za& 長z)    25MPP
   7(7)                      ~鼻ba& 長b     A
   7(8)                     ~(鼻ba∨~長b)    7ド・モルガンの法則
   7(9)                    ~(~鼻ba→~長b)    8含意の定義
   7(ア)                  ∃z~(~鼻za→~長z)    7EI
134 (イ)                  ∃z~(~鼻za→~長z)    67アEE
134 (ウ)                  ~∀z(~鼻za→~長z)    イ量化子の関係
13  (エ)       ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)    4ウCP
13  (オ)      ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)    エ含意の定義
13  (カ)     ~[∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]   オ、ド・モルガンの法則
1   (キ)   象a→~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)]   3カCP
1   (ク)∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}  キUI
従って、
(19)により、
(20)
④ ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
⑤ ∀x{象x&   ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、すなはち、
④ すべてのxについて、xが象であるならば[あるyがxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない]といふことはない。
⑤ すべてのxについて、xが象であって、あるyがxの鼻であって、長いならば、あるzはxの鼻以外であって、長い。
に於いて、
④=⑤ である。
然るに、
(21)
⑤ すべてのxについて、xが象であって、あるyがxの鼻であって、長いならば、あるzはxの鼻以外であって、長い。
といふことは、
⑤ 象は鼻は長いが、鼻以外(例へば、耳)も長い
といふことである。
従って、
(17)~(21)により、
(22)
④ 象は(鼻が長い。)といふわけではない。⇔
④ ∀x{象x→~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}⇔
⑤ ∀x{象x&   ∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)}  ⇔
⑤ すべてのxについて、xが象であって、あるyがxの鼻であって、長いならば、あるzはxの鼻以外であって、長い。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(01)~(22)により、
(23)
「番号」を付け直すと、
① 象は鼻長い。
② 鼻は象長い。
③ 象は(鼻長い。)といふわけではない。
④ (鼻は象長い。)といふわけではない。
といふ「日本語」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
③ ∀x{象x&∃y(鼻yx&長y)→  ∃z(~鼻zx& 長z)}
④ ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長x)∨(~象y&鼻xy&長x)}
といふ「述語論理式」に、対応する。
然るに、
(24)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
といふ「論理式」は、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「意味」である。
然るに、
(25)
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふことは、
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない
② 鼻は、象は長く、象以外は長くない
といふことである。
従って、
(23)(24)(25)により、
(26)
③ Aは、BがCである。
といふ「日本語」は、いづれにせよ、
③ Aは、BはCであり、B以外はCではない
といふ「意味」である。
然るに、
(27)
日本語には、「象は鼻長い」や「日本は温泉が多い」など、「○○は××が……」のように二重に主語があるように見える文が多くあります。また、主語だけでなく、「この本は、父が買ってくれました」の「この本は」のように「買う」という動詞の目的語が「は」で示されているように見える文もあります。三上章のこの本は、そのような複雑な性質を持つ「…は…が…」の文(後にこの本の題名にちなんで「象鼻文」とよく呼ばれるようになりました)の性質を、助詞「は」の「代行」の性質を使って明確に説明することでわかりやすく解説していくものです。
助詞「は」の代行の性質とは、たとえば、「大根は葉を捨てます」(料理番組)の場合、この「は」は「大根の葉」の「の」の代わり(代行)であるという考え方です。これによって、「象は鼻が長い」も「象の鼻が長いこと」の意味であり、「この本は父が買ってくれた」も「この本を父が買ってくれた」の意味であるという、簡単な説明ができるようになるのです。そして、なぜ代行するのかといいうと、それは、文の《題目》を示すためであるというふうに話が進行し、日本語には主語がなく、《題目》を中核とした言語であるという著者の主張が展開されていきます。日本語の「は」の性格を初めて明確化した著書として、この本は現在の学界でも広く知られています。
現在では三上の主張の、日本語には主語がないという部分については否定的な見解が多くなっていますが、この書で三上が提議した諸問題は、三上の説がそのまま受け入れられている部分が多く、日本語文法研究における「題目」の概念の研究書として第一に上げられるものです。
(象は鼻長い - 青山学院大学 文学部)
然るに、
(28)
述語論理はもともと数学の理論の記述を目的として生まれたもので, どのような数学的内容も記述できることが経験的に知られている. この高い記述能力は数学以外の知識体系にも応用できる可能性を示している. たとえば,計算機プログラミングの基本的形態の一つである「論理プログラミング」 は基本的には述語論理の考え方を応用したものである.計算機科学では 論理プログラミング以外にもさまざまな場面で述語論理やその拡張・変形が 用いられている.
(京都大学、高崎金久)
然るに、
(29)
「大学の先生(国語学者)」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
③ ∀x{象x&∃y(鼻yx&長y)→  ∃z(~鼻zx& 長z)}
④ ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長x)∨(~象y&鼻xy&長x)}
といふ「論理式」が、さうであるところの、「述語論理」には「関心」が無いし、
「大学の先生(数学者・論理学者)」は、
日本語には、「象は鼻長い」や「日本は温泉多い」など、「○○は××……」のように二重に主語があるように見える文が多くあります。
といふ「象鼻文」には、「関心」が無い


(589) 「日本語基礎講座 三上文法入門、65・66頁」

2020-04-17 17:56:14 | 三上文法

(01)
(ⅰ)
1  (1) P→ Q A
 2 (2) P    A
  3(3)   ~Q A
12 (4)    Q 12MPP
123(5) ~Q&Q 34&I
1 3(6)~P    25RAA
1  (7)~Q→~P 36CP
(ⅱ)
1  (1)~Q→~P A
 2 (2)    P A
  3(3)~Q    A
1 3(4)   ~P 13MPP
123(5) P&~P 24&I
12 (6)~~Q   35RAA
12 (7) Q    6DN
1  (8) P→ Q 27CP
従って、
(01)により、
(02)
①  P→ Q
② ~Q→~P
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(02)により、
(03)
①  Q→ P
② ~P→~Q
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
①( P→ Q)&( Q→ P)
②(~Q→~P)&( Q→ P)
③( P→ Q)&(~P→~Q)
④(~Q→~P)&(~P→~Q)
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(04)
(05)
①( 私→ 幹)&( 幹→ 私)
②(~幹→~私)&( 幹→ 私)
③( 私→ 幹)&(~私→~幹)
④(~幹→~私)&(~私→~幹)
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(05)により、
(06)
①( 私ならば 幹事)&( 幹事ならば 私)
②(~幹事ならば~私)&( 幹事ならば 私)
③( 私ならば 幹事)&(~私ならば~幹事)
④(~幹事ならば~私)&(~私ならば~幹事)
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(06)により、
(07)
「番号」を変へると、
②(私は幹事です)&(幹事は私です)。
③(私は幹事です)&(私以外は幹事ではない)。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(08)
無題化というのは、「Ⅹは」の「は」を消すことですから、センテンスの形のままでもできないことはありませんが、センテンスの形では、本当に無題になりきらない場合も起こります。たとえば。
 私は、幹事です。
 私が、幹事です。
のように、「は」を消しても、センテンスの意味は、
 幹事は、私です。
というのに近く、題が文中の別の箇所に移り隠れたにすぎません。つまり、本当には無題化していないわけです。
(山崎紀美子、日本語基礎講座 三上文法入門、2003年、65・66頁)
然るに、
(07)(08)により、
(09)
 私は、幹事です。
 私、幹事です。
のように、「は」を消しても、センテンスの意味は、
 幹事は、私です。
というのに近い。といふことは、
① 私、幹事です。
といふ「日本語の意味」が、
②(私は幹事です)&(幹事は私です)。
③(私は幹事です)&(私以外は幹事ではない)。
といふ「日本語の意味」に、近いといふことであって、尚且つ、
②=③ である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
山崎先生は、
①  私が、幹事です。
②(私は幹事です)&(幹事は私です)。
③(私は幹事です)&(私以外は幹事ではない)。
に於いて、
①=②=③ ではないにしても、
①≒②≒③ である。
と、言ってゐる。
然るに、
(11)
②「私」は
②「私以外にはゐない。」
従って、
(12)
②「幹事は私です。」
と言ふのあれば、必然的に、
③(私は幹事です)&(私以外は幹事ではない)。
といふ、「意味」になる。
然るに、
(13)
③(その場に於いて、)私以外にも幹事がゐる
にも拘らず、
① 私幹事です。
と、言ふことは、有り得ない
従って、
(08)~(13)により、
(14)
実際には、
①  私、幹事です。
②(私は幹事です)&(幹事は私です)。
③(私は幹事です)&(私以外は幹事ではない)。
に於いて、
①≒②≒③ ではなく、
①=②=③ である。
従って、
(08)(14)により、
(15)
ただ単に、
①  私、幹事です。
②(私は幹事です)&(幹事は私です)。
③(私は幹事です)&(私以外は幹事ではない)。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことを、「確認」すれば、良いだけなのであって、
 私が、幹事です。
のように、「は」を消しても、センテンスの意味は、
 幹事は、私です。
というのに近く、題が文中の別の箇所に移り隠れたにすぎません。つまり、本当には無題化していないわけです。
といふ風に、言はなければならない「必要」などは、無いはずである。
(16)
① 象は、鼻が長い。
② 鼻が長い象。
③ 象の長い鼻。
④ 象の鼻が長いコト。
に於いて、
① 象は は、「題」である。
② 象が は、「題」ではない
③ 象の は、「題」ではない
④ 象の は、「題」ではない
従って、
(16)により、
(17)
① 象は、鼻が長い。
に対して、
② 鼻が長い象。
③ 象の長い鼻。
④ 象の鼻が長いコト。
は、「無題」なので、「無題化」である。
として、「そうのやうに、言った」ところで、
「何か、良いことが有るのか。」といふ風に、私は、言ひたい。


(588)「鼻は象が長い」の「否定」の「述語論理」。

2020-04-17 15:28:44 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
― 以前にも、書いたものの、―
(ⅰ)
1     (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} A
1     (2)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 1UE
 3    (3)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a)  A
 3    (4)      鼻ab&象b→長a                 3&E
 3    (5)                  ~象b&鼻ab→~長a   3&E
  6   (6)                           長a   A
  6   (7)                         ~~長a   6DN
 36   (8)                ~(~象b&鼻ab)      57MTT
 36   (9)                  象b∨~鼻ab       8ド・モルガンの法則
   ア  (ア)                  象b            A
   ア  (イ)                ~~象a            アDN
   ア  (ウ)                ~~象a∨~鼻ab       イ∨I
    エ (エ)                     ~鼻ab       A
    エ (オ)                ~~象b∨~鼻ab       エ∨I
 36   (カ)                ~~象b∨~鼻ab       9アウエオ∨E
 36   (キ)                 ~象b→~鼻ab       カ含意の定義
 3    (ク)             長a→(~象b→~鼻ab)      6キCP
     ケ(ケ)             長a& ~象b            A
     ケ(コ)             長a                 ケ&E
 3   ケ(サ)                 ~象b→~鼻ab       クコMPP
     ケ(シ)                 ~象b            ケ&E
 3   ケ(ス)                     ~鼻ab       サシMPP
 3    (セ)              長a&~象b→~鼻ab       ケスCP
 3    (ソ)     (鼻ab&象b→長a)&(長a&~象b→~鼻ab)  4セ&I
 3    (タ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(長a&~象y→~鼻ay)} ソEI
1     (チ)  ∃y{(鼻ay&象b→長a)&(長a&~象y→~鼻ay)} 23タEE
1     (ツ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)} チUI
(ⅱ)
1     (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)} A
1     (2)  ∃y{(鼻ay&象b→長a)&(長a&~象y→~鼻ay)} 1UE
 3    (3)     (鼻ab&象b→長a)&(長a&~象b→~鼻ab)  A
 3    (4)      鼻ab&象b→長a                 3&E
 3    (5)                  長a&~象b→~鼻ab   3&E
  6   (6)                          鼻ab   A
  6   (7)                        ~~鼻ab   6DN
 36   (8)                ~(長a&~象b)       57MTT
 36   (9)                 ~長a∨ 象b        8ド・モルガンの法則
 36   (ア)                  象a∨~長a        9交換法則
   イ  (イ)                  象a            A
   イ  (ウ)                ~~象a            イDN
   イ  (エ)                ~~象a∨~長a        ウ∨I
    オ (オ)                     ~長a        A
    オ (カ)                ~~象a∨~長a        オ∨I
 36   (キ)                ~~象a∨~長a        アイエオカ∨E
 36   (ク)                 ~象a→~長a        キ含意の定義
 3    (ケ)               鼻ab→(~象a→~長a)    6クCP
     コ(コ)              ~象b&鼻ab           A
     コ(サ)                  鼻ab           コ&E
 3   コ(シ)                    ~象a→~長a     ケサMPP
     コ(ス)              ~象b               コ&E
 3   コ(セ)                        ~長a     シスMPP
 3    (ソ)                  ~象b&鼻ab→~長a   コセCP
 3    (タ)     (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a)  4ソ&I
 3    (チ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} タEI
1     (ツ)  ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 23チEE
1     (テ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} ツUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、xが長くて、yが象でないならば、xはyの鼻ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふことは、
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない
といふ「意味」である。
(04)
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(長x&~象y→~鼻xy)}⇔
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、xが長くて、yが象でないならば、xはyの鼻ではない。
といふことは、
② 鼻は象は長く、象以外の動物で、ある部分が長いならば、鼻以外の、例へば、耳が長い。
② 鼻は象は長く、象以外の動物で、ある部分が長いならば、鼻以外の、例へば、顔が長い。
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
{象、兎、馬}を、{変域(ドメイン)}とすると、
① 鼻は象長く、
② 耳は兎長く、
③ 顔は馬長い。
といふ「日本語」は、「正しい」。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 鼻は象長い。⇔
① 鼻は、象は長く、象以外は長くない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなくて、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(07)
― 以前には書かなかったものの、―
(ⅰ)
1    (1)~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} A
1    (2)∃x~∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} 1量化子の関係
1    (3)∃x∀y~{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} 2量化子の関係
 4   (4)  ∀y~{(鼻ay&象y→長a)& (~象y&鼻ay→~長a)} A
 4   (5)    ~{(鼻ab&象b→長a)& (~象b&鼻ab→~長a)} 4UE
 4   (6)     ~(鼻ab&象b→長a)∨~(~象b&鼻ab→~長a)  5ド・モルガンの法則
 4   (7)      (鼻ab&象b→長a)→~(~象b&鼻ab→~長a)  6含意の定義
  8  (8)      (鼻ab&象b→長a)                 A
 48  (9)                  ~(~象b&鼻ab→~長a)  48MPP
 48  (ア)               ~{~(~象b&鼻ab)∨~長a}  9含意の定義
 48  (イ)                  (~象b&鼻ab)& 長a   アド・モルガンの法則
 48  (ウ)                  (~象b&鼻ab&長a)    イ結合法則
 4   (エ)      (鼻ab&象b→長a)→(~象b&鼻ab&長a)    8ウCP
 4   (オ)     ~(鼻ab&象b→長a)∨(~象b&鼻ab&長a)    エ含意の定義
   カ (カ)     ~(鼻ab&象b→長a)                 A
   カ (キ)   ~{~(鼻ab&象b)∨長a)                カ含意の定義
   カ (ク)      (鼻ab&象b)&~長a                キ、ド・モルガンの法則
   カ (ケ)      (鼻ab&象b&~長a)                ク結合法則
   カ (コ)      (鼻ab&象b&~長a)∨(~象b&鼻ab&長a)   ケ∨I
    サ(サ)                   (~象b&鼻ab&長a)   A
    サ(シ)      (鼻ab&象b&~長a)∨(~象b&鼻ab&長a)   サ∨I
 4   (ス)      (鼻ab&象b&~長a)∨(~象b&鼻ab&長a)   オカコサシ∨E
 4   (セ)   ∀y{(鼻ay&象y&~長y)∨(~象y&鼻ay&長a)}  スUI
 4   (ソ) ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長y)∨(~象y&鼻xy&長x)}  セEI
1    (タ) ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長y)∨(~象y&鼻xy&長x)}  34ソEE
(ⅱ)
1    (1) ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長y)∨(~象y&鼻xy&長x)}  A
 2   (2)   ∀y{(鼻ay&象y&~長y)∨(~象y&鼻ay&長a)}  A
 2   (3)      (鼻ab&象b&~長b)∨(~象b&鼻ab&長a)   2UE
  4  (4)      (鼻ab&象b&~長b)                A
  4  (5)      (鼻ab&象b)&~長b                4結合法則
  4  (6)   ~~{(鼻ab&象b)&~長b}               5DN
  4  (7)   ~{~(鼻ab&象b)∨ 長b}               6ド・モルガンの法則
  4  (8)     ~(鼻ab&象b→長b)                 7含意の定義
  4  (9)     ~(鼻ab&象b→長b)∨~(~象b&鼻ab→~長a)  8∨I
   ア (ア)                   (~象b&鼻ab &長a)  A
   ア (イ)                   (~象b&鼻ab)&長a   ア結合法則
   ア (ウ)                ~~{(~象b&鼻ab)&長a}  イDN
   ア (エ)                ~{~(象b&鼻ab)∨~長a}  ウ、ド・モルガンの法則
   ア (カ)                  ~(象b&鼻ab →~長a)  エ、含意の定義
   ア (キ)     ~(鼻ab&象b→長b)∨~(~象b&鼻ab→~長a)  カ∨I
 2   (ク)     ~(鼻ab&象b→長b)∨~(~象b&鼻ab→~長a)  349アキ∨E
 2   (ケ)    ~{(鼻ab&象b→長a)& (~象b&鼻ab→~長a)} ク、ド・モルガンの法則
 2   (コ)  ∀y~{(鼻ay&象y→長a)& (~象y&鼻ay→~長a)} ケUI
 2   (サ)  ~∃y{(鼻ay&象y→長a)& (~象y&鼻ay→~長a)} コ量化子の関係
 2   (シ)∃x~∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} サUI
 2   (ス)~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻xy→~長x)} シ量化子の関係
1    (セ)~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)& (~象y&鼻ay→~長x)} 12スEE
従って、
(07)により、
(08)
① ~∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
②   ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長x)∨(~象y&鼻xy&長x)}
に於いて、すなはち、
①「すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。」といふわけではない。
②「あるxとすべてのyについて(xはyの鼻であって、yは象であって、xは長くない)か、または(yは象ではなく、xはyの鼻であり、xは長い。」
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
②「あるxとすべてのyについて(xはyの鼻であって、yは象であって、xは長くない)か、または(yは象ではなくて、xはyの鼻であり、xは長い)。」
といふことは、
②(鼻が長くない象がゐる)か、または(鼻が長い、象ではない動物がゐる)。
といふことである。
然るに、
(10)
①  鼻は、象長い。
②(鼻が長くない象がゐる)か、または(鼻が長い象ではない動物がゐる)。
に於いて、
① と ② は「矛盾」する。
従って、
(10)により、
(11)
①  鼻は、象長い。
②(鼻が長くない象がゐる)か、または(鼻が長い象ではない動物がゐる)。
に於いて、
① の「否定」は、② であって、
② の「否定」は、① である。
従って、
(06)(11)により、
(12)
① 鼻は象長い。⇔
① 鼻は、象は長く、象以外は長くない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「等式」が、成立し、
② 鼻は象長い。といふわけでない。⇔
② 鼻は、象は長く、象以外は長くないといふわけではない。⇔
② ∃x∀y{(鼻xy&象y&~長x)∨(~象y&鼻xy&長x)}⇔
② あるxとすべてのyについて(xはyの鼻であって、yは象であって、xは長くない)か、または(yは象ではなくて、xはyの鼻であり、xは長い)。
といふ「等式」が、成立する。


(587)「象は鼻が長い」の「述語論理」の「説明」(Ⅱ)。

2020-04-16 19:20:15 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
「昨日(令和02年04月15日)の記事」に於ける、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふことは、
① 象はは長く、鼻以外は長くない。
といふ、「意味」である。
となっていたのは、もちろん、
① 象はは長く、鼻以外は長くない。
は、「マチガイ」です。
(02)
① ∀z(~鼻zx→~長z)
② ∀z( 長z→ 鼻zx)
③ ~∃z(~鼻zx&長z)
に於いて、
①=②=③ であるため、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z( 長z→ 鼻zx)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
に於いて、
①=②=③ であるものの、
① と「等値(同じ)」である「論理式」は、他にも有ります。
(03)
① ∀z(~鼻zx→~長z)
② ∀z( 長z→ 鼻zx)
③ ~∃z(~鼻zx&長z)
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」であるので、
①=② は、「当然」です。
(04)
②  ∀z(長z→ 鼻zx)
③ ~∃z(~鼻zx&長z)
に於いて、
②=③ であることも、この時点で既に、「当然」ではあるものの、「証明」は、次のやうになります。
(05)
(ⅱ)
1  (1) ∀z(長z→ 鼻zx) A
1  (2)    長a→ 鼻ax  1UE
 3 (3) ∃z(~鼻zx&長z) A
  4(4)    ~鼻ax&長a  A
  4(5)         長a  4&E
1 4(6)        鼻ax  25MPP
  4(7)    ~鼻ax     4&E
1 4(8)   鼻ax&~鼻ax  67&I
13 (9)   鼻ax&~鼻ax  348EE
1  (ア)~∃z(~鼻zx&長z) 39RAA
(ⅲ)
1  (1)~∃z(~鼻zx&長z)  A
1  (2)∀z~(~鼻zx&長z)  1量化子の関係
1  (3)  ~(~鼻ax&長a)  1UE
 4 (4)         長a   A
  5(5)    ~鼻ax      A
 45(6)    ~鼻ax&長a   45&I
145(7)  ~(~鼻ax&長a)&
         (~鼻ax&長a)  36&I
14 (8)   ~~鼻ax      57RAA
14 (9)     鼻ax      8DN
1  (ア)     長a→ 鼻ax  49CP
1  (イ)  ∀z(長z→ 鼻zx) アUI
従って、
(05)により、
(06)
②  ∀z(長z→ 鼻zx)
③ ~∃z(~鼻zx&長z)
に於いて、
② ならば、③ であり、
③ ならば、② である。
従って、
(06)により、
(07)
②  ∀z(長x→ 鼻zx)
③ ~∃z(~鼻zx&長z)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(07)により、
(08)
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z( 長z→ 鼻zx)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(09)
(05)に於いて、
(ⅱ)
1  (1)~∃z(~鼻zx&長z)  A
1  (2)∀z~(~鼻zx&長z)  1量化子の関係
である。といふことは、
③ ~∃z(~鼻zx&長z) 
④ ∀z~(~鼻zx&長z)
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(10)
(ⅱ)
1 (1)~∃z(~鼻zx&長z)  A
 2(2)    ~鼻ax&長a   A
 2(3) ∃z(~鼻zx&長z)  2EI
12(4)~∃z(~鼻zx&長z)&
      ∃z(~鼻zx&長z)  13&I
1 (5)  ~(~鼻ax&長a)  24RAA
1 (6)∀z~(~鼻zx&長z)  5UI
(ⅲ)
1  (1)∀z~(~鼻zx&長z)  A
1  (2)  ~(~鼻ax&長a)  1UE
 3 (3) ∃z(~鼻zx&長z)  A
  4(4)    ~鼻ax&長a   A
1 4(5)  ~(~鼻ax&長a)&
         (~鼻ax&長a)  24&I
13 (6)  ~(~鼻ax&長a)&
         (~鼻ax&長a)  345EE
1  (7)~∃z(~鼻zx&長z)  36RAA
従って、
(10)により、
(11)
③ ~∃z(~鼻zx&長z) 
④ ∀z~(~鼻zx&長z)
に於いて、
③ ならば、④ であり、
④ ならば、③ である。
従って、
(11)により、
(12)
③ ~∃z(~鼻zx&長z) 
④ ∀z~(~鼻zx&長z)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(02)~(12)により、
(13)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、xの鼻ではなくて、長いzは、存在しない}。
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(14)
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、xの鼻ではなくて、長いzは、存在しない}。
といふことは、
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
③ 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふことである。
然るに、
(15)
① 鼻以外は長くない
といふのであれば、
② 長いならば、鼻以外ではない
然るに、
(16)
① 長いならば、鼻以外ではない
といふことは、
② 長いならば、鼻である。
といふことである。
従って、
(15)(16)により、
(17)
① 鼻以外は長くない
の「対偶(Contraposition)」は、
② 長いならば鼻である。
でなければ、ならない。
cf.
(ⅰ)
1 (1)∀z(~鼻zx→~長z) A 
1 (2)   ~鼻ax→~長a  1UE
 3(3)         長a  A
 3(4)       ~~長a  3DN
13(5)  ~~鼻ax      24MTT
13(6)    鼻ax      5DN
1 (7)    長a→ 鼻ax  36CP
1 (8)∀z( 長z→ 鼻zx) 7UI
(ⅱ)
1 (1)∀z( 長x→ 鼻zx) A
1 (2)    長a→ 鼻ax  1UE
 3(3)       ~鼻ax  A
13(4)   ~長a       23MTT
1 (5)   ~鼻ax→~長a  34CP
1 (6)∀z(~鼻zx→~長z) 5UI
従って、
(14)~(17)により、
(18)
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
② 象は鼻は長く、長いならば鼻である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(18)により、
(19)
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
② 象は鼻は長く、長いのは鼻である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(19)により、
(20)
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
② 象は鼻は長く、長いのは鼻である。
に於いて、
  象=タゴール記念会
  鼻=私
長いの=理事長
といふ「代入(Substituition)」を行ふと、
① タゴール記念会は、私は理事長であり、私以外は理事長ではない
② タゴール記念会は、私は理事長であり、理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(21)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(20)(21)により、
(22)
「番号」を付け直すと、
① タゴール記念会は、私理事長です。
② タゴール記念会は、私は理事長であり、理事長は私です。
③ タゴール記念会は、私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(20)(21)(22)により、
(23)
① 象は鼻長い。
② 象は鼻は長く、長いのは鼻である。
③ 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(15)~(23)により、
(24)
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
かどうかは、別にして、
理事長は私です。
の「対偶(Contraposition)」が、
③ 私以外は理事長ではない
である。といふことに、気付いてゐれば、その時点で、三上章先生は、
① タゴール記念会は、私理事長です。
② タゴール記念会は、私は理事長であり、理事長は私です。
③ タゴール記念会は、私は理事長であり、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
といふことに、気付くことが、出来たことになる。
従って、
(23)(24)により、
(25)
② 理事長は私です。
の「対偶(Contraposition)」が、
③ 私以外は理事長ではない。
である。といふことに、気付いてゐなかったが故に、三上章先生は、
① 象は鼻長い。
② 象は鼻は長く、長いのは鼻である。
③ 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
に於いて、
①=②=③ である。
といふことに、気付けなかった
然るに、
(26)
沢田充茂の『現代論理学入門』(一九六ニ年)には楽しい解説が載っています。
・・・・・・たとえば「象は鼻が長い」というような表現は、象が主語なのか、鼻が主語なのかはっきりしないから、このままではその論理的構造が明示されていない。いわば非論理的な文章である、というひともある。しかしこの文の論理的な構造をはっきりと文章にあらわして「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」といえば・・・・・・たとえば動物園で象をはじめて見た小学生が、父親にむかってこのような文章で話しかけたとすれば、その子供は論理的であるといって感心されるまえに社会人としての常識をうたがわれるにきまっている。常識(すなはち共通にもっている情報)でわかっているものはいちいち言明の中にいれないで、いわば暗黙の了解事項として、省略し、できるだけ短い記号の組み合せで、できるだけ多くの情報を伝えることが日常言語の合理性の一つである。・・・・・・
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214頁)
然るに、
(27)
「象は鼻長い」といふ「日本語」が、
すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い
といふ「意味」であるならば、
① 象は鼻長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長い}。
であって、
① 象は鼻長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
ではない。
然るに、
(28)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}          A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(象x&兎x)                               A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)           1UE
 2    (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   象a&兎a                                A
   6  (7)   兎a                                   6&E
   6  (8)      兎a                                6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)           47MPP
 2 6  (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za)  58MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)                        9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                         A
1  6  (エ)                 ∀z(~鼻za→~長z)           9&E
1  6  (オ)                    ~鼻ba→~長b            エUE
 2 6  (カ)      ∃y(耳ya&長y)                        ア&E
     キ(キ)         耳ba&長b                         A
 2 6  (ク)                 ∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ケ)                    ~耳ba→~長b&耳ba→~鼻ba   クUE
 2 6  (コ)                             耳ba→~鼻ba   ケ&E
     キ(サ)         耳ba                            キ&E
 2 6 キ(シ)                                 ~鼻ba   コサMPP
12 6 キ(ス)                         ~長b            オシMPP
    ウ (セ)             長b                         ウ&E
12 6ウキ(ソ)             長b&~長b                     シス&I 
12 6ウ (タ)             長b&~長b                     カキソEE 
12 6  (チ)             長b&~長b                     イウタEE
123   (ツ)             長b&~長b                     36チEE
12    (テ)~∃x(象x&兎x)                              3ツRAA
12    (ト)∀x~(象x&兎x)                              テ量化子の関係
12    (ナ)  ~(象a&兎a)                              トUE
12    (ニ)  ~象a∨~兎a                               ナ、ド・モルガンの法則
12    (ヌ)  ~兎a∨~象a                               ニ交換法則
12    (ネ)   兎a→~象a                               ヌ含意の定義
12    (ノ)∀x(兎x→~象x)                              ネUI
12    (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。            ネUI
12    (〃)兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。                ネUI
といふ「証明」に於いて、
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}          A
ではなく、
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}                       A
であるとすると、
(29)
1  6  (エ)                 ∀z(~鼻za→~長z)           9&E
1  6  (オ)                    ~鼻ba→~長b            エUE
 2 6 キ(シ)                                 ~鼻ba   コサMPP
12 6 キ(ス)                         ~長b            オシMPP
といふ「計算が出来なくなり、それ故、
12 6ウキ(ソ)             長b&~長b                     シス&I 
12 6ウ (タ)             長b&~長b                     カキソEE 
12 6  (チ)             長b&~長b                     イウタEE
123   (ツ)             長b&~長b                     36チEE
12    (テ)~∃x(象x&兎x)                              3ツRAA
といふ「計算も出来なくなり、それ故、
12    (ト)∀x~(象x&兎x)                              テ量化子の関係
12    (ナ)  ~(象a&兎a)                              トUE
12    (ニ)  ~象a∨~兎a                               ナ、ド・モルガンの法則
12    (ヌ)  ~兎a∨~象a                               ニ交換法則
12    (ネ)   兎a→~象a                               ヌ含意の定義
12    (ノ)∀x(兎x→~象x)                              ネUI
12    (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。            ネUI
12    (〃)兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。                ネUI
といふ「計算も出来ない
従って、
(26)~(29)により、
(30)
「象は鼻長い」といふ「日本語」は、
すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い
といふ「意味」ではない
従って、
(26)(30)により、
(31)
「沢田充茂の『現代論理学入門』(一九六ニ年)には楽しい解説」は、「象は鼻長い」といふ「日本語」に対しては、「正しい解説」には、なってゐない。
然るに、
(32)
いづれにせよ、
① 象は鼻長い。然るに、
② 兎は耳長い。従って、
③ 象は兎でない。
といふ「推論(証明)」は、「明らかに妥当」である。
従って、
(02)~(32)により、
(33)
① 象は鼻長い。然るに、
② 兎は耳長い。従って、
③ 象は兎でない。
といふ「推論(証明)」を、「妥当」である。
とする一方で
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「等式」を、「否定」すること、出来ない
(34)
本書第二章は、『象は鼻が長い』の一章と二章を要約して掲載してあります(山崎紀美子、日本語基礎講座 三上文法入門、2003年、12頁)。
とあるものの、私は、それを読むと、「大変、イライラする」。


(586)「象は鼻が長い」の「述語論理」の「説明」。

2020-04-15 19:00:15 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
既に、何度も示してゐる、以下の「証明」を、「証明(1)」とする。
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}          A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(象x&兎x)                               A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)           1UE
 2    (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   象a&兎a                                A
   6  (7)   兎a                                   6&E
   6  (8)      兎a                                6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)           47MPP
 2 6  (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za)  58MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)                        9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                         A
1  6  (エ)                 ∀z(~鼻za→~長z)           9&E
1  6  (オ)                    ~鼻ba→~長b            エUE
 2 6  (カ)      ∃y(耳ya&長y)                        ア&E
     キ(キ)         耳ba&長b                         A
 2 6  (ク)                 ∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ケ)                    ~耳ba→~長b&耳ba→~鼻ba   クUE
 2 6  (コ)                             耳ba→~鼻ba   ケ&E
     キ(サ)         耳ba                            キ&E
 2 6 キ(シ)                                 ~鼻ba   コサMPP
12 6 キ(ス)                         ~長b            オシMPP
    ウ (セ)             長b                         ウ&E
12 6ウキ(ソ)             長b&~長b                     シス&I 
12 6ウ (タ)             長b&~長b                     カキソEE 
12 6  (チ)             長b&~長b                     イウタEE
123   (ツ)             長b&~長b                     36チEE
12    (テ)~∃x(象x&兎x)                              3ツRAA
12    (ト)∀x~(象x&兎x)                              テ量化子の関係
12    (ナ)  ~(象a&兎a)                              トUE
12    (ニ)  ~象a∨~兎a                               ナ、ド・モルガンの法則
12    (ヌ)  ~兎a∨~象a                               ニ交換法則
12    (ネ)   兎a→~象a                               ヌ含意の定義
12    (ノ)∀x(兎x→~象x)                              ネUI
12    (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。            ネUI
12    (〃)兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。                ネUI
(02)
「証明(1)」の「要点」は、
(Ⅰ)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}          A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(象x&兎x)                               A
といふ「3つの命題」を、「3つ」とも「真」であると「仮定」すると、
12 6ウキ(ソ)             長b&~長b                     シス&I 
といふ「矛盾」が「生じる」ため、
  3   (3)∃x(象x&兎x)                               A
といふ「命題」は、「背理法(RAA)」によって、「偽」であるとされ、「仮定」から「除かれる」。
従って、
(Ⅰ)により、
(Ⅱ)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}          A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)} A
といふ「2つ」を、「真」であるとする限り、
  3   (3)∃x(象x&兎x)                               A
といふ「命題」に関しては、「その否定」である、
12    (テ)~∃x(象x&兎x)                              3ツRAA
が「真」になる。
然るに、
(Ⅲ)
12    (テ)~∃x(象x&兎x)                              3ツRAA
は、「量化子の関係」により、
12    (ノ)∀x(兎x→~象x)                              ネUI
に「等しい」。
従って、
(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)により、
(Ⅳ)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}          A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)} A
といふ「2つの命題」から、
12    (ノ)∀x(兎x→~象x)                              ネUI
といふ「1つの命題」が、「演繹」される。
然るに、
(Ⅴ)
12    (ノ)∀x(兎x→~象x)                              ネUI
といふ「命題」は、
12    (ノ)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。            ネUI
12    (〃)兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。                ネUI
といふ「意味」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
③ 兎は象ではない。
といふ「当り前」のことが、「真(本当)」であるためには、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「命題」も、「真(本当)」でなければ、ならない。
然るに、
(04)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふことは、
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
といふ、「意味」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 象は鼻長い。然るに、
② 兎は耳長い。従って、
③ 象は兎でない。
といふ「三段論法」が「妥当」であるためには、
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「等式」を、「必要」とする。
然るに、
(06)
普通」は、
① 象は鼻長い。然るに、
② 兎は耳長い。従って、
③ 象は兎でない。
と言ふのであって、
① 象は鼻長い。然るに、
② 兎は耳長い。従って、
③ 象は兎でない。
とは、言はない
従って、
(05)(06)により、
(07)
① 象は鼻長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(06)(07)により、
(08)
6 象は鼻長い(「Ⅹの」代行)
「象の鼻」「京都の秋」「A君の近所」などのように、「Ⅹのx」という形の語句を含むコトが、「Ⅹ」(象、京都、A君)の性質や消息を表す場合には、その「Ⅹ」を題として取り立てることができます。
(山崎紀美子、日本語基礎講座 三上文法入門、2003年、88頁)
といふことが、「本当であらうと、ウソであらうと」、
普通」は、
① 象は鼻長い。然るに、
② 兎は耳長い。従って、
③ 象は兎でない。
と言ふのであって、
① 象は鼻長い。然るに、
② 兎は耳長い。従って、
③ 象は兎でない。
とは、言はない
といふことを、「認める」のであれば、その人は、それと「同時」に、
① 象は鼻長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「等式も、認めざるを得ないのであって、さうでなければ、その人は、「述語論理」を、「学ぶ」ことは出来ても、「述語論理」を、「理解することが出来ない人である
といふことになる。
然るに、
(09)
その一方で、私自身は、
6 象は鼻長い(「Ⅹの」代行)
「象の鼻」「京都の秋」「A君の近所」などのように、「Ⅹのx」という形の語句を含むコトが、「Ⅹ」(象、京都、A君)の性質や消息を表す場合には、その「Ⅹ」を題として取り立てることができます。
「Ⅹのx」から無条件に「Ⅹは」が作られるものではありませんが、それでも「Ⅹの」を代行する「Ⅹは」はずいぶんとたくさんあります。
 象の鼻が長くあるコト
 象は、鼻が長いなあ!
(山崎紀美子、日本語基礎講座 三上文法入門、2003年、88頁)
といふ「説明」を、何度読んでも、「全く理解出来ない
(10)
① 象は動物である。⇔
① ∀x(象x→動物x)⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物である。
といふ「命題」の、
① 動物x
に対して、
① ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)
を、「代入(Substitute)」した「形」が、
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「命題」である。
従って、
(10)により、
(11)
「述語論理(Predicate logic)」といふ「観点」からすれば、
① 象は動物である。⇔ ∀x(象x→動物x)
② 象は鼻が長い。 ⇔ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於ける、
①「象」と、
②「象」は、「完全に同じ」である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
①「象」といふ「日本語」は、
①「すべてのxについて、xが象であるならば、」
といふ「意味」である。
然るに、
(13)
「Ⅹは」は、すでに言ったように、「Ⅹについて言へば」というほどの切り出しであって、「Ⅹ」を題として提示しているのです。
然るに、
(14)
①「すべてのxについて、xが象であるならば、」といふことは、
①「すべてのxが象であるとして、xについて言へば、」といふことである。
従って、
(10)(13)(14)により、
(15)
① 象は動物である。⇔
① ∀x(象x→動物x)⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物である。
といふ「命題」であっても、
「Ⅹは」は「Ⅹについて言へば」といふ「意味」を含んでゐる。
しかしながら、
(16)
だからと言って、
主語」といふ「分り易い言葉」を、
「Ⅹの」を代行する「Ⅹは」は「題」である。
といふ「分りにくい言ひ方」に「置き換へ」る「必要」があるのか、そのことが、私には、分からない。


(585)「STAP細胞は有ります!!」の「~は」について。

2020-04-13 11:54:20 | 「は」と「が」

(01)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(01)により、
(02)
① 私理事長です。
理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1  (1)∀x( 理事長x→ 私x) A
1  (2)    理事長a→ 私a  1UE
 3 (3)         ~私a  A
  4(4)    理事長a      A
1 4(5)          私a  24MPP
134(6)      ~私a&私a  35&I
13 (7)   ~理事長a      46RAA
1  (8)   ~私a→~理事長a  37CP
1  (9)∀x(~私x→~理事長a) 8UI
1  (〃)すべてのxについて、xが私でないならば、xは理事長ではない。8UI
(ⅲ)
1  (1)∀x(~私x→~理事長a) A
1  (2)   ~私a→~理事長a  1UE
 3 (3)        理事長a  A
 3 (4)      ~~理事長a  3DN
13 (5)  ~~私a        24MTT
13 (6)    私a        5DN
1  (7)    理事長a→ 私a  46MTT
1  (8)∀x( 理事長x→ 私x) 7UI
1  (〃)すべてのxについて、xが理事長であるならば、xは私である。7UI
従って、
(03)により、
(04)
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 私理事長です。
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
① STAP細胞有ります。
② STAP細胞以外無い
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)
(ⅱ)
1 (1)~∃x(~STAP細胞x)  A
 2(2)    ~STAP細胞a   A
 2(3) ∃x(~STAP細胞x)  2EI
12(4)~∃x(~STAP細胞x)&
      ∃x(~STAP細胞x)  13&I
1 (5)   ~~STAP細胞a   24RAA
1 (6)     STAP細胞a   5DN
1 (7) ∀x( STAP細胞x)  6UI
1 (〃)すべてはSTAP細胞である。 6UI
(ⅲ)
1  (1) ∀x( STAP細胞x) A
 2 (2) ∃x(~STAP細胞x) A
1  (3)     STAP細胞a  1UE
  4(4)    ~STAP細胞a  A
1 4(5)     STAP細胞a&
          ~STAP細胞a  24&I
  4(6)~∀x( STAP細胞x) 15RAA
 2 (7)~∀x( STAP細胞x) 246EE  
12 (8) ∀x( STAP細胞x)&
      ~∀x( STAP細胞x) 17&I
1  (9)~∃x(~STAP細胞x) 28RAA
1  (〃)STAP細胞以外は存在しない。28RAA
従って、
(07)により、
(08)
② STAP細胞以外無い
すべてはSTAP細胞である。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(06)(08)により、
(09)
① STAP細胞有ります。
② STAP細胞以外無い
すべてはSTAP細胞である。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(10)
① STAP細胞有ります。
② STAP細胞以外無い
すべてはSTAP細胞である。
といふ「命題」は、
③(今、顕微鏡を覗くと、)すべてはSTAP細胞である。
といふやうな「場合」にしか、「真(本当)」には、なり得ない。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① STAP細胞有ります。
② STAP細胞以外無い
すべてはSTAP細胞である。
といふ「命題」は、
①(今といふ特定の時間に、顕微鏡の中といふ特定の場所に)STAP細胞が有ります。
②(今といふ特定の時間に、顕微鏡の中といふ特定の場所に)STAP細胞以外は無い。
③(今といふ特定の時間に、顕微鏡の中といふ特定の場所の)すべてはSTAP細胞である。
といふ「場合」にしか、(本当)」には、なり得ない
然るに、
(12)
2014年に、記者会見の場で、小保方さんが、
④ STAP細胞( )あります!!
と言ったのは、
④(時間場所特定せずに)STAP細胞( )あります!!
といふ「意味」である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
2014年の、記者会見の場で、小保方さんは、
① STAP細胞有ります!!
とは、「言ひ得ない」し、
⑤ STAP細胞有ります!!
とは、「言ひ得ない」。
(14)
⑤ STAP細胞有ります!!
と言ふならば、
⑤ STAP細胞の他に、何が有るのか
といふ風に「質問」されるであらうし、あの場面での小保方さんは、
⑤ STAP細胞以外については、何も語ってゐない。
従って、
(15)
(ⅰ)STAP細胞は有ります。
(ⅱ)STAP細胞が有ります。
(ⅲ)STAP細胞も有ります。
といふ「3択」に於いて、
(ⅱ)と(ⅲ)を「選択」することは、有り得ない
従って、
(01)~(15)により、
(16)
2014年の、記者会見の場での、小保方さんは、必然的に、
④ STAP細胞有ります!!
と、言ふことになる。


(584)「この学校は、鈴木先生が校長です」の「~が」について。

2020-04-12 18:26:14 | 「は」と「が」

(01)
「普通」は、
① この学校は、鈴木先生校長です。
と言ふのであって、
① この学校は、鈴木先生は校長です。
とは、言はない
然るに、
(02)
1     (1)∀x{この学校の先生x→∃y[鈴木y&校長yx&∀z(校長zx→y=z)]} A
1     (2)   この学校の先生a→∃y[鈴木y&校長ya&∀z(校長za→y=z)]  1UE
 3    (3)   この学校の先生a                            A
13    (4)            ∃y[鈴木y&校長ya&∀z(校長za→y=z)]  34MPP
  5   (5)               鈴木b&校長ba&∀z(校長za→b=z)   A
  5   (6)               鈴木b&校長ba                5&E
  5   (7)                        ∀z(校長za→b=z)   5&E
  5   (8)                           校長ca→b=c    7UE
   9  (9)         ∃z(佐藤z&~鈴木z)                    A
    ア (ア)            佐藤c&~鈴木c                     A
    ア (イ)            佐藤c                          ア&E
    ア (ウ)                ~鈴木c                     ア&E
     エ(エ)                   b=c                   A
    アエ(オ)              ~鈴木b                     ウエ=E
  5   (カ)               鈴木b                     6&E
  5 アエ(キ)              ~鈴木b&鈴木b                 オカ&I
  5 ア (ク)                 b≠c                   エキRAA
  5 ア (ケ)                          ~校長ca        8クMTT
  5 ア (コ)        佐藤c&~校長ca                      イケ&I
  5 ア (サ)     ∃z(佐藤z&~校長za)                     コEI
  59  (シ)     ∃z(佐藤z&~校長za)                     9アサEE
13 9  (ス)     ∃z(佐藤z&~校長za)                     45シEE
1  9  (セ)   この学校の先生a→∃z(佐藤z&~校長za)              3スCP
1  9  (シ)∀x{この学校の先生x→∃z(佐藤z&~校長zx)}             セUI
1  9  (〃)この学校は、佐藤先生は、校長ではない。                    セUI
従って、
(03)
(1)∀x{この学校の先生x→∃y[鈴木y&校長yx&∀z(校長zx→y=z)]}。然るに、
(9)∃z(佐藤z&~鈴木z)。従って、
(シ)∀x{この学校の先生x→∃z(佐藤z&~校長zx)}。
といふ「推論」、すなはち、
(1)すべてのxについて、xがこの学校の先生であるならば、あるyは、鈴木であって、その上、xの校長であって、すべてのzについて、zがxの校長であるならば、yとzは「同一」である。然るに、
(9)あるzは佐藤であって、zは鈴木ではない。従って、
(シ)すべてのxについて、xがこの学校の先生であるならば、あるzは佐藤氏であって、zはxの校長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
(1)この学校は、鈴木先生校長です。 然るに、
(9)佐藤先生は、鈴木先生ではない。 従って、
(シ)この学校の校長は、佐藤先生ではない。
といふ「推論」は、「日本語」としても、「述語論理」としても、「妥当」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① この学校は、鈴木先生校長です。⇔
① ∀x{この学校の先生x→∃y[鈴木y&校長yx&∀z(校長zx→y=z)]}⇔
① すべてのxについて、xがこの学校の先生であるならば、あるyは、鈴木であって、その上、xの校長であって、すべてのzについて、zがxの校長であるならば、yとzは「同一」である。
といふ「等式」が成立する。
然るに、
(06)
① ∀x{この学校の先生x→∃y[鈴木y&校長yx&∀z(校長zx→y=z)]}⇔
① すべてのxについて、xがこの学校の先生であるならば、あるyは、鈴木であって、その上、xの校長であって、すべてのzについて、zがxの校長であるならば、yとzは「同一」である。
といふことは、
② この学校の校長は、鈴木先生であって、鈴木先生以外は、校長ではない
といふことである。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① この学校は、鈴木先生校長です。
② この学校の校長は、鈴木先生であって、鈴木先生以外は、校長ではない
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)により、
(08)
① この学校は、鈴木先生校長です。
② この学校は、鈴木先生は校長であり、鈴木先生以外は校長ではない
に於いて、
①=② である。
従って、
(08)により、
(09)
① 鈴木先生校長です。
② 鈴木先生は校長であり、鈴木先生以外は校長ではない
に於いて、
①=② である。
然るに、
(10)
① 鈴木先生校長である。ならば、
① 鈴木先生は校長である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
③ 鈴木先生は校長です。
と言はずに、
① 鈴木先生校長です。
と言ふのであれば、
② 鈴木先生以外は校長ではない
といふ風に、「言ふ必要」が有ることになる。
然るに、
(12)
助詞の「は」と「が」を使い分ける方法の説明として、今までになされてきたものを野田尚史が五つに分類してまとめている。
(1)新情報か旧情報かによって使い分ける方法。
  会話の中や文脈で、主格となる名詞が未知(=新情報)の場合は「が」を使って表し、既知(=旧情報)の場合は「は」を使って表すという基準である。
 ・鈴木さんは校長です。(「鈴木さん」のことは「知」なので、「は」を付けて表す)
 ・鈴木さんが校長です。( 校長が誰であるのか、「知」なので、「鈴木さん」に「」を付けて表す)
(は」と「が」の使い分け | 日本語教育能力検定試験用語検索)
従って、
(11)(12)により、
(13)
 ・鈴木さんは校長です。(「鈴木さん」のことは「既知」なので、「は」を付けて表す)
 ・鈴木さんが校長です。( 校長が誰であるのか、「未知」なので、「鈴木さん」に「が」を付けて表す)
といふ「説明」は、
 ・鈴木さんは校長です。(「鈴木先生以外は校長ではない。」といふことを、敢へて、言ふ必要がないので「は」を付けて表す)
 ・鈴木さんが校長です。(「鈴木先生以外は校長ではない。」といふことを、言ふ必要があるので、「が」を付けて表す)
といふ「説明」に、変へることが、出来る。
然るに、
(14)
 ・鈴木さんは校長です。(「鈴木さん」のことは「既知」なので、「は」を付けて表す)
 ・鈴木さんが校長です。( 校長が誰であるのか、「未知」なので、「鈴木さん」に「が」を付けて表す)
といふ「説明」では、
1     (1)∀x{この学校の先生x→∃y[鈴木y&校長yx&∀z(校長zx→y=z)]} A
1     (2)   この学校の先生a→∃y[鈴木y&校長ya&∀z(校長za→y=z)]  1UE
 3    (3)   この学校の先生a                            A
13    (4)            ∃y[鈴木y&校長ya&∀z(校長za→y=z)]  34MPP
  5   (5)               鈴木b&校長ba&∀z(校長za→b=z)   A
  5   (6)               鈴木b&校長ba                5&E
  5   (7)                        ∀z(校長za→b=z)   5&E
  5   (8)                           校長ca→b=c    7UE
   9  (9)         ∃z(佐藤z&~鈴木z)                    A
    ア (ア)            佐藤c&~鈴木c                     A
    ア (イ)            佐藤c                          ア&E
    ア (ウ)                ~鈴木c                     ア&E
     エ(エ)                   b=c                   A
    アエ(オ)              ~鈴木b                     ウエ=E
  5   (カ)               鈴木b                     6&E
  5 アエ(キ)              ~鈴木b&鈴木b                 オカ&I
  5 ア (ク)                 b≠c                   エキRAA
  5 ア (ケ)                          ~校長ca        8クMTT
  5 ア (コ)        佐藤c&~校長ca                      イケ&I
  5 ア (サ)     ∃z(佐藤z&~校長za)                     コEI
  59  (シ)     ∃z(佐藤z&~校長za)                     9アサEE
13 9  (ス)     ∃z(佐藤z&~校長za)                     45シEE
1  9  (セ)   この学校の先生a→∃z(佐藤z&~校長za)              3スCP
1  9  (シ)∀x{この学校の先生x→∃z(佐藤z&~校長zx)}             セUI
1  9  (〃)この学校は、佐藤先生は、校長ではない。                    セUI
といふ「計算」の「妥当性」を、「説明」出来ない。
従って、
(04)(14)により、
(15)
 ・鈴木さんは校長です。(「鈴木さん」のことは「既知」なので、「は」を付けて表す)
 ・鈴木さんが校長です。( 校長が誰であるのか、「未知」なので、「鈴木さん」に「が」を付けて表す)
といふ「説明」は、
(1)この学校は、鈴木先生校長です。 然るに、
(9)佐藤先生は、鈴木先生ではない。 従って、
(シ)この学校の校長は、佐藤先生ではない。
といふ「推論」の「妥当性」を、「説明」出来ない。
従って、
(15)により、
(16)
 ・鈴木さんは校長です。(「鈴木さん」のことは「知」なので、「は」を付けて表す)
 ・鈴木さん校長です。( 校長が誰であるのか、「知」なので、「鈴木さん」に「」を付けて表す)
といふ「説明」は、
① この学校は、鈴木先生校長です。⇔
① ∀x{この学校の先生x→∃y[鈴木y&校長yx&∀z(校長zx→y=z)]}⇔
① すべてのxについて、xがこの学校の先生であるならば、あるyは、鈴木であって、その上、xの校長であって、すべてのzについて、zがxの校長であるならば、yとzは「同一」である。
といふ「等式」を、「理解」する上での、「妨げ」になる。


(583)「お爺さんが川へ洗濯に行きました」の「が」について。

2020-04-12 16:30:48 | 「は」と「が」

(01)
「先程の記事(令和02年04月12)」でも示した通り、
① AはBである。
② ABである。
といふ「日本語」は、
① ∀x(Ax→Bx)
② ∀x(Ax→Bx&Ax→Bx)
といふ「論理式」に、相当する。
従って、
(01)により、
(02)
② 昔々、ある所に、(お爺さんと、お婆さん)住んでゐた。
といふのであれば、
②(お爺さんと、お婆さん)は住んでゐたが、(お爺さんと、お婆さん)以外は、住んではゐなかった
といふ、ことにある。
従って、
(01)(02)により、
(03)
② お爺さん、川へ洗濯に行きました。
といふのであれば、
② お爺さんは、洗濯に行ったが、お爺さん以外お婆さん)は洗濯には行かなかった
といふ、ことになる。
従って、
(03)により、
(04)
② 洗濯に行ったのは、お婆さんではなく、お爺さんの方である。
といふことを、「確認」したいのであれば、
① お爺さんは川へ洗濯に行きました。
とは言はずに、
② お爺さん川へ洗濯へ行きました。
と、言ふことになる。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① お爺さんは川へ洗濯に行きました。
① お婆さんは山へ 芝刈りに行きました。
と言はずに、
② お爺さん川へ洗濯へ行きました。
② お婆さん山へ 芝刈りに行きました。
と言ふのであれば、
②  洗濯に行ったのは、お婆さんではなく、お婆さん以外お爺さん)の方である。
② 芝刈りに行ったのは、お爺さんではなく、お爺さん以外お婆さん)の方である。
といふことを、「確認」したいので、そのやうに、「言ってゐる」といふ風に、「理解」出来る。
従って、
(05)により、
(06)
① 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは、山へ芝刈りに、お婆さんは、川へ洗濯に行きました。
とは言はずに、
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでいました。お婆さん、山へ芝刈りに、お爺さん、川へ洗濯に行きました。
といふ風に、言ふのであれば、
③ この人は、『我々が、子供の頃から、良く知ってゐる、その「桃太郎」の話ではない別の「桃太郎」の話をしようとしてゐる。』
といふことを、アピールしてゐるのだな、といふ風に、「理解」出来る。
従って、
(06)により、
(07)
そのやうに、「話し手の意図」を「理解」するならば、
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでいました。お婆さん、山へ芝刈りに、お爺さん、川へ洗濯に行きました。
といふ「お婆さん・お爺さん」といふ「日本語」は、「自然」である。
然るに、
(08)
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでいました。お婆さん、山へ芝刈りに、お爺さん、川へ洗濯に行きました。
であったとしても、「英訳」は、
② Long,long ago there lived an old man and an old woman. The old woman went to the mountain to gather wood, and the old man went to the river to do the washing.
であって、
① Long,long ago there lived an old man and an old woman. An old woman went to the mountain to gather wood, and an old man went to the river to do the washing.
ではない
従って、
(07)(08)により、
(09)
an old man(未知・)」であって、
the old man(既知・)」である。
といふことには、ならない
従って、
(09)により、
(10)
助詞の「」と「」を使い分ける方法の説明として、今までになされてきたものを野田尚史が五つに分類してまとめている。
(1)新情報か旧情報かによって使い分ける方法。
  会話の中や文脈で、主格となる名詞が未知(=新情報)の場合は「が」を使って表し、既知(=旧情報)の場合は「は」を使って表すという基準である。
 ・鈴木さん校長です。(「鈴木さん」のことは「知」なので、「 は」を付けて表す)
 ・鈴木さん校長です。( 校長が誰であるのか、「知」なので、「鈴木さん」に「が」を付けて表す)
(は」と「が」の使い分け | 日本語教育能力検定試験用語検索)
といふことには、ならない


(582)「象が(も・は)動物である」の「述語論理」(Ⅱ)。

2020-04-12 14:26:52 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
(ⅰ)  
1    (1)∀x~(~象x→~動物x)  A
1    (2)  ~(~象a→~動物a)  1UE
 3   (3)     象a∨~動物a   A
  4  (4)     象a        A
  4  (5)   ~~象a        4DN
  4  (6)   ~~象a∨~動物a   5∨I
   7 (7)        ~動物a   A
   7 (8)   ~~象a∨~動物a   7∨I 
 3   (9)   ~~象a∨~動物a   34678∨E
 3   (ア)    ~象a→~動物a   9含意の定義
13   (イ)  ~(~象a→~動物a)&
           (~象a→~動物a)  2ア&I
1    (ウ)   ~(象a∨~動物a)  3イRAA
1    (エ)    ~象a& 動物a   ウ、ド・モルガンの法則
1    (オ) ∃x(~象a& 動物a)  エEI
(ⅱ)
1    (1) ∃x(~象x& 動物x)  A
 2   (2)    ~象a& 動物a   A
  3  (3)    ~象a→~動物a   A
 2   (4)    ~象a        2&E
 23  (5)        ~動物a   34MPP
 2   (6)         動物a   2&E
 23  (7)    ~動物a&動物a   56&I
 2   (8)  ~(~象a→~動物a)  39RAA
1    (9)  ~(~象a→~動物a)  128EE
   ア (ア) ∃x(~象x→~動物x)  A
    イ(イ)    ~象a→~動物a   A
1   イ(ウ)  ~(~象a→~動物a)&
           (~象a→~動物a)  9イ&I
1  ア (エ)  ~(~象a→~動物a)&
           (~象a→~動物a)  アイウEE
1    (オ)~∃x(~象x→~動物x)  アエRAA
1    (カ)∀x~(~象x→~動物x)  オ量化子の関係
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x~(~象x→~動物x)
②  ∃x(~象x& 動物x)
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)
「両辺」を「否定」しても、「等式」は、成り立つため、
① ~∀x~(~象x→~動物x)
②  ~∃x(~象x& 動物x)
に於いても、
①=② である。
然るに、
(04)
「量化子の関係」と「二重否定律」により、
①  ∀x(~象x→~動物x)
② ~∃x(~象x& 動物x)
に於いても、
①=② である。
然るに、
(05)
(ⅰ)  
1(1)∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)     A
1(2)   象a→動物a&~象a→~動物a      1UE
1(3)   象a→動物a               2&E
1(4)∀x(象x→動物x)              3UI
1(5)          ~象a→~動物a      2&E
1(6)       ∀x(~象a→~動物a)     5UI
1(7)∀x(象x→動物x)&∀x(~象x→~動物x) 46&I
(ⅱ)
1(1)∀x(象x→動物x)&∀x(~象x→~動物x) A
1(2)∀x(象x→動物x)              1&E
1(3)   象a→動物a               2UE
1(4)           ∀x(~象x→~動物x) 1&E
1(5)              ~象a→~動物a  4UE
1(6)   象a→動物a&~象a→~動物a      35&I
1(7)∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)     6UI
従って、
(05)により、
(06)
① ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)
② ∀x(象x→動物x)&∀x(~象x→~動物x)
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)(06)により、
(07)
① ∀x(象x→動物x &~象x→~動物x)
② ∀x(象x→動物x)&~∃x(~象x&動物x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物ではない。
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、象でなくて、動物であるxは、存在しない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
② ∀x(象x→動物x)&~∃x(~象x&動物x)
③ ∀x(象x→動物x)& ∃x(~象x&動物x)
に於いて、すなはち、
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、象でなくて、動物であるxは、存在しない。
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、あるxは、象ではないが、動物である。
に於いて、
②=③ ではなく、
②と③ は「矛盾」する。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① ∀x(象x→動物x &~象x→~動物x)
③ ∀x(象x→動物x)&∃x(~象x&動物x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物ではない
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、あるxは、象ではないが、動物である
に於いて、
①=③ ではなく、
①と③ は「矛盾」する。
然るに、
(10)
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、あるxは、象ではないが、動物である。
といふことは、
③ 象動物である。
といふ、ことである。
従って、
(10)により、
(11)
③ 象も動物である。⇔
③ 象は動物であり、象以外も動物である。⇔
③ ∀x(象x→動物x)&∃x(~象x&動物x)⇔
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、あるxは、象ではないが、動物である。
といふ「等式」が成立する。
然るに、
(12)
(ⅰ)
1  (1)∀x(象x→動物x&~象x→~動物x) A
1  (2)   象a→動物a&~象a→~動物a  1UE
1  (3)   象a→動物a           2&E
1  (4)          ~象a→~動物a  2&E
 5 (5)               動物a  A
  6(6)          ~象a       A
1 6(7)              ~動物a  46MPP
156(8)          動物a&~動物a  57&I
15 (9)         ~~象a       68RAA
15 (ア)           象a       9DN
1  (イ)          動物a→象a    5アCP
1  (ウ)   象a→動物a&動物a→象a    3イ&I
1  (エ)∀x(象x→動物x&動物x→象x)   ウUI
(ⅱ)
1  (1)∀x(象x→動物x&動物x→象x)   1
1  (2)   象a→動物a&動物a→象a    1UE
1  (3)   象a→動物a           2&E
1  (4)          動物a→象a    2&E
 5 (5)             ~象a    A
  6(6)          動物a       A
1 6(7)              象a    46MPP
156(8)          ~象a&象a    57&I
15 (9)          ~動物a      68RAA
1  (ア)          ~象a→~動物a  59CP
1  (イ)   象a→動物a&~象a→~動物a  3ア&I
1  (ウ)∀x(象x→動物x&~象x→~動物x) イUI
従って、
(12)により、
(13)
① ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)
② ∀x(象x→動物x& 動物x→ 象x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物ではない。
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが動物であるならば、xは象である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(13)により、
(14)
① ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)
② ∀x(象x→動物x& 動物x→ 象x)
に於いて、すなはち、
① 象は動物であり、象以外は動物ではない
② 象は動物であり、動物は象である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(14)により、
(15)
① 私は理事長であり、私以外は理事長ではない
② 私は理事長であり、理事長は私である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(16)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(16)により、
(17)
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(18)
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
① 私理事長です。
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(19)により、
(20)
① 象動物である。
動物は象である。
③ 象以外は動物ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(14)(20)により、
(21)
① 象動物である。
② 象は動物であり、動物は象である。
③ 象は動物であり、象以外は動物ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(14)(21)により、
(22)
② 象動物である。⇔
② 象は動物であり、象以外は動物ではない。⇔
② ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)⇔
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物ではない。
といふ「等式」が成立する。
(23)
② 象が動物である。
③ 象も動物である。
に対して、
① 象は動物である。
の場合は、
① 象以外については、何も、述べてはゐない。
然るに、
(24)
① ∀x(象x→動物x)⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物である。
の場合も、
① 象以外については、何も、述べてはゐない。
従って、
(23)(24)により、
(25)
① 象は動物である。⇔
① ∀x(象x→動物x)⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物である。
といふ「等式」が成立する。
従って、
(11)(22)(25)により、
(26)
① 象は動物である。
② 象が動物である。
③ 象も動物である。
といふ「日本語」は、
① ∀x(象x→動物x)
② ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)
③ ∀x(象x→動物x)&∃x(~象x&動物x)
といふ「論理式」に、相当する。


(581)「象が(も・は)動物である」の「述語論理」。

2020-04-11 15:13:13 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(01)により、
(02)
① 私理事長です。
理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 私理事長です。
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(04)により、
(05)
① 象動物である。
動物は象である。
③ 象以外は動物ではない
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(06)
①{xの変域}が{象、机、本}であるならば、
① すべてのx は{象、机、本}である。
然るに、
(07)
は、動物であり
② 机は、動物ではなく
③ 本は、動物ではない
従って、
(06)(07)により、
(08)
①{xの変域}が{象、机、本}であるならば、
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物ではない
然るに、
(09)
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物ではない
といふことは、
③ 象は動物であり、象以外は動物ではない
といふことである。
然るに、
(10)
① ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)
といふ「論理式(述語論理)」は、
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物ではない
といふ「意味」である。
従って、
(05)~(10)により、
(11)
① 象動物である。⇔
① 象は動物であり、象以外は動物ではない。⇔
① ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、xが象でないならば、xは動物ではない
といふ「等式」が、成立し、尚且つ、
①{xの変域}が{象、机、本}であるならば、
① 象動物である。
といふ「命題」は、「(本当)」である。
然るに、
(12)
② ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}
といふ「論理式(述語論理)」は、
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であるが、xが象でないならば、xは動物ではないといふわけではない
といふ「意味」である。
然るに、
(13)
(ⅱ)
1(1)∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}   A
1(2)   象a→動物a&~(~象a→~動物a)    1UE
1(3)   象a→動物a                2&E
1(4)∀x(象x→動物x)               3UI
1(5)          ~(~象a→~動物a)    2&E
1(6)        ∀x~(~象x→~動物x)    5UI
1(7)∀x(象x→動物x)&∀x~(~象x→~動物x) 46&I
(ⅲ)
1(1)∀x(象x→動物x)&∀x~(~象x→~動物x) A
1(2)∀x(象x→動物x)               1&E
1(3)   象a→動物a                2UE
1(4)           ∀x~(~象x→~動物x) 1&E
1(5)             ~(~象a→~動物a) 4UE
1(6)   象a→動物a&~(~象a→~動物a)    35&I
1(7)∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}   6UI
従って、
(13)により、
(14)
② ∀x{象x→動物x  &    ~(~象x→~動物x)}
③ ∀x(象x→動物x)&∀x~(~象x→~動物x)
に於いて、
②=③ であるものの、「この等式」を、「定理(14)」とする。
然るに、
(15)
(ⅱ)
1       (1)∀x{象x→動物x &  ~(~象x→~動物x)} A
1       (2)∀x(象x→動物x)&∀x~(~象x→~動物x)  1定理(14)
1       (3)∀x(象x→動物x)                2&E
1       (4)           ∀x~(~象x→~動物x)  2&E
1       (5)           ~∃x(~象x→~動物x)  4量化子の関係
 6      (6)             ~(~象a→~動物a)  A
  7     (7)                象a∨~動物a   A
   8    (8)               ~象a& 動物a   A
    9   (9)                象a        A
   8    (ア)               ~象a        8&E
   89   (イ)                象a&~動物a   9ア&I
    9   (ウ)             ~(~象a& 動物a)  8イRAA
     エ  (エ)                   ~動物a   A
   8    (オ)                    動物a   8&E
   8 エ  (カ)               ~動物a&動物a   エオ&I
     エ  (キ)             ~(~象a& 動物a)  8カRAA
  7     (ク)             ~(~象a& 動物a)  79ウエキ∨E
      ケ (ケ)               ~象a        A
       コ(コ)                    動物a   A
      ケコ(サ)               ~象a& 動物a   ケコ&I
  7   ケコ(シ)             ~(~象a& 動物a)&
                         (~象a& 動物a)  クサ&I
  7   ケ (ス)                   ~動物a   コシRAA
  7     (ソ)               ~象a→~動物a   ケスCP
 67     (タ)             ~(~象a→~動物a)&
                         (~象a→~動物a)  6ス&I
 6      (チ)              ~(象a∨~動物a)  7タRAA
 6      (ツ)               ~象a& 動物a   チ、ド・モルガンの法則
 6      (テ)            ∃x(~象x& 動物x)  ツEI
1       (ト)            ∃x(~象x& 動物x)  56テEE
1       (ナ)∀x(象x→動物x)& ∃x(~象x& 動物x)  3ト&I      
(ⅲ)
1       (1)∀x(象x→動物x)& ∃x(~象x& 動物x)  A
1       (2)∀x(象x→動物x)                1&E
1       (3)            ∃x(~象x& 動物x)  1&E
 4      (4)               ~象a& 動物a   A
  5     (5)               ~象a→~動物a   A
 4      (6)               ~象a        4&E
 45     (7)                   ~動物a   56MPP
 4      (8)                    動物a   4&E
 45     (9)               ~動物a&動物a   78&I
 4      (ア)             ~(~象a→~動物a)  59RAA
1       (イ)             ~(~象a→~動物a)  14アEE
   ウ    (ウ)            ∃x(~象x→~動物x)  A
    エ   (エ)               ~象a→~動物a   A
1   エ   (オ)             ~(~象a→~動物a)&
                         (~象a→~動物a)  イエ&I
1  ウ    (カ)             ~(~象a→~動物a)&
                         (~象a→~動物a)  イエ&I
1       (キ)           ~∃x(~象x→~動物x)  ウカRAA
1       (ク)           ∀x~(~象x→~動物x)  キ量化子の関係
1       (ケ)∀x(象x→動物x)&∀x~(~象x→~動物x)  29&I
1       (コ)∀x{象x→動物x &  ~(~象x→~動物x)} ケ定理(14)
従って、
(15)により、
(16)
② ∀x{象x→動物x &  ~(~象x→~動物x)}
③ ∀x(象x→動物x)&∃x(~象x& 動物x)
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(17)
③ ∀x(象x→動物x)&∃x(~象x& 動物x) 
といふ「論理式」は、
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であるが、あるxは象ではなくて、動物である。
といふ「意味」である。
従って、
(12)(16)(16)により、
(18)
② ∀x{象x→動物x &  ~(~象x→~動物x)}
③ ∀x(象x→動物x)&∃x(~象x& 動物x)
に於いて、
②=③ であるが故に、
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であるが、xが象でないならば、xは動物ではないといふわけではない
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であるが、象ではない動物も存在する
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(19)
②{xの変域}が{、本}であるならば、
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であるが、xが象でない(兎)ならば、xは動物ではないといふわけではない
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であるが、象ではない動物(兎)も存在する
といふ「日本語」は、「本当(真)」である。
然るに、
(20)
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であるが、xが象でない(兎)ならば、xは動物ではないといふわけではない
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であるが、象ではない動物(兎)も存在する
といふことは、両方とも、
② 象は動物であるが、象以外も動物である。
② 象は動物であるが、象以外も動物である。
といふことである。
然るに、
(21)
②{xの変域}が{、本}であるならば、
② 象、動物であるが、本は動物ではない。
といふ「日本語」は、「本当(真)」である。
従って、
(21)により、
(22)
②{xの変域}が{、本}であるならば、
② 象動物である。
といふ「日本語」は、「本当(真)」である。
従って、
(16)~(22)により、
(23)
② 象動物である。⇔
② 象は動物であり、象以外も動物である。⇔
② ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}⇔
② すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であるが、xが象でないならば、xは動物ではないといふわけではない
といふ「等式」が、成立し、尚且つ、
②{xの変域}が{、本}であるならば、
② 象も動物である。
といふ「命題」は、「(本当)」である。
従って、
(11)(23)により、
(24)
① 象動物である。
② 象動物である。
といふ「日本語」は、それぞれ、
① ∀x(象x→動物x&  ~象x→~動物x)
② ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}
といふ「論理式」に、対応する。
然るに、
(25)
① ∀x(象x→動物x&  ~象x→~動物x)
② ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}
といふ「論理式」は、
① ∀x(象x→動物x)
② ∀x{象x→動物x}
といふ「部分論理式」は、「共通」であって、
① ∀x (~象x→~動物x)
② ∀x~(~象x→~動物x)
といふ「部分論理式」が、「矛盾」する。
然るに、
(26)
① 象動物である。ならば、象動物である。
② 象動物である。ならば、象動物である。
従って、
(11)(23)~(26)により、
(27)
「番号」を付け直すと、
① 象動物である。
② 象動物である。
③ 象動物である。
といふ「日本語」は、
① ∀x(象x→動物x)
② ∀x(象x→動物x&  ~象x→~動物x)
③ ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}
といふ「論理式」に、相当する。


(580)「鼻は、象とマンモスが長い」の「述語論理」(Ⅱ)。

2020-04-09 18:46:44 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
「先程(令和02年04月09日)の記事」に於ける、
(ⅰ)
1   (1)∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[~(象y∨マy)&鼻xy→~長x]} A
1   (2)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[~(象y∨マy)&鼻ay→~長a]} 1UE
 3  (3)     [鼻ab&(象b∨マb)→長a)]&[~(象b∨マb)&鼻ab→~長a]  A
 3  (4)      鼻ab&(象b∨マb)→長a)                      3&E
 3  (5)                        ~(象b∨マb)&鼻ab→~長a   3&E
  7 (7)                                      長a   A
  7 (8)                                    ~~長a   7DN
 37 (9)                      ~[~(象b∨マb)&鼻ab]      58MTT
 37 (ア)                        (象b∨マb)∨~鼻ab       9ド・モルガンの法則
 37 (イ)                        ~鼻ab∨(象b∨マb)       ア交換法則   
 37 (ウ)                         鼻ab→(象b∨マb)       イ含意の定義
 3  (エ)                     長a→[鼻ab→(象b∨マb)]      7ウCP
   オ(オ)                     長a& 鼻ab               A
   オ(カ)                     長a                    オ&E
 3 オ(キ)                         鼻ab→(象b∨マb)       エカMPP
   オ(ク)                         鼻ab               オ&E
 3 オ(ケ)                              象b∨マb        キクMPP
 3  (コ)                      長a&鼻ab→(象b∨マb)       オケCP
 3  (サ)     [鼻ab&(象b∨マb)→長a)]&[長a&鼻ab→(象b∨マb)]    4コ&I
 3  (シ)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[長a&鼻ay→(象y∨マy)]}   サEI
1   (ス)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[長a&鼻ay→(象y∨マy)]}   23シEE
1   (セ)∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[長x&鼻xy→(象y∨マy)]}   スUI
(ⅱ)
1   (1)∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[長x&鼻xy→(象y∨マy)]}   A
1   (2)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[長a&鼻ay→(象y∨マy)]}   1UE
 3  (3)     [鼻ab&(象b∨マb)→長a)]&[長a&鼻ab→(象b∨マb)]    A
 3  (4)      鼻ab&(象b∨マb)→長a)                      3&E
 3  (5)                        長a&鼻ab→(象b∨マb)     3&E
  6 (6)                              ~(象b∨マb)     A
 36 (7)                      ~(長a&鼻ab)            56MTT
 36 (8)                       ~長a∨~鼻ab            7ド・モルガンの法則
 36 (9)                       ~鼻ab∨~長a            8交換法則
 36 (ア)                        鼻ab→~長a            9含意の定義
 3  (イ)                     ~(象b∨マb)→(鼻ab→~長a)    6アCP
   ウ(ウ)                     ~(象b∨マb)& 鼻ab         A
   ウ(エ)                     ~(象b∨マb)              ウ&E
 3 ウ(オ)                              (鼻ab→~長a)    イエMPP
   ウ(カ)                               鼻ab         ウ&E
 3 ウ(キ)                                   ~長a     オカMPP
 3  (ク)                        ~(象b∨マb)&鼻ab→~長a   ウキCP
 3  (ケ)     [鼻ab&(象b∨マb)→長a)]&[~(象b∨マb)&鼻ab→~長a]  4ク&I
 3  (コ)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[~(象y∨マy)&鼻ay→~長a]  ケEI
1   (サ)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[~(象y∨マy)&鼻ay→~長a]  23コEE
1   (シ)∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[~(象y∨マy)&鼻xy→~長x]} 1UI
といふ「計算」は、「次(02)」のやうに、「書き換へ」ることが、出来る。
(02)
(ⅰ)
1     (1)∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[~(象y∨マy)&鼻xy→~長x]} A
1     (2)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[~(象y∨マy)&鼻ay→~長a]} 1UE
 3    (3)     [鼻ab&(象b∨マb)→長a)]&[~(象b∨マb)&鼻ab→~長a]  A
 3    (4)      鼻ab&(象b∨マb)→長a)                      3&E
 3    (5)                        ~(象b∨マb)&鼻ab→~長a   3&E
  6   (6)                                      長a   A
  6   (7)                                    ~~長a   6DN
 36   (8)                      ~[~(象b∨マb)&鼻ab]      57MTT
 36   (9)                        (象b∨マb)∨~鼻ab       8ド・モルガンの法則
   ア  (ア)                        (象b∨マb)            A
   ア  (イ)                      ~~(象b∨マb)            アDN
   ア  (ウ)                      ~~(象b∨マb)∨~鼻ab       イ∨I
    エ (エ)                                ~鼻ab       A
    エ (オ)                      ~~(象b∨マb)∨~鼻ab       エ∨I
 36   (カ)                      ~~(象b∨マb)∨~鼻ab       9アウエオ∨E
 36   (キ)                       ~(象b∨マb)→~鼻ab       カ含意の定義
 3    (ク)                   長a→[~(象b∨マb)→~鼻ab]      6キCP
     ケ(ケ)                   長a& ~(象b∨マb)            A
     ケ(コ)                   長a                      ケ&E
 3   ケ(サ)                       ~(象b∨マb)→~鼻ab       クコMPP
     ケ(シ)                       ~(象b∨マb)            ケ&E  
 3   ケ(ス)                                ~鼻ab       サシMPP
 3    (セ)                   長a& ~(象b∨マb)→~鼻ab       ケスCP
 3    (ソ)     [鼻ab&(象b∨マb)→長a)]&[長a&~(象b∨マb)→~鼻ab]  4セ&I
 3    (タ)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[長a&~(象y∨マy)→~鼻ay]} ソEI
 3    (チ)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[長a&~(象y∨マy)→~鼻ay]} 23タEE
1     (ツ)∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[長x&~(象y∨マy)→~鼻xy]} チUI
(ⅲ)
1     (1)∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[長x&~(象y∨マy)→~鼻xy]} A
1     (2)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[長a&~(象y∨マy)→~鼻ay]} 1UE
 3    (3)     [鼻ab&(象b∨マb)→長a)]&[長a&~(象b∨マb)→~鼻ab]  A
 3    (4)      鼻ab&(象b∨マb)→長a)                      3&E
 3    (5)                        長a&~(象b∨マb)→~鼻ab   3&E
  6   (6)                                     鼻ab   A
  6   (7)                                   ~~鼻ab   6DN
 36   (8)                      ~[長a&~(象b∨マb)]       57MTT
 36   (9)                       ~長a∨ (象b∨マb)        8ド・モルガンの法則
 36   (ア)                       (象b∨マb)∨~長a         9交換法則
   イ  (イ)                       (象b∨マb)             A
   イ  (ウ)                     ~~(象b∨マb)             イDN
   イ  (エ)                     ~~(象b∨マb)∨~長a         ウ∨I
    オ (オ)                               ~長a         A
    オ (カ)                     ~~(象b∨マb)∨~長a         オ∨I
 36   (キ)                     ~~(象b∨マb)∨~長a         アイエオカ∨E
 36   (ク)                      ~(象b∨マb)→~長a         キ含意の定義
 3    (ケ)                 鼻ab→[~(象b∨マb)→~長a]        6クCP
     コ(コ)                      ~(象b∨マb)&鼻ab         A
     コ(サ)                 鼻ab                       コ&E
 3   コ(シ)                      ~(象b∨マb)→~長a         ケサMPP
     コ(ス)                      ~(象b∨マb)             コ&E
 3   コ(セ)                               ~長a         シスMPP
 3    (ソ)                  ~(象b∨マb)&鼻ab→~長a         コセCP
 3    (タ)     [鼻ab&(象b∨マb)→長a)]&[~(象b∨マb)&鼻ab→~長a]  4ソ&I
 3    (チ)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[~(象y∨マy)&鼻ay→~長a]} タEI
1     (ツ)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[~(象y∨マy)&鼻ay→~長a]} 23チEE
1     (テ)∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[~(象y∨マy)&鼻xy→~長x]} ツUI
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[~(象y∨マy)&鼻xy→~長x]}
② ∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[ 長x&鼻xy→ (象y∨マy)]}
③ ∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[長x&~(象y∨マy)→~鼻xy]}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが(象か、マンモス)であるならば、xは長く、yが(象かマンモス)でなくてxがyの鼻ならば、xは長くない。
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが(象か、マンモス)であるならば、xは長く、xが長くて、yの鼻であるならば、yは(象かマンモス)である。
③ すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが(象か、マンモス)であるならば、xは長く、xが長いのに、yが(象かマンモス)でないならば、xはyの鼻ではない。
に於いて、
①=②
①=③ であって、それ故、
①=②=③ である。
然るに、
(04)
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが(象か、マンモス)であるならば、xは長く、yが(象かマンモス)でなくてxがyの鼻ならば、xは長くない。
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが(象か、マンモス)であるならば、xは長く、xが長くて、yの鼻であるならば、yは(象かマンモス)である。
③ すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが(象か、マンモス)であるならば、xは長く、xが長いのに、yが(象かマンモス)でないならば、xはyの鼻ではない。
といふことは、
① 鼻は、(象かマンモス)は長く、(象かマンモス)以外は、長くない。
② 鼻は、(象かマンモス)は長く、長い鼻は、(象かマンモス)の「それ」である。
③ 鼻は、(象かマンモス)は長く、長いのに、(象かマンモス)の「それ」でないならば、「鼻」ではない。
といふ、ことである。
然るに、
(05)
「ある鼻」が、「象の鼻」であって、尚且つ、「マンモスの鼻」であることは、「不可能」である。
従って、
(05)により、
(06)
「ある鼻」が、「象の鼻か、マンモスの鼻」であるならば、「長い」。
といふことは、
「象の鼻と、マンモスの鼻」が「長い」。
といふ、ことである。
従って、
(03)~(06)により、
(07)
① 鼻は、(象とマンモス)は長く、(象とマンモス)以外は、長くない。
② 鼻は、(象とマンモス)は長く、長い鼻は、(象とマンモス)の「それ」である。
③ 鼻は、(象とマンモス)は長く、長いのに、(象とマンモス)の「それ」でないならば、「鼻」ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
{象、マンモス、兎、キリン}を、{変域(ドメイン)}とするならば、
① 鼻は、(象とマンモス)は長く、(象とマンモス)以外(兎とキリン)は長くない。
② 鼻は、(象とマンモス)は長く、長い鼻は、(象とマンモス)の「それ(鼻)」である。
③ 鼻は、(象とマンモス)は長く、長いのに、(象とマンモス)の「それ」でないならば、「鼻」ではなく、「兎の耳と、キリンの首」である。
に於いて、
①=②=③ であるものの、このことは、要するに、
① 鼻は、象マンモス長く、
② 耳は、兎長く、
③ 首は、キリン長い。
といふ、ことである。
従って、
(01)~(08)により、
(09)
① 鼻は、象マンモス長い。⇔
① 鼻は、象マンモスは長く、象とマンモス以外は長くない。⇔
① ∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[~(象y∨マy)&鼻xy→~長x]}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが(象か、マンモス)であるならば、xは長く、yが(象かマンモス)でなくてxがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「等式」が、成立する。


(579)「鼻は、象とマンモスが長い」の「述語論理」。

2020-04-09 14:55:42 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
(ⅰ)
1   (1)∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[~(象y∨マy)&鼻xy→~長x]} A
1   (2)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[~(象y∨マy)&鼻ay→~長a]} 1UE
 3  (3)     [鼻ab&(象b∨マb)→長a)]&[~(象b∨マb)&鼻ab→~長a]  A
 3  (4)      鼻ab&(象b∨マb)→長a)                      3&E
 3  (5)                        ~(象b∨マb)&鼻ab→~長a   3&E
  7 (7)                                      長a   A
  7 (8)                                    ~~長a   7DN
 37 (9)                      ~[~(象b∨マb)&鼻ab]      58MTT
 37 (ア)                        (象b∨マb)∨~鼻ab       9ド・モルガンの法則
 37 (イ)                        ~鼻ab∨(象b∨マb)       ア交換法則   
 37 (ウ)                         鼻ab→(象b∨マb)       イ含意の定義
 3  (エ)                     長a→[鼻ab→(象b∨マb)]      7ウCP
   オ(オ)                     長a& 鼻ab               A
   オ(カ)                     長a                    オ&E
 3 オ(キ)                         鼻ab→(象b∨マb)       エカMPP
   オ(ク)                         鼻ab               オ&E
 3 オ(ケ)                              象b∨マb        キクMPP
 3  (コ)                      長a&鼻ab→(象b∨マb)       オケCP
 3  (サ)     [鼻ab&(象b∨マb)→長a)]&[長a&鼻ab→(象b∨マb)]    4コ&I
 3  (シ)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[長a&鼻ay→(象y∨マy)]}   サEI
1   (ス)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[長a&鼻ay→(象y∨マy)]}   23シEE
1   (セ)∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[長x&鼻xy→(象y∨マy)]}   スUI
(ⅱ)
1   (1)∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[長x&鼻xy→(象y∨マy)]}   A
1   (2)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[長a&鼻ay→(象y∨マy)]}   1UE
 3  (3)     [鼻ab&(象b∨マb)→長a)]&[長a&鼻ab→(象b∨マb)]    A
 3  (4)      鼻ab&(象b∨マb)→長a)                      3&E
 3  (5)                        長a&鼻ab→(象b∨マb)     3&E
  6 (6)                              ~(象b∨マb)     A
 36 (7)                      ~(長a&鼻ab)            56MTT
 36 (8)                       ~長a∨~鼻ab            7ド・モルガンの法則
 36 (9)                       ~鼻ab∨~長a            8交換法則
 36 (ア)                        鼻ab→~長a            9含意の定義
 3  (イ)                     ~(象b∨マb)→(鼻ab→~長a)    6アCP
   ウ(ウ)                     ~(象b∨マb)& 鼻ab         A
   ウ(エ)                     ~(象b∨マb)              ウ&E
 3 ウ(オ)                              (鼻ab→~長a)    イエMPP
   ウ(カ)                               鼻ab         ウ&E
 3 ウ(キ)                                   ~長a     オカMPP
 3  (ク)                        ~(象b∨マb)&鼻ab→~長a   ウキCP
 3  (ケ)     [鼻ab&(象b∨マb)→長a)]&[~(象b∨マb)&鼻ab→~長a]  4ク&I
 3  (コ)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[~(象y∨マy)&鼻ay→~長a]  ケEI
1   (サ)  ∃y{[鼻ay&(象y∨マy)→長a)]&[~(象y∨マy)&鼻ay→~長a]  23コEE
1   (シ)∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[~(象y∨マy)&鼻xy→~長x]} 1UI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[~(象y∨マy)&鼻xy→~長x]}
② ∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[ 長x&鼻xy→ (象y∨マy)]}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが(象か、マンモス)であるならば、xは長く、yが(象かマンモス)でないならば、xは長くない。
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが(象か、マンモス)であるならば、xが長く、yの鼻であるならば、yは(象かマンモス)である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが(象か、マンモス)であるならば、xは長く、yが(象かマンモス)でないならば、xは長くない。
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが(象か、マンモス)であるならば、xが長く、yの鼻であるならば、yは(象かマンモス)である。
といふことは、
① 鼻は、(象かマンモス)は長く、(象かマンモス)以外は、長くない
② 鼻は、(象かマンモス)は長く、長い鼻は、(象かマンモス)である。
然るに、
(04)
{象、マンモス、兎、キリン、ライオン}を{変域(ドメイン)}とすると、
① 鼻は、(象かマンモス)は長く、(象かマンモス)以外(兎、キリン、ライオン)は、長くない。
② 鼻は、(象かマンモス)は長く、長い鼻は、兎やキリンやライオンではなく、(象かマンモス)である。
に於いて、
① は、「真(本当)」であり、
② も、「真(本当)」であり、尚且つ、
①=② である。
然るに、
(05)
「ある鼻」が、「象の鼻」であって、尚且つ、「マンモスの鼻」であることは、「不可能」である。
従って、
(06)
「ある鼻」が、「象の鼻、マンモスの鼻」であるならば、「長い」。
といふことは、
「象の鼻、マンモスの鼻」が「長い」。
といふ、ことである。
従って、
(03)(06)により、
(07)
{象、マンモス、兎、キリン、ライオン}を{変域(ドメイン)}とすると、
① 鼻は、(象かマンモス)は長く、(象かマンモス)以外は、長くない
② 鼻は、(象かマンモス)は長く、長い鼻は、(象かマンモス)である。
といふことは、
③ 鼻は、象マンモス長い。
といふことである。
(01)~(07)により、
(08)
① 鼻は、象マンモス長い。⇔
① ∀x∃y{[鼻xy&(象y∨マy)→長x)]&[~(象y∨マy)&鼻xy→~長x]}⇔
① すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが(象か、マンモス)であるならば、xは長く、yが(象かマンモス)でないならば、xは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
因みに、
(09)
「令和02年04月04日」の「記事」で示した通り、
② 鼻は、象長い。⇔
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
② すべてのxとあるyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、xは長く、yが象ではなく、xがyの鼻ならば、xは長くない。
といふ「等式」が、成立する。