髙宮神社を南に少し行くと,御斎峠(おとぎとうげ)という滋賀県と三重県の県境がある.信楽上野線という3桁県道が,甲賀市信楽と伊賀市上野を繋いでいる.本能寺の変の後,徳川家康が命からがら伊賀越えをした道が,この御斎峠だと言われている.
御斎峠は,交通量がほとんどなく,山間の寂しい風景が続く.家康が御斎峠を伊賀越えの道として選んだ理由も分からないでもない.峠の手前には展望台があって,山の斜面に作られた急な階段を登っていくと,伊賀盆地を見渡すことができる.
階段を昇りきった先は小高い山の頂上で,一本の大きな松が生えていて,東屋やベンチのある広場となっていた.視線の先には,伊賀盆地の雄大な景色が広がっている.
伊賀盆地は,500万年ほど前に琵琶湖が形成された場所でもある.そして,昔の琵琶湖はもっと小さな湖だったという.500万年の歳月をかけて,琵琶湖は今の場所に移動したわけであるから,ちょっと気が遠くなりそうな話である.もっとも,日本列島自体が年間数センチメートルほど移動しているので,今の琵琶湖の位置も仮の場所に過ぎない.
話しが逸れてしまったが,伊賀盆地の後方には,標高600~800メートルほどのなだらかな起伏の布引山地が南北に伸びている.その尾根筋の青山高原には,風力発電用の風車が数多く林立していて,知っている人も多いと思う.それにしても,この御斎峠から,青山高原の風車が見れるとは思いもしなかった.
関西に来たばかりの頃は,ツーリングで青山高原にもよく立ち寄っていた.今シーズンの冬は,コロナウイルスの影響で遠くには行けそうにないので,久しぶりに風車を見に行くのもいいかもしれない.
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2018年8月26日
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