オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

八幡宮

2020年05月16日 | 神社仏閣


 薄日は差しているが,どんよりとした天気の日,いつもの様に和束町の木屋峠手前を東へと向かった.一か月前は満開だった桜の木も,今ではすっかり青々としている.そんな桜の木の下で休憩しつつ,季節の移ろいを感じとるのだった.



 東に走り始めてしばらくすると,笠置町の切山方面へと南に山を下って行く道がある.大変狭い道で,急勾配となっている.交通量は皆無なので,国道を避けるためによく使うショートカットコースとしている.けれども,この日はまだ走ったことのない分岐道の先を進んでみることにした.



 自動車はおろか人とすら出会うことのないであろう狭い道を進んで行くと,つきあたりに八幡宮と言う,小さいけれど立派な神社が建っていた.



 神社のまわりには,無数の巨木が辺り一面に縦横無尽に伸びていた.ここは山の斜面ということもあって,太陽の光が届きにくく,日中でも薄暗い.神社のあるべき場所に相応しく,静けさが印象的なところだ.



 一つ目の鳥居をくぐり,階段を登って境内へ行くと,青もみじの下から朱色の鳥居と拝殿を望むことができた.新緑の青もみじと朱色の神社はとても色鮮やかで,心が洗われるような気がした.



 このような素敵な空間の神社が,こんなにも身近にあるとは思わず,少し驚いてしまった.この神社がいつ頃建てられたのか気になったので,ちょっと調べてみた.しかし,笠置町切山の八幡宮について,ほとんど情報が出てこなかった.そもそも八幡宮は,八幡神を祭神とする神社で,全国に44,000社もあるらしい.



 人にはほとんど知られていなくても,素晴らしい景色や場所なりがたくさんあることだろう.それは神社についても同じことが言えるのかもしれない.笠置町切山の八幡宮は,すばらしい神社である.青もみじの下で,そんなことを思うのだった.

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