オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

髙神社

2021年09月21日 | 神社仏閣


 万灯呂山展望台に行ったときは,必ずと言っていいほど立ち寄る場所がある.万灯呂山の麓にある髙神社だ.神社の付近一帯は,とても緑豊かな森になっている.鎮守の森と言われ,京都百景のひとつに選ばれているそうだ.



 神社のすぐ横には,ゲンジホタル生息地の谷川ホタル公園がある.きれいな自然環境が,昔から当時のままの姿で残っているのだろう.そして,春はきれいな桜で一杯になる.コロナ禍になってからは,自宅からほど近いこの辺りを散策することが多くなった.



 髙神社の前まで来ては,公園にだけ立ち寄って帰ることもあるし,またその逆もある.この日は夕刻,暑い日差しもひと段落したころで,辺りに人影はなく,静まり返っていた.そして,長い参道の先にある神社に吸い込まれていくような気がした.



 髙神社は,いわゆる観光地的な場所ではないが,桃山時代に建立された由緒ある神社だ.参道を歩いていると,美しい自然の景観に飽きることがない.夏の終わりごろ,こうして参道を歩いていると,幼少期に神社のお祭りに行ったことを思い出す.



 昔住んでいた東京の家は,近所に神社がなくて,夏休みに母方の実家へ行くと,決まって神社の夏祭りがあった.あの頃は,インターネットやゲームが普及する前だったので,金魚すくいにだって熱中したものだ.それから,お化け屋敷や的当ての景品,水あめなど・・・思い起こしたらきりがない.



 夏の夜,暗い神社に煌々と光る祭りのあかりは,子供時代の自分にとって知らない世界の入口だったように思う.それから数十年の時が過ぎ,今はインターネットで何でもわかるし,何でも買えるようなった.今の子供が見る祭りのあかりは,どのように映っているのだろう.



 参道を上りきると,立派な神社が現れる.自分にはわからないが,桃山時代を彷彿とさせる絢爛豪華な建築だと言われている.本殿は府指定文化財にもなっているそうだ.京都には,このような知られていないけれど,素晴らしい神社がたくさんあることだろう.



 鎌倉時代の古文書によると,社殿改築の時に猿楽が奉納されたという.これは日本で最初の猿楽に関する記録のひとつだそうだ.本殿と相対する形で,豊饒楽所という大絵馬のある舞殿がある.もしかすると,舞殿のあるこの場所で猿楽が行われていたのかもしれない.



 コロナウイルス退散を祈願して,神社から戻ってくると陽がかなり傾いていた.今日はきれいな夕焼けが期待できそうだ.秋の穏やかな好天が続いてくれるといいなと思う.

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