
年末年始は家族や友人のいる東京で,穏やかな日々を過ごした.東京は雲ひとつない快晴の日が続いていた.
年が明けて,京都へ戻ってみると,暗くて分厚い雲が立ち込めていた.まるでどこか違った国のように思えた.

午後になると灰色だった雲の色が明るくなってきた.重い腰をあげて,オートバイに跨り走り出した.行くところは和束町の茶畑と決まっている.2019年初の茶畑は,青空の下でという訳にはいかなかったが,慣れない土地にあって唯一こころを休める所へやって来た.

正月明けとあって,和束町も茶畑も眠っているように静まり返っていた.地元の人も自動車もオートバイも今日は見かけなかった.気温は10度前後で寒さも和らいでおり,いつになくゆっくりと無心でオートバイを走らせた.オートバイの勘も別に鈍っておらず,マシンの調子もすこぶる良好だ.

15時を過ぎたところで,ようやく少し陽射しが出てきた.茶畑越しに山並みが霞んで見えた.景色をみながら,あっという間に過ぎ去ってしまった正月休みを思い起こしたり,これから先のことを思い描いてみたりした.静かな山奥の茶畑で,これから始まる2019年に対して,覚悟を決めるのだった.
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます