旅の途中では,かならず尾鷲港に立ち寄って休憩する.奈良・三重の峠越えは,季節柄,高見峠は避けて,相津峠を経由して大台町へ抜けることにしている.尾鷲港では,太陽のあたたかな光が,峠越えで冷えて固まった体をすっかり解凍してくれる.
冬にもなると,自宅を出て尾鷲港に着く頃には,太陽が南中の位置にあって,眩しくて真っ白なひかりが海をきらきらと輝かせている.そして,休日の尾鷲港は,昼間でも人影がまばらで静まり返っている.
漁港の岸には,芳栄丸という漁船が波に揺られながら気持ちよさそうに係留していた.普段であれば,この場所には海上保安庁の大きな船舶が停泊しているのだが,この日はどういう訳かその姿がなかった.
南の空には太陽が燦々と輝き,ツーリングの雰囲気も最高潮に達する.休憩もそこそこにして,オートバイに乗って走り出すことにしよう.尾鷲から熊野まで続くリアス式海岸のワインディングロードが待っている.
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