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物流は社会の大動脈

2024-05-25 | Yahoo!リアルタイム検索アプリで調査

世界の海運貨物輸送が大混乱しています。
イエメンの反政府勢力フーシ派による船舶攻撃でエジプトのスエズ運河が航行困難に、
中米ではパナマで発生した深刻な干ばつがパナマ運河の水位低下を引き起こし船舶運航が制限され大渋滞に見舞われています。
海運の2大交通要衝が相次いでクライシスに見舞われ、サプライチェーン(供給網)を脅かしています。
航行の安全確保や航路の迂回で遅延が生じると輸送コストの上昇や船舶の回転率が下がり
気候変動と紛争がもたらす世界物流の混乱はいまだ出口が一向に見えず、深刻な影響をもたらす
「海の2024年問題」
と呼ばれています。
身近なところでは、ちょっと前にセイコーマートのナポリタンスパゲティが品薄になったり、
オリーブオイルが干ばつの影響とスエズ運河航行難の複合的要因で店頭から消えかかったり、ぼちぼち影響が出始めていますね。

さて、世界情勢も激変のさ中日本国内も大きな転換点を迎えています。
4月からトラックドライバーに時間外労働の上限規制が適用され、これら働き方改革関連法の施行によって起こると考えられているさまざまな問題
長距離輸送が困難になる、企業の人材確保の動きや、法令違反による指導や処罰のリスク増加、など
輸送の効率化・健全化に伴い業界の構造変化をいやおうなしに直面させられる
「物流の2024年問題」がいよいよ現実のものとなりつつあります。

少し前になりますが、NHKスペシャルの
『物流激変2024~ニッポンは変われるのか~』(2024/4/27放送)

をU-NEXTで興味深く視聴しました。
ここで今回の物流業界の働き方改革によってどのような点が変更されるのかをおさらいしますと
☆トラックドライバーの年間の時間外労働時間の上限が960時間になること。おおむね1日あたり4時間以上残業すると、960時間を超えてしまう計算。
☆また1日の拘束時間も一日15時間までを上限とする(宿泊を伴う長距離は除く)ことが定められました。
これまで罰則がなく人手不足や長時間労働が常態化していたことから猶予されてきましたが、2024年4月から罰則付きの時間外労働の上限規制が適用されるということで
ようやく実効力のある規制が動き始めた、といったところでしょう。

このドキュメントの前半部分で触れられた、以下のフレーズが最も重要な部分だと感じました。
視聴者への前提情報として歴史的な流れを知って、現在のドライバーさんの過酷な労働環境がどんなプロセスで現況の有り様につながっていったのかが番組の前段で述べられていたのです。
独自付け足しでで周辺情報を少し補足してありますが、かいつまんで列記しますと

>1990年に国がおこなった規制緩和(物流二法)に端を発し
>バブル期で増えた物流量に対応するため、新規参入を容易にしたところ、運送事業者の数が1.5倍に急増。
>過剰なサービス(無償で品出しとか)や安い運賃での差別化を余儀なくされ過当競争が起こり事業者が小規模・零細化。
>どこかの下請けに入らざるを得ないという実態もあって、多重下請け構造が作られていった。
>荷主の要求に従わないと「じゃあよその会社に頼むわ」の一言で断られてしまう、圧倒的に弱い立場
>運賃の値上げもままならないパワーバランスの構図と荷主と物流業者の不合理な商慣習
>この構造は4月以降も変わっていない

・・・なかなか厳しい話でしたが、新しい話題もあります。
中継輸送だとか業界再編M&Aだとか荷主であるスーパーが荷下ろし作業を負担軽減する
などなど、うっすら希望の持てそうなこころみも採り上げられており、今後も継続的に動向を注視していこうという気構えにさせてくれました。
くわしい内容などは動画配信各社やNHKオンデマンドでぜひこの目で確かめてみてください。


と、いうわけで導入が少し長くなってしまいましたが
人をのせて、荷物をのせて・・・今回のテーマは物流や旅客輸送に従事している方々に焦点を当ててみました。
社会問題からビジネス用語、あるいは名物スポットまでドライバー業界のキートピックを独自に10個選び、
時間経過でのつぶやき数を並行して集計してみました。
調査はおなじみのYahooリアルタイム検索アプリを使っての定点観測となっております。

調査項目はコチラ↓

ちょっとここらで
結果を見るより一足先に各項目のひとこと解説をどうぞ

【ドライバー業界:注目ワード:ひとこと解説】

デジタコ▶デジタル式運行記録計のことでトラックの稼働状況を記録する装置。運転日報機能が搭載されたデジタコが便利
ラストワンマイル▶最終拠点からエンドユーザーへの「届け先との最後の区間」(もともとは通信業界の用語だった)
貨客混載▶公共交通機関の空きスペースを活用し乗客と荷物を一緒に運ぶ。物流を共有することができるが積み替えなどの手間もある
置き配▶再配達を回避し、消費者/EC事業者/宅配事業者、3者にメリットがあるが、対面していないため誤配達のリスクもある
船詰神社▶兵庫県尼崎市にある、古事記にも謂れがある由緒正しき神社。交通運輸の神として親しまれている
ライドシェア▶タクシー不足を背景に一般のドライバーが自家用車を使って有償で人を運ぶ。実質的な白タク解禁で安全性に疑問が残る
ダブル連結トラック▶W連結トラックは指定された高速道路を走行し、かつ高速道路以外の通行は必要最小限としている。対象路線拡充中
日野オートプラザ▶八王子市の郊外に建つ「日野オートプラザ」。日野自動車の100年の歴史を辿る自動車、トラック、バスを展示する博物館
大型 AT限定▶人材確保の裾野を広げるため大型トラック・バスにAT限定免許を新設。2026年4月から順次導入
特定技能 自動車運送業▶在留資格の特定技能に「自動車運送業」を追加する方針を閣議決定。5年で2万4500人の外国人の受け入れ


集計結果は以下の通りです↓

調査期間:2024年5月22日-2024年5月24日(3日間くらい)

1.デジタコ               23
2.ラストワンマイル           36
3.貨客混載               3
4.置き配                999+
5.船詰神社               0
6.ライドシェア             942
7.ダブル連結トラック          3
8.日野オートプラザ           1
9.大型 AT限定             17
10.特定技能 自動車運送業         2


身近なところで起きている、物流・公共輸送機関の担い手の方々の奮闘努力には頭が下がるばかりです。
ここで今回の調査中にWebで目にした、気になるトピックがあったので皆様にも周知していきたいと思います。

2023年の8月にローソンが定番の6種類のおにぎりを「冷凍おにぎり」として実験販売を開始、サステナブルな社会を実現へ
――このニュースは2024年問題を視野に入れた象徴的なニュースだったのです。
この取り組みはフードロス削減や物流の負担軽減に寄与する新戦略なのですがこれが実に興味深い。
ニュースを追っていたらなんとわらわらと出てきました。
今後のコンビニ業界のお弁当コーナーが様変わりするのではないか?品数はどうなる?味はどうなる?
物流の効率化を見据えてセブンイレブンでは日配の配送を1日4回から3回に、
あるいはローソンも、弁当や総菜を店舗に運ぶ回数を1日3回から2回に減らす。すでに一部地域で導入しており、全国拡大を目指す。との報が。
各社とも賞味期限が長い冷凍弁当の開発に力を入れているほか、AIを使った配送ルートの合理化もすすめられている。
らしいです。
気になる所は味ですがおにぎりなんかはレンジで温めれば十分おいしい、具にもよるだろうけれど意外と高評価だったりします。
もしかしたら、冷凍への最適化に適応した意外な具のおにぎりが強プッシュされる可能性も出てきそうですね。
あとは弁当なんかの異なる具材をどうするのかというところですが各社商品開発にしのぎを削っているようです。
配送の見直しは、販売機会損失やドライバーの収入減なども難しいところですが、イケイケだったドミナント出店戦略にも見直しを迫られるフェーズに入ったのかもしれません。
いずれにしましても、私たちの食生活に「現状変更の試み」が次々に持ち込まれる潮流は今後もしばらく続きそうですね。

そろそろまとめに入りますと
物流は「輸配送」「保管」「荷役にやく」「包装」「流通加工」という5大機能にて構成されており、近年ではこれに加えて管理システムである「情報」を加えて6大機能とアップデートされることも多くなってきた、今なお非常にホットな領域です。

物流は
「経済の暗黒大陸」
「ビジネスでの未開拓領域」
「最も軽視され最も約束されるビジネス領域」
「企業が今なお効率的な活用方法を考えるエリア」である
という有名な言葉は、かのピーター・ドラッガーが1962年にビジネス雑誌『FORTUNE』の論文で指摘したものです。

・・・あれから62年余り経ちましたが、この言葉、ちっとも古くなっていないですね。
むしろその重要性はますます高まっている。
IT技術の進歩によりECと物流が統合されシステム化に加えて自動化・ロボット化も進められようとしています。
最近スーパーで見かけなくなった
味の素 クックドゥ きょうの大皿 豚バラ大根用
がネットショッピングで簡単に翌日に届いてくれるのも、配送ドライバーさんのラストワンマイルのおかげです。

今日も明日も、どこかで人や荷物を運んでがんばっている人がいる。
バスの運転手さんに軽く会釈をするとき、いつもありがとうございますと心の中でつぶやいてみよう。

◆◆◆おまけ◆◆◆

息抜きにネットから拾ってきました。他愛もない画像ですが。

境内でハマってしまった佐川急便を助けるヤマト運輸と日本郵便が話題に | ガールズちゃんねる - Girls Channel -
https://girlschannel.net/topics/7773/


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