2022年4月10日受難週礼拝メッセージ 要旨
■『彼らをお赦しください』
■聖書箇所:ルカ23:32~38
■中心聖句:ルカ22:33~34
:33 「どくろ」と呼ばれている場所に来ると、そこで彼らはイエスを十字架につけた。また犯罪人たちを、一人は右に、もう一人は左に十字架につけた。
:34 そのとき、イエスはこう言われた。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているかが分かっていないのです。」彼らはイエスの衣を分けるため、くじを引いた。
◇聖書箇所をお読みください。
:34 そのとき、イエスはこう言われた。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているかが分かっていないのです。」彼らはイエスの衣を分けるため、くじを引いた。
1.驚くべきことに、イエス様は、十字架につけられたとき、真っ先に、「彼らをお赦しください」と赦しを祈られました。
(あ)その時の状況
・不当な裁判。律法学者たち、祭司たちの策略だった。
・ローマの属国であったのでローマ総督ピラトのもとでの裁判。祭司長たち、民衆を扇動(マルコ15:11)。結果、有罪、十字架刑に。
・:33 ローマの死刑執行人たちによるはりつけ。 ・:35 議員たちによるあざけり。
・:37 兵士たちによるあざけり。 ・そんな状況にもかかわらず、イエスは赦しのことばを発された!
・敵をも愛する愛!
(い)背景にあったことは?
・イエス様は、ご自分が教えられたことを実践した!
・マタイ5:44「自分の敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。」(山上の説教の一部)を、生きた!
・敵対する者さえも愛すべき。神のみこころがなされるよう祈るべき。
・イエス様は、敵をも愛し、ご自分が教えられたことを実践し、「彼らをお赦しください」と祈られた。
(う)対象 誰のことを念頭に置いて祈られたのか?
・ローマ人死刑執行人たち。(:33)(一番直接的には)
・イエスに敵対し、十字架につけたユダヤ人律法学者・ユダヤ教指導者たち。(もう少し広く)(ルカ22:66)
・全人類のためのとりなしの祈り。(霊的な意義においては)(マルコ14:24 これは、多くの人のために流される、わたしの契約の血です。)
(え)評価
・驚くべきこと!
・人間にはできないこと!
・悪い意味ではなく。 人は、自分の権利を守ることにより、自分の存在を保っている。自分の存在を脅かす者には反射的に反応する。
・罪深い性質を持つものとして。 人としての権利をいつのまにか振りかざし、別な人(敵)の権利を踏みにじってしまう。やられたら倍にしてやり返してしまう。
・笹尾鉄三郎師の解説(全集第三巻 新約講義・上 p204) 33節において、イエスを十字架につけたその釘は、主のおからだを刺したのである。このとき発せられたのがこのお言葉である。あたかも、水がいっぱいの袋に穴を開けたように、主のうちに満ち満ちた愛―敵を愛する愛―は、溢れ出たのである。
・ところでシビアな質問です。
・「しかし、それは、良いものであったが、ことばだけだったのではないだろうか?」。どうなのでしょう。
・結論から申し上げると、…。
2.イエス様は、赦しを与えることがおできになりました。なぜなら、赦しを与えるための完全ないけにえとしてご自分をささげられたからです!
・旧約聖書の背景を知る必要があります。イスラエルの民はこう教えられていた。神の前に罪を犯したなら、罪の赦しのために動物のいけにえをささげよ、と。 レビ記4:2~3 「罪のきよめのささげもの」 不完全なものであった。イスラエルの民を通して罪が赦されるための必要は何であるか、神は啓示された。
・ヘブル9:22 律法によれば、ほとんどすべてのものは血によってきよめられます。血を流すことがなければ、罪の赦しはありません。
・今日の聖書箇所の場面をもう一度、見てみましょう。
・:33 「どくろ」と呼ばれている場所に来ると、そこで彼らはイエスを十字架につけた。
・ということは・・・イエス様がこのことばを発されたとき、釘づけられたその手から血が流れていた。
・血ということばは出てこない。四福音書いずれでも、イエス様が十字架に付けられる場面では記述されていない。(息を引き取られた後、槍で突き刺されたときのみ。ヨハネ19:34) ※十字架刑での肉体的・生理的な苦痛はあえて詳細には記述されなかったと言っても良い。霊的な意義にこそ、人の心が向けられるため。映像化による真理の伝達の可能性は否定できないが、注意も必要。「聖書にとどまる」、「聖書に立ち戻る」ことを大切にしたい。
・イエス様は、このとりなしの祈りをささげる権限を、持たれた!
・罪なきお方が、罪を背負われ、十字架にかかり、苦しみ、血を流されたことによって!
・「罪の赦し」の門が開かれた!
・イエス様は、ご自分のもとに導くよう計画された人々のために、とりなし続けておられます!
・ヘブル7:25 したがって、イエスは、いつも生きていて、彼らのためにとりなしをしておられるので、ご自分によって神に近づく人々を完全に救うことがおできになります。
・イエス様のとりなしの祈りには効果があったのでしょうか?
3.イエス様のとりなしの祈りは、実を結びました!そして、実を結び続けています!
・「父よ、彼らをお赦しください。」というイエス様のとりなしの祈りは実を結びました!どのように実現したでしょうか?
(あ)3時間後までに。(十字架につけられたのは午前9時頃 マルコ15:25。ルカ23:44で12時頃)・ルカ23:39~43 いっしょに十字架につけられた犯罪人の一人。→「あなたは今日、わたしとともにパラダイスにいます。」
(い)6時間後までに。(亡くなられたのは午後3時。マタイ27:46)・ルカ23:47 百人隊長。この出来事を見て、神をほめたたえ、「本当にこの方は正しい人であった」と言った。
(う)3日後。週の初めの日。復活されたイエス、弟子たちに現る。弟子たち喜ぶ。(ヨハネ20:19)
(え)40+3日後 ・使徒2:41 彼のことばを受け入れた人々はバプテスマを受けた。その日、三千人ほどが仲間に加えられた。
(え)1~2年後? ・使徒6:7 弟子の数が非常に増えていった。また、祭司たちが大勢、次々と信仰に入った。
(お)約2000年、イエス様のとりなしの祈りは実を結び続けている!
・あなたもイエス様のとりなしの実です!
・次はあなたが祈っている方の番かもしれない。
〈適用〉
○イエス様を信じている方へ
・イエス様のとりなしの祈りを感謝しましょう!「父よ。彼らをお赦しください」それは私のためです!
・イエス様のとりなしの祈りは実を結び続けています!神様に期待しましょう!「父よ。彼らをお赦しください」それは私が祈っている家族のためです。友人のためです。
・イエス様のみからだの一部分とされているものとして、人々のためにとりなし祈っていきましょう!
○イエス様を信じていない方へ イエス様はあなたの罪を背負って十字架にかかりました。あなたの罪が赦され、神様のもとへ帰ることができるためにです。あなたのためにイエス様は祈っておられます。「父よ。彼らをお赦しください」と。
■宣言:イエス様、あなたは十字架につけられるなか、「彼らをお赦しください」と祈ってくださいました。あなたが罪を背負ってくださったので、あなたのとりなしには力があります。これまでも、これからも、実を結んでいきます!信じます!感謝します!期待します!とりなし祈ります!