
奈良県は吉野郡下北山村の池原貯水池.今年の夏も幾度となく立ち寄っては,休憩した場所だ.この付近を走る国道169号線は,深山をいく快走路だけれど,いかんせん自動車の交通量が多い.そんな訳で,睡魔が襲ってきたり,スローペースで走っているだけで妙に疲れてしまう.そんな時には,自然と池原ダムへと向かっていた.

堤頂の長さは460メートルあって,アーチダムとしては,黒部ダムに次いで国内で二番目に長いそうだ.一応,この天端は国道425号線でもあって,池原貯水池沿いに東へ行けば,三重県の尾鷲市に抜けることができる.ただし,これだけ山深い所ゆえに土砂災害が多くて,頻繁に通行止めになっており,開かずの国道となっている.

陽射しを遮るものは,何ひとつなくて,とても暑いけれど,開放感にあふれた雄大なダムと山の景色に見とれてしまって,ついついオートバイを停めては,長居してしまうことが多かったようだ.

ダムは1962年に着工してから,3年後の1965年に完成したそうだ.それにしても,よくもまあこんな山深い所に,こんな大きな構造物をこしらえたものだと思う.近畿地方最大の人造湖であって,国内的にも屈指の規模という.

そして,ダムの反対側の直下には,下北山スポーツ公園が広がっている.ダムの堤高は110メートルあり,真下を覗いてみると足がすくみあがって,手に汗が滲んでしまうほどの高さだ.

この夏の暑さと木々の深い緑,そして夏空の青さを反射した湖.自分にとっては,この3つが融合することで,初めて池原ダムという気がする.この雄姿を見るには,来年の夏まで待たなければならない.またこの雄姿を見ることができればいいなと思う.
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