
奈良県は川上村の山奥にある清谷神社を訪れた.国道から分岐した村道,苔の美しいみどりの道の先に神社はある.道路の対岸にある神社へは,橋を渡って行けるようになっている.橋の先には,狛犬と苔の繁茂した石段があって,独特の雰囲気が漂っていた.

石段だけでなく,狛犬までもが苔のみどりで覆い尽くされてしまっている.そして,高く林立する巨木が日光を遮っていて,辺りは少し暗い.自然と人工物とが融合した美しい景観が広がっていた.

苔の石段を登って,振り返ってみると,林立する巨木や石段の微妙な位置関係から,妙な遠近感を覚えるのだった.言葉ではうまく説明できないが,絶妙な空間設計とでもいうべきだろうか.しばらくの間,茫然として見入ってしまうほどだった.

石段を登った先には,小さな鳥居と社がある.この神社については,調べてみても詳しい情報は得られなかった.ただし,ルーツは500年ほど昔に遡るようだ.話題を呼んでいる新元号も,ここではかわいらしく思えてくることだろう.

清谷神社は,苔のみどりで彩られた美しいところだった.誰もいない静かなみどりの空間に,小一時間ほど滞在してしまったようだ.しっかりと参拝をおこなってから,清谷神社を後にした.

そして,この後の帰路で不覚にもオートバイで転倒してしまうのだった.幸い,人馬ともに至って軽傷で済んだようだ.より大きな事故に会わないための戒めを頂いたものだと解釈している.オートバイでの当てのない旅は,まだまだ当分の間,続きそうである.

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