オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

横峯峠

2020年05月18日 | 道路


 京都府道782号線で宇治市の西笠取の山中を駆け上がると,地蔵尊のある横峯峠(あるいは横嶺峠とも)の三差路に行き当たる.西側へと山を下って行けば,世界遺産の醍醐寺へと行くことが出来る.しかし,この道は車両の通行が禁止されており,ハイキングコースになっている.



 横峯峠をそのまま北へと向かって登っていくと,今年一月に訪れたメガソーラー発電所があって,そこで車道は行き止まりになる.今回は,発電所までは行かずに,その途中にあるお気に入りの場所へ再訪した.



 横峯峠を北へと登っていくと,山の稜線に近いところを走っているものの,松をはじめとした木々が途切れることなく続いており,中々展望は開けない.しかし,一か所だけ木々が途切れていて,有刺鉄線で柵をしている場所がある.



 柵があれば,乗り越えてみたくなるのが,抗えない人間の心理かもしれない.もちろん,この柵から先は,断崖絶壁となっており,非常に危険であるが,山科区や伏見区の街並みを眼下に,果ては大阪のビル群まで一望することができる.



 この日は愚図ついた曇天模様の天気だったけれど,前日まで雨が降っていたせいもあって,思ったよりも視界は霞んでいなかった.よく京都は盆地だから夏は暑いというけれど,こうして山の上から眺めてみると,確かに盆地であることがよくわかった.



 それにしても,建物の密集度合は圧巻だった.伏見東部の街並みは,とかく団地の様な建物が多いように見えた.そして,団地の間を埋めるように,ところ狭しと一軒家が立ち並んでいた.



 少し北西の方向に目を向ければ,名神高速道路がまっすぐ真西へと走っている様子もわかった.日曜日の午前中にしては,交通量が少ないようだった.名神高速道路と交差しているのは,第二京阪道路かもしれない.



 最後に南西の方角にカメラを目一杯ズームさせてやると,大阪の高層ビル群のシルエットが,まるで蜃気楼の様に浮かび上がっていた.
 かつてはここで,自分と同じように,今とはまるで違った京都や大阪の景色を眺めては感嘆していた人たちが,きっと数多くいたことだろう.現在のような街並みが,わずか数百年後に出来上がることなど思いもせずに・・・.これから先の数百年後も,今は想像のできない景観が広がっていることだろう.

コメントを投稿